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2010年4月発行 神奈川県衛生研究所
衛生研究所をごぞんじですか?
~衛生研究所の役割と業務の紹介~

No.137

  衛生研究所は、どのような取り組みを行っているか、ご存知ですか?
  昨年は新型インフルエンザが大変な問題となりましたが、こうしたなかで発熱や関節痛などの症状がある患者さんが、新型インフルエンザに感染しているか否かの検査を行っていたのが衛生研究所です。テレビで、たびたび報道されていましたので、ご記憶の方も多いと思います。
  衛生研究所は、皆さんの健康保持・増進、健康被害の未然防止と拡大防止に向けて、高い専門性を活用しながら科学的、技術的視点から、健康危機管理の拠点である保健福祉事務所等に支援を行っている中核機関です。全国には、都道府県の衛生研究所をはじめ、横浜市などの政令指定都市の衛生研究所などもあり、名称は様々ですが、現在70以上の機関が存在しています。

県衛生研究所の発足から現在まで・・・

  衛生研究所は、明治35年(1902年)ペスト検査所として発足したのがはじまりで、昭和23年、厚生省3局長通牒「地方衛生研究所設置要綱」に基づき、「衛生研究所」となりましたので、前身のペスト検査所の発足以来、100年以上の歴史があります。
  昭和39年(1964年)3月、旭区中尾町に鉄筋コンクリート4階建の庁舎を新築しました。
  その後、昭和47年(1972年)の増築を経て、平成15年6月に、施設の老朽化に伴い現在地である茅ヶ崎市下町屋に新庁舎を建設し、移転いたしました。その際、新たな課題や緊急事態に柔軟に対応するため、保健所の検査部門を地域調査部(現在、小田原分室、厚木分室、茅ヶ崎分室)として統合するとともに、さらに開かれた研究所を目指し、業務の充実に取り組んでいます。

県衛生研究所が行う仕事は・・・

  衛生研究所には、①調査研究、②試験検査、③研修指導、④公衆衛生情報の収集・解析・提供、という4つの果たさなければならない仕事があります。
 調査研究の仕事では、病原微生物や化学物質などによる健康被害の防止や、危害を未然に防止するための対策及び危害発生の原因究明などを行っています。
  試験検査の仕事では、健康への危害が想定される事件・事故発生の原因究明や、食品や感染症監視の基盤となるデータを提供するための検査や、県民の方などからの依頼に基づく井戸水の検査などを行っています。
  研修指導の仕事では、県・市町村などの職員などに対して、最新の知識や情報、技術、さらに研究成果を提供しています。
  公衆衛生情報の収集・解析・提供の仕事では、感染症情報の収集、提供、衛研ニュースなど情報誌による研究情報やホームページによる衛生情報の提供などを行っています。

 

県民の健康とくらしを守る衛生研究所の仕事

  全国の衛生研究所は、その規模は様々ですが、都道府県の衛生研究所は、特に調査研究業務の充実を図り、他の衛生研究所等と連携して健康危機管理に対応していくことが強く求められています。
  そこで、ここでは調査研究の仕事について紹介します。

  調査研究と試験検査は、衛生研究所の中心となる仕事です。皆さんの健康被害の未然防止と拡大防止のために、食中毒原因菌、ノロウイルス、HIVなどの検査や、遺伝子組み換え食品、食品添加物、残留農薬などの食品や医薬品類似品などに加え、飲料水、家庭用品、室内空気などに含まれる化学物質などの検査も行っています。
 これらの検査を円滑にかつ正確に行うために、また、新型インフルエンザや食品中に混入されたメタミドホスなどの毒物、有機ヒ素などによる地下水汚染などの予期せぬ事態、すなわち健康危機管理事例に迅速に対応するためには、平時から予防的・予見的観点からの調査研究を行うことがたいへん重要となります。
  そこで、衛生研究所では中期計画を作成し、試験検査法の改善や新たな検査法の開発などを行うための調査研究に取り組むほか、予防的・予見的観点からの調査研究として、国立研究機関や県内等の大学、公的機関などとも連携して行っています。現在、公設県試験研究機関、大学や医療機関との連携による食品機能性・安全性評価及び食物アレルギーの解明・予防に向けて「食の安全・安心プロジェクト」の研究(平成20-23年度)を行っています。
 

ホームページを是非ご覧ください・・・

  衛生研究所では、ホームページを活用して、タイムリーなさまざまな情報を提供しています。「神奈川県衛生研究所」と検索すると、トップページには、トピックス、食品医薬品情報、くらしの情報、感染症情報、知って役立つ衛生情報(感染症の予防、食の安全安心、医薬品の安全安心、くらしの安全安心、健康維持・疾病予防、健康ミニ知識)のほか、衛生研究所の紹介とともに施設公開などのイベントなどもあります。
  また、神奈川県の感染症情報センターとして、インフルエンザ情報、集団かぜ情報、感染性胃腸炎情報、麻しん発生情報などの感染症の発生状況を発信しているほか、保健福祉事務所等と連携して取り組んでいる各種検査事業、県民の健康や暮らしの安全に向けた調査研究事業なども掲載しております。
  これまでご紹介してきた調査研究情報や、研究成果や環境安全計画などについても、データーボックスの中に分かりやすく掲載されています。
  神奈川県衛生研究所のホームページをクリックして、衛生研究所の取り組みをご理解いただきながら、是非、皆さんの健康や暮らしの安全に、これらの情報を役立ててください。
(企画情報部 森 康明)
 
   
衛研ニュース No.137 2010年4月発行
発行所 神奈川県衛生研究所(企画情報部)
〒253-0087 茅ヶ崎市下町屋1-3-1
電話(0467)83-4400   FAX(0467)83-4457


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