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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第288号

平成28年12月20日発行
病原体検出は平成28年10月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成28年10月

<検出状況>

  • 10月の病原体検出数は合計120件、細菌は52件、ウイルス・リケッチアは68件であった。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が15件、ウイルスが32件、インフルエンザ定点からウイルスが1件、基幹定点からウイルスが11件、その他の医療機関からウイルスが1件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成28年10月

  • 腸管出血性大腸菌感染症届出関連に伴う検査で、55検体中10検体から腸管出血性大腸菌O157(VT2+)が、3検体から腸管出血性大腸菌O26(VT1+)が検出された。
  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者7検体中4検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型は、T3が2検体、T1が1検体、UTが1検体であった。
  • 感染性胃腸炎患者3検体中2検体からその他の大腸菌(血清型OUT astA)が検出された。その2検体のうち1検体からは、カンピロバクター ジェジュニも同時に検出された。
  • マイコプラズマ肺炎患者9検体中8検体からマイコプラズマ ニューモニエがPCRと分離培養によって検出された。
  • レジオネラ症患者5検体中1検体からレジオネラ ニューモフィラ(血清1群)が培養によって検出された。1検体からレジオネラ属菌が、LAMP法によって検出された。
  • その他の感染症では、バンコマイシン耐性腸球菌感染症患者1検体中1検体からバンコマイシン耐性エンテロコッカス フェシウム(遺伝子型VanA)が検出された。
  • 食中毒様事例(有症苦情含む)34検体を検査したところ20検体から食中毒菌が検出された。検出菌の内訳は、サルモネラO13群が1検体、カンピロバクター ジェジュニが4検体、カンピロバクター コリが1検体、黄色ブドウ球菌が1検体、ウェルシュ菌が13検体であった。
  • 依頼検査では、1780検体中1検体からクラミジア トラコマティスが検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成27年10月~平成28年10月

 

表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断別)―平成28年10月

  • デング熱疑い患者5検体中1例から、デング熱が検出された。海外渡航歴(インドネシア)があり、渡航先で感染したと推定された。
  • 咽頭結膜熱患者2例から、ウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス1型が1例、アデノウイルス3型が1例であった。
  • 感染性胃腸炎患者14例中10例から下痢症の原因となるウイルスが検出された。その内訳は、ノロウイルスが9例、アデノウイルス41型が1例であった。
  • 手足口病患者20例中18例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA2型が1例、コクサッキーウイルスA6型が14例、コクサッキーウイルスA10型が1例、コクサッキーウイルスA16型が1例、エコーウイルス9型が1例であった。
  • ヘルパンギーナ患者1例からコクサッキーウイルスA2型が検出された。
  • 流行性耳下腺炎患者3例中1例からムンプスウイルスが検出された。
  • インフルエンザ様患者8例中8例からインフルエンザウイルスが検出された。その内訳は、インフルエンザウイルスAH3型7例、インフルエンザB型1例であった。また、集団かぜ患者2集団10例中7例から、インフルエンザウイルスAH3型が検出された。
  • 無菌性髄膜炎患者7例(20検体)中5例(14検体)からウイルスが検出された。その内訳は、1例目は髄液、咽頭ぬぐい液および便からコクサッキーウイルスB3型、2例目は髄液、咽頭ぬぐい液、便および尿からコクサッキーウイルスB5型、3例目は髄液と咽頭ぬぐい液からエコーウイルス3型、4例目は髄液、咽頭ぬぐい液および便からエコーウイルス6型、5例目は、咽頭ぬぐい液および便からライノウイルスであった。
  • その他の感染症9例のうち、流行性筋痛症患者3例(8検体)中3例(4検体)からヒトパレコウイルス3型が検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)-平成27年10月~平成28年10月

 

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成28年10月

  • 食中毒様事例では、食品(冷凍メンチ)6検体中3検体から腸管出血性大腸菌O157(VT2+)3検体が、食品(鶏肉)3検体中3検体からカンピロバクター ジェジュニが検出された。
  • 環境由来では、浴槽水10検体からレジオネラが検出された。血清型は、レジオネラ属菌が1検体、1群が3検体、3群が1検体、4群が4検体、7群が1検体であった。
    レジオネラ症患者発生事例より、浴槽水2検体からレジオネラ ニューモフィラ 1群が培養によって検出された。

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