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特集 Work vol.8

自主製品のカタログ制作で、
地域に溶け込む

日中活動支援部会(瀬谷区障害者地域自立支援協議会)

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自主製品のカタログ制作で、地域に溶け込む

横浜市瀬谷区の日中活動支援部会(瀬谷区障害者地域自立支援協議会)は2020年5月、所属する障害福祉サービス事業所の自主製品を紹介し販売する「通販カタログ」を制作しました。制作から1年半、売上だけでなく、新たな出会いや共生社会の理解が深まるなど、地域に溶け込む取組になっています。

日中活動支援部会とは?

地域の障がい者支援機関を中心としたネットワーク「瀬谷区障害者地域自立支援協議会(せやまんまるねっと)」。この中で、昼間に活動している事業所(障がい者福祉通所施設)のスタッフで構成され、情報共有や協働での地域活動などを行っているのが「日中活動支援部会」です。日中活動支援部会では、赤い羽根の街頭募金や障害福祉に関するチラシの配布ほか、利用者が手作りした自主製品の販売会などを行っています。

イベント出店に代わる自主製品の販売方法を模索

区内活動では、瀬谷フェスティバルや三ツ境商店街など地域イベントに出店するなどの「自主製品の販売」が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、相次いで中止に。この他にも各障害福祉サービス事業所が独自で参加していたイベントも中止となり、販売場所の確保ができず、皆悩みを抱えていました。

こうした中、部会に所属する一つで、瀬谷区内に複数の障害福祉サービス事業所を展開する「NPO法人でっかいそら」は、売上の確保に努めようと販売方法を模索。インターネットを使用した通販も案にあがりましたが、地域の方に配布し、地域の方に購入してもらえるよう、FAX注文できる自主製品の紹介チラシを2020年4月に制作しました。

同法人自主製品管理部の望月孝敏さんは「商品物販だけでなく、障がいがある人が地域に溶け込むことも目的の一つと考えて、FAX通販を選択しました。瀬谷区役所や福祉に携わる人が多いケアプラザなどに配架すると、初月から想像を超える売り上げがあり、これには驚きました」と話します。

地域の方と繋がるため、身近に配るFAX通販を選択
地域の方と繋がるため、身近に配るFAX通販を選択

好事例として共有し、地域一体で挑戦

望月さんは、すぐさま部会のメンバーへと情報を共有し、呼びかけに共感した有志とともに事業所の自主製品を一挙に見られるカタログを制作。購入者には「事業所は知っていたけれども、何を作っているのか、またどこで購入できるのかを知らなかった」という人が多く、こだわりの自主製品と事業所についての周知に繋がりました。

大きな変化があったのは、自治会や商店街、企業からの問合せがあったことです。コロナ禍で集まりが規制されていたことなどもあり、自主製品が「ノベルティ」や「贈答品」などとして活躍。地域の方の理解を得られた事業へと発展していきました。

複数事業所の自主製品のチラシをまとめたカタログ
複数事業所の自主製品のチラシをまとめたカタログ

カタログ制作から1年半 次の発展へ

現在、カタログには7事業所の自主製品が掲載されており、区内10カ所ほどに配架されています。望月さんは「格好の良いデザインとはいえないカタログだけれども、コロナ禍においても利用者の工賃となる大切な売上につながりました。そして、何よりも地域の皆様に障がい者や事業所への理解が深まったことが良かったです。これに満足せず、地域の方ともっと交流できる手段を考えて、共生社会を実現していける地域にしたいです」と話していました。

カタログ制作を持ち掛けた望月さん
カタログ制作を持ち掛けた望月さん
取材先:日中活動支援部会(瀬谷区障害者地域自立支援協議会)
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