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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第225

平成23年 10月 4日発行
病原体検出は平成23年7月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成23年7月

<検出状況>

  • 7月の病原体検出数は合計81件、細菌は23件、ウイルス・リケッチアは60件であった。
    前月と比べて検出数が細菌は22件から23件に、ウイルス・リケッチアは27件から60件に増加した。
     
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が16件、ウイルス・リケッチアが2件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が7件、ウイルスが55件、眼科定点からウイルスが2件、基幹定点からウイルスが1件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成23年7月

  • 小児科定点の感染性胃腸炎患者1検体から、カンピロバクター・ジェジュニが検出された。他自治体の依頼調査からもカンピロバクター・ジェジュニが検出された。1月から7月までのカンピロバクター・ジェジュニ/コリの検出数は42件で、昨年1年間のカンピロバクター・ジェジュニ/コリの検出数41件を超えた。
  • 小児科定点および医療機関の百日咳患者における百日咳菌分離成績は、検体数9件中4件(44.4%)が陽性であった。
  • 藤沢市保健所管内の食中毒1事例10検体からウエルシュ菌が検出された。Hobbsの血清型別は不能。
  • 腸管出血性大腸菌EHEC O103:H2 VT1が藤沢市保健所管内の届出患者の家族から1件検出された。
  • 小児科定点のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者におけるA群溶血レンサ球菌分離成績は、検体数2件中1件(50.0%)が陽性で、T型はT11であった。
  • レジオネラ症患者1検体から、レジオネラ・ニューモフィラ1群が検出された。昨年も6月に1群が1件検出されている。ヒトからの菌の分離例は少ない。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成23年7月



表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成23年7月

  • 感染性胃腸炎患者から検出されるウイルスのうち、アデノウイルスが6月に引き続き7月も検出されたが、ロタウイルス、ノロウイルス、サポウイルス、アストロウイルスは7月は検出されなかった。
  • 7月に入り、手足口病とヘルパンギーナの検査依頼件数が急増した。西日本で多く報告されているコクサッキーウイルスA6型が、手足口病患者から19件、ヘルパンギーナ患者から8件検出された。
  • 咽頭結膜熱の検査依頼件数がやや増加し、アデノウイルス2、3、5型が検出された。
  • 麻しん疑い例の検査依頼が9件あったが、いずれからも麻疹ウイルスは検出されなかった。
  • 基幹定点から無菌性髄膜炎の依頼が2件あり、1件からコクサッキーウイルスB5型が検出された。
  • 食中毒様胃腸炎は4事例16検体で、2事例2検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成23年7月

 


表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成23年7月


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