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更新日:2021年3月31日

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神奈川県議会 令和3年第1回定例会で可決された意見書・決議

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台湾の世界保健機関(WHO)年次総会オブザーバー参加を求める意見書

 我が国と地理的にも近接する台湾では、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)による深刻な打撃を受けた教訓を活かし、新型コロナウイルス発生直後から、検疫の強化、IT技術を駆使したマスク等の物資の安定供給など、素早い対策を行い、感染者の大幅な増加の抑え込みに成功した。こうした取組の成果をWHOや各国の専門家と情報共有できれば、国際的な感染症対策の進展の一助ともなる。
 日本国政府は、従来から台湾のWHO総会へのオブザーバー参加を一貫して支持し、働きかけを行ってきたが、台湾は2009年以降、8年連続でWHO総会へオブザーバー参加したものの、2017年からは参加できていない。
 昨年開催された年次総会においても、日本、米国をはじめ台湾のオブザーバー参加を支持した国があったにもかかわらず、参加を見送られたことは誠に遺憾であり、豊富な知見・経験を持つ台湾が参加できないことは、防疫上、世界的な損失である。
 WHO憲章は、「人権、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることは、あらゆる人々にとっての基本的人権のひとつである」と掲げている。この中には、2,300万人の台湾の人々も含まれているはずであり、政治的理由により台湾が排除されるものではない。
 よって国会及び政府は、関係各国、地域と連携し、台湾のWHOへの継続的なオブザーバー参加が実現されるよう、これまで以上の取組の強化を要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
外務大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長

新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律を踏まえた速やかな財政支援を求める意見書

 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律が2月13日から施行された。国及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等のまん延により影響を受けた事業者を支援するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を効果的に講じるものとされ、加えて、新型インフルエンザ等対策に協力する病院その他の医療機関及び医療関係者に対する支援その他の必要な措置も講じるものとされた。
 また、併せて、国は、新型インフルエンザ等対策に関する地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を講じるものとされ、新型コロナウイルス感染症の収束に向けて、効果的な感染症対策を進める上で地方公共団体が必要とする財源の確保についての法的根拠を強化するものとなった。
 しかし、変異株の出現など憂慮すべき事象も現れる中、新型コロナウイルス感染症の行方は予断を許さない状況であるため、地方公共団体においては間断のない施策の推進が求められており、法整備と一体となった速やかな財政支援が求められる。
 よって政府は、今後の都道府県における新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すため、次の対応を早急に進めるよう強く要望する。
1 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については、必要に応じた予備費の活用も含め、交付金の運用弾力化と増額を機動的に行うこと。
2 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金についても、対象拡大や弾力的な運用を認めるとともに、速やかな交付を実現すること。
3 この他、事業者及び医療機関等への支援が、国と地方公共団体の施策が相まって幅広く効果的なものとなるよう、各種の補助金等についても必要な見直しを行い、対策の充実を図ること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣     }殿
厚生労働大臣
経済産業大臣
経済再生担当大臣

神奈川県議会議長

保健師の養成及び人材確保のための支援拡充を求める意見書

 地域住民に対する健康教育や保健指導、高齢者を対象とした介護予防、児童虐待対応、災害時の保健活動など、地域保健を取り巻く課題の多様化に伴い、保健師に求められる役割は増加し、内容も複雑かつ高度化している。
 また、収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症についても、感染拡大防止対策において、保健師は重要な役割を担っている。感染症の拡大が進むほど、保健所等の業務はひっ迫し、更なる保健師の確保が求められるが、地域の保健活動に従事する人材を確保した上で、保健所等における業務のひっ迫を解消するために必要な人材を確保することは、非常に困難である。
 保健師が、地域住民に寄り添った活動を継続していくためには、更なる保健師の養成及び人材確保は、喫緊の課題である。
 よって国会及び政府は、地域住民が、必要な支援を保健師から安心して受けられるよう、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 保健師資格取得を促進する制度の拡充を図ること。
2 教育機関等による保健師養成講座の開設及び指導者確保に必要な予算措置等を講じること。
3 保健師資格所有者について、看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づき設置されているナースセンターへの登録促進を図ること。
4 事業者が、労働安全衛生法に基づき選任・専属する医療職として、産業医に加えて、保健師についても位置付け、積極的な活用により、産業保健の推進を図ること。
5 知識及び技術向上の機会として、研修プログラムを拡充させるとともに、研修の受講機会の拡大を図ること。
6 育児、介護等の事情により、仕事との両立に配慮を必要とする保健師のために、適切な支援体制の整備を図ること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣     }殿
財務大臣
厚生労働大臣
経済再生担当大臣

神奈川県議会議長

小児用筋電義手の普及促進を求める意見書

 自分の意志で握る・つかむなどの動作ができる筋電義手は、上肢欠損者にとって社会復帰や社会参加に欠かせない補装具の一つであり、特に子どもの上肢欠損者にとっては、両手での動作を可能にするだけでなく、体のバランスを整えるなど、成長過程での利点も挙げられる。
 しかし、筋電義手装着のための専門的なリハビリを受けられる施設が限られていることや、価格がおおむね150万円以上と高価であることなどから、欧米に比べて、日本ではほとんど普及していない。
 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づく公的補助制度も存在するが、同制度では、日常生活に必要不可欠なものに限定されており、レクリエーションやスポーツは対象とされていない。
 しかし、子どものころから、このような活動を通じて、筋電義手を訓練し習熟することによって、職業の選択肢も増えると考えられる。
 我が国においては、平成26年1月に、障害者の「文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加」を規定する障害者権利条約を批准しており、子どもたちの成長に不可欠なレクリエーションやスポーツ等に参加するための補助制度が必要と考える。
 よって国会及び政府は、小児用筋電義手の普及促進を図るため、次の事項を実施されるよう強く要望する。
1 訓練用のものを含め、筋電義手購入の際の自己負担額を軽減すること。
2 文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加に必要となる筋電義手に対する公的補助制度を創設すること。
3 筋電義手の使用について臨床と工学系学術研究機関との連携を強化し、国産の筋電義手開発を促進すること。
4 小児用筋電義手の訓練施設の整備を推進すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長

新型コロナウイルス感染症ワクチンの供給状況を踏まえた更なる効果的な接種体制づくりを求める意見書

 新型コロナウイルス感染症のワクチンは、我が国でも一部医療機関での先行接種が開始され、今後順次接種が開始される見込みであり、感染拡大防止の切り札として期待されている。
 現在のワクチンの供給量は決して充分とはいえないため、引き続きワクチン確保に努めていくことが重要であり、国においては、限られた供給量のなかで、優先接種の対象や順位を明確にした上で、効果的なワクチン接種が進められているところである。
 しかしながら、例えば、社会を支える重要な役割を担っている警察官は、治安維持のための巡回、傷病者の一時保護など、不特定多数の人との接触が避けられないが、現状では優先接種の対象とされていない。
 また、障がい者の新型コロナウイルス感染症の治療やワクチン接種等には、それぞれの障がいの特性に応じた支援が必要とされる。例えば、聴覚障がい者には、手話通訳者が、視覚障がい者には、同行援護者が、盲ろう者には、通訳介助者がそれぞれ必要である。こうした支援を行う職種に従事する人についても優先接種が必要であるが、優先接種の順位等が明確にされていない。
 ワクチンの供給状況が見通せない中にあっては、優先接種の方向性は非常に重要であり、治安の維持や共生社会の推進といった社会ニーズも踏まえ、こうした社会を支える重要な職種について、優先接種の枠の中にしっかりと位置付け、都道府県や市町村と連携しながら施策を進めていくことが求められる。
 よって国会及び政府は、社会を支える重要な職種の従事者が、早期にワクチン接種を受け、安心して業務に当たることができるよう、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 新型コロナウイルス感染症ワクチンの供給量の確保に万全を期すとともに、接種体制の更なる充実を図ること。
2 警察官や障害者支援施設の従事者など、社会を支える重要職種について、役割を整理した上で優先接種の対象とし、関係文書に明記すること。
3 ワクチンの優先接種の第1順位である「医療従事者等」の中に、手話通訳者など、障がい者の新型コロナウイルス感染症の治療やワクチン接種に必要な支援を行う多様な職種の従事者についても整理し、関係文書に明記すること。
4 ワクチンの優先接種の対象や順位が新たに位置付けられた職種の従事者に対して効果的に情報が届き、実際の接種が進むよう、優先接種に関する地方自治体向けの業務ガイドライン等を段階的に改定すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣     }殿
財務大臣
厚生労働大臣
行政改革担当大臣
経済再生担当大臣

神奈川県議会議長

コロナ禍における更なる失業者対策を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症の影響により、地域経済が深刻な打撃を受けている。民間調査会社の調べによると、令和2年に全国で休廃業・解散した企業が、令和元年比14%増の4万9,698件で、平成12年の調査開始以降最多となっている。今後、更に失業や雇い止めが急速に増加していくことが懸念される。
 また、本県の有効求人倍率は、厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、令和2年1月では1.07倍だったが、令和3年1月では0.75倍と大きく落ち込み、業績悪化に伴い、企業の採用活動に影響を及ぼしていることが浮き彫りとなっており、国民生活に大きな影を落としている。
 政府は、雇用調整助成金の期間延長・助成率の引き上げや、飲食店の取引先を支援する給付金制度の創設等を行い、制度の拡充を図っているが、今ある雇用を維持し、失業者を出さないこと、失業者の雇用の受け皿を確保することは喫緊の課題である。
 よって政府は、国民の社会的不安を払拭し、生活を守るため、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末までとなっている雇用調整助成金の特例措置を延長するとともに、雇用情勢を注視しながら弾力的な運用を図ること。
2 緊急雇用創出事業の創設や、職業能力開発促進策の一層の拡充及び強化を図り、効果的な雇用対策を行うこと。
3 企業が失業や雇い止めにあった労働者を雇用する場合を含め、中途・経験者・新規採用など企業のあらゆる採用活動に対して、雇用確保のための支援を拡充すること。
4 休業支援金・給付金、雇用保険失業給付等の更なる拡充、延長を図ること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣     }殿
厚生労働大臣
経済産業大臣
経済再生担当大臣

神奈川県議会議長

商店街への防犯カメラの設置及び維持に対する財政的支援を求める意見書

 本県警察が本年2月に公表した「刑法犯等の認知・検挙状況」によると、令和2年の刑法犯認知件数は、3万5千件余りで、減少傾向であるが、殺人、強盗等重要犯罪については前年に比べて微増しており、重要犯罪が刑法犯認知件数に占める割合は増加している。また、本県の令和2年度県民ニーズ調査では、「犯罪がなく安心してくらすために最も重要だと思うもの」として「防犯カメラなどの防犯設備の整備」が1位となっており、防犯カメラへの県民の関心も高い。
 地域生活を支える基盤の一つである商店街は、商品やサービスの提供の場であるとともに、コミュニティの拠点として、地域の防犯を担う中心的な役割を果たしている。地域の防犯対策の中でも、防犯カメラの設置は、被害の未然防止や犯罪発生時の的確な対応に有効であることから、地域の安全・安心を確保する手段として、多くの地方公共団体において設置工事等に要する費用を支援している。
 本県においても、「地域防犯力強化支援事業費」を計上し、地域が行う防犯カメラの設置を支援しているところであるが、自治会や町内会を広く対象としており、必ずしも商店街のみを対象としているわけではない。
 一方、国においては、平成24年度に中小企業庁が「商店街まちづくり事業(補助金)」により、防犯カメラの設置を希望する商店街に対する補助事業を開始したが、平成25年度を最後に予算措置されていない。
 よって政府は、犯罪のない安全・安心なまちづくりを更に推進するため、犯罪予防に高い効果のある商店街への防犯カメラの設置及び維持に対する財政的支援を行うよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣       }殿
経済産業大臣
国家公安委員会委員長
中小企業庁長官

神奈川県議会議長

高等学校におけるICT環境の整備を求める意見書

 国は、「GIGAスクール構想」における学校教育でのハード・ソフト・人材を一体とした整備を加速することで、災害や感染症の発生等により、学校が臨時休業等となった場合でも、ICTを活用し、すべての子供たちの学びを保障できる環境を早急に実現するため、令和2年度の補正予算において、児童・生徒に対する端末整備の支援を行った。
 この補正予算は、1人1台端末の早期実現のため、令和5年度に達成するとされている義務教育段階における端末整備の前倒しを支援することとしており、既に、令和元年度に補正予算が措置されたものと併せ、小・中学校すべての学年に対して整備が行われることになった。
 しかし、高等学校については、国の補助対象は校内LAN等のネットワーク環境の整備等に限定されており、1人1台端末の整備は対象外となっている。
 このため、端末整備が進む義務教育段階と高等学校段階との間に格差が生じることが懸念されることから、高等学校段階でも義務教育段階と同様の整備が急務である。
 よって国会及び政府は、「GIGAスクール構想」の実現に向けて、次の事項を実施されるよう強く要望する。
1 義務教育段階との差が生じないよう、「GIGAスクール構想」における端末整備支援について、高等学校段階における1人1台端末の整備等を早急に位置付け、十分な財政措置を行うこと。
2 端末整備に併せて、ソフトウェア購入の経費や大型提示装置などの周辺機器の整備費用、ネットワーク及び端末整備後の機器の保守管理等維持に係る経費、更新時の費用について、継続的かつ十分な財政措置を行うこと。
3 児童・生徒に貸出可能なモバイルWi-Fiルータなどの可搬型通信機器を学校に一定程度整備する「家庭学習のための通信機器整備支援事業」については、家庭等でのLTE利用料について、補助対象として十分な財政措置を行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣     }殿
財務大臣
文部科学大臣
教育再生担当大臣

神奈川県議会議長

父母の離婚後の子育てに関する制度の改善を求める意見書

 厚生労働省の「平成30年我が国の人口動態」によると、未成年の子どもがいる夫婦の離婚件数は、昭和40年代と比べて倍増しており、平成28年時点では、親が離婚をした未成年の子どもの数は約22万人となっている。
 そのような子どもの利益を守る観点から、平成24年に民法が改正され、父母が協議上の離婚をする際に、協議で定めるべき子どもの監護に関する事項として、「父又は母と子との面会及びその他の交流」及び「子の監護に要する費用の分担」とともに、「子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」旨が明示された。
 しかしながら、父母の離婚後の子どもの養育に関して、厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」では、養育費を受けている割合は母子世帯で約24%、面会交流のやり方を取り決めている割合は母子世帯で約24%、父子世帯で約27%にとどまっている。養育費の不払いは母子世帯の貧困の要因となり、また、面会交流を阻害することは、子どもの健全な成長の妨げとなりかねない。
 さらに、我が国では単独親権制度を採用しており、親権の決定では、監護の継続性が重視されることから、親権取得のため、婚姻中に一方の親が子どもを連れ去って別居させ、その後の面会交流を拒絶してしまうことで、親権を強引に取得してしまうケースもある。
 父母の離婚後における適正な養育費の支払い、面会交流の拡充及び親権制度に関して、諸外国で採用されている共同親権制度導入の可否等、子どもの養育の在り方については、関係省庁が参加する家族法研究会の場でも調査・検討されてきている。そして、本年2月には、法務大臣が法制審議会に、これらの諸課題に関連する制度の見直しを諮問したところである。
 よって国会及び政府は、父母の離婚によって生じる諸課題を解消し、子どもが健全に成長できる環境を実現するために、父母の離婚後の子育てに関する諸施策を拡充されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
法務大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長

新型コロナウイルス感染症の検査体制の整備に向けた支援拡充を求める意見書

 我が国で新型コロナウイルス感染症患者が最初に確認されてから1年以上が経過する現在においても、いまだに収束の兆しが見られず、多くの人の日常生活や経済活動などに様々な制約が生じている。
 新型コロナウイルス感染症拡大の防止に有効な手段として、多くの人々が期待を寄せている新型コロナウイルスのワクチンが、国民全体に行きわたるには一定の期間が必要であり、ワクチンを接種しても、新型コロナウイルスに感染しないとは限らないため、引き続き徹底した感染予防対策が重要である。
 また、現在、より感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異株が各地で確認されており、その影響が懸念されているところである。このため、これまで以上に検査体制の整備が必要であり、特に、変異株の検出が可能な精度の高いPCR検査の導入は非常に重要である。
 変異株によるクラスターの発生等による感染拡大を防止するためには、感染リスクに応じた積極的な検査の実施による早期探知や、積極的疫学調査の実施による感染経路の究明など、効果的な感染拡大防止策を推進していくことが不可欠である。
 また、国は、重症化リスクの高い高齢者施設等に対する検査について、都道府県等に対し、高齢者や障がい者の入所する施設の従事者がPCR検査を集中して受検できる体制を支援するよう要請しているところであるが、今後は、現在対象となっていない訪問系業務の従事者や施設の入院・入所者、利用者など、検査対象を拡大すべきである。
 よって国会及び政府は、新型コロナウイルス感染症の早期収束を図るため、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 地域の実情に応じた大規模なPCR検査の実施、変異株が検出可能な精度の高いPCR検査の導入等に必要な財政的支援、検査件数の増加に対応した検査用資材の安定供給に係る支援など、検査機関の機能強化に必要な支援を拡充すること。
2 全額助成となるPCR検査の対象者を拡大するとともに、全額助成の対象とならない検査希望者についても、検査費用の一部を助成すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣     }殿
財務大臣
厚生労働大臣
行政改革担当大臣
経済再生担当大臣

神奈川県議会議長

県内公立学校のたび重なる不祥事に対する猛省及び徹底した再発防止策を求める決議

 県内公立学校の教員による様々な不祥事が後を絶たない。
 とりわけ児童・生徒に対するわいせつ事案は、再発防止に向けた様々な取組を実施しているにもかかわらず、毎年、必ず発生し、さらに、令和2年度には管理職による事案も起きている。
 わいせつ事案は、被害児童・生徒の心に一生涯ぬぐえない苦しみを与えるもので、断じて許すことはできず、決してあってはならないものである。
 また、平成31年度、令和2年度及び令和3年度の県立高等学校の入学者選抜学力検査において、9校で11件の採点誤りが発生した。採点誤りは平成27年度及び平成28年度入学者選抜においても、8割近くの県立高等学校で起きており、その結果、本来合格していたはずの生徒が不合格とされ、生徒の人生に多大な影響を与えてしまった事実も明らかとなっている。
 この採点誤りを受けて、県教育委員会の主導により、すべての県立高等学校において深く反省し、再発防止のための対策を講じてきたところであるが、再び採点誤りが発生したことは誠に痛恨の極みである。
 今後、不祥事を防止し、教育現場が再び信頼を得るためには、すべての教員の資質、学校長をはじめとする学校管理職のマネジメント力、そして教育委員会と各学校との危機意識の共有について、各々の立場で徹底した見直しを図っていくことが必要である。
 よって神奈川県議会は、二度とわいせつ事案や採点誤りが発生しないよう、県教育委員会が所管するすべての教育現場において、たび重なる不祥事に対して猛省するとともに、より一層児童・生徒の心に寄り添い、徹底した再発防止策を講じるよう強く求める。
 以上のとおり決議する。

 令和3年3月25日

神奈川県議会

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