農産物の上手な利用法(赤タマネギのピクルス/作り方のアドバイス)

掲載日:2018年3月9日
作り方のアドバイス

★タマネギの選別

赤タマネギは小さなものでよいのです。大きさが揃っていれば、揃ったもので作るとよいでしょう。また、大きな容器であれば、大きさが不ぞろいであっても大きさの不ぞろいはあまり気になりません。
収穫直後にピクルス加工できれば問題はないのですが、収穫してから時間が経つと発芽してきます。発芽の程度が少ないならば原料として問題はないのですが、茎が立ってくるようなものはタマネギが瘠せているので、使わないようにしてください。
写真:芽の出た赤タマネギ
収穫時に花芽が立っていたものは乾燥してくると、タマネギの内部が乾燥し、空間ができてきます。乾燥した内部はピックル液に浸けておいてもふっくらとふくらむことはありません。このようなタマネギはピクルスの原料に使わないようにしてください。写真:内部に隙間がある、花芽が立っていたタマネギ

★タマネギの皮剥き

タマネギの皮をたくさん剥くのは大変に手間がかかります。手早く皮を剥きたいものです。タマネギの一番外側の少し浮き上がった乾いた皮は軍手をした手で擦ると剥がれ落ちます。しかし、その内側にある乾いた皮はしっかりとしています。この皮は湿っていた方が剥き取りやすいので、水に浸け、吸水させた方が作業が早く進みます。また、埃も立たないので、ほこりがまわりに飛び散らないので、清潔な作業とすることができます。
実際に小タマネギの皮を剥いたときの例として、未調整の小タマネギ2.61kgは上下を切り、乾いたところを除くと2.44kgとなります。未調整の赤タマネギは35.8g/1個であり、調整後は35.4g/1個となります。写真:赤タマネギを入れたボウルに水を張る写真:水で湿らせた皮を剥く

★シナモン

シナモンはクスノキ科の常緑樹の樹皮を剥ぎ取って乾燥させたものです。日本でも古くから利用され「桂皮」「肉桂」と呼ばれています。シナモンにはシナモンとカシアがあるのですが、業界ではスリランカ産のものをシナモン、南中国からインドシナで産するものはカシアと呼び分けています。産地によって香りが少し異なりますが主たる成分はケイヒアルデヒドです。シナモンの野生の木は10から15mに達する大木にもなりますが、栽培ものは若木が生育したれ伐倒し、叢生してくる若枝を採取するので、3mくらいの潅木となります。その枝を年2回、雨季に伐採して皮を剥ぎとり、管状に丸めた樹皮を乾燥させたものがシナモンという香料になります。写真:シナモンスティック
 

★容器に入れるタマネギとピックル液の量

容器に入れるタマネギとピックル液に無駄はしたくないものです。タマネギはカサがあるので容器からあふれ出ない量に決まります。
では、ピックル液はどのくらい入るのか、知らなければ一定の味のピクルスはできません。 容器は実際にどのくらい入るのか、測定するのが手っ取り早く、容器に水を満杯に入れてみれば実際の容量が分かります。正確な秤があるならば、その秤を使って量ってください。
次に、水をだし、タマネギを入れて、重量を量ってください。容器の容量が分かり、その容器に入るタマネギの量が分かれば、ピックル液の必要量も分かります。
ピックル液=容器の容量-タマネギの量、となります。
写真の容器は4リットル容器として販売されていますが、実際は4.27リットル入ります。しかし、タマネギは2.0kg程度しか入りません。したがって空間の容量は4.27-2.0=2.27リットルとなります。ピックル液はこの空間容量を満たすだけの量が必要となります。写真:ピクルスの容器に水を入れ、重量を量る写真:容器にタマネギを入れ、重量を量る

★調味液の甘味と酸味

調味液を配合する前に、甘味と酸味をどのようにするか、決めなければなりません。一つの味の目安として温州ミカンの甘味と酸味を思い出してください。温州ミカンの酸味は0.8%、甘味は10%で、糖酸の割合は13となっています。温州ミカンではこの比率であるならば、こくのあるミカンと評価されています。
このタマネギのピクルスは漬物といいう感覚で作るので、ちょっと酸味が勝った方がよいかと考え、酸は1.2%、糖は8%、塩は1.2%としました。
塩が1.2%というのは塩味を強く感じない程度の塩分としたからです。塩分は2%を越えるとはっきりと塩分を感じ、3%ではかなり塩辛く感じます。
糖と塩はそのままの目方を量ればよいのですが、酸は食酢に含まれている酸の量から計算しなければなりません。正確には実際に測定すればよいのですが、商品であれば表示を確認する酸の含有量は分かります。一般的に食酢は4.5%程度の酸を含んでいるので、この値で計算すればよいでしょう。
計算するときには容器に注ぎ入れるピックル液の濃さを計算するのですが、間違えてはならないことがあります。それは、この計算をするときはピクルス全体の濃度を計算すること、ピックル液とタマネギが同じ味になったときの味・濃度を計算しなければなりません。写真:砂糖を量る写真:食酢を量る

★殺菌温度

ピクルスは酸が1%以上あり、保存性はあるのですが、それでも長く保存するうちには微生物の増殖による変質が発生することがあります。微生物の繁殖を防ぐため、加熱殺菌をします。殺菌の条件は温度が75℃、時間は30分で十分です。殺菌温度は75℃以上でよいのですが、あまり高くなると、タマネギが煮えて柔らかくなってしまうので、75℃が上限と考えた方がよいでしょう。
容器には75℃に加熱したタマネギ、酢を加え、最後に熱湯を加えています。室温状態で容器にタマネギや調味料を入れているので、温度が下がっています。そのため、容器に全てを入れたときに75℃であれば、改めて加温する必要がないからです。
写真:沸騰している熱湯を注ぎ入れる
確実に75℃を維持するならば、フタを閉めてからビンを75℃のスチームオーブンに20分間入れて確実に温度を確保する方がよいでしょう。写真:75℃のスチームオーブンに入れる写真:75℃のスチームオーブンに20分間

★ピクルスの食べ頃

ピクルスを仕込んだ直後はタマネギが浮びあがります。タマネギに比べ、ピックル液の比重が高いため、タマネギが浮かび上がるのです。1.5から2ヶ月くらいするとタマネギが沈んできます。ピックル液の成分がタマネギの中に浸透し、成分が同じになってきた証拠です。タマネギが沈んできたならばタマネギの芯まで同じ味になったことを意味します。
写真:左は製造直後、右は製造2ヵ月後写真:左は製造直後、右は製造2ヵ月後
ピクルスの食べ頃は何時になるかは、どのようなピクルスを食べたいかと係わってきます。製造後2から3ヶ月経てば、均一な味のピクルスを食べることができます。浅漬けのような芯までは均一な味になっていないピクルスならば、漬け込み直後から1ヶ月くらいが食べ頃になります。当然のことながら、漬け込んでからの日が浅ければ、ピックル液の濃度が高いので、タマネギの外側部分と芯ではかなり味が異なります。写真:漬けあがった赤タマネギのピクルス写真:食器に盛った赤タマネギのピクルス

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