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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第281号

平成28年5月20日発行
病原体検出は平成28年3月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成28年3月


<検出状況>

  • 3月の病原体検出数は合計182件、細菌は48件、ウイルス・リケッチアは134件であった。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が15件、ウイルスが72件、インフルエンザ定点からウイルスが14件、基幹定点からウイルスが2件、その他の医療機関から細菌が1件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成28年3月

  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者12検体中12検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型は、T1が10検体、T3が1検体およびT4が1検体であった。
  • 感染性胃腸炎患者8検体中1検体からその他の大腸菌(血清型O125)およびサルモネラO8群(S. Manhattan)が、1検体からその他の大腸菌(血清型OUT afa +)が検出された。
  • マイコプラズマ肺炎患者3検体中1検体からマイコプラズマ・ニューモニエがPCRと分離培養によって検出された。
  • その他の感染症では、入院患者にバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の保菌者が見つかった。VREスクリーニング検査により、22検体すべてからバンコマイシン耐性エンテロコッカス フェシウム遺伝子型(VanA)が検出された。
  • 食中毒様事例では、43検体中5検体からカンピロバクター ジェジュニが検出され、1検体からウェルシュ菌が検出された。
  • 依頼検査では、1735検体中1検体から、サルモネラO4群(S.Schwarzengrund)が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成28年3月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断別)―平成28年3月

  • 咽頭結膜熱患者1例からアデノウイルス2型が検出された。
  • 感染性胃腸炎患者9例中3例からノロウイルスが検出された。また、集団感染性胃腸炎事例では、6例中5例からノロウイルスが検出された。
  • ヘルパンギーナ患者2例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA6型が1例とライノウイルスが1例であった。
  • 流行性耳下腺炎患者2例中1例からムンプスウイルスが検出された。
  • インフルエンザ様患者93例中83例からインフルエンザウイルスが検出された。その内訳は、インフルエンザウイルスAH1pdm09が26例、インフルエンザウイルスAH3型が11例、インフルエンザウイルスB型が46例であった。
  • 無菌性髄膜炎患者3例(8検体)中2例(2検体)からウイルスが検出された。その内訳は、1例目は咽頭ぬぐい液からライノウイルスが、2例目は咽頭ぬぐい液からヒトヘルペスウイルス7型が検出された。
  • 食中毒様胃腸炎調査では、便107検体について検査を実施したところ、37検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)-平成28年3月

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成28年3月

  • 環境由来の浴槽水10検体(原水1検体含む)中3検体からレジオネラニューモフィラが検出された。血清型は、3群、3群および6群、3群および9群が各々1検体であった。
  • 環境由来のその他13検体のうち、飲料水2検体からその他の大腸菌が検出された。

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