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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第229

平成24年1月25日発行
病原体検出は平成23年11月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成23年11月

<検出状況>

  • 11月の病原体検出数は合計126件、細菌は64件、ウイルス・リケッチアは62件であった。
    細菌の検出数は、横須賀市保健所管内の食中毒事例からの菌検出により、前月と比べて47件増加した。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が41件、ウイルス・リケッチアが36件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が17件、ウイルスが25件、インフルエンザ定点からウイルスが1件、その他の医療機関から細菌が6件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成23年11月

  • 小児科定点のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者におけるA群溶血レンサ球菌分離成績は、検体数5件中4件が陽性で、T型はT12が2件、T1およびT4が1件であった。  
  • 平成23年のマイコプラズマ肺炎の患者報告数は、第33週(8/15~8/21)以降、例年の同時期と比較して、多くなっている。小児科定点、基幹定点および医療機関のマイコプラズマ肺炎患者からも26検体中16検体で肺炎マイコプラズマがPCRで検出された。    
    分離培養はPCRで検出された16検体において陽性が4件、陰性が9件、判定不可(雑菌増殖)が3件であった。
  • 横須賀市保健所管内の食中毒1事例、34検体よりウエルシュ菌が検出された。Hobbs型別は不能。
  • 依頼検査でサルモネラO7群(S.Infantis)が、無症状病原体保有者1検体から検出された。   
    平成23は11月までに、サルモネラ属菌が無症状病原体保有者4検体から検出された。血清型は、S.Infantis(O7群)2検体、S.Stanley(O4群)とS.Potsdam(O4群)が各1検体。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成23年11月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成23年11月

  • つつが虫病が疑われた患者15例の検査依頼があり、全例の検体からオリエンチア ツツガムシ(つつが虫病リケッチア)が検出された。推定感染地域は、足柄・秦野地域が11例であった。  
  • RSウイルス感染症が疑われた患者16例の検査依頼があり、RSウイルスが7件、パラインフルエンザウイルス1型が3件検出された。
  • 7月から10月の間、定点医療機関検体からの検出がなかったノロウイルスが11月に入り3件検出され、ノロウイルス流行の始まりとみられる。
  • 食中毒様胃腸炎の発生は12事例で、便78検体について検査を実施したところ、5事例からノロウイルスが21件検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成23年11月

 
 

 



表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成23年11月


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