人を対象とする生命科学・医学系研究に関する情報公開について
平成30年度から実施の課題
- 神奈川県内に蔓延している結核菌株の流行動態調査
- 神奈川県の結核患者における疫学的特徴と分子疫学的解析についての研究
- 神奈川県の薬剤耐性淋菌における分子疫学的解析法の検討
- 薬剤耐性淋菌感染症の対策に資する研究
- 神奈川県域で検出されたカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)の解析
- HIVをはじめとする性感染症と妊娠に関する情報の普及啓発法の開発
- 神奈川県で検出されたムンプスウイルスの分子疫学的解析に関する研究
- 食中毒起因菌の薬剤耐性に関する研究
- 感染症核酸検出に資するトランスレーショナル研究
1.神奈川県内に蔓延している結核菌株の流行動態調査
倫理審査 | 審査不要 |
研究期間 | 平成30年4月1日~平成31年3月31日 |
研究責任者 | 高崎 智彦 |
研究の対象 | 神奈川県内で分離された結核菌株 |
研究に用いる試料・情報の採取期間 | 平成12年以降~平成31年3月31日 |
研究の目的 | 神奈川県域の結核分子疫学調査から、神奈川県内(県域、川崎市、横浜市等)でVNTR遺伝子型が一致する菌株が確認された。そこで、感染源および感染経路の解明のため、県内でVNTR遺伝子型が一致する菌株について、結核研究所において全ゲノム解析を実施し感染時系列等を調べる。 |
2.神奈川県の結核患者における疫学的特徴と分子疫学的解析についての研究
倫理審査 | 審査不要 |
研究期間 | 平成30年4月1日~平成31年3月31日 |
研究責任者 | 大屋日登美 |
研究の対象 | 結核患者由来結核菌株の遺伝子型別情報 |
研究に用いる試料・情報の採取期間 | 平成19年1月1日~平成28年12月31日 |
研究の目的 | 本研究では、結核発病に影響する疫学的要因と縦列反復配列多型(variable number of tandem repeat,VNTR)別による結核菌の遺伝子型を結核患者の生まれた年別に解析・検討することにより、生まれた年による結核発病に影響する要因の違いを明らかにし、結核の低まん延化に向けた今後の結核対策を検討するうえでの基礎資料とする。 |
3.神奈川県の薬剤耐性淋菌における分子疫学的解析法の検討
倫理審査 | 平成29年度 迅速審査No.5 平成30年3月20日承認 (PDF) |
研究期間 | 平成30年4月1日~平成31年3月31日 |
研究責任者 | 陳内 理生 |
研究の対象 | 淋菌の菌株と付随する患者情報 |
研究に用いる試料・情報の採取期間 | 平成30年4月1日~平成31年3月31日 |
研究の目的 | 淋菌の薬剤耐性株は世界各地で多数報告されており、問題となっている。新たな薬剤耐性淋菌の流入や薬剤耐性関連遺伝子の拡散をモニタリングし、その防疫策を策定するうえで、分子疫学的解析法は重要と考えられる。本研究では、これまで薬剤感受性試験を実施した菌株に加えて、神奈川県内で発生した淋菌症由来株を中心として県内外の菌株を収集する。収集した菌株の薬剤感受性試験を実施するとともに、過去の菌株と併せて分子疫学的解析を実施する。 |
4.薬剤耐性淋菌感染症の対策に資する研究
倫理審査 | 平成30年度 迅速審査No.1 平成30年8月22日承認 (PDF) |
研究期間 | 平成30年4月1日~平成33年3月31日 |
研究責任者 | 陳内 理生 |
研究の対象 | 淋菌の菌株および付随する情報 |
研究に用いる試料・情報の採取期間 | 承認日~平成33年3月31日 |
研究の目的 | 本研究は、薬剤耐性淋菌感染症の対策に資するため、菌株情報収集とそれら菌株を用いた検査法の開発および推奨治療法の提案を目的として行う。 |
5.神奈川県域で検出されたカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)の解析
倫理審査 | 審査不要 |
研究期間 | 平成30年4月1日~平成31年3月31日 |
研究責任者 | 政岡 智佳 |
研究の対象 | 分離菌株 |
研究に用いる試料・情報の採取期間 | 平成30年4月1日~平成31年3月31日 |
研究の目的 | 神奈川県域で検出されるCRE菌株の傾向を把握することで、今後のCRE感染症対策の一助とする。 |
6.HIVをはじめとする性感染症と妊娠に関する情報の普及啓発法の開発
7.神奈川県で検出されたムンプスウイルスの分子疫学的解析に関する研究
倫理審査 | 平成30年度 迅速審査No.2 平成30年8月22日承認 (PDF) |
研究期間 | 平成30年4月1日~平成33年3月31日 |
研究責任者 | 佐野 貴子 |
研究の対象 | ムンプスウイルス検査依頼検体(咽頭ぬぐい液、髄液等)およびこれら患者検体からの分離株、抽出ウイルスRNA、塩基配列データ、患者属性データ |
研究に用いる試料・情報の採取期間 | 平成25年4月1日~平成33年3月31日 |
研究の目的 | 本研究はワクチンで予防可能な疾病に対するワクチン効果を評価することで、適正に予防接種施策を推進することを目的とする。分担研究においては、おたふくかぜワクチンの定期接種導入後のワクチン効果評価の必要性を鑑みて、国内で流行するムンプスウイルスの遺伝子型情報を集積し解析するとともに、次世代シーケンサによる網羅的解析法を用いた、より精度の高いラボ診断技術の確立と導入をめざす。 当所では、神奈川県で検出されたムンプスウイルスの遺伝子解析を行い、データベース内の塩基配列と比較検討することで、県内および全国の流行状況を把握する。また、次世代シーケンサによる解析方法確立のための研究協力を行う。 |
8.食中毒起因菌の薬剤耐性に関する研究
倫理審査 | 審査不要 |
研究期間 | 平成30年度~平成32年度 |
研究責任者 | 政岡 智佳 |
研究の対象 | 分離菌株 |
検体の採取期間 | 平成30年度~平成32年度 |
研究の目的 | 本研究は、全国共通の薬剤耐性検査プロトコルを作成し、安定的なモニタリングを確立することを目的としている。集積されたデータは我が国の「統合ワンヘルス動向調査年次報告書」及び「世界薬剤耐性サーベイランス」に報告するための基礎データとなり、薬剤耐性菌や耐性遺伝子の伝播のリスク分析をすることで、効果的かつ経済的な伝播防止策の提供が期待できる。 |
9.感染症核酸検出に資するトランスレーショナル研究
倫理審査 | 平成30年度 迅速審査No.3 平成31年2月21日承認 (PDF) |
研究期間 | 2018年度~2021年度 |
研究責任者 | 近藤真規子 |
研究の対象 | 淋菌、クラミジア、臨床検体 |
検体の採取期間 | 平成元年度~2021年度 |
研究の目的 | 感染症の適切な治療や感染症拡大の予防等に資することを目的とし、臨床の現場において性感染症の淋菌、クラミジア感染症を簡単かつ迅速に検出できるシステムの開発を目指す。当所では共同研究機関とともに従来法と新システムの結果を比較し、新システムの評価・検証を行う。臨床現場で遺伝子診断が迅速に実施できれば、早期診断・治療に役立ち、感染拡大の防止につながることが期待される。 |