更新日:2023年3月31日

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堀田力 カレッジマスターによる特別寄稿

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コロナ禍におけるかながわコミュニティカレッジ事業のあり方

〇やれない事業なら止めてしまおう
 コミュニティはつながりで成り立つ。コロナ禍のためにつながれないような事業は、コミュニティの役に立たない。役に立たないことがコロナ禍で証明されたなら、もっけの幸いである、さっさと止めてしまえばよい。

〇ズームやらラインやらITやら、さっぱりわからなくても人とつながれる
 私が今活用している携帯電話を、もう10年ほども前から、人はガラパゴスと呼ぶ。何を大げさな、と思うが、私はガラパゴスの発信機能しか使えない。自慢する気は毛頭ないが、その発信機能も怪しくて、どこを押し間違えたのか電池が勝手に切れたのか、電話を掛けられなくなり、夜遅く突然空腹で帰宅して妻に困った顔をされている。それも一度や二度のことではない。
 そんな私でも、ズームやらラインやら立派に使いこなしている。最近は、会議で誰かが長々と説明している間、画面左下のポチをクリックして自分の画を消し、人さまに見せられない気楽な恰好で話を聞くという高等芸をこなしている。ズーム会議、バンザイ。
 コロナ禍であろうとIT音痴であろうと、やる気になればやれるのである。万能のわが秘書はもちろん、さわやか福祉財団の仲間たちも、男女年齢の差いかんにかかわらず、頼めばニコニコとして、ズームだかラインだかの準備をしてくれる。私は時間がくれば誰かのパソコンの前に座って音が聞こえるように操作し、隅っこをクリックして顔が映るようにすればいいだけである。
 相手が高齢者だからといって気を遣う必要はない。どんな状況でもなんとかするのが高齢者の生きる知恵である。コミュニティはそこからスタートすべきであろう。

〇その気になれば、つながり方はいっぱいある
 わがさわやか福祉財団は、厚労省に頼まれて、コロナ禍を乗り越える助け合い活動の動画を6編つくった。全国から選んだ6団体で、やっている活動も乗り越え方もそれぞれに違うが、どれもやっている老若男女の表情がいきいきして、1編8分間見ると、8日間分の元気がもらえる。そのせいか、あっという間に3千人が見てくれた。厚労省から頼まれたとはいえ費用はわが財団持ちであるが、わが財団のホームページで動画を見た方々の活力に役立っているから、いい社会貢献ができたと満足している。
 話はそれているが、動画でも「つながり方はいっぱいある」という情報が楽しくタダで伝わってくる。
 合唱したい人は青空の下に集まってそこそこのディスタンスで歌っているし、顔を合わせるのも避けたい人は手紙やらポストイットやら電話やら使えるものは何でも使ってつながっている。家でできる体操、料理、ゲームなどいろんな教材やDVDを配って、一人で身体を動かしてもらい、心の情報交換を生み出している人たちもいる。高校生とお年寄りの手紙交流など、泣けてくるようなつながりが生まれて、人々の心を温かくしている。

〇大学にはつながりの知恵がない
 地域の人々のつながりはこうして多種多様に生まれているのに、どうやら多くの大学は学生たちの満足するようなつながりが生み出せていないらしい。大学は、つながりを生む人間教育はいまいちだが、知恵はあると信じてきたが、さては知恵の方もいまいちだったか。
 かながわコミュニティカレッジは、大学とはいえ、コミュニティの大学である。コミュニティの本質、つながりをこう生み出すのだという知恵を世の中(つまりコミュニティ)にここで示してほしいと願っている。

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