農産物の上手な利用法(ミカンジャム・作り方のアドバイス)

掲載日:2014年3月26日
作り方のアドバイス

★ミカンの水洗

 ミカンは表面についている汚れを水で、サッと洗ってください。皮は剥いてしまうので、ゴシゴシと擦る必要はありません。ザルに入れ、上から水を流すだけで十分です。
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★ミカンの湯煎

 温州ミカンは皮が柔らかく、手で簡単に剥くことができますが、沸騰水で湯煎した方が皮が浮いて、剥きやすくなります。少量の加工の場合は湯煎をしなくても問題は少ないのですが、大量になると皮を浮かせた方が簡単に、そしてきれいに剥くことができます。一手間かけても労力的に楽になるので、湯煎をするようにしてください。たっぷりの沸騰水を準備して、湯煎してください。
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湯煎する時間は30秒から1分程度でよいのですが、多少長くなっても問題はありません。湯煎した後は速やかに冷水に入れて、冷やしてください。
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★ミカンの剥皮

 湯煎したミカンは皮が浮いて、皮と袋が離れています。袋の上にへばり付いている筋は無理にはがし取る必要はないのですが、湯煎すると皮の方に付いて、袋から外れてしまいます。
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 皮は指で簡単に、クリッと剥き取ることできます。
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★ミカンの半切り

 温州ミカンはどうしても半分に切らなければならないことはありません。袋が柔らかく、丸ごとミキサーにかけても直ぐに砕けてしまいます。ここで、半分に切るのは温州ミカンには種が無いことになっていますが、時々種のしっかりと入っているものがあります。種をミキサーで砕くと種の苦味が混じりこんで、ジャムが苦くなってしまいます。この万が一に備えて、判割りにして種の存在を確認するのです。量が少なければ、直ぐにできるので、煩雑に感じることはないでしょう。
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★ミキサーでの破砕

 ミキサーを使って、加熱前と加熱後の2回、ミカンを破砕をします。温州ミカンの袋が柔らかいといっても加熱前の破砕では袋の大きな破片が残っています。
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 30分間の加熱・沸騰で袋は柔らかくなり、手で押しつぶすとズルッと解けるようになります。このような状態になったら、もう一度ミキサーに入れて、破砕してください。2回目の処理で全体がペースト状になります。
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★ミキサーの水洗い

 ミキサーで2回の処理しますが、その都度水を使って、洗い込んでください。
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★砂糖の添加

 ミカンの下煮が終了したら、分量の砂糖を全部加えますが、一気にザッと加えると鍋底に砂糖がたまり、こびりつき、焦げる原因ともなります。沸騰したミカンを攪拌しながら砂糖を加え、砂糖が鍋底に溜まらないようにサーッと加えて下さい。
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★レモン果汁の添加

 ミカンは時期によっては酸味が抜けて、甘く、食べやすくなっています。しかし、酸味が抜けてしまうと、ペクチンのゼリー化しにくくなってしまいます。ミカンに含まれるペクチンはpHが3.5以下にならないと良好なゼリーとはなりません。年を越えた、3~4月のミカンは品種にもよりますが、pHが4以上あります。そのようなミカンでジャムを作ってもトロトロするだけで、ゼリー化はしてきません。レモン果汁を加え、pHを3.5以下にすると良好なゼリー化をするようになります。年明け前の酸っぱいミカンの方がジャムには適しています。ミカンの売れ残りや食べ残りを使う場合は酸味があるかどうか確認し、酸味がなければ、レモン果汁あるいはクエン酸を加えてください。

★ジャムの加熱

 加熱することで水分が蒸発していきます。750gのミカンと500gの砂糖を使って糖度60~65%に仕上げると、920gとなります。水がどのくらい蒸発したかは、鍋ごと秤にかけると一目瞭然となります。これをするには鍋やヘラの目方は始めに計っておかねばなりません。
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 ミカンジャムを色よく、香り良く仕上げるには、強火で加熱し、一気に濃縮した方が良いのですが、鍋のふちに付いたミカンが焦げ付くことがあります。鍋のふちに付いたミカンが焦げてきたら、濡れたタオルでふき取ってください。こげたミカンがジャムに入るとほんの少しの時はわずかなカラメル臭でそれなりの香りとして特長にもなりますが、カラメル臭は強くなるとミカン本来の香りの邪魔になります。焦がさないよう、気をつけた加熱してください。
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★煮詰め具合の確認

 煮詰め具合いの確認は攪拌しているしゃもじにつく果肉の状態、スプーンですくい取った時の流れる状態、冷水を入れたコップに滴下したときの果肉の状態、冷えた皿・プレートに薄くつけて斜めにしたときの流れる状態など、いろいろな方法で煮詰め具合(ゲル化状況)が確認できます。
 冷水に滴下する場合、いつも同じ温度の冷水が使えれば、ゼリー化の判断が楽になります。水道水を使うと元の水道水の温度が一定でないことや加熱調理している近くに水を入れたコップを置くため、温度がだんだんと上がってくるので、ゼリーの状態が微妙に違ってきます。それを防ぐため、氷塊を入れた冷水にしておくと、いつも0℃の水で、温度が安定しているため、ゼリー化の程度がいつも同じように判断できます。
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 しゃもじについた果肉がサッと流れるなら煮詰め不足、モッタリとしてくればOK。
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 スプーンに採った果肉をちょっと冷まして傾けたときサッと落ちずにポッリとしているならOK。冷水に果肉を滴下したとき花火にの様にパーッと散るなら煮詰め不足、コップの底までミズクラゲの様にプヨプヨと沈んでいけばOK。皿・プレートにつけた場合、立てたらスーッと流れたら煮詰め不足、ちょっと流れてスッと止まればOK。その他、温度で濃縮度合を確認することができます。何度かジャムを作って、頃合を確認して下さい。

★アク取りの隠し技

 加熱を終了し、レンジからおろすと表面にアワ・アクが浮いて来ます。このアワ・アクがジャムビンに入ると見た目が非常に悪くなってしまいます。このアワ・アクを取るため、ジャムの表面にラップフィルムまたはアルミホイルをのせるとアワ・アクがついてしまい、アワのない、きれいなジャムとなります。
 アワがとりきれず、ビンに入れてしまうとビンに入れたジャムの表面にアワの塊が浮いてきます。スプーンでチョコッと手早くすくい取るときれいなジャムになります。

★ジャムビンとフタ

 ジャムビンは広口の140~250mlのビンがお手頃です。大きなビンにいれると豪華、豪快なものですが、一度に使い切ることができず、長く冷蔵庫に入れて利用することになります。チョッと小さ目のほうが手軽に利用でき、いろいろな意味で省エネ、省資源になります。
 空きビンも利用できますが、ビンの口が欠けたり、ヒビのあるものは絶対に使わないで下さい。ジャムを入れてフタをしてもきちんと閉まらないため、長く保存することができません。また、加工中や保存中にビンが割れることもあります。ジャムを無駄にするばかりでなく、思わぬところでケガをすることにもなります。
 フタは一度使ったものはパッキンが凹んで、緩くなるので、長く保存するためには、新しいフタを使って下さい。
 ビンとフタはきれいに洗い、蒸気の上がった蒸し器に口を下向きにして入れ、内部に水が溜まらないようにして加熱して下さい。ビンとフタはジャムを詰めるまで蒸し器に入れて、熱くしておきましょう。
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★ジャムのビン充填

 ジャムは熱いうちに、熱いビンに詰めなければなりません。ジャムやビンの温度が低いと脱気殺菌の時間を長くしなければなりません。きれいで、おいしいジャムは手早く作って、手早くビンに詰め、殺菌するのが肝要です。
 ジャムはビンの口の上端から6~8mmくらいまで入れて下さい。140mlのビンなら155g、200mlのビンなら215gくらい入ります。
 ジャムビンの口を汚さないため片口レードル、片口、太口のロートなどを用いることは有効です。たこ焼きに使うタネオトシを利用するとビンの口を汚すことなく、手早く作業ができます。
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 ビンの口辺上部やネジ部分にジャムを付けたときは濡れ布巾できれいに拭い取ってください。ジャム付いたままにするとジャムの変質やカビ発生の原因となります。

★脱気殺菌

 脱気はジャムとフタの間に残る空気・酸素を減らすために行います。ビンの大きさ、ビンに入っているジャムの温度によって異なることは言うまでもありません。加熱によりビンの中に残った空気を膨張させ、希薄にした状態でフタをキュッと締め、減圧状態にします。軽くフタをしたジャムビンを蒸気の上がった蒸し器に入れ、ジャムの中心温度を90℃以上なるまで加熱します。140g~200gビンに熱いジャムを入れた場合では10~15分程度加熱します。
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★倒立放冷

 脱気殺菌が終了したら、フタをキュッと閉め、ビンを逆さにします。熱いジャムが下になったフタにもまんべんなく触れます。30分間、ビンを逆さにしておくことで、ビンの中に残っている耐熱性の微生物も生育することができなくなります。また、フタの締めかたが緩かったり、ビンの口に傷があったりして、すき間があると、ビンを逆さにしたときにジャムが吹き出してきます。このジャムの長期保存はあきらめて下さい。すぐに食べてしまいましょう。
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★流水冷却

 倒立放冷の終了したジャムに高温は不要です。ビンを水に浸けてジャムの温度を下げるとともに、ビンの外側についた汚れを洗い流します。ジャムがわずかな温もりを持つ程度になったら、ビンの外側やフタが清浄かどうか、確認しながら水から取り出し、きれいな布巾でビンやフタの水気を拭き取って下さい。完全に冷えているより、少しの温もりがあった方がふき取れなかった水分が早く乾きます。
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★ラベル

 製造に係わる情報(ジャムの名前・材料の種類・材料の配合・作った年月日など)を付けたラベルを貼りましょう。
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★保存

 ジャムは冷暗所に保存して下さい。こうやって作ったジャムはフタを開けない限り、腐敗することはありません。しかし、温度の高いところ、明るいところに長くおくと、ジャムの糖、酸、ペクチン、色素などが化学反応をおこし、色が変わったり、柔らかくなったり、水分が分離してきます。また、香りも悪くなってきます。
 ビンに詰めたままのジャムは色の変化やゼリーの硬化などがありますが、長く保存できます。しかし、フタを開けたジャムは糖分が多くても、少なくてもカビが生えたり、味や香りが急激に変化し、長く保存することは難しくなります。フタを開けたジャムは冷蔵庫に入れて保管し、なるべく早く食べてしまいましょう。

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