ホーム > くらし・安全・環境 > 身近な生活 > ペットの管理・動物愛護 > 動物愛護管理のページ : 神奈川県 > 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
更新日:2025年7月8日
ここから本文です。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について説明しています。
SFTSは、マダニにより媒介されるSFTSウイルスによる感染症で、ヒトの主な初期症状は発熱、全身倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)で、重症化し、死亡することもあります。2011年に中国で初めて報告されて以降、日本、中国、韓国などで患者発生が確認されており、東アジアや東南アジアでの流行が示唆されています。
日本国内では、2013年1月にSFTSの患者が初めて確認されて以降、毎年60~100名程度の患者が報告されていましたが、2021年以降は、毎年100名を超える患者が報告されており、2023年は過去最高の133名の患者が報告されています。
マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(種類にもよりますが、成ダニでは、吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mm程度)のダニで、主に森林や草地に生息していますが、郊外、市街地でも生息しています。食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとマダニでは種類が異なります。
日本には、命名されているものだけで47種のマダニが生息するとされていますが、全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけではありません。これまでに実施された調査の結果、複数のマダニ種(フタトゲチマダニ、ヒゲナガチマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)からSFTSウイルスの遺伝子が検出されています。日本では少なくともフタトゲチマダニとキチマダニがヒトへの感染に関与しています。
【フタトゲチマダニ写真】(出典:神奈川県衛生研究所)
ヒトが感染する場合の多くは、SFTSウイルスを保有するマダニに刺されて感染すると考えられます。また、野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出された報告があり、SFTSウイルスに感染したペットのネコやイヌとの接触により感染したと考えられる症例も報告されています。
ネコやイヌがSFTSウイルスに感染すると、発熱や消化器症状などのヒトと同じような症状を示すことがあります。SFTSウイルスに感染し、発症している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染する可能性があり、実際に、ネコに咬まれたことが原因でヒトがSFTSウイルスに感染した事例が報告されています。ただし、健康なネコやイヌ、屋内のみで飼育されているネコやイヌからヒトがSFTSウイルスに感染した事例はこれまでに報告されていません。
マダニに刺されないようにすることが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに刺される危険性が高まりますので、草むらや藪など、マダニが多く生息する場所には、なるべく近づかないようにしましょう。散歩後にはペットの体表をチェックし、目の細かい櫛をかけることも効果的です。マダニが咬着している(しっかり食い込んでいる)場合は、無理に取らず、獣医師に除去してもらいましょう。また、ペットがマダニに刺されないようダニ駆除剤も有効ですので、獣医師に相談しましょう。
動物由来感染症に対する予防の観点からも、動物に触ったら必ず手を洗いましょう。動物を飼育している場合、過剰な触れ合い(口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝たりすることなど)は控えてください。飼育している動物の健康状態の変化に注意し、動物が体調不良の際には、マスク、手袋などを着用し、咬まれたり舐められたりしないように注意したうえで、動物病院で診てもらって下さい。
このページの所管所属は健康医療局 生活衛生部生活衛生課です。