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更新日:2024年4月3日

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神奈川県議会 令和6年第1回定例会で可決された意見書・決議

令和6年第1回定例会で可決された意見書・決議

PFOS等を含む泡消火薬剤の流出防止に係る抜本的対策を求める意見書

 令和5年11月に世界保健機関(WHO)の傘下組織である国際がん研究機関(IARC)が発がん性評価の結果を公表し、有機フッ素化合物の一つであるPFOAを、4段階ある分類のうち最も高い「発がん性がある」に2段階引き上げ、PFOSを、上から3番目の「発がん性がある可能性がある」に初めて位置付けた。
 PFOS及びPFOA(以下「PFOS等」という。)は、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する要監視項目に指定されており、都道府県等による水質測定の結果、多くの河川や地下水から、国が定める暫定目標値を超えるPFOS等が検出されている。こうした身近な環境から発がん性物質が検出されることで、国民の不安が高まっており、健康被害を防止するため、国は早急かつ抜本的な対策を講じる必要がある。
 PFOS等は環境中で分解されにくく、長期間にわたり残留し、人や動植物の体内にも蓄積されることから、ストックホルム条約で製造・使用が制限等され、国内でも化学物質審査規制法によって製造・輸入が原則禁止されている。
 一方、国内で規制される前に製造されたPFOS等を含む泡消火薬剤は、急な代替が難しいことから、いまだに多くの駐車場等で保管され、火災時の使用が認められている。国が令和2年9月に発表した「PFOS含有泡消火薬剤全国在庫量調査」の結果によると、全国の駐車場等で約80万リットルの泡消火薬剤が保管されていることが明らかになったが、その所在や保管量の詳細は把握されていないのが現状である。
 また、令和5年12月には、東京都町田市内の駐車場から泡消火薬剤が流出する事故が発生し、下流に位置する本県自治体が水質調査を行うなど、県域を越えた広域的な対応が必要な事案も生じている。
 そこで、PFOS等含有泡消火薬剤を広域的かつ確実に代替させていくためには、法令による規制が不可欠であり、国の責任において取り組むべき重要な課題と考える。
 よって国会及び政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 PFOS等を含む泡消火薬剤の所在や保管量を把握し、使用等を規制するための法整備を進めること。
2 PFOS等を含まない泡消火薬剤への代替費用の助成制度を創設すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣 }殿
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
環境大臣
 

神奈川県議会議長

「手話言語による国歌」策定を求める意見書

 我が国の「国歌」は「国旗及び国歌に関する法律」において定められており、国家的行事やオリンピック等国際スポーツ大会など、国民が国歌に触れる機会は多くあり、音声による国歌斉唱はごく自然に行われている。
 その一方で、上記のような場面において、国歌を手話言語で斉唱することはほとんど行われておらず、手話言語で国歌をどのように表現するかということについては定められていない。ろう学校やろう者等の当事者団体やスポーツ大会主催団体等が、当該行事においてそれぞれ必要に応じて手話言語で国歌斉唱を行っているが、多くは手話表現を考えた人の解釈にゆだねられており、手話表現もそれぞれに異なるため、同じ国歌でありながら手話表現は統一されていないのが現状である。
 聞こえない人のスポーツの国際総合競技大会である「デフリンピック」では、表彰台で優勝国の選手が自国の手話言語で国歌斉唱を行っている中、2017年にトルコ・サムスンで開催された第23回夏季デフリンピックにおいて、日本代表の女子バレーボールチームが優勝した際、独自の表現ではあるが、初めて手話言語で国歌斉唱を行い、国内で大きな反響があり、「手話言語による国歌」策定の気運が高まってきた。
 これまで我が国で考えられてきた「国歌の手話表現」の多くは、日本語の歌詞に沿って検討されている例が多く、聞こえない人が国歌に親しみ、国歌を斉唱できるようにするためには、日本語の歌詞の手話表現を検討し、統一された「手話言語による国歌」の策定が必要であると考える。
 我が国において「手話言語による国歌」が策定されていないことは、聞こえない人が国民として国歌に触れる機会を奪うことに等しいと言わざるを得ない。日本で初めて開催されるデフリンピック東京大会開催を来年に控えている中、聞こえない人を含むすべての国民が一体となって国歌を斉唱するためには、「手話言語による国歌」が必要不可欠である。
 よって国会及び政府は、専門家や当事者団体等が参画する検討組織を設置し、関係者や関係団体との意見調整のもと、「手話言語による国歌」を早急に策定するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣 }殿
法務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣

 神奈川県議会議長

「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の施行に関する意見書

 平成27年、神奈川県議会は国に対して「売春防止法の抜本的な改正又は新たな法整備を求める意見書」を提出し、令和4年5月に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(以下「女性支援法」という。)が制定された。
 令和6年4月の女性支援法施行により、対象者が拡大することから、今後は、多様な支援を包括的に提供する体制の整備と民間団体との協働による支援が不可欠となる。
 また、困難な問題を抱えた女性の中には、居住地を変え新たな生活を望む場合もあり、居住地域により女性への支援に差が出ることがないよう関係機関等が連携し、長期にわたる切れ目のない支援を実施する必要がある。
 よって国会及び政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 女性支援に当たる関係者が情報交換や支援内容に関する協議を行う「支援調整会議」の詳細な考え方を早急に提示し、地方公共団体に情報を提供すること。
2 相談体制の充実のため、都道府県における常勤の女性相談支援員の配置基準を設定するほか、すべての市町村において女性相談支援員を配置できるよう、財政的支援を強化するとともに、研修の充実など支援員の質の向上にも努めること。
3 支援体制の構築に際しては、地域格差が生じることのないよう努めるとともに、長期にわたる伴走支援などが求められることから、地方公共団体及び民間団体に対し、安定的な財政支援の仕組みを構築すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

 神奈川県議会議長

中小企業における多様な人材の確保に向けた支援を求める意見書

 中小企業を取り巻く環境は、生産年齢人口の減少による人材不足により、かつてなく深刻な状況を迎えており、事業継続を断念するケースが増えている。
 こうした中、女性、外国人、高齢者、障がい者など「働き手の多様化」を進めることは、人材確保の有効な手立てとなり、ビジネスに多様な視点を活かす効果も期待される。
 働き手の確保のうち、女性人材については、多様で柔軟な働き方などを通じ、育児・介護等とキャリア形成を両立できる環境づくりを進め、働きやすい職場環境を生み出していくとともに、女性のキャリアアップ支援などについても、これまでと異なる取組を進めていく必要がある。
 また、外国人については言語や生活習慣の違い、高齢者については健康面、障がい者については障害の特性など、それぞれ配慮すべき様々な課題を解決していかなければならない。
 こうした状況を踏まえ、国は、「女性版骨太の方針2023」をはじめとして、中小企業における女性活躍の促進など、多様な人材の活躍に向けた取組を進めているが、より一層の支援が必要と考える。
 よって政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 女性が活躍できる環境づくりに向け、女性のキャリア形成や、働きやすい環境整備について、実効性のある支援策を講じること。
2 外国人の企業への受入れ促進や相互理解の環境整備を推進するため、必要な支援策を講じること。
3 高齢者の就労機会の確保に向けた、必要な支援策を講じること。
4 新たに引き上げられる障がい者の法定雇用率の達成にとどまらず、障がい者の就労機会の拡大や労働環境の整備などに必要な支援策を講じること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年3月25日

 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣 }殿
 厚生労働大臣
 経済産業大臣

神奈川県議会議長 

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