神奈川県衛生研究所 |
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ミネラルウォーター類の基準改正について |
2022年1月発行 |
私たちはスーパーやコンビニエンスストア、通信販売などでたくさんの種類のミネラルウォーター類を手に入れることができます。ミネラルウォーター類の利用は年々広まっており、利用量は最近の5年間で20%上昇しているというデータもあります。近年、飲料水や調理に使う水としてより身近なものになってきたミネラルウォーター類について、安全性を守るための法規制や、令和3年に行われた規格基準の改正についてご紹介します。 ミネラルウォーター類とは?ミネラルウォーター類は、食品衛生法においては水のみを原料とする清涼飲料水と規定されています(図1)。つまり大きな枠組みとしては炭酸飲料やジュースなどと同じ区分に属しています。さらにミネラルウォーター類は原水(製造に使用される原料としての水)の種類と製造過程での処理方法により、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーターの4種類に分類されています(表1)。 清涼飲料水の規格基準(食品衛生法)食品衛生法では流通する食品の安全な品質を確保するため、「食品、添加物等の規格基準」の中で、食品ごとに規格基準を定めています。規格基準とは、さまざまな食品について、成分規格(製品の品質についての基準)や製造、加工、調理及び保存に関する基準を定めたものです。 令和3年の規格基準の改正令和3年6月29日に新しく行われた改正の主な内容としては、規格基準に新たな項目として「フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)」と「クロロ酢酸類(クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸の3種類)」が追加されたことが挙げられます。 表2.清涼飲料水の成分規格(一般規格) 表3.殺菌・除菌を行っているミネラルウォーター類の成分規格 表4.殺菌・除菌を行っていないミネラルウォーター類の成分規格 ミネラルウォーター類の安全安心のために当所では、県内で製造・流通しているミネラルウォーター類が成分規格に適合していることを確認するため、検査を実施しています。改正された規格基準についても、信頼性の高い検査を実施するため、検査法等の標準作業手順書の整備及び妥当性評価を行っています。今後もミネラルウォーター類の安全性を確保できるよう、検査・調査研究を進めてまいります。 (参考資料および参考リンク)
(理化学部 佐藤 学)
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