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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第223

平成23年7月28日発行
病原体検出は平成23年5月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成23年5月

<検出状況>

  • 5月の病原体検出数は合計65件、細菌は20件、ウイルス・リケッチアは45件であった。
    前月と比べて検出数が細菌は15件から20件に、ウイルス・リケッチアも36件から45件に増加した。
     
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が8件、ウイルス・リケッチアが32件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が12件、ウイルスが13件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成23年5月

  • 横須賀市の食中毒1事例の患者5検体からカンピロバクター・ジェジュニが検出された。県域では他の自治体依頼の食中毒関連1検体から、藤沢市は行政検査1検体(症状無し)から、それぞれカンピロバクター・ジェジュニが検出された。
    2011年1月から5月までのカンピロバクター・ジェジュニ/コリの検出数は33件で昨年のカンピロバクター・ジェジュニ/コリの検出数(41件)の80%に達している。
  • A群溶血レンサ球菌咽頭炎は11検体中9検体(81.8%)からA群溶血レンサ球菌(血清型(T型)はT28とT4が各3件、T1、TB3264、UTが各1件)が検出された。
    今年に入ってT1、T4、T28がよく見られている。検体数は、5月は4月に比べ増加している。
  • 百日咳は4月より検体も増加し、流行の兆しがみえる。5月は7検体中1検体から百日咳菌が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成23年5月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成23年5月

  • 感染性胃腸炎患者から検出されるウイルスのうち、ノロウイルスは検出のピークを過ぎた後も引き続き検出されている。一方、12月から3月にかけて検出されていたサポウイルスは、4月には検出例がなかったが、5月には7検体から検出された。 
     また、感染性胃腸炎の集団発生1事例の便5検体中4検体からロタウイルスが検出された。
  • 麻しん疑い例の検査依頼が県域7件、藤沢市2件の計9件あったが、いずれからも麻疹ウイルスは検出されなかった。
    また、横須賀市において3件の検査依頼があったが、麻しんウイルスは検出されなかった。
    インフルエンザ様疾患は第18週(5月2日~7日)に終息し、その週に1検体からインフルエンザウイルスB型が検出されて以降インフルエンザウイルスの検出はない。
  • 手足口病とヘルパンギーナの流行は例年よりやや遅く検査依頼件数は少ないが、手足口病、ヘルパンギーナそれぞれ1検体からコクサッキーウイルスB1型が検出された。
  • 県域の食中毒様胃腸炎の発生は3事例(患者は6保健福祉事務所管内)41検体で、すべての事例の19検体から遺伝子検出法でノロウイルスが検出された。
    また、他の自治体から依頼の食中毒関連3事例の便7検体中、2事例6検体から遺伝子検出法でノロウイルスが検出された。
  • 藤沢市において他の自治体依頼食中毒関連調査が2件あり、1事例からノロウイルス、他の1事例からサポウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成23年5月

 


表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成23年5月


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