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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第162号

2006年5月
(2006年8月10日発行)



表1 病原体検出状況(保健所等別)−平成18年5月
検出概要
  • 5月の病原体検出数は合計33件、細菌16件、ウイルス17件であった。
  • 食中毒および感染症発生に伴う行政検査では細菌 8 件、ウイルス 3 件が検出されている。
    また、病原体定点からの検査では、細菌 8 件、ウイルス 14 件が検出されている。
検出状況
  • 腸管出血性大腸菌は、5月には6件検出された。
      そのうち2件は小田原保健所管内の腸管出血性大腸菌患者発生届に伴った関係者2 名から O 26:H11(VT1保有)が検出され 、他の3件は鎌倉保健所管内の患者の経過観察の検査から O 28ac:HNT(VT2保有)が3回(3件)検出された。 また、横須賀市保健所管内の医療機関の 散発下痢症患者から O157:H7(VT1、VT2保有)が1件検出された。
  • 厚木保健所管内で感染性胃腸炎の集団発生に伴いノロウイルスが 3件検出された。
  • 横須賀市では、神戸で発生した食中毒の関連調査から黄色ブドウ球菌が検出され、また、藤沢市では、有症苦情事例からカンピロバクタージェジュニーが 1 件検出された。
表2 病原体検出情報(疾患別) −平成18年5月
検出概要
  • 5月は、食中毒および感染症の集団発生事例が 2 事例あった。そのうち 1 事例(感染性胃腸炎)からノロウイルスが 3 件検出された。
検出状況
  • A 群溶血レンサ球菌が咽頭炎患者から6件検出された。その血清型は T1 ( 1 件)、 T3 ( 2 件)、 T13 ( 1 件)、 T25 (( 1 件)および TB3264 ( 1 件)であった。
  • 5 月に採取された検体からインフルエンザウイルス B 型が 2 件検出されている。
    2005/06 インフルエンザシーズンは、インフルエンザ AH3 型および AH1 型の流行であったので、 B 型の流行であった前シーズン以来の検出である。
  • 咽頭結膜熱の患者報告数の増加に伴い、主な病原体であるアデノ3型が咽頭結膜熱患者4件のうち3件 (75%) から検出された。
  • 感染性胃腸炎の集団発生事例から検出されたノロウイルスの遺伝子群はいずれも G U であった。
表3 病原菌検出状況(月別) −平成18年5月
検出概要
  • 5月は大きな集団事例がなかったため病原菌の検出は大幅に減少した。
  • 腸管出血性大腸菌は5月は6件検出され、その血清型は O 26:H11 ( VT1 保有 ) 、 O 28ac:HNT(VT2 保有 ) 、 O 157:H7(VT1,VT2) となっている。
  • A 群溶血レンサ球菌は、本年は患者報告数が昨年に比して多いが、2〜3月、5〜6月のピークに沿った形で、5月も検出数が多くなっている。
表4 ウイルス検出(月別) −平成18年5月
検出概要
  • ヘルパンギーナの患者報告数が 20 週( 5/15 〜 5/21 )から増加し始めたことを反映し、本年はじめてコクサッキー A4 が 5 月に検出された。
  • ノロウイルスによる集団発生事例が減少したことに伴いウイルスの検出数は大幅に減少した。
  • サポウイルスの 5 月の検出は病原体定点から 1 件であったが、昨年同期には集団発生事例( 31 件検出)があったので、注意を要する。

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