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更新日:2024年7月23日
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令和6年第2回定例会で可決された意見書・決議
地方裁判所及び家庭裁判所は、地域や家庭における紛争等を解決するための重大な職責を担っており、事案の処理に適した審理体制の採用並びに人材及び施設の確保が不可欠である。加えて、国民に対する司法サービスの提供に当たっては、地域間で格差があってはならず、裁判を受ける権利が公平に保障されることが求められる。
しかしながら、民事事件や刑事事件において複数の裁判官で審理をする合議制及び労働事件を簡易迅速に解決する労働審判が導入されていない裁判所があることや、家事事件が増加、複雑化する中、身近に家庭裁判所が存在しないことから、居住地から離れた遠方の裁判所での手続を行うことを余儀なくされるなどの状況が一部に認められ、対応状況に差異が生じている。
本県においても、横浜地方裁判所相模原支部では、合議制・労働審判が行われていないことや藤沢簡易裁判所に家庭裁判所出張所が併設されていないことなどをはじめとして、特定の地域住民が負担を強いられており、早急な対応が求められる。
よって国会及び政府は、国民が公平な司法サービスを享受するために必要な審理体制の採用、裁判官・裁判所職員の増員及び施設の整備を行うなど、裁判所機能の充実を図るよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年7月9日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
法務大臣
財務大臣
神奈川県議会議長
難聴は認知症の危険因子の一つであると言われており、難聴になると、人や社会とのコミュニケーションを避けがちになり、孤立する可能性も懸念されている。国立長寿医療研究センターの調査でも、聴力が低下した高齢者の孤独感が要介護状態の新規発生と関連することが明らかになった。
そのため、難聴を早期に発見して適切な対応を行い、聴力を維持することは、認知症予防につながるとされている。我が国の更なる高齢化の進展を踏まえ、認知症や要介護状態の新規発生を予防し、高齢者の積極的な社会参画を実現できるよう、聴覚機能を補完する取組を推進することが必要である。
よって政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 加齢に伴う聴力低下による影響について、正しい知識の普及啓発を図ること。
2 言葉の聴き取り状態などを簡易的に把握するアプリ等の活用を含め、高齢者の聴力低下の早期発見につながる取組を推進すること。
3 行政等の公的窓口などに、聴覚補助機器や対話支援機器等の配備を推進すること。
4 地域包括ケアシステムの中に、耳鼻咽喉科の医師や言語聴覚士、補聴器技能者等の専門家も参画し、聴こえの課題改善に向けた仕組みを構築すること。
5 難聴に悩む高齢者が、医師や専門家の助言のもとで、自分に合った補聴器を積極的に活用できるよう、補助制度を含む環境整備を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年7月9日
内閣総理大臣
総務大臣 }殿
財務大臣
厚生労働大臣
神奈川県議会議長
地方自治体では、超高齢化社会や本格的な人口減少社会への対応に加え、子ども・子育て政策の強化、感染症対策、脱炭素化の推進、激甚化・頻発化する自然災害への備え、老朽化した公共施設の維持修繕、デジタル行政の推進といった増大する財政需要に対応することが求められている。
これまでの地方自治体は、社会保障関係費が増加する中、人件費や投資的経費、公債費を削減することでしのいできたが、昨今の人件費の上昇、物価高、金利上昇等歳出増要因が拡大する状況にあって、従来の対応には限界があり、今後更に増大する財政需要に見合った財源やこれらの需要を支える人材の確保が極めて重要となる。
地方自治体が、増大する役割に的確に対応するためには、安定的な財政運営に必要となる地方一般財源総額を確保・充実するとともに、行政サービスの地域間格差が過度に生じないよう、地方自治体間の税収の偏在状況や財政力格差の調整状況等を踏まえつつ、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組むことが必要である。
よって国会及び政府は、地方自治体が増大する役割を果たし、住民に十分な行政サービスを提供することができるよう、次の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。
1 社会環境の変化に伴う財政需要の増大に対応しつつ質の高い行政サービスを提供していくため、地方財政計画に地方の財政需要を的確に反映し、安定的な財政運営に必要な地方一般財源総額を確保・充実すること。
2 地方の固有財源である地方交付税については、法定率の引き上げを含む更なる見直しにより、総額を確保すること。
3 消費税といった偏在が少ない税目を地方へ税源移譲することなどにより、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築すること。
4 特別交付税の配分に当たり、諸手当等の支給水準が国の基準を超えている地方自治体に対して、その取扱いを理由とした特別交付税の減額措置を行わないこと。とりわけ、地域手当については、近隣自治体間における支給割合の差により人材確保上の困難が生じていることから、地方自治体の自己決定権を尊重し、特別交付税の減額措置を廃止すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年7月9日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
財務大臣
神奈川県議会議長
神奈川県、横浜市、川崎市及び横須賀市は、古くから水源開発を共同で行うとともに、高度経済成長期の水需要の急増に対処するため、昭和44年5月に神奈川県内広域水道企業団を設立し、以来、4水道事業者及び神奈川県内広域水道企業団(以下「5事業者」という。)が協力して、県内人口の約9割を占める県民への給水を担ってきた。
しかし、県内の水需要は、平成4年度をピークに減少に転じ、今後も人口減少や生活様式の変化等により減少が続くことが明らかな中、浄水場や基幹管路など主要施設の老朽化への対応が5事業者にとって喫緊の課題となっている。
こうした課題の解決に向けて、5事業者は連携して「水道システム再構築」の協議を進め、令和6年5月に、この取組を推し進めるとした首長による覚書を締結するとともに、具体的な施設整備の内容と向こう30年にわたる工程を整理し、「施設整備計画」を策定した。
この計画の柱となる「将来の水需要に見合った適正規模への施設のダウンサイジング」や「災害時のバックアップ機能の強化」の取組は、将来にわたって安定的で持続可能な水道システムの構築を目指すものであり、国土交通省に移管された水道行政が推進する、水道基盤強化のための強靭化、広域化に合致するものである。加えて、上流からの取水を優先した施設配置とすることで電力の消費を抑えるなど、脱炭素化にも貢献する注目すべき取組である。
一方、大規模かつ長期にわたる施設整備には、多くの財源が必要となるが、かつての施設拡張に対する補助制度のような支援の枠組みが十分に整備されているとは言えない状況であり、今後の水道事業経営に与える影響が大きいことから、国による財政支援が不可欠となる。
5事業者が取り組む「水道システム再構築」は、同様の課題を抱える全国の水道事業者にとって、解決に向けた先駆的なモデルになり得るものである。
よって政府は、この取組が着実に遂行できるよう、財政支援制度を創設されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年7月9日
内閣総理大臣
総務大臣 }殿
財務大臣
国土交通大臣
神奈川県議会議長
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