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更新日:2024年3月6日

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神奈川県議会 令和5年第3回定例会で可決された意見書・決議

令和5年第3回定例会で可決された意見書・決議

緊急防災・減災事業債の期間延長及び一層の強化を求める意見書

 近年大規模化している台風や豪雨等の風水害は、堤防の決壊、河川の氾濫、土砂崩れなど、各地に甚大かつ深刻な被害をもたらしている。
 また、本県は首都直下型地震などの大規模地震や津波による被害が懸念されている。
 こうした状況の中、国・地方自治体・民間が一体となって防災・減災・国土強靱化の取組を進めるとともに、地域の防災力の一層の強化を図る必要があり、本県の各市町村は、厳しい財政状況の中、防災・減災対策を着実に実施しているが、必要財源の確保という課題に直面している。
 緊急防災・減災事業債は、地方債の充当率が100%、そのうちの元利償還金の70%が地方交付税措置とされており、地方自治体にとって極めて重要な財源であるが、緊急防災・減災事業債は令和7年度までの時限措置であり、防災・減災対策を着実に進める上で、各自治体の大きな懸念材料となっている。
 また、発災時の対応拠点となる庁舎についても、必要な耐久性を満たしていない庁舎については、建替えを検討する必要があるが、現時点では起債の対象とはなっていない。
 よって国会及び政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。

1 緊急防災・減災事業債は、令和7年度までの時限措置とされているが、地方自治体にとって極めて重要な財源であることから、令和8年度以降も継続すること。

2 起債の対象について、現在認められている避難所へのエアコンの設置、防災行政無線のデジタル化等に加えて、庁舎の建替えにも活用できるよう対象事業の見直しを図るとともに、財政措置の一層の充実・強化を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年10月13日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣

神奈川県議会議長

軽油引取税の免除措置の継続・恒久化を求める意見書

 砕石業及び漁業で使用する軽油に課税される軽油引取税は、平成21年度の税制改正において、同税が道路特定財源から一般財源化された後も、課税による業界への影響が大きいという政策的観点から、課税が引き続き免除されてきたが、当該措置は令和6年3月31日をもってその期限を迎える。
 砕石業は、近年における公害や環境対策費用の上昇、労働力不足といった外的要因に加え、東日本大震災復興需要で一時的に生産量は増加したものの、コンクリート用、道路用の需要の低迷により製品価格が頭打ちの状況で、重機価格、燃料単価及び火薬単価等の上昇分の価格転嫁が難しく、大変厳しい経営環境にある。
 また、漁業においても、軽油は大変重要な生産資材であり、経費に占める燃油コストが極めて高いため、燃油価格の上昇は漁業経営を圧迫しており、このような事態は漁業者の努力の限界を超えている。
 課税免除措置が終了となれば、砕石業や漁業だけでなく、地域の産業、経済に計り知れない影響を与えることが懸念される。
 よって国会及び政府は、地域経済を支える産業支援の観点から、課税免除措置を継続されるとともに、その恒久化についても検討されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年10月13日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣   }殿
財務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣

神奈川県議会議長

保育士の配置基準の改善等を求める意見書

 近年、保育所等において送迎バスでの園児の置き去りや不適切な保育など、子どもの命と安全が脅かされる事案が相次いで発生している。
 こうした事案が発生する要因の一つとして、慢性的な人員不足による保育士の多忙化が挙げられている。国が定める保育士の配置基準は長年見直しがされておらず、特に4・5歳児は子ども30人に対し保育士1人と、国際的にも低い水準となっている。自治体の中には、独自の配置基準を設け、国の基準を上回る保育士を配置しているが、財源の確保等に課題もあり地域格差が生じている。
 また、国は公定価格に処遇改善等加算を設けるなど、賃金引上げに取り組んできたが、「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、県内の保育士の平均月給は全産業平均より約6万円低い状況にあり、非正規で不安定な雇用状態の職員も多く、いまだ対策が十分とは言い難い。
 本年6月に閣議決定された「こども未来戦略方針」では、1歳児及び4・5歳児の配置基準の改善と、民間給与動向等を踏まえた保育士の更なる処遇改善を検討することが盛り込まれているが、子どもの命と安全を守り、保育の質の向上を図るためには、早急に改善に向けた取組を行うことが求められる。
 よって政府は、保育所等について、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。

1 保育士の配置基準を改善すること。

2 保育士の処遇について、他の職種の給与水準を踏まえた改善を図ること。また、正規職員としての就労を希望する非正規職員の正規化を含め、職員の雇用の安定化を促す支援策を講じること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年10月13日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣      }殿
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣
(こども政策)

神奈川県議会議長

森林環境譲与税の譲与基準見直しの慎重な検討を求める意見書

 森林の有する公益的機能は、国土の保全や水源のかん養等、国民に広く恩恵を与えるものであり、適切に森林の整備等を進めていくことは、我が国の国土や国民の生命を守ることにつながる。
 そのため国は、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、森林環境譲与税を創設した。
 森林環境譲与税は、令和元年度から、市町村と都道府県に対して、私有林人工林面積、林業就業者数及び人口による客観的な譲与基準に基づいて案分された額が配分されており、この税を活用し、山村地域では必要な森林整備等を行い、都市部では国産木材の利用促進や普及啓発を図るなど、地域の実情に応じた取組が進展している。
 しかしながら、農林水産省は、令和6年度税制改正要望において、森林整備をより一層推進するため、私有林人工林面積による配分の割合を高めるよう譲与基準の見直しを要望している。
 神奈川県内市町村においては、これまでの譲与額の約9割について、既に活用済又は使途が決定済となっており、現行の譲与基準をベースとして将来の活用を見込んでいる中で、このような見直しが行われると、市町村における森林整備や木材利用の促進、人材育成などの計画的な取組に大きな影響が生じるため、譲与基準の見直しに当たっては慎重に検討する必要があると考える。
 よって国会及び政府は、山村地域における森林の整備や人材の育成、都市部における地域産木材の利用促進や普及啓発などの計画的な取組に支障が生じることのないよう、譲与基準の見直しに当たっては、慎重に検討されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年10月13日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣

神奈川県議会議長

医療・介護・障害福祉分野における処遇改善を求める意見書

 厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、医療・福祉施設等の介護職員の時間外勤務手当などを含む平均賃金は月額25万7,500円であり、全産業平均の34万100円と比べて、8万円を超える格差がある。
 今年10月には最低賃金が引き上げられ、民間企業においてはベースアップを含め賃上げが進んでいる中、公定価格により運営する医療・福祉施設等は民間企業のように急激な物価高騰・賃金上昇等の影響を価格に転嫁することができず、他産業との賃金格差が更に拡大している。
 また、今年8月に出された「令和5年人事院勧告」では民間企業の賃上げを受けてプラス改定となり、保育所等の公定価格や障害児施設措置費は令和5年4月に遡って増額されるなど職員の処遇改善が行われる一方で、介護報酬や障害福祉サービス等報酬には反映されない状況である。
 医療や介護、障害福祉を支える職員については、人手不足や過重労働が解消されない中で、賃金面での処遇改善が図られなければ、職員の離職に歯止めが掛からず、必要なサービスの提供ができなくなるおそれがある。
 よって政府は、医療・介護・障害福祉分野において、次のとおり職員等の賃金水準を確保するための制度改革を迅速に推進されるよう強く要望する。

1 医療・介護・障害福祉分野の賃上げについて、経済対策での処遇改善支援事業を早期に実行すること。その上で、令和6年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬(以下「診療報酬等」という。)の同時改定においては物価高騰・賃金上昇等を踏まえ、処遇改善を行うこと。

2 確実な賃上げと社会保障の機能を維持するため、物価高騰・賃金上昇等に相当する診療報酬等の財源については、「社会保障関係費については、実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びにおさめることを目指す方針」、いわゆる「歳出の目安」とは異なる扱いとすること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月18日

内閣総理大臣
総務大臣   }殿
財務大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長

旧姓の通称使用の拡充を周知し、第5次男女共同参画基本計画に沿った政策の推進を求める意見書

 平成28年度内閣府の旧姓使用の状況に関する調査によると、旧姓使用を認めている企業は約半数にのぼっている。
 また、「第5次男女共同参画基本計画」(令和2年12月25日閣議決定)では、婚姻により改姓した人が不便さや不利益を感じることのないよう、引き続き旧姓の通称使用の拡大やその周知に取り組むこと、並びに、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、更なる検討を進めることとしている。
 一方で、旧姓の通称使用が法律に基づいていないために、民間公益法人の資格や金融機関の口座開設など通称使用を認めていないケースがある。また、「第5次男女共同参画基本計画」及び「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023」では、プライム市場上場企業を対象とした女性役員比率に係る数値目標等を設定しているが、特に女性が指導的地位に就く場合等において、金融機関等での旧姓の通称使用が認められていないがゆえに実際に不便を生じる事例もある。
 よって国会及び政府は、様々な意見や社会情勢を踏まえた上で、婚姻後の社会生活に支障が生じないよう、旧姓の通称使用に対する理解を深め、旧姓の通称使用の利便性が高まるように、一層取り組むことを強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月18日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣      }殿
法務大臣
内閣府特命担当大臣
(男女共同参画)

 

神奈川県議会議長

 

パレスチナ自治区ガザ地区における人道的対応及び停戦を求める決議

 本年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃を端緒としたハマスとイスラエル軍の戦闘により、多くの民間人が犠牲となっている。
 この紛争では、イスラエル軍の攻撃により子供たちを含む多数の民間人が死傷しているほか、ハマスにより罪のない人々が多数人質として拘束されている。
 こうした事態を受け、先進7か国(G7)外相は、11月8日、ガザ地区の人道的危機に対処するため、戦闘の人道的休止や人質の即時解放などを支持する共同声明を発表したほか、国連安全保障理事会においても、11月15日に緊急会合を開き、戦闘の人道的休止や人質の解放などを要請する決議を採択した。
 また、12月12日、国連総会の緊急特別会合において、人道目的の即時停戦を求める決議が採択されている。
 このような国際社会による事態の収拾に向けた努力は続けられているが、依然として戦闘状態は続いており、状況は不透明である。
 今後とも、国際社会は協調して、国際法に基づく人道的な処遇と安全を保障するための取組を続けていく必要がある。
 神奈川県議会は、国際法に基づく人道的危機の改善に向けた、より一層の取組及び人道目的による停戦を強く求める。
 以上のとおり決議する。

令和5年12月18日

神奈川県議会

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