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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第224

平成23年8月31日発行
病原体検出は平成23年6月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成23年6月

<検出状況>

  • 6月の病原体検出数は合計49件、細菌は22件、ウイルス・リケッチアは27件であった。
    前月と比べて検出数が細菌は20件から22件に増加し、ウイルス・リケッチアは45件から27件に減少した。
     
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が11件、ウイルス・リケッチアが7件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が11件、ウイルスが20件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成23年6月

  • 依頼検査で、サルモネラ O7群(S.Potsdam)が、無症状病原体保有者1検体から検出された。今年は1月~6月までに、サルモネラ属菌が無症状病原体保有者3検体から検出されている。血清型は、1月がS.Infantis(O7群)、4月がS.Stanley(O4群)、6月がS.Potsdam(O7群)であった。昨年の依頼検査で、病原細菌検出は1検体のみで、9月にEHEC O157(VT1&VT2)が無症状病原体保有者から検出された。
  •   県域の食中毒1事例より、3検体からC.jejuni が、2検体からC.coliが検出された。また、他自治体から依頼の食中毒関連からも、C.jejuni が1検体から検出されており、C.jejuni /coli の検出が続いている。
  • 腸管出血性大腸菌(EHEC)は、横須賀市でEHEC O157(VT1&VT2)が1検体から、県域でEHEC O111(VT1)が1検体から検出された。今年のEHECの検出は1月以来であった。
  • 小児科定点のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者における6月のA群溶血レンサ球菌は、検体数10件中7件(70.0%)が陽性で、T型はT1が2件、T4、T12、T25、T28、UTが各1件であった。検体数は、5月、6月と増加傾向にある。
    今年1月~6月のA群溶血レンサ球菌分離成績は、検体数60件中47件(78.3%)が陽性であった。T型の種類は8種類であり、T1型の分離頻度が最も高く18件(38.3%)で、以下、T28型が10件(21.3%)、T4型が6件(12.8%)の順で、これら3菌型で分離株の72.4%を占めた。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成23年6月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成23年6月

  • 感染性胃腸炎患者から検出されるウイルスのうち、アデノウイルスは、昨年は1月から5月まで毎月検出されていたが、今年は6月に初めて検出された。ロタウイルス、ノロウイルス、サポウイルス、アストロウイルスが引き続き検出されている。
  • 麻しん疑い例の検査依頼が県域6件、藤沢市7件の計13件あったが、いずれからも麻疹ウイルスは検出されなかった。
    また、横須賀市において5件の検査依頼があったが、麻疹ウイルスは検出されなかった。
  • 6月に入り手足口病とヘルパンギーナの報告数は増加してきたが、検査依頼件数は少なく、西日本で多く報告されているコクサッキーウイルスA6型が、手足口病およびヘルパンギーナ患者から各1件検出された。
  • 県域の食中毒様胃腸炎の発生は4事例29検体で、1事例4検体から遺伝子検出法でノロウイルスが検出された。
    また、他の自治体から依頼の食中毒関連3事例の便6検体中、1事例1検体から遺伝子検出法でノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成23年6月

 




表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成23年6月


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