1 ノロウイルス感染集団発生の動向 |
2006/2007年シーズン(2006年10月~2007年2月末現在)は、ノロウイルスによる集団発生の報告が例年に比べて早くから増加し、集団事例も多発した。
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神奈川県域、横須賀市、相模原市及び藤沢市では、今シーズンは 54事例の集団発生があり、人-人感染が疑われるものが 17事例、食品媒介が疑われるものが13事例、感染経路不明が24事例であった(表1)。
また、診断名別では、「感染性胃腸炎」が 36事例(66.6%)、「食中毒」が11事例(20.4%)、「有症苦情」が7 事例(13.0%)であった。なお、横須賀市及び相模原市は、ともに「感染性胃腸炎(横須賀市;17事例、相模原市;1事例)」の集団発生のみであったが、藤沢市では「感染性胃腸炎」が5 事例、神奈川県域では13事例あり、「食中毒及び有症苦情」が藤沢市では1事例、神奈川県域では17事例であった。 |
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月別発生状況をみると、2006年10月から感染性胃腸炎患者報告数の上昇とともにノロウイルス感染集団事例が多発し、12月には54例中約半数の28事例が発生した。
診断名別に12月の発生状況をみると、「感染性胃腸炎」が28事例中20事例(71.4%)、「食中毒」が5 事例(17.9%)、「有症苦情」が3事例(10.7%)であった(図1、表2)。
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2 ノロウイルス感染集団発生におけるノロウイルス genogroup別の動向 |
ノロウイルスのgenogroupは大きくⅠ及びⅡに分けられており、2006/2007年シーズン(2006年10月~2007年2月末現在)では、集団発生54事例中53事例がノロウイルス genogroupⅡ(GⅡ)によるものであった。ノロウイルス genogroupⅠとⅡ(GⅠ+GⅡ)による集団発生は食中毒によるものであった(図2、表3)。 |
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3 ノロウイルス genogroup別の検出 |
2006/2007年シーズンの54事例の集団発生事例から、表4に示すように575件検出され、ノロウイルスGⅠは1件のみであった。 |
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( 企画情報部 折原直美 ) |