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衛研ニュース
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2009年3月発行 神奈川県衛生研究所
きれいな花にも毒がある
−植物による食中毒が起きています。−
No.130
   「春の野にいでて若菜摘む」、いにしえの昔から行われてきた自然に親しむ風習です。八百屋・スーパーには多種多様な野菜があふれんばかりですが、春の野や山に自生する若菜を摘み、そのほろ苦い味覚を楽しんでいる人はかなりおられるようです。セリ、ウド、ツクシ、ゼンマイ、フキノトウ等、春の野・山には食用として親しまれてきた野草・山菜が一斉に芽吹きます。しかし。気をつけていただきたいことがあります。毎年、春になると山菜と間違えて毒草を食べたことに起因する食中毒が発生し、ニュースとなっているのです。中には、重篤なもの・死に至るものもあります。今回は、中毒例の多い毒草(樹木・キノコを除く)を紹介いたします。
どんな野草で中毒を起こすか?

   中毒を起こしている野草の代表は、トリカブト、バイケイソウです。いずれも他の野草と思いこんで食べたことによります。トリカブトはアコニチンと言う猛毒成分を含む毒草として有名でが、特に春の若芽の頃には成長の度合いでシドケ(モミジガサ)、ニリンソウ、ゲンノショウコ、フキノトウなどと見分けがつきにくく、間違えて中毒をおこしています。バイケイソウはオオバギボウシ(ウルイ)と、間違えられることの多い植物です。
表1に中毒事例の多い順に野草とその主な中毒症状等を示しました。

バイケイソウの芽生え・オオバキボシの芽生え・トリカブトの芽生え・ニリンソウの芽生え

表1  野草による中毒
表1 野草による中毒

赤字:猛毒植物橙色:強毒植物

ハシリドコロの芽生え・フキノトウの芽生え/イヌサフランの芽生え・ギョウジャニンニクの芽生え

 

園芸植物にも有毒なものがあります。


  庭やベランダを彩る身近な園芸植物にも毒をもつものがあります。中毒事例の多いものから順に表2に示しました。特に赤字で示したものはいずれも死に至ることもある猛毒植物です。中毒事例の多さでは、筆頭はチョウセンアサガオです。江戸時代の外科医、「華岡清州」が、麻酔薬として用いたことで知られており、ヒヨスチアミン(アトロピン)、スコポラミンといった強力に神経系に作用する物質を含んでいます。根をゴボウと間違えることが多いようです。園芸植物による食中毒は庭で混在して植えられている食用植物(ニラ、山芋など)と誤認して食べてしまうことが多いようです。また、花を料理の盛りつけに利用してしまうこともあるようです。
チョウセンアサガオの根・ゴボウの根
表2 園芸(栽培)植物による中毒

野菜にだって毒がある


  野菜による中毒事例の筆頭はジャガイモです。特に小学校などで教材として栽培し、収穫したものを、みんなで食べて集団で中毒を起こす報告が6〜7月頃に発生しています。ジャガイモの芽には毒があることは皆さんよくご存じです。芽が出ていなくても、未熟なものやジャガイモの表面が緑化していたり、食べてえぐみを感じるようでしたら要注意です。これはジャガイモに光があたることで、ソラニン、チャコニンといった有毒物質が産生されることによると考えられています。ジャガイモの保存は暗所に!栽培するときはイモが地表に露出しないように土寄せをしましょう。私たちは野菜(ほうれん草など)を茹でて水で晒すなど、毒抜きをして上手に利用してきました。このような食べ方は先人の知恵として見習いたいものです。

表3 野菜による中毒

表3 野菜による中毒

 

植物の楽しみ方には気をつけて!

植物のもつ毒について述べてきました。身の回りには意外と有毒植物がいっぱいです。ご紹介した毒草はその一部に過ぎません。春の野で山菜を摘む。きれいな花を食卓にのせる。香草をハーブ茶で楽しむ。いずれも私たちの生活を豊かにするすばらしいことだと思います。しかし、食べ物として口にするとき、食べて良い植物なのかどうか充分調べてください。中途半端な知識で安易に食べてはいけません。“きれいな花にも毒がある”毒草も観賞だけなら安全ですが、けっして食べてみようなどとは思わないでください。
イヌサフラン/ヤマトリカブト
スイセン
(写真は東京都健康安全研究センター薬用植物園の提供による)

 

 

(理化学部  佐藤修二)

 
   
衛研ニュース No.130 2009年3月発行
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