トップページ > 感染症情報センター > 微生物検査情報 > 2023年（令和5年） > 第364号

神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

表1 病原体検出状況（保健所等別）－令和5年2月

<検出状況>

• 2月の病原体検出数は181件、細菌は7件、ウイルス・リケッチアは174件であった。

• 病原体定点の医療機関からの検査では、小児科定点からウイルスが49件、インフルエンザ定点からウイルスが7件検出された。
• 保健所等別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表２　病原細菌検出状況（臨床診断別）―令和5年2月

• 感染性胃腸炎調査では7検体搬入され、全て病原体不検出であった。
• 感染症の集団発生事例の調査で、8検体中5検体から薬剤耐性菌であるESBL産生菌またはAmpC産生菌が検出された。
• 食中毒様事例調査では、便11検体中2検体からカンピロバクター ジェジュニが検出された

表３　病原細菌検出状況（月別）―令和4年2月～令和5年2月

表４　ウイルス・リケッチア検出状況（臨床診断別）―令和5年2月

• 感染性胃腸炎患者12例中8例から、下痢症の原因となるノロウイルスが検出された。
• 食中毒様事例調査では、便12検体について検査を実施したところ、4検体からノロウイルスが検出された。

【インフルエンザについて】

• 神奈川県
  インフルエンザ患者76例中2例からインフルエンザウイルスAH1、57例からインフルエンザウイルスAH3が検出された。また、集団かぜ事例1集団5例からインフルエンザウイルスAH3が検出された。
• 横須賀市
  インフルエンザ様事例の検査では、19検体中6検体からインフルエンザウイルスAH3、1検体からインフルエンザウイルスA（亜型不明）が検出された。

【新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)について】

• 神奈川県
  医療機関で検出されたSARS-CoV-2陽性79検体中73検体について全ゲノム解析を実施したところ、オミクロン BA.2系統が19検体（Clade21L：1，Clade22D：18）、BA.5系統が51検体（Clade22B：40，Clade22E：11）、XBB系統が1検体（Clade22F）、recombinantが2検体であった。
• 横須賀市
  新型コロナウイルス感染症疑い事例の調査では、9検体中8検体からSARS-CoV-2が検出された。
  SARS-CoV-2陽性8検体についてスクリーニング検査(変異株PCR)を実施したところ、オミクロン株疑いが8検体であった。
• 藤沢市
  新型コロナウイルス感染症疑い事例調査では、159検体中4検体からSARS-CoV-2が検出された。

表5　ウイルス・リケッチア検出状況（月別）―令和4年2月～令和5年2月

表６　食品・環境由来の病原細菌検出状況―令和5年2月

• 環境 浴槽水等検査1件中、1検体よりレジオネラ ニューモフィラが検出された。血清型はSG1であった。