あっせんで解決した事例

掲載日:2018年12月20日

春闘要求をめぐって

B交通は、組合が提出した春闘要求書に対し、スト回避を最優先として譲歩案を示しましたが、これに不満を持つ組合は、ストライキを構えて交渉に臨む姿勢を示しました。労使間の協議は継続しましたが、組合は更にストを行う意向を示したため、断続的に協議したものの合意に至らず、組合は24時間ストを決行しました。
 会社は、スト決行による打撃が大きいことを理由に、賃上げ要求には応じかねると主張したのに対し、組合は、乗務員の勤労意欲向上のために、賃上げは不可欠で、あくまでも賃上げを目指す姿勢を示し、再びストライキを行う意欲を示したため、会社は、労働委員会にあっせんの申請をしました。
 あっせんは3回行われ、あっせん員が労使双方の主張を調整した結果、給与について一定額の上乗せをすることや、良好な労使関係を確立するため双方とも努力する旨の協定が締結され、円満に解決しました。


雇い止めの撤回と雇用継続を求めて

Aさんは、毎年契約を更新する契約社員として入社しました。ある日、会社から帰宅する途中に交通事故に遭い、下半身麻痺の重症を負いました。たまたま契約更新時期と重なり、手続きができずにいると、会社から更新しないと言われました。納得できなかったAさんは、地域の組合に加入し、会社と交渉を重ねましたが進展しないため、労働委員会へあっせんの申請をしました。
 あっせんは2回行われ、Aさんは雇い止めの撤回、雇用継続を求めましたが、会社は契約期間満了として、契約更新を拒否しました。そこで、あっせん員は双方の主張を調整し、Aさんの円満退職と見舞金の支払い等を約束する協定が結ばれ、円満に解決しました。


給与体系の変更をめぐって

会社からB組合へ給与体系の変更についての提案があり、労使の話合いが行われましたが、組合は、大幅な賃金カットを内容とする提案なので、会社提案を拒否しました。会社は、組合との合意がないままに、給与体系の変更を強行したため、組合は、労働委員会にあっせんの申請をしました。
 あっせんは2回行われ、組合は、給与体系の変更は労使間の合意に基づいて行うべきと主張したのに対し、会社は、新しい給与体系の導入に理解を求めるよう主張し、組合の要求を拒否しました。そこで、あっせん員が労使双方の主張を調整した結果、労使間で「給与制度改定に関する労使専門委員会」の設置等を内容とする協定が結ばれ、円満に解決しました。


退職をめぐって

清掃会社に勤務するCさんは、ある日、ビル清掃中に些細なミスをしてしまい、そのことを社長の妻から声高になじられたため、無断で作業を中断して帰宅してしまいました。Cさんは、翌日も欠勤し、翌々日になり会社へ連絡したものの、社長から「もう来なくていい」と言われたため、解雇されたものと理解して、地域の組合へ加入しました。組合は会社とCさんの退職条件について話し合いましたが、進展がなかったため、労働委員会へあっせんの申請をしました。
 あっせんは1回行われ、Cさんは自分の勤務態度を反省しましたが、会社は、今回の対応はやむを得ない措置であったことを主張しました。あっせん員が労使双方の主張を調整した結果、Cさんが会社に十分謝罪していることや、長年の仕事への貢献を認め、会社都合による離職証明書の発行と退職金の支給を内容とする協定が結ばれ、円満に解決しました。


セクハラ問題をめぐって

Aさんは、自宅近くの会社へパートで入社した30代の女性ですが、入社後、社長から執拗なセクハラを受け、心身ともに不安定な状態になり、会社を休業せざるを得なくなりました。Aさんは、地域の組合に加入し、休業補償等をめぐり会社と交渉を開始しました。
 これに対し会社は、Aさんの主張するセクハラは事実無根であり、問題は組合との団体交渉ではなく、個人の問題として裁判で解決すべきとして、休業補償の問題と切り離して交渉することを主張しました。この間、Aさんは生活費からの貸し付けや社会保険料個人負担分の立て替えを行ってきたところ、組合は、Aさんの病状から退職はやむを得ないとして、セクハラ問題に係る解決金の支払いを求めてきました。
 その後、交渉は進展が見られず、組合がビラ撒きなどの争議行為を示唆したため、会社は、労働委員会にあっせんの申請をしました。
 あっせんは1回行われ、あっせん員が会社に対して、セクハラ問題を含めた解決のための傷病手当金に、一定額を上乗せした休業期間中の賃金相当額を支払うことは、セクハラ裁判事例から判断して決して高額ではないことを指摘し、また、Aさんに対しては、いわゆる同族会社で家族と共に働いている社長の立場を配慮し、セクハラを認めて謝罪するということにこだわらず解決を図ることを勧めました。その結果、双方が納得する内容の協定が結ばれ、円満に解決しました。