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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第282号

平成28年6月20日発行
病原体検出は平成28年4月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成28年4月


<検出状況>

  • 4月の病原体検出数は合計82件、細菌は30件、ウイルス・リケッチアは52件であった。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が15件、ウイルスが22件、インフルエンザ定点からウイルスが3件、基幹定点からウイルスが3件、その他の医療機関から細菌が2件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成28年4月

  • 腸管出血性大腸菌感染症患者5検体中2検体から腸管出血性大腸菌O26(VT1+)が検出された。
  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者13検体中12検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型は、T1が9検体、T12が1検体、T28が1検体およびUTが1検体であった。
  • 感染性胃腸炎患者7検体中1検体からその他の大腸菌(血清型O8)が検出された。
  • マイコプラズマ肺炎患者5検体中4検体からマイコプラズマ・ニューモニエがPCRと分離培養によって検出された。
  • その他の感染症では、バンコマイシン耐性腸球菌感染症患者2検体からバンコマイシン耐性エンテロコッカス フェシウム遺伝子型(VanA)が検出された。
  • 食中毒様事例では、41検体中1検体からサルモネラO4群(S.Schwarzengrund)が検出され、7検体からカンピロバクター ジェジュニが検出された。
  • 依頼検査では、1748検体中1検体からサルモネラO8群が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成28年4月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断別)―平成28年4月

  • 咽頭結膜熱患者9例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス1型が4例、アデノウイルス2型が4例、アデノウイルス3型が1例であった。
  • 感染性胃腸炎患者15例中10例から下痢症の原因となるウイルスが検出された。その内訳は、ロタウイルスが2例、ノロウイルスが8例であった。
  • 手足口病患者1例からエンテロウイルス71型が検出された。
  • インフルエンザ様患者16例中13例からインフルエンザウイルスが検出された。その内訳は、インフルエンザウイルスAH1pdm09が1例、インフルエンザウイルスB型が12例であった。
  • 無菌性髄膜炎患者4例(8検体)中2例(2検体)からウイルスが検出された。その内訳は、1例目は尿からサイトメガロウイルスが、2例目は咽頭ぬぐい液からライノウイルスとサイトメガロウイルスが同時検出された。
  • A型肝炎疑い患者から、A型肝炎ウイルスが検出された。患者には海外渡航歴(台湾)があり、渡航先で感染したと推察された。
  • 急性弛緩性麻痺患者1例8検体中3検体からウイルスが検出された。その内訳は、咽頭ぬぐい液からライノウイルスとヘルペスウイルス6が、鼻腔ぬぐい液からライノウイルスが、便からアデノウイルス2型が検出された。
  • 食中毒様胃腸炎調査では、便47検体について検査を実施したところ、11検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)-平成28年4月

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成28年4月


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