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更新日:2024年1月25日
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神奈川県立藤沢支援学校の活動内容を紹介するページです。
本校の鎌倉分教室(高等部)は、平成24年に県立鎌倉高等学校内に設置され、令和5年度は3学年で29名の生徒が在籍しています。開設以来『職業』の授業では、高校や近隣の施設に協力いただき、清掃作業、窓拭き作業、図書館やスーパーの補助などの作業を行い、生徒が自立して社会へ積極的に参加できる力の育成につなげています。
令和5年11月28日(火曜日)、文化庁・日本芸術院の事業で、観世流(かんぜりゅう)二十六世宗家 観世清和(かんぜきよかず)先生に能についての講話、仕舞※実演をしていただきました。当日までの学習、当日の様子を報告します。
※仕舞(しまい)・・・面・装束をつけず、紋服・袴のまま素で舞う、能における略式上演形態の一種。
謡(うたい)で使う扇に見立てて、作業班(ファクトリー班)で扇子を作りました。和紙を折り染めにし、扇子の骨組みに貼り付けました。当日は全員が扇子を持って謡いました。
能舞台の柱に見立てて竹ランタンを置き、中に電球を灯しました。美術の時間に、極楽寺の廃材を利用して作製した、花をモチーフにした作品です。講師の方から「素敵ですね」と褒められました。
鎌倉ゆかりの源義経にちなんだ仕舞の演目『船弁慶』を鑑賞するため、満福寺に行きました。源義経が兄の頼朝に宛てて書き記したとされる手紙「腰越状」や鎌倉彫の襖絵などを見学し、「能や歴史についてもっと知りたいと思った」と感想を語った生徒もいました。満福寺は、本校の作業班の清掃作業に協力いただいています。
県庁謡曲部の方を講師に招き、音楽の時間に当日の曲を練習しました。『船弁慶』の弁慶が数珠を揉んで唱える部分が「お経のようだ」という感想もありました。
講話は、能の歴史などに触れ、生徒たちは楽しく聞き入りました。ある生徒は「友だちが大切だという話はそのとおりだと思った」と振り返ります。『船弁慶』の地謡に「弁慶のところは念仏じゃなかった」と表現力に驚き、仕舞では「知盛が襲う義経が見えた」と想像力を働かせながら味わえました。『土蜘蛛』の糸が源頼光に掛かるシーンには驚きの声を上げて感動しました。
鎌倉の地に所縁のある演目『船弁慶』を観世宗家に演じていただいたことで、普段から関係のある地域資源を活用し、教科横断的に取り組み、学びを深められたことが成果と言えます。また、生徒が「分教室が一丸となって作れたのが良かった。」という感想を持てたことも、当日の鑑賞態度の真剣さにつながりました。そこを講師から褒められたことは、次への活動の自信につながります。また、2月の授業参観では、観世宗家の仕舞の映像をバックに、生徒たちが『船弁慶』の謡を披露する予定で練習を重ねていきます。なかなか触れる機会の少ない古典芸能ですが、プロの表現力や迫力に圧倒された経験は、生徒たちの記憶に残ると期待しています。
神奈川県立藤沢支援学校
電話:0466-82-8101
鎌倉分教室 電話:0467-32-8721
(掲載内容は掲載日現在のものです。最新の情報は各県立学校のホームページでご確認ください。)
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