第3回「法人化の5つのチェックポイント」(運営編と申請書作成編)

掲載日:2020年3月30日

新たに団体を作ろうと思っている場合

できれば、法人を設立する前に、まず活動を始めるのも一法です。

民間非営利活動を開始してから2、3年程度は、なかなか、活動も安定しないことが多いようです。法人を設立してから、事業の継続がうまく行かなくて解散する場合、解散の事務手続きおよび費用もある程度(少なくとも数万円くらい)かかってしまうため、事業の継続が、ある程度安定してきてから、法人化するほうが安全だと思います。

これらのことを勘案しても、やっぱり、新たに団体を設立して、すぐ法人化(神奈川県等の所轄庁に法人認証申請書を提出する)をしたいと思う方は、

⑴NPO法人を設立する場合(神奈川県が所轄庁となるケース)には、

神奈川県のホームページから『NPO法人の相談・申請・届出等』を探すか、かながわ県民センター8階の神奈川県政策局政策部NPO協働推進課横浜駐在事務所にお越しください。
<注>
所轄庁は登記上の事務所を置く住所地により異なります。次のホームページをご参照ください。 http://www.pref.kanagawa.jp/docs/md5/cnt/f160367/

⑵一般社団、財団を設立する場合には、

行政書士、司法書士などの有資格者に依頼するか、書店などで設立について書かれた書籍等、websiteなどを参考にしてください。

法人化の5つのチェックポイント(運営編)

法人化する際には、以下の5つのチェックポイントに御留意ください。

1. 法人化する必要性があるのか?
申請するまでの活動実績を踏まえ、その団体が財政的にやって行けるのか、永続性はあるのか、法人化した後の事業計画は十分か、など、その団体を法人化する必要があるかどうかについては、十分な御検討が必要です。

過去に、活動実績のある団体の場合、過去の活動実績も、十分考慮して、法人化申請の際に提出する事業計画書、収支予算書、定款上の事業内容や目的を決定する必要があります。


2. その事業は、社会のニーズに合っているか?
非営利団体は、社会的課題の解決のために組織されることが多いようです。多くの団体が、社会的課題の解決のために、民間非営利活動をおこなっています。法人化するということは、その社会的課題が、ある程度継続して発生し、それを解決する活動が継続して必要であるということを意味します。

単なる親睦団体や同業者団体である場合、NPO法人による法人化は適当ではありません。一般社団法人をお勧めします。

法人は設立後、事業の継続がうまく行かなくて解散する場合、解散の事務手続きおよび費用(少なくとも数万円くらい)が発生します。解散をするには、お金がかかります。


3. その事業は、多くの支援者によって支えられているのか?
社会的課題の解決のためには、多くの支援者、ボランティア、その他の人々の助力が必要です。継続して支援を受けるための方策は十分か、ボランティアとして継続的に参加、支援する人々を集める方策は十分か?など、その事業が、多くの人々によって支えられる仕組みをつくる必要があります。


4. 助成金・補助金・委託費収入に頼りすぎていないか?
単に行政からの補助金や助成金が受けやすくなるとか、事業委託を受ける際、受けやすくなるといった理由のみで法人化すると、補助金や助成金、委託事業が停止してしまうと法人の運営が成り立たなくなってしまいます。

基礎的な団体運営は、会費収入によって賄われます。裏づけの無い寄附金収入や企業からの協賛金、協力金等を当てにした収支計画では、事業の継続することは困難です。最低限の費用は、会費収入等の経常的収入によって賄われるような予算書や事業計画書を作成し、実施することが重要です。


5. 自分たちに、専門性はあるのか?
社会的課題の解決のためには、専門的技術や知識の集約は不可欠です。場合によっては、その社会的課題の解決の必要性はわかっていても、その手法や専門的技術や知識が不足していることがあります。自分たちが、活動に必要な専門的技術や知識について十分ではない場合には、それを補う方法を探すか、それを持っている人や団体と共同して課題解決に当る必要があります。

2 法人化の5つのチェックポイント(申請書作成編)

とにかくNPO法人の設立申請書類を作成したい方は、以下の点に気をつけて準備してください。

(一般社団、財団の設立方法については、専門書が多数あるので割愛します)


1. 基本は役員となる人の住民票
NPO法人の申請書を、自分たちで作成する場合、定款や設立趣旨書から始める方が多いようです。実務的には、まず、理事、監事就任予定者を決定し、これらの方の住民票(続柄、本籍は不要)を入手することが重要です。神奈川県への申請には、一部の地域を除いては住民票そのものの添付は必要ありませんが、住民票に記載されている氏名、住所の記載は、申請書にも、住民票と同じ文字を使って記載する必要があります。

たとえば、わたなべさんは、渡辺さんなのか、渡邊さんなのか、渡邉さんなのか、住民票と同じ表記を使う必要があります。住所も、郵便物は、「神奈川県大和市○○2-5-11」という宛名書きで配達される場合でも、申請書に必要な住所は、住民票に記載されているとおり、例えば、「神奈川県大和市○○二丁目5番11号」などとなるはずです。


2. 団体の名前に使える文字は、漢字、カタカナ、ひらがな、アルファベット(abc,)
?や!は、団体の正式名称には使えません。また、あまり長すぎると、設立登記のために法人の代表印(法人代表者のハンコ)をつくる際に、印鑑の枠に長い名前を収めるために、費用が余計にかかったり、巨大な印鑑を作成することになります。

代表印には、必ずしも法人名称の全てを記載する必要はありません。例えば、法人名称は、「特定非営利活動法人みらいの地球をまもる国民会議」でも、印に記載する文字は、「みらいの地球国民会議」(10文字)とすることも可能です。


3. 申請相談は余裕をもって。
神奈川県等の所轄庁では、NPO法人の設立申請のための事前相談を行っています。


4. 定款作成において、あまりに多くの事項を総会議決とすると、あとで大変な場合も。
一般的な定款例では、総会が多くのことを議決するようになっています。しかし、実際には、予算の変更や長期借入金に関する事項などは、団体によっては理事会での議決で十分なこともあります。多くを総会で議決することにしておくと、事業運営に大きな支障をきたす場合があります。NPO法上、総会で必ず議決しなくてはならない事項は、定款の変更、解散、合併の3つだけです。


5. 設立登記、設立登記完了届出書の提出までが、NPO法人の設立手続。
所轄庁に設立認証申請書を提出し、めでたく県知事・政令市長より認証書が交付されました。しかし、これだけでは、まだ、その団体はNPO法人にはなっていません。認証書とその他の必要事項を記載した書面を、所轄の法務局(登記所)に提出し、登記が終わって、所轄庁に『設立登記完了届出書』を提出して、初めて、特定非営利活動法人の設立手続きが終わります。


講師:早坂毅

プロフィール:税理士

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