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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第230

平成24年2月29日発行
病原体検出は平成23年12月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成23年12月

<検出状況>

  • 12月の病原体検出数は合計171件、細菌は32件、ウイルス・リケッチアは139件であった。
    平成23年の病原体検出総数は合計1696件で昨年(1188件)より508件増加し、細菌は104件、ウイルスは404件の増加であった。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が16件、ウイルス・リケッチアが74件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が9件、ウイルスが62件、インフルエンザ定点からウイルスが1件、基幹定点からウイルスが1件、その他の医療機関から細菌が7件、ウイルスが1件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成23年12月

  • カンピロバクター・ジェジュニが横須賀市保健所管内で2検体から、藤沢市保健所管内で1検体から検出された。秦野保健福祉事務所管内で発生した食中毒事例では、3検体からカンピロバクター・ジェジュニが検出された。平成23年のカンピロバクター・ジェジュニとコリの検出総数は58件で昨年(41件)より17件増加した。
  • ウエルシュ菌が横須賀市保健所管内で1検体から検出された。平成23年のウエルシュ菌検出総数は45件であった。昨年のウエルシュ菌検出は無かった。
  • 小児科定点のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者におけるA群溶血レンサ球菌分離成績は、検体数7件中6件が陽性で、T型はT28が3件、T12が2件、T4が1件であった。平成23年の検出総数は62件で昨年(36件)より26件増加した。
  • 小児科定点および医療機関のマイコプラズマ肺炎患者から13検体中8検体で、肺炎マイコプラズマがPCRで検出された。分離培養はPCRで検出された8検体において陽性が4件、判定不可(雑菌増殖)が4件であった。平成23年はマイコプラズマ肺炎患者の検査依頼が9月以降増え、検出総数は37件で昨年(8件)より29件増加した。
  • 依頼検査で11月に引き続き、サルモネラO7群(S.Infantis)が、無症状病原体保有者1検体から検出された。平成23年は、サルモネラ属菌が無症状病原体保有者5検体から検出されている。血清型は、S.Infantis(O7群)が一番多く3検体より、S.Stanley(O4群)とS.Potsdam(O4群)が各1検体より検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成23年12月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成23年12月

  • RSウイルスの検出が9月から続いており、12月も4件検出された。  
  • 12月に入り、感染性胃腸炎患者からのノロウイルス検出が急増し、検出されたウイルスの9割近くを占めている。
  • インフルエンザ様患者の集団発生は2事例で、1事例5検体からインフルエンザウイルスAH3(A香港)型、1事例4検体からインフルエンザウイルスB型が検出された。また、定点医療機関の患者検体からもAH3(A香港)型が12件検出されており、AH3(A香港)型が今シーズンインフルエンザ流行の主流となることが予測される。
  • 食中毒様胃腸炎の発生は13事例で、便117検体について検査を実施したところ、11事例からノロウイルスが55件検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成23年12月

 
 

 


表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成23年12月


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