人を対象とする生命科学・医学系研究に関する情報公開について

令和元年度から実施の課題

  1. レジオネラ・ニューモフィラの分子疫学的解析法の検討
  2. 麻疹・風疹等の発疹性疾患における検査診断に関する基礎的研究
  3. インターネットサイトによる効果的なHIV検査情報の発信とその有効活用に関する研究
  4. 感染性胃腸炎患者便から分離した薬剤耐性菌の解析
  5. 神奈川県における基質特異性拡張型及びAmpC型βラクタマーゼ産生菌の遺伝子解析
  6. 地方衛生研究所における感染症危機管理ネットワークの構築
  7. 公衆浴場におけるレジオネラ症対策に資する検査・消毒方法等の衛生管理手法の開発のための研究
  8. 神奈川県における薬剤耐性淋菌の分子疫学的解析システムの構築
  9. 臨床現場または地方衛生研究所等で実施可能な安価で高感度なウイルス検査法開発に関する研究
  10. 薬剤耐性菌の疫学情報収集体制の構築
  11. 病原体ゲノミクスを基盤とした病原体検索システムの利活用に係る研究
  12. 民間クリニックにおける効果的なHIV即日検査の実施と質の向上及びMSMを対象としたinnovativeなHIV/STIs即日検査相談の実施拡大のための研究
  13. 現在のHIV検査法の問題解決と新規検査ガイドラインの作成
  14. ジカウイルス感染実験室診断法の実用化検討
  15. 新型コロナウイルスの迅速核酸検出法の開発

1.レジオネラ・ニューモフィラの分子疫学的解析法の検討

倫理審査 審査不要
研究期間 2019年度
研究責任者(所内のみ) 中嶋直樹、大屋日登美
研究の対象 菌株(Legionella pneumophila)
検体の採取期間 2018年度以前
研究の目的 レジオネラ・ニューモフィラの分子疫学的解析法であるsequence-based typing法(SBT法)の操作条件を確立させ、菌株の比較を可能にする。この手法は、県域でレジオネラ症の集団事例が発生した際の感染源の特定に活用でき、レジオネラ症の感染拡大の防止が期待できる。

2.麻疹・風疹等の発疹性疾患における検査診断に関する基礎的研究

倫理審査 審査不要
研究期間 平成31年4月1日~平成32年3月31日
研究責任者 鈴木 理恵子
研究の対象 麻疹・風疹等疑い例の患者血清
検体の採取期間 平成22年度から平成30年度
研究の目的 麻疹、風疹の特定感染症予防指針により、遺伝子検査を可能な限り実施していたが、風疹大流行に際し、医療機関で実施するIgM抗体検査のみでも検査診断が可能となった。今後、医療機関においてIgM抗体検査による検査診断例は、増加すると予測され、当所で実施している麻疹・風疹等の発疹性疾患の遺伝子検査に加え、IgM抗体検査を実施し、基礎データを収集することにより、その特性、相関性等を明らかにする。

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3.インターネットサイトによる効果的なHIV検査情報の発信とその有効活用に関する研究(総括研究課題名HIV検査体制の改善と効果的な受検勧奨のための研究)

倫理審査 審査不要
研究期間 平成31年4月1日から令和4年3月31日
研究責任者 佐野 貴子
研究の対象 ウェブサイト「HIV検査・相談マップ」のサイトアクセス数
検体の採取期間 平成21年度~令和3年度
研究の目的 本研究はHIV検査施設の利便性向上、受検アクセスの改善およびHIV診断検査の充実を図ることで検査の質を高めるとともに、自治体との連携モデルを構築することによりHIV陽性者の早期診断につなげることを目的とする。当分担研究では、ウェブサイト「HIV検査・相談マップ」を用いてHIV/エイズの基礎知識やHIV検査相談施設の情報提供を行い、アクセス数等を調査することで、サイト利用者が必要とする情報等についての精査を行う。得られたデータはHIV検査のアクセス向上に供する。

4.感染性胃腸炎患者便から分離した薬剤耐性菌の解析

倫理審査 審査不要
研究期間 2019年4月1日から2022年3月31日まで
研究責任者 鈴木 美雪
研究の対象 感染性胃腸炎患者便
検体の採取期間 2013年4月1日から2016年3月31日
研究の目的 薬剤耐性菌は抗菌薬に耐性を示し、抗菌薬が効かなくなることから、市中における蔓延が懸念されている。本研究では、感染性胃腸炎患者便より分離した基質特異性拡張型及びAmpC型βラクタマーゼの耐性遺伝子の解析を行い、薬剤耐性菌の分離状況を把握し、検査体制を整備することを目的とする。得られたデータは、神奈川県における基礎データとして重要であり、薬剤耐性菌の国内外の状況と比較することで、県内の薬剤耐性菌の現状を把握することができ、感染予防や拡大防止を図ることが期待される。

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5.神奈川県における基質特異性拡張型及びAmpC型βラクタマーゼ産生菌の遺伝子解析

倫理審査 審査不要
研究期間 2019年9月から2020年8月
研究責任者 鈴木 美雪
研究の対象 菌株
検体の採取期間 2013年4月1日から2016年3月31日
研究の目的 薬剤耐性菌は抗菌薬に耐性を示し、抗菌薬が効かなくなることから、市中における蔓延が懸念されている。本研究では、下痢症患者便から分離した基質特異性拡張型及びAmpC型β-ラクタマーゼ産生菌のプラスミド解析を含む分子疫学的解析を行い、神奈川県における薬剤耐性菌の分離状況を把握することを目的とする。得られたデータは、神奈川県の薬剤耐性菌の動向を見る上で重要な基礎データとなり、国内外の状況と比較することで、県内の薬剤耐性菌の現状を把握することができ、公衆衛生の向上が図られると考える。

6.地方衛生研究所における感染症危機管理ネットワークの構築

倫理審査 審査不要
研究期間 2019年4月1日~2021年3月31日
研究責任者 鈴木 理恵子
研究の対象 病原体サーベイランス等に係る分子疫学解析情報
検体の採取期間 2010年4月1日~2021年3月31日
研究の目的 病原体ゲノム情報データベース GenEpid-Jの拡充に寄与するとともに、バイオインフォマティックス技術に基づいた病原体ゲノム情報を活用できる地方衛生研究所担当者の育成をおこなう。また、このような分子疫学解析は、感染症危機管理体制の強化するなど、そのメリットについて各地方衛生研究所の理解の促進を行う。

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7.公衆浴場におけるレジオネラ症対策に資する検査・消毒方法等の衛生管理手法の開発のための研究

倫理審査 審査不要
研究期間 2019年度~2021年度
研究責任者 大屋日登美
研究の対象 環境水、レジオネラ属菌株
研究に用いる試料・情報の採取期間 2019年度~2020年度
研究の目的 公衆浴場における衛生等管理要領の改正および「浴槽水に関するレジオネラ属菌検出のための検査方法(標準的検査法)」の提言の予定に伴い、これらをより実効あるものにするため、当所においては、検査法の一つとしてNGSによるタイピング方法を検討し、現場での実施・評価を行い、改善・再実施後にプロトコルの確立を行う。また、入浴施設および医療機関におけるレジオネラ属菌汚染実態調査を行い、その成果をもとに入浴施設の衛生管理ガイドラインや集団発生調査ガイドラインの作成に助言する。

8.神奈川県における薬剤耐性淋菌の分子疫学的解析システムの構築

倫理審査 平成30年度 迅速審査No.4 平成31年4月3日承認 (PDF)
研究期間 平成31年4月1日~平成32年3月31日
研究責任者 陳内 理生
研究の対象 淋菌の菌株および付随する情報
検体の採取期間 平成31年4月1日~平成32年3月31日
研究の目的 本研究は、薬剤耐性淋菌における分子疫学的解析法を用いたモニタリングシステムの構築を目的として実施する。淋菌およびナイセリア属菌を収集し、その分子疫学的解析を行う。本研究により、神奈川県における薬剤耐性淋菌の分布状況や新規遺伝子型の有無などを明らかにし、薬剤耐性淋菌拡散防止の一助にする。

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9.臨床現場または地方衛生研究所等で実施可能な安価で高感度なウイルス検査法開発に関する研究(総括研究課題名 新興・再興エンテロウイルス感染症の検査・診断・治療・予防法の開発に向けた研究)

倫理審査 令和元年度 迅速審査No.1 令和元年7月30日承認 (PDF)
研究期間 平成31年4月1日から令和4年3月31日
研究責任者 佐野 貴子
研究の対象 エンテロウイルス、パレコウイルス検査依頼検体(髄液、咽頭ぬぐい液、便等)およびこれら患者検体からの分離株、抽出ウイルス遺伝子、患者属性データ、ウイルス塩基配列データ
検体の採取期間 平成12年度~令和3年度
研究の目的 急性弛緩性麻痺等の重症エンテロウイルス、パレコウイルス感染症の診断および実態把握のため、分担研究者(国立感染症研究所:藤本嗣人先生)において臨床現場および地方衛生研究所等で実施可能な安価で高感度なエンテロウイルスおよびパレコウイルス検査法の開発を行う。当所では協力研究として、分担研究者が開発を行うのに必要な検体等の提供を微生物株分与マニュアル等に基づき行う。得られた成果は研究報告書や関連学会で発表され、国立感染症研究所で発行する病原体検出マニュアルに反映される。

10.薬剤耐性菌の疫学情報収集体制の構築

倫理審査 令和元年度 本審査No.2 令和元年7月30日承認 (PDF)
研究期間 令和元年7月5日~令和2年3月31日
研究責任者 大屋日登美
研究の対象 咽頭ぬぐい液、肺炎マイコプラズマ菌株および付随する情報
研究に用いる試料・情報の採取期間 令和元年7月5日~令和2年3月31日
研究の目的 中国で薬剤耐性に関する研究を実施している機関と、現在問題となっている薬剤耐性菌の状況についてお互いに情報交換を行うためのデータ収集として、当所においては薬剤耐性肺炎マイコプラズマの発生動向調査および分子疫学解析を行い、国外の状況と比較検討する。
研究の結果・成果の公表 令和2年7月公表(PDF)

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11.病原体ゲノミクスを基盤とした病原体検索システムの利活用に係る研究

倫理審査 令和元年度 迅速審査No.3 令和元年7月30日承認 (PDF)
研究期間 令和元年4月1日~令和4年3月31日
研究責任者 陳内 理生
研究の対象 髄膜炎菌
検体の採取期間 令和元年4月1日~令和4年3月31日
研究の目的 標記研究課題の一環として、髄膜炎菌おける薬剤耐性関連遺伝子の獲得および伝播機構を明らかにすることを目的として、全ゲノム解析を実施します。本研究により、薬剤耐性髄膜炎菌の拡散状況に加えて、髄膜炎菌の薬剤耐性化に関する基礎データが得られ、髄膜炎菌の早期治療や拡散防止に貢献できると考えられます。

12.民間クリニックにおける効果的なHIV即日検査の実施と質の向上及びMSMを対象としたinnovativeなHIV/STIs即日検査相談の実施拡大のための研究

倫理審査 審査不要
研究期間 平成31年4月1日から令和4年3月31日
研究責任者(所内のみ) 佐野 貴子
研究の対象 HIV即日検査で判定保留となった血液検体
検体の採取期間 平成31年4月1日から令和4年3月31日
研究の目的 本研究はHIV検査施設の利便性向上、受検アクセスの改善およびHIV診断検査の充実を図り、検査の質を高める。また、自治体行政との連携モデルを構築することで検査体制を向上させ、HIV陽性者の早期診断につなげることを目的とする。分担研究では、HIV検査実施モデルとなる民間クリニックの医療機関連携を構築するとともに、MSMを限定としたHIV/STIs即日検査相談会を実施する。当所では即日検査相談会のHIV検査で判定保留となった検体の確認検査を担当する。

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13.現在のHIV検査法の問題解決と新規検査ガイドラインの作成

倫理審査 審査不要
研究期間 平成31年4月1日から令和4年3月31日
研究責任者(所内のみ) 佐野 貴子
研究の対象 HIV検査後の血液残余検体
検体の採取期間 平成22年4月1日から令和4年3月31日
研究の目的 本研究はHIV検査施設の利便性向上、受検アクセスの改善およびHIV診断検査の充実を図り、検査の質を高める。また、自治体行政との連携モデルを構築することで検査体制を向上させ、HIV陽性者の早期診断につなげることを目的とする。分担研究では、新規・既存のHIV検査試薬の検討を行うとともに、従来のHIV-1/2検査アルゴリズムにおける問題点を解決するため、米国CDCのガイドラインに準じた、我が国の現状に即した新しい検査アルゴリズムを提案し、検査の質の向上に寄与する。

14.ジカウイルス感染実験室診断法の実用化検討

倫理審査 審査不要
研究期間 令和元年度9月1日~令和2年3月31日
研究責任者(所内のみ) 髙崎智彦
研究の対象 風疹、麻疹患者血清および咽頭ぬぐい液
研究に用いる試料・情報の採取期間 平成22年度から平成30年度
研究の目的 風疹と同様に妊婦が感染すると胎児に先天異常をきたすジカウイルス感染症の実験室診断法として開発したジカウイルスNS1抗原検出法(ELISA法、イムノクロマト法)を、臨床症状が類似する風疹および麻疹の患者検体を用いて評価し、交差反応・非特異反応がないことを確認する。

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15.新型コロナウイルスの迅速核酸検出法の開発

倫理審査 審査不要
研究期間 令和2年3月4日から令和2年3月31日
研究責任者(所内のみ) 日紫喜 隆行
研究の対象 新型コロナウイルス患者の咽頭・鼻咽頭ぬぐい液および喀痰
研究に用いる試料・情報の採取期間 令和2年2月から3月
研究の目的 理化学研究所と当所との共同研究による新型コロナウイルスの迅速核酸検出法の開発において、必要な実証評価実験として患者検体を用いる。本検出法の確立によって迅速で精度の高い新型コロナウイルスの診断が可能となり、病院の検査室や保健所等これまでにない様々な場所での利用が見込まれることから、県及び国の公衆衛生向上に大きく貢献することが期待される。

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