[2020.11.6 掲載]

令和元年度 食品理化学検査

(1)地域調査部

地域調査部では、主に食品衛生法で規格基準が定められている食品を検査しています。
令和元年度には、1,011検体、9,687項目(市からの依頼を含む)の検査を実施しました。検査内容は以下の表のとおりです。

*1: 食品添加物検査については別表1参照
*2: 重金属等検査は、ヒ素、鉛、スズ、カドミウム、シアン、PCB、総水銀について行いました。
*3: 動物用医薬品については、別表2参照
*4: 器具容器試験は、材質試験で鉛、カドミウムについて、溶出試験で過マンガン酸カリウム消費量、蒸発残留物、重金属について行いました。
*5: 残留農薬検査については、別表3参照
*6: 体重、体長、保存料確認検査について行いました。

(別表1)食品添加物検査(地域調査部)

食品添加物には、指定添加物(日本で許可されている添加物)と指定外添加物(日本で許可されていない添加物)があります。地域調査部では、輸入食品と国産食品の指定添加物について検査しています(着色料のみ指定外添加物も実施しています)。

*1: 安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、パラオキシ安息香酸
*2: 酸性タール色素12種類
*3: 酸性タール色素5種類
*4: サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム
*5: プロピレングリコール
*6: BHA、BHT
*7: イマザリル、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、チアベンダゾール

(別表2)動物用医薬品検査(地域調査部)

動物用医薬品検査は、豚や牛、鶏などの家畜や養殖の魚類などの畜水産物の疾病予防等のために使用される医薬品(抗生物質、合成抗菌剤、寄生虫用剤、ホルモン剤等)を対象に、ポジティブリスト制度*)に基づき検査を実施しています。

*)ポジティブリスト制度: 農薬・動物用医薬品・飼料添加物(以下農薬等という)を対象に、その成分が一定基準を超えて残留する農作物・食品の製造・輸入・販売を原則禁止する制度。約800の農薬等に基準値が設定され、この基準値を満たす農作物・食品だけが流通できる。基準値がまだ設定されていない農薬等には0.01ppm以下という一律基準が適用される。

残留基準が定められている輸入及び国産の食肉、魚介類並びに国産の牛乳について検査検体42件、抗生物質、合成抗菌剤、寄生虫用剤等の217項目の検査を実施しました。基準値を超えるものはありませんでした。

○ 動物用医薬品の検査については、地域調査部と理化学部で実施しています。

(参考)動物用医薬品検査(理化学部)

動物用医薬品について、輸入及び国産の食肉、魚介類及びその加工品等について検査を実施しています。令和元年度には、検査検体80件、750項目の検査を行い、基準値を超えるものはありませんでした。

衛生研究所では、ポジティブリスト制度導入に伴い、神奈川県が実施する残留農薬及び動物用医薬品の検査に用いる検査実施標準作業書(SOP)の作成を目的に、理化学部において一斉分析法の真度試験及び精度試験を実施し、試験法の検討を行っています。地域調査部には、試験法・SOPを還元し、検査の実施に役立てています。

(別表3)残留農薬検査(地域調査部)

残留農薬検査については、ポジティブリスト制度に基づき、輸入及び国産の農産物、食肉、魚介類、並びに国産の牛乳について検査検体158件、殺虫剤、殺菌剤、除草剤等の7,169項目の検査を実施しました。基準値を超えるものはありませんでした。

*1: 殺虫剤(殺虫除草剤及び殺虫植調剤を含む)
*2: 殺菌剤(殺虫殺菌剤、殺菌除草剤及び殺菌植調剤を含む)

(残留農薬検出状況)
以下の表に示すとおり、農薬が検出されました。

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(2)理化学部

理化学部では、食品衛生法の規格基準に基づく検査、検査法の整備のための調査や今後に向けて必要性のある調査を実施しています。また、専門分野で実施することが効率的な検査等(放射能、カビ毒、ふぐ毒、貝毒、遺伝子組換え食品、特定原材料、ミネラルウォーター等の検査など)についても実施しております。

令和元年度には、輸入食品及び県内産・県流通食品等について、検査検体413件、2,372項目(市からの依頼を含む)の検査を実施しました。
検査内容は以下の表のとおりです。

*1: 輸入食品の食品添加物検査については、別表1参照
*2: 放射能検査については、別表2参照
*3: 県内で流通している輸入食品について、香辛料5検体の総アフラトキシン(B1、B2、G1及びG2の総和)、リンゴ果汁3検体のパツリンを検査しました。香辛料1検体からアフラトキシンB1を検出しましたが基準値以内で、他の検体からは不検出でした。
*4: 動物用医薬品検査については、別表3参照
*5: ふぐ毒については、規制値である10MU/gを超える検体はありませんでした。
*6: 二枚貝4検体について麻痺性貝毒及び下痢性貝毒試験を実施しました。その結果、麻痺性貝毒の規制値である4MU/g及び下痢性貝毒の規制値である0.16 mgオカダ酸当量/kgを超える検体はありませんでした。
*7: 神奈川県内で市販されている加工食品20検体について、特定原材料(乳)の定量検査を2種類の検査キットで実施し、特定原材料のタンパク質を測定しました。その結果、いずれの検体も陰性でした。(アレルギー食品の項、参照)
*8: ミネラルウォーター類検査については、別表4参照
*9: 令和元年度は、安全性未審査組換え遺伝子では、定性試験としてトウモロコシ加工品16検体についてCBH351(トウモロコシ組換え系統)、コメ加工品14検体について63Btコメ、NNBtコメ、CpTIコメ(コメ組換え系統)及びばれいしょ加工品12検体についてF10、J3(ばれいしょ組換え系統)の検査を実施しました。その結果、いずれも組換え遺伝子は不検出でした。また、安全性審査済み遺伝子では、定量試験としてダイズ穀粒6検体についてRRS、RRS2、LLS(ダイズ組換え系統)の検査を実施しました。その結果、組換え遺伝子は不検出でした。(遺伝子組換え食品の項、参照)

(別表1)食品添加物検査(理化学部)輸入食品

理化学部では、輸入食品の指定添加物(日本で許可されている添加物)及び指定外添加物(日本で許可されていない添加物)の検査を実施しています。
令和元年度は検査検体95件、698項目の検査を行いました。指定外添加物はすべての検体で不検出でした。また、指定添加物は菓子・漬物等4検体から色素が検出されました。検出された色素は正しく表示されていました。

(別表2) 放射能検査(理化学部)

平成23年3月に起きた福島第一原発事故に伴う影響調査として、平成24年度より流通加工食品中の放射性セシウム濃度調査を継続しています。
令和元年度は、県内に流通している食品のうち、製造施設で採取した加工食品41検体、流通拠点で採取した食品(主に東日本17都県で製造加工されたもの)80検体について検査したところ、基準値を超過するものはありませんでした。
県内産原乳17検体及び県内産農水産物5検体を検査し、基準値を超過するものはありませんでした。

また、県の他施設で実施しているスクリーニング調査で、令和元年度はスクリーニングレベルを超えた検体が無かったため、当衛生研究所でのGe半導体検出器による精密検査は実施しませんでした。

* LOD; Limit of Detection 検出限界

放射性物質検出状況

*1: 食品の基準値(平成24年3月15日付け 厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)
*2: LOD; Limit of Detection 検出限界

(別表3)動物用医薬品検査(理化学部)

動物用医薬品検査とは、豚や牛、鶏などの家畜や養殖の魚類などの畜水産物の疾病予防等のために使用される医薬品(抗生物質、合成抗菌剤、寄生虫用剤、成長促進剤等)を対象に、それら動物用医薬品の残留検査を実施しています。

令和元年度には、検査検体80件、750項目の検査を行い、基準値を超えるものはありませんでした。

〇 動物用医薬品の検査については、地域調査部と理化学部で対応しています。

(参考)動物用医薬品検査(地域調査部)
残留基準が定められている食肉、魚介類及び牛乳について検査検体42件、抗生物質、合成抗菌剤、寄生虫用剤等の217項目の検査を実施しました。基準値を超えるものはありませんでした。

(別表4)ミネラルウォーター類検査(理化学部)

ミネラルウォーター類については、新しい規格基準に対応した検査を平成28年度から開始しました。
殺菌・除菌のある食品と、殺菌・除菌のない食品で規制項目数が異なり、検体数・項目数の内訳は表の通りとなっています。
いずれの検体においても、基準値を超えた項目はありませんでした。