第2回「法人化のデメリット」(義務および社会的責任)

掲載日:2020年3月30日

デメリットとは、なにかは、状況が異なると、変わってくるものですが、新たな義務がデメリットだと考えると、法人化をすることにより、義務も発生するので、これらの義務は、デメリットといえるかもしれません。

NPO法人制度は、もともとボランティア活動をはじめとする民間非営利活動の活発化にともない、その活動を促進するために制定されました。また、一般社団、財団は、一般の会社ではない(営利法人ではない)、利益の配当や剰余金の分配をしない、非営利法人の設立を容易に行うための制度です。

団体を、NPO法人や一般社団、財団などの非営利法人として法人化をすることにより、義務が発生します。


法人化をすることにより、以下のようなデメリットや、義務が発生してきます。

1. 一旦、法人へ拠出した金品は、拠出者に返還することはできません。

任意団体であれば、例えば、出資者を募って、各自10万円を持ち寄って民間非営利活動を開始し、一定期間の後、その事業で残った財産があったので、各自の拠出額に応じて返還してもらうことは可能です。

しかし、NPO法人や一般社団、財団となった後に、その法人に事業資金を拠出した場合には、その拠出した金品を返還も、その拠出に伴う利益の配当、剰余金の分配などを受けることも禁止されています。解散する場合には、その残余財産は、国庫または地方公共団体に帰属するか、その団体が指定する、その団体と同種の活動等を行う非営利法人などに寄附する必要があります。

2. 役員変更、役員の住所地の変更などについて、適時に法務局、所轄庁に届出が必要

役員の交代、役員の住所地の変更などについては、適宜、法務局や所轄庁に届け出る必要があります。特に、役員の住所地の変更(簡単にいえば、引っ越し)があった場合、法務局への変更登記が適時になされていない場合には、過怠金(罰金)が課される場合がありますので、注意が必要です。

3. 事業年度終了後3ヶ月以内に、事業報告書等の作成、提出と保存が必要

NPO法人であれば、事業報告書を適時に作成し、所轄庁(都道府県や政令市等)に提出し、主たる事務所に備え置く必要があります。事業報告書の作成が負担と感ずるのであれば、NPO法人にはならないほうがよいでしょう。

一般社団、財団であれば、所轄庁に事業報告書を提出する義務はありません。

また、税制上は、法人化していても、法人となっていなくても同じ扱いです。法人税法上の取り扱いは、法人化していない任意団体でも、法人化した後でも、同様の取り扱いです。ただ、法人化すると、その団体の主たる事務所の所在する住所を所轄する法務局(登記所)に、その団体の登記(登記簿に団体名、住所、役員名簿などが記録されること)が行われます。

4. 主たる事務所を定める必要があります。

主たる事務所とは、法人の活動の中心となる一定の場所のことです。法人設立の際には、主たる事務所の所在地が登記されるので、たとえば、「○×市民活動支援センターのメールボックス△番」、というのは、主たる事務所になりません。

レンタルオフィスや共同オフィスの場合には、そのレンタルオフィスや共同オフィスの主宰者が、その住所に法人の登記ができるか否か、決めていますので、それに従います。

主たる事務所は、個人の居宅の1室であってもよいのですが、その住所地に郵便物が配達され、電話等で連絡がとれ、事業報告書等を備え置く場所でもあります。借家を主たる事務所の所在地にする場合には、その家屋の所有者に承諾を取ることも必要になってきます。

5. その他、法令上の各種の規定が適用されます。

NPO法人には、10名以上の社員(会員)が必要です。ここでいう社員とは、従業員のことではなく、総会に出席する権利のある人のことを言います。また、最低限でも理事が3人、監事が1人必要です。

一般社団の場合の社員の最低数は2人です。一般財団では、社員制度はなく評議員の数などの決まりがあります。

また、NPO法人だと、少なくとも1年に1回、社員の出席する総会を行う必要があります。総会は、ただ開催すればよいというものではなく、開催の通知、開催に必要な社員の定足数を満たすこと、総会での各種の議決等も必要となり、また、これらの事跡を記載した議事録を作成することも必要です。

一般社団、財団の場合にも、総会や評議員会などを開催する必要はありますが、それらは団体の自治の中で行えば足ります。


講師:早坂毅

プロフィール:税理士

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