ホーム > 産業・働く > 業種別情報 > 農業 > 農産物の上手な利用法(レモンマーマレード/作り方のアドバイス)

更新日:2024年1月19日

ここから本文です。

農産物の上手な利用法(レモンマーマレード/作り方のアドバイス)

「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。

作り方のアドバイス

★ペクチン液の加熱

焦がさないように鍋底や鍋のフチをヘラで擦るように攪拌して下さい。火が強いと鍋のフチに付いたペクチン液がこびりつき、焦げてきます。焦げそうになったら濡れ布巾で拭き取って下さい。でも、焦げるのが心配だからといって、弱火でトロトロと加熱すると、加熱時間が長くなり、ペクチンが分解し、凝固力が弱まります。焦がさないよう、可能な限り強い火で加熱して下さい。

★砂糖の添加

裏ごし果肉が沸騰したら、分量の砂糖を全部加えますが、一気にザッと加えると鍋底に砂糖がたまり、こびりつき、焦げる原因ともなります。沸騰したペクチン液を攪拌しながら加え、砂糖が鍋底に溜まらないようにサーッと加えて下さい。
砂糖が入ると鍋底が焦げやすくなるので、焦がさないように鍋底をヘラで擦るように攪拌して下さい。鍋のフチに付いた果肉も焦げやすいので注意して下さい。

★煮詰め具合の確認

煮詰め具合いの確認は攪拌しているしゃもじにつく果肉の状態、スプーンですくい取った時の流れる状態、冷水を入れたコップに滴下したときの果肉の状態、冷えた皿・プレートに薄くつけて斜めにしたときの流れる状態など、いろいろな方法で煮詰め具合(ゲル化状況)が確認できます。
しゃもじについた果肉がサッと流れるなら煮詰め不足、モッタリとしてくればOK。スプーンに採った果肉をちょっと冷まして傾けたときサッと落ちずにポッリとしているならOK。冷水に果肉を滴下したとき花火にの様にパーッと散るなら煮詰め不足、コップの底までミズクラゲの様にプヨプヨと沈んでいけばOK。皿・プレートにつけた場合、立てたらスーッと流れたら煮詰め不足、ちょっと流れてスッと止まればOK。その他、温度で濃縮度合を確認することができます。何度かマーマレードを作って、頃合を確認して下さい。

★アク取りの隠し技

加熱を終了し、レンジからおろすと表面にアワ・アクが浮いて来ます。このアワ・アクがマーマレードに入ると見た目が非常に悪くなってしまいます。このアワ・アクを取るため、マーマレードの表面にラップフィルムまたはアルミホイルをのせるとアワ・アクがついてしまい、アワのない、きれいなマーマレードとなります。

★ジャムビンとフタ

ビンは広口の140~250ccのビンがお手頃。空きビンも利用できますが、ビンの口が欠けたり、ヒビのあるものは絶対に使わないで下さい。口が欠けたり、ヒビのあるビンは温度がかかったときや急に冷やしたりちょっとした衝撃で割れることもあります。マーマレードを無駄にするばかりでなく、思わぬところでケガをすることにもなります。
フタは一度使ったものはパッキンが凹んで、緩くなっています。長く保存するためには、新しいフタを使って下さい。
ビンとフタはきれいに洗い、蒸気の上がった蒸し器に口を下向きにして入れ、内部に水が溜まらないようにして加熱して下さい。ビンとフタはマーマレードを詰めるまで蒸し器に入れて、熱くしておきましょう。

★ジャムのビン充填

マーマレードは熱いうちに、熱いビンに詰めなければなりません。マーマレードやビンの温度が低いと脱気の時間を長くしなければなりません。きれいで、おいしいマーマレードは手早く作って、手早くビンに詰め、殺菌するのが肝要です。
マーマレードはビンの口の上端から6~8mmくらいまで入れて下さい。140ccのビンなら155g、200ccのビンなら215gくらい入ります。

★ビン充填の隠し技

ビンの口を汚さないため片口レードル、片口、太口のロートなどを用いることは有効です。静かにロートの壁に沿わせるようにしてビンに注ぎ込み、不要な空気のアワを抱き込ませないようにしてください。マーマレードのなかには空気のアワをできるだき入れないようにしましょう。

★脱気殺菌

脱気はマーマレードとフタの間に残る空気・酸素を減らすために行います。ビンの大きさ、ビンに入っているマーマレードの温度によって異なることは言うまでもありません。加熱によりビンの中に残った空気を膨張させ、希薄にした状態でフタをキュッと締め、減圧状態にします。軽くフタをしたビンを蒸気の上がった蒸し器に入れ、マーマレードの中心温度を90℃以上なるまで加熱します。140g~200gビンに熱いマーマレードを入れた場合では15~20分程度加熱します。

★倒立放冷

脱気殺菌が終了したら、フタをキュッと閉め、ビンを逆さにします。熱いマーマレードが下になったフタにもまんべんなく触れます。30分間、ビンを逆さにしておくことで、ビンの中に残っている耐熱性の微生物も生育することができなくなります。また、フタの締めかたが緩かったり、ビンの口に傷があったりして、すき間があると、ビンを逆さにしたときにジャムが吹き出してきます。このジャムの長期保存はあきらめて下さい。すぐに食べてしまいましょう。

★流水冷却

倒立放冷の終了したマーマレードに高温は不要です。ビンを水に浸けてマーマレードの温度を下げるとともに、ビンについた汚れを洗い流します。マーマレードがわずかな温もりを持つ程度になったら、ビンの外側やフタが清浄かどうか、確認しながら水から取り出し、きれいな布巾でビンやフタの水気を拭き取って下さい。完全に冷えているより、少しの温もりがあった方がふき取れなかった水分が早く乾きます。

★ラベル

製造に係わる情報(マーマレードの名前・材料の種類・材料の配合・作った年月日など)を付けたラベルを貼りましょう。

★保存

マーマレードは冷暗所に保存して下さい。こうやって作ったマーマレードはフタを開けない限り、腐敗することはありません。しかし、温度の高いところ、明るいところに長くおくと、マーマレードの糖、酸、ペクチン、色素などが化学反応をおこし、色が変わったり、柔らかくなったり、水分が分離してきます。また、香りも悪くなってきます。
ビンに詰めたままのマーマレードは長く保存できますが、フタを開けたマーマレードは糖分が多くても、少なくてもカビが生えたり、味や香りが悪くなり、長く保存することは難しくなります。フタを開けたマーマレードは冷蔵庫に入れて保管し、なるべく早く食べてしまいましょう。
レモンマーマレードの材料へ
レモンマーマレードの作り方へ
農産物の上手な利用法へ戻る

このページに関するお問い合わせ先

生産環境部(品質機能研究課)
電話 0463-58-0333 内線344から345

このページの所管所属は 農業技術センターです。