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2007/2008シーズンの
インフルエンザウイルス検出情報
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県域(横浜市、川崎市を除く)では、2007年38週(9/17~23)からインフルエンザ患者報告があがるようになり、46週(11/12~18)の定点あたり報告数は1.50と過去5年間で最も早い立ち上がりとなっています。
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1. 感染症発生動向調査
病原体定点(横須賀市と相模原市を除く県域)からは、39週(9/24~30)~48週(11/26~12/1)の間に14検体が搬入され、MDCK細胞およびCaco-2細胞を用いてウイルス分離とインフルエンザウイルス遺伝子検出を実施しました。そのうち2検体からインフルエンザウイルスAソ連型(H1)が分離されました。初発患者は39週に、2例目は41週(10/8~14)に、同じ医療機関を受診していました。
分離ウイルスは、国立感染症研究所から配布された2007/2008シーズンインフルエンザウイルス同定用キットおよび0.75%モルモット赤血球を用いて同定しました。その結果、2株ともに抗A/Solomon Islands/3/2006(ホモ価320)に対してHI価80、抗A/Hiroshima/52/2005(同640)、抗B/Malaysia/2506/2004(同640)、抗B/Shanghai/361/2002(同640)に対しては<10を示し、Aソ連型(H1)と同定されました。病原体定点からのインフルエンザウイルスの検出は、11月末現在、この2例のみでした。 |
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2. 集団かぜ
集団かぜは、 42週(10/15~21)に相模原市で発生したのが県域初発でした。以後、43週(10/22~28)に厚木地域、44週(10/29~11/4)に藤沢市と鎌倉地域、45週(11/5~11)に秦野地域、46週に茅ヶ崎地域と足柄上地域、48週に大和地域でそれぞれ発生報告があり、ほとんどが小学校低学年における発生でした。これら8集団37名のうがい液についてMDCK細胞およびCaco-2細胞を用いたウイルス分離とインフルエンザウイルス遺伝子検出を実施しました。その結果、全8集団の29名からインフルエンザウイルスAソ連型(H1)の遺伝子が検出されました。また、遺伝子が検出された29名中10名から同型のウイルスが分離されています。分離ウイルスは、抗 A/Solomon
Islands/3/2006 (ホモ価320)に対してHI価80~160、抗A/Hiroshima/52/2005(同640)、抗B/Malaysia/2506/2004(同640)、抗B/Shanghai/361/2002(同640)に対しては<10を示しました。
11月末現在、県域ではAソ連型(H1)のみが検出されていますが、近県(埼玉県および千葉県)ではA香港型(H3)が検出されたとの情報もあり、今後もインフルエンザの動向に注目する必要があります。
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(エイズ・インフルエンザウイルスグループ 渡邉 寿美) |
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