第1回「法人化のメリット」

掲載日:2020年3月30日

市民活動を行う団体が法人になる(法人化する)には、現在、以下のように、いくつかの選択肢があります。

  1. 特定非営利活動法人(いわゆるNPO法人)
  2. 一般社団法人、一般財団(以下「一般社団、財団」と記載します)
  3. 株式会社や合同会社(一般の「会社」)

NPO法人とは、もともとボランティア活動をはじめとする民間非営利活動の活発化にともない、その活動を促進するために平成10年12月に施行された制度です。

平成7年(1995年)1月の阪神大震災を契機に、市民の行う民間非営利活動が活発化してきましたが、これらの団体の多くは、法人格を持たない、いわゆる任意団体であったため、NPO法(特定非営利活動促進法)制定前には、法人として法律上の権利義務の主体となることができませんでした。

そのため、団体の代表者個人が権利義務の主体となるため、代表者個人の負担が大きく、活動を活発化し規模が拡大するには、さまざまな問題が生ずるために、この制度が導入されました。

一般社団、一般財団は、平成18年(2006年)の公益法人制度改革により、従来の民法により設立される公益法人(財団法人、社団法人)に代わって設けられた法人制度です。それまで、役所の設立許可を必要とした従来の社団法人、財団法人とは違い、公益の有無は問われず、一定の手続き及び登記さえ経れば主務官庁の許可を得るのではなく準則主義によって誰でも設立することができることとなりました。

株式会社や合同会社といった、一般的な会社(つまり営利法人)になることも可能ですが、民間非営利活動を行うのには、適した制度ではないでしょう。

上記3つの法人格(1~3)では、その設立に必要な要件、たとえば社員(=総会で議決権のある人、従業員ではありません)の数や、役員の数などが異なっています。


法人化をすることにより、以下のような効果(メリット)が予想されます

1. 法律上の行為について、権利義務の主体となる。

「権利義務の主体となる」とは、簡単に言えば、法人格を取得することにより、団体独自の銀行預金口座を持つこと、不動産などの財産を団体で保有すること、第3者との契約、たとえば事務所の場所を借りる際に、不動産賃貸借契約を団体としておこなうことなどが可能になります。言い換えれば、民間公益活動のための「会社」を作ることができます。

この「会社(法人といいます)」を設立すれば、法人として人を採用、雇用して事業を行うことができますし、法人として金銭の借り入れを金融機関からすることも可能です。

もちろん、法人格を取得せず、任意団体のままでも、預金口座をもったり、事務所の賃貸借契約を行うことは可能ですが、法人格がない場合、結局は、その団体の代表者個人名義の銀行預金であり、代表者個人が事務所を借りていることになってしまうため、代表者が不幸にして死亡したような場合には、この銀行預金は、代表者個人のものなのか、団体のものなのかが問題になったり、代表者の交代があった場合には、その都度、事務所の契約を再度、やり直すといった不都合が発生したりします。

任意団体がNPO法人や一般社団、財団として法人格を取得して、預金口座や契約を法人名で行えば、代表者が交代しても、法人としての名義、契約関係には影響を及ぼすことがありません。

2. 法人化することによって、団体としての社会的信用が増す。

法人化していなくても、まったく社会的信用がないわけではありません。しかし、任意団体の場合、その団体の代表者の個人的信用を反映していることが多いのが現状です。

NPO法人や一般社団、財団になったからといって、神奈川県や国から、その団体の活動や構成員に対して、いわゆる、お墨付きが出るわけではなく、活動を法人として行うことができることになるだけです。

法人化することによって、当初は、代表者の社会的信用を基礎にして活動している団体でも、時の経過に伴って、その社会的信用が、法人固有のものとなってゆきます。たとえば、代表者が交代しても、過去の法人としての実績は引き継がれ、社会的信用の永続性が保たれます。

3. 一定の事業を行う際に、法人格が必要な場合がある。

たとえば、介護保険事業は、法人でないと実施できません。法人格には、営利法人では、株式会社、合同会社、非営利法人では、NPO法人、一般社団、財団などの法人格があります。NPO法人や一般社団、財団となることによって、事業を行う際に必要な法人格を得ることが可能です。


講師:早坂毅

プロフィール:税理士

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