化粧品による健康被害の報告の多くは、皮膚障害によるものです。国民生活センターによると、2010年度に健康被害が報告された化粧品の内訳は、化粧セット、化粧クリーム、化粧石けんの順でした。最近問題になった事例について報告します。
<火山灰を含む洗顔料(石けん類および薬用石けん)による眼粘膜損傷事例>
火山灰由来の原材料が配合された洗顔料を使用し、眼に異物が入り、角膜等を損傷する事例がありました。その結果、2010年に、スクラブ剤や泥、火山灰等の不溶性成分を含有する石けん類及び薬用石けんで顔面に使用する製品については、使用上の注意事項を容器や外箱等に記載することになりました。
<加水分解コムギ末を含有する薬用石けんによるアレルギー発症事例>
加水分解コムギ末を含有する薬用せっけんを使用したところ、顔にかゆみ等が現れるほか、小麦含有食品を食べた後に運動して、小麦依存性運動誘発性アナフィラキシー*を発症した事例が2010年に報告されました。その結果、加水分解コムギ末を含有する製品には、使用上の注意事項を容器や外箱等に記載することになりました。
*)アナフィラキシー:即時型アレルギー反応のひとつの総称で、多臓器に症状が現れます。
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