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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

表1　病原体検出状況（保健所等別）―平成28年9月

• 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が11件、ウイルスが21件、インフルエンザ定点からウイルスが1件、基幹定点から細菌が2件、ウイルスが1件検出された。
• 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表２　病原細菌検出状況（臨床診断別）―平成28年9月

• 腸管出血性大腸菌感染症届出関連に伴う検査で、35検体中5検体から腸管出血性大腸菌O157（VT1+、VT2＋）が検出された。
• A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者2検体中2検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型は、T1が1検体、TB3264が1検体であった。
• 感染性胃腸炎患者9検体中2検体からその他の大腸菌が検出された。その内訳は、血清型OUT astAとO25の同時検出が1検体、OUT astA が1検体であった。
• マイコプラズマ肺炎患者9検体中8検体からマイコプラズマ　ニューモニエがPCRと分離培養によって検出された。
• レジオネラ症患者3検体中1検体からレジオネラ　ニューモフィラ（血清群1）が分離培養によって検出された。
• その他の感染症では、バンコマイシン耐性腸球菌感染症患者1検体中1検体からバンコマイシン耐性エンテロコッカス　フェシウム（遺伝子型VanA）が検出された。
• 食中毒様事例（有症苦情含む）52検体を検査したところ5検体からカンピロバクター　ジェジュニが検出された。

表３　病原細菌検出状況（月別）―平成27年9月～平成28年9月

表４　ウイルス・リケッチア検出状況（臨床診断別）―平成28年9月

• デング熱およびジカ熱等疑い患者7症例（14検体）中1例から、デングNS1抗原が検出された。患者には海外渡航歴（フィリピン）があり、渡航先で感染したと推察された。
• 感染性胃腸炎患者7例中3例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス41型が1例、ノロウイルスが2例であった。
• 手足口病患者8例中7例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA6型が4例、コクサッキーウイルスA10型が1例、コクサッキーウイルスA16型が2例であった。
• ヘルパンギーナ患者6例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA4型が1例、コクサッキーウイルスA6型が2例、コクサッキーウイルスA10型が2例、コクサッキーウイルスB5型が1例であった。
• 麻しん疑い患者32例中8例から麻しんウイルスが検出された。
• 流行性耳下腺炎患者6例中4例からムンプスウイルスが検出された。
• インフルエンザ様患者2例中2例からインフルエンザウイルスAH3型が検出された。また、集団かぜ患者1集団3例から、インフルエンザウイルスAH3型が検出された。
• 流行性角結膜炎患者3例中2例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス46型が1例、アデノウイルス54型が1例であった。
• 無菌性髄膜炎患者6例（12検体）中3例（3検体）からウイルスが検出された。その内訳は、1例目は咽頭ぬぐい液からムンプスウイルス、2例目は咽頭ぬぐい液からライノウイルス、3例目は髄液からエコーウイルス６型であった。
• 食中毒様胃腸炎調査では、便18検体について検査を実施したところ、2検体からノロウイルスが検出された。

表5　ウイルス・リケッチア検出状況（月別）-平成27年9月～平成28年9月

表６　食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成28年9月

• 食品由来では、収去検査2検体から食中毒菌が検出された。検出状況は、サルモネラO4群がサイコロステーキ（ビーフ＆チキン）から1検体、黄色ブドウ球菌が生めんから1検体であった。その他では手指ふきとり7検体から黄色ブドウ球菌が検出された。
• 環境由来の浴槽水15検体中3検体からレジオネラ　ニューモフィラが検出された。血清型は、1群、5群、6群が各々1検体であった。