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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第254号

平成26年2月27日発行
病原体検出は平成25年12月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成25年12月

<検出状況>

  • 12月の病原体検出数は合計139件、細菌は19件、ウイルス・リケッチアは120件であった。
       
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が9件、ウイルスが66件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が9件、ウイルスが46件、インフルエンザ定点からウイルスが8件、基幹定点から細菌が1件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成25年12月

  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者11検体中8検体からA群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型はT12が2件、TB3264が2件、T1、T4、T6およびUTが各々1件であった。
  • 感染性胃腸炎17検体中1検体から黄色ブドウ球菌(エンテロトキシンA+B型)が検出された。また1検体からその他の大腸菌(血清型O158)が検出された。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染患者1検体から肺炎球菌が分離培養によって検出された。血清型は23型、ペニシリン低感受性型であった。
  • 食中毒(関連調査)2事例12検体中、1事例1検体からカンピロバクター ジェジュニが、また1事例2検体からカンピロバクター ジェジュニと2検体からカンピロバクター コリが検出された。平成25年はカンピロバクター ジェジュニが年間をとおして検出された。
  • 有症苦情(関連調査)2事例2検体中1検体からカンピロバクター ジェジュニが、また1検体からカンピロバクター ジェジュニと腸管病原性大腸菌:EPEC(血清型OUT:H4、血清型OUT:H40)が同時検出された。
  • 平成25年はマイコプラズマ肺炎患者検体から肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ ニューモニエ)の検出は10検体で、平成24年の57検体の1/5以下の検出であった。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成25年12月

 

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成25年12月

  • RSウイルス感染症疑い患者6例中1例からRSウイルスが検出された。
  • 咽頭結膜熱患者5例中5例からアデノウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス1型が2例、アデノウイルス3型が1例、アデノウイルス4型が2例であった。
  • 感染性胃腸炎患者36例中25例から下痢症の原因となるウイルスが検出された。その内訳は、ノロウイルスが18例、サポウイルスが6例、ノロウイルスとサポウイルスの同時検出が1例であった。また食中毒様集団感染症の発生は5事例で、便35検体について検査を実施したところ、5事例23検体からノロウイルスが検出された。
  • 手足口病患者4例中3例からコクサッキーウイルスA16型が検出された。
    平成25年に手足口病患者164例から検出された主なウイルスは、コクサッキーウイルスA6型が70例、エンテロウイルス71型が24例、コクサッキーウイルスA16型が15例であった。
  • 麻疹疑い患者3例、7検体について検査を実施したところ1例、2検体から麻疹ウイルスが検出された。
  • 流行性耳下腺炎患者1例からムンプスウイルスが検出された。
  • インフルエンザ様患者20例中5例からインフルエンザウイルスAH1pdm09、9例からインフルエンザウイルスAH3型、5例からインフルエンザウイルスB型が検出された。集団かぜ発生に伴い1集団中4検体について検査を実施したところ、3検体からインフルエンザウイルスB型が検出された。また、中国からの帰国者でインフルエンザ様症状を発症した患者1例について鳥インフルエンザ(H5およびH7)を含めた検査を行ったところ、1例から同AH3型が検出された。
  • 食中毒様胃腸炎の発生は13事例(県域3事例、関連調査10事例)で、便52検体について検査をしたところ、9事例36検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成25年12月

 

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成25年12月


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