神奈川県衛生研究所

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平成25年3月15日発行
神奈川県衛生研究所

動物性自然毒による食中毒をご存知ですか?―ふぐ食中毒について―
 

食中毒には、細菌やウイルス等の微生物によるもの以外に、自然毒による食中毒があります。
厚生労働省の食中毒統計資料によると自然毒はふぐなどの魚介類の動物性自然毒や、トリカブトやキノコなどの植物性自然毒によるものに大別され、どちらも重篤な症状を呈すものや死に至るものもあり、食品衛生上重要となっています。

秋から春にかけては動物性自然毒による食中毒が発生しやすい傾向にあります(図1)。
動物性自然毒食中毒の原因食品としてはふぐ、つぶ貝(バイ貝)、イシガキダイなどがありますが、特にふぐによる食中毒が多く発生しています(図2)。
ふぐによる食中毒は致死率が高く、厚生労働省の食中毒統計資料によると、平成15年~平成24年の10年間では、動物性食中毒死亡者16人中15人がふぐによるものでした。
 
図1 動物性自然毒による食中毒発生月別件数(平成15年~24年累計) 図2 動物性自然毒による食中毒 原因食品の内訳(平成15年~24年累計)(全国)
 
有毒成分
  ふぐ毒の有毒成分であるテトロドトキシンは、青酸カリの1000倍以上の毒力を持つ神経毒で、熱や酸に強く、煮炊きした程度では分解しません。
 
中毒症状
  ふぐ毒による中毒症状は食後20分から3時間程度の短時間で現れます。症状は、くちびるや手の感覚麻痺、運動神経麻痺、呼吸麻痺で、重症の場合には死に至ることがあります。また、解毒剤はありません。
 
食中毒防止対策
  ふぐ中毒のほとんどは家庭での素人料理で発生しています(図3)。食用できるふぐの種類や部位、同じ種類でもとれた海域・季節によって毒の有無・強弱が違いますが、その判断は素人には難しいことです。専門店以外では絶対に食べないことが食中毒防止のポイントです。
 
図3 ふぐによる食中毒原因施設の割合(平成15年~24年累計)(全国)
参考
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル

神奈川県生活衛生課 ふぐによる食中毒の防止について

 

(企画情報部、理化学部)


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