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[2008.2.8 更新]
メタミドホスについて
メタミドホスとは
   野菜などの農作物を害するアブラムシなどの駆除に使われる有機リン系殺虫剤です。
化学式:C2H8NO2PS
毒 性:一日摂取許容量(ADI)は0.004mg/kg体重/日(Codex設定値)です。
          ADIとは人が一生涯毎日摂取し続けても、健康に影響をおよぼさないと判断される量です。
          ADIに人の平均体重を乗じた値が、人間の一日摂取許容量になります。 メタミドホスは、用途から農薬として定義されます。
          人体や環境に与える影響が大きく、農薬としての登録もなく、日本では使用が禁止されています(農薬登録制度)。
   メタミドホスは、用途から農薬として定義されます。人体や環境に与える影響が大きく、農薬としての登録もなく、日本では使用が禁止されています(農薬登録制度)。

メタミドホス(有機リン系農薬)はどんな作用があるか
   中枢神経系のシナプスに存在するアセチルコリンエステラーゼ(アセチルコリンを分解する酵素)の正常な働きを阻害する作用をもつ薬剤です。


メタミドホスの中毒症状
   人が経口摂取すると、胃けいれん、下痢、吐き気、嘔吐、めまい、縮瞳などの急性症状をおこします。重症になると中枢神経の症状(言語不明瞭、筋肉の不随意運動、舌やまぶたの振戦など)をおこします。さらに重篤な場合は不整脈、意識喪失、痙攣、昏睡などを起こします。

症状がでるのは、数分から 12 時間程度です。

   メタミドホスによって中毒を起こした場合は、特別な処置が必要です。安静にして医療機関に連絡しましょう。

メタミドホスの性状と注意
   メタミドホスは、水にはよく溶け、20℃ではほとんど気化しません。また、加熱や燃焼することで分解して窒素酸化物、硫黄酸化物、リン酸化物を含む有毒で、刺激性の強い臭気を生じます。
   このことから、包装容器や食品の表面になどに付着したものは洗い流すことで除去できますが、食物の中に入り込んだ場合は除去が難しいと考えられます。また、冷凍状態では臭いはほとんど感じられなくても、温めると臭いが発生すると考えられます。

登録及び残留基準とは
   メタミドホスは、日本では「農薬取締法」による登録はされていません。 農薬は、その安全性の確保を図るため、「農薬取締法」に基づき、製造、輸入から販売そして使用に至る全ての過程で厳しく規制されます。その中心となっているのが、「登録制度」です。これは、一部の例外を除き、国(農林水産省)に登録された農薬だけが製造、輸入及び販売できるという仕組みです。
   しかし、メタミドホスは諸外国では殺虫剤など農薬として使用されているため、輸入食品を含めた食品の安全確保のため、「食品衛生法」でにらやニンニクなどの農作物、畜産物、加工食品に残留基準が設定されています。残留基準は、一日摂取許容量(ADI)に基づいて、各農作物ごとに設定されています。

平成18年度以前における検査状況
   メタミドホスについては、神奈川県においては農産物の農薬検査ではいずれも検出されておりません。

神奈川県における残留農薬検査実施状況(神奈川県衛生研究所年報より)

加工品の残留農薬調査結果(神奈川県衛生研究所年報より)

食品中の残留農薬検査結果の公表(平成15年度:厚生労働省)

輸入食品違反事例(厚生労働省)


神経の正常な働きを阻害する作用って?
   神経系では神経細胞が興奮していくことで電気信号を伝達します。神経細胞と神経細胞間の電気信号伝達は、アセチルコリン(神経伝達化学物質)を神経末端から放出して接触している次の神経細胞を興奮させることでおこないます。
神経細胞間の電気信号伝達模式図
   模式図のように、神経末端からアセチルコリン(神経伝達化学物質)が放出されますと放出されたアセチルコリンは細胞膜(シナプス後膜)にある受容体と結合して次の神経細胞の興奮を引き起こし、電気信号を伝達します。余ったアセチルコリンはコリンエステラーゼによって分解され、過剰な神経興奮が起こることを防いでいます。
   有機リン系農薬はコリンエステラーゼと結合してコリンエステラーゼの働きを低下させてしまいます。結果として、神経が異常な興奮をおこすなど正常な働きができなくなり障害が生じます。

残留農薬検査(神奈川県衛生研究所年報より)

   残留農薬検査については、平成18 年5 月29 日からポジティブリスト制度が導入され、原則全ての農薬について基準が定められましたが、ポジティブリスト制度施行前については、農産物や食品の種類により残留基準が定められている農薬(「規制農薬」と表記)と定められていない農薬(「未規制農薬」と表記)がありました。それらについて検査を実施しました。

平成18年度(2006年)
規定農薬と未規制農薬について検査
   当所において、平成18年度は国産品110件、輸入品45件、計6,979項目について農畜産物の農薬検査を行いました。
平成17年度(2005年)
規定農薬と未規制農薬について検査
   当所において、残留基準のある食品について国産品101件、輸入品54件、計5,878項について農畜産物農薬検査を行いました。13検体から農薬が検出されましたが、基準値を超えるものありませんでした。
平成16年度(2004年)
規定農薬と未規制農薬について検査
   当所において、残留基準のある食品について国産品97件、輸入品45件、計5,595項目について農畜産物農薬検査を行いました。14検体から農薬が検出されましたが、基準値を超えるものありませんでした。
 

加工品の残留農薬調査

   ポジティブリスト制度が施行(平成18年5月29日)される以前は、食品衛生法に基づく残留農薬基準は、原則として生鮮農産物に適用され加工食品には適用されません。しかし、日本で使用が認められていない農薬を使用した農産物を加工食品の原材料として用いる可能性があります。このようなことを踏まえて残留農薬実態調査を実施しました。


平成14年度報告(研究報告33号)

   輸入農産物を対象にして、産地では収穫後使用農薬(ポストハーベスト農薬)として使用されながら国内では使用不許可のため残留基準未設定である農薬について調査を実施したところ、中国茶からメタミドホス、トリアゾホスが検出されました。 加工品として野菜果実等のペースト、野菜果汁などを対象に実態調査を行ったところ、有機リン系農薬、ピレスロイド系農薬、含窒素系農薬が検出されました。


平成15年度報告(研究報告34号)

   農産加工品(漬物、梅干等)他について実態調査を実施しました。農産加工品については有機リン系農薬を検査したところ輸入食品1件(中国産梅漬)からパラチオンが検出されました。なお、メタミドホスについては検査は行っておりません。


平成16、17年度報告(研究報告36号)

   平成16年度に清涼飲料水の果汁及び野菜飲料について実態調査を実施したところ、 すべての検体から農薬は検出されませんでした。  平成17年はウナギ加工品、小麦加工品、大豆及びその加工品について実態調査を実施したところ、ウナギ加工品の国産品3 検体、輸入品5 検体からDDT(pp’-DDE)が検出されました。小麦加工品では国産品2 検体(焼き菓子、原料小麦粉)からクロルピリホスメチルが、輸入品2 検体(ベルギー産ビスケット、イタリア産スパゲッティ)からピリミホスメチルが検出されました。大豆及びその加工品についてはすべて不検出でした。






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