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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

表1　病原体検出状況（保健所等別）―平成28年11月

<検出状況>

• 11月の病原体検出数は合計170件、細菌は39件、ウイルス・リケッチアは131件であった。

• 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が15件、ウイルスが51件、インフルエンザ定点からウイルスが3件、その他の医療機関から細菌が1件検出された。
• 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表２　病原細菌検出状況（臨床診断別）―平成28年11月

• 腸管出血性大腸菌感染症届出関連に伴う検査で、90検体中8検体から腸管出血性大腸菌O157（VT2＋）が検出された。
• A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者22検体中12検体から、A群溶血レンサ球菌が検出された。血清型は、T1が2検体、T3が6検体、T４が1検体、TB3264が2検体、UTが1検体であった。
• 感染性胃腸炎患者7検体中2検体から病原細菌が検出された。その内訳は、腸管凝集性大腸菌（血清型OUTafaD）が1検体、その他の大腸菌（血清型OUT aggR）が1検体であった。
• マイコプラズマ肺炎患者2検体中2検体からマイコプラズマ　ニューモニエが検出された。
• レジオネラ症患者1検体中1検体からレジオネラ　ニューモフィラ（血清群1）が検出された。
• その他の感染症では、バンコマイシン耐性腸球菌感染症患者4検体中4検体からバンコマイシン耐性エンテロコッカス　フェシウム（遺伝子型VanA）が検出された。
• 食中毒様事例（有症苦情含む）67検体を検査したところ9検体から食中毒菌が検出された。検出菌の内訳は、腸管出血性大腸菌O157 (VT2+)が5検体、カンピロバクター　ジェジュニが3検体、ウェルシュ菌(Hobbs 12型)が1検体であった。
• 依頼検査では、1651検体中1検体から腸管出血性大腸菌O157 (VT2+)が検出された。

表３　病原細菌検出状況（月別）―平成27年11月～平成28年11月

表４　ウイルス・リケッチア検出状況（臨床診断別）―平成28年11月

• つつが虫病疑い患者1例から、オリエンチア　ツツガムシが検出された。
• 咽頭結膜熱患者2例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス2型が1例、アデノウイルス3型が1例であった。
• 感染性胃腸炎患者29例中25例から下痢症の原因となるウイルスが検出された。その内訳は、ノロウイルス23例、アデノウイルス41型1例、ノロウイルスおよびロタウイルスの同時検出1例であった。
• 手足口病患者14例中8例から、コクサッキーウイルスA6型が検出された。
• 流行性耳下腺炎患者8例中6例からウイルスが検出された。その内訳は、ムンプスウイルスが5例、ムンプスウイルスとエコーウイルス9型の同時検出が1例であった。
• インフルエンザ様患者32例中29例からインフルエンザウイルスが検出された。その内訳は、インフルエンザAH1pdm09が1例、インフルエンザウイルスAH3型が28例であった。また、集団かぜ患者4集団14例のうち、3集団11例からインフルエンザウイルスAH3型が検出された。
• 無菌性髄膜炎患者1例（3検体）からエコーウイルス3型が検出された。
• 食中毒様事例（有症苦情含む）108検体中44検体から、ノロウイルスが検出された。

表5　ウイルス・リケッチア検出状況（月別）-平成27年11月～平成28年11月

表６　食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成28年11月

• 食中毒様事例では、食品（冷凍メンチ）3検体中2検体から腸管出血性大腸菌O157（VT2+）が、検出された。
• 環境由来では、浴槽水6検体中2検体からレジオネラが検出された。血清型は、レジオネラ属菌が1検体、1群が1検体であった。