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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第236

平成24年8月24日発行
病原体検出は平成24年6月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成24年6月

<検出状況>

  • 6月の病原体検出数は合計72件、細菌は40件、ウイルス・リケッチアは32件であった。
       
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が17件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が19件、ウイルスが30件、基幹定点からウイルスが1件、その他の医療機関から細菌が4件、ウイルスが1件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成24年6月

  • マイコプラズマ肺炎患者11検体中9検体から、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ ニューモニエ)がPCRおよび分離培養によって検出された。昨年(平成23年)9月から今年の2月を除き肺炎マイコプラズマの検出が続いている。
  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者18検体中12検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型はT12が8件、T28が2件およびT1、T4が各1件である。今年に入り、一番多い検出数である。
  • 百日咳患者6検体中1検体から、百日咳菌がPCRによって検出された。
  • レジオネラ患者2検体中1検体から、レジオネラ ニューモフィラ1群が検出された。
  • 依頼検査でサルモネラ O4群が2検体から検出された(無症状病原体保有者)。血清型はS. SchwarzengrundとS. Typhimuriumが各1件である。
  • 腸管出血性大腸菌の検出が7件と多く、県域では5検体から(食中毒1事例4検体、この関連で無症状病原体保有者1検体)腸管出血性大腸菌 O157、VT1&2が検出された。
    藤沢市保健所管内では、腸管出血性大腸菌感染症届け出患者家族2体中1検体より、腸管出血性大腸菌 OUT:HUT、VT2および毒素原性大腸菌 O128 、LT が同時検出され、もう1検体より腸管出血性大腸菌 O145:H-、VT1が検出された。
  • バーベキューによる食中毒1事例5検体からカンピロバクター ジェジュニが検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成24年6月

 

 

表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成24年6月

  • 咽頭結膜熱は9例中8例から、アデノウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス2型4例、同3型3例、同5型1例であった。
  • 手足口病は、9例中4例からコクサッキーウイルスA16型が検出された。
  • ヘルパンギーナは、8例中6例からエンテロウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA4型4例、同5型1例、エコーウイルス6型1例であった。
  • 感染性胃腸炎は、27例中12例から下痢症の原因となるウイルスが検出された。その内訳は、ロタウイルス5例、アデノウイルス3例、ノロウイルス2例、アストロウイルス2例であった。
  • 無菌性髄膜炎2事例中1事例よりコクサッキーウイルスB1型が、もう1事例よりライノウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成24年6月

 
 

 



表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成24年6月

 
  • 浴槽水4検体から、レジオネラ ニューモフィラが検出された。血清型は、レジオネラ ニューモフィラ UT が3検体、レジオネラ ニューモフィラ UTと4群の同時検出が1検体であった。

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