初期公開日:2024年7月8日更新日:2024年7月8日

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子ども支援交流会実施報告

子ども支援交流会の実施報告です。

【実施報告】令和5年度子ども支援交流会を開催しました!

子ども食堂と社会の地域資源がネットワークを作り、地域全体が子ども・保護者にとって住みやすい街となるよう、地域における子ども支援のネットワーク化を図ることを目的に、子ども支援交流会を開催しました。
この交流会では、つながりが弱くなったと言われる現代において、多世代が交流する拠点が持つ意義や地域のつながりをテーマに認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえとの共催で、事例発表、意見交換を行い、100名の方々が参加されました。

開催日                              

令和6年3月29日(金曜日)                                                 

開催場所

横浜情報文化センター(オンラインとの併用開催)r5chirashi

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内容

事例発表・意見交換等

<地域ネットワーク構築事例>講師 二見 剛平氏(平塚市社会福祉協議会(平塚市))

「ひらつか子ども・子育て支援ネットワーク」は「平塚を子育てしやすいまちにしたい」そんな思いから、日頃から子どもの支援を行っている支援者同士が手をつなぎあうネットワーク作りができるよう、社会福祉協議会が事務局となり、子育て支援関係者、地域の方、行政を巻き込んで、令和元年より取り組み始めた。
現在は推進委員会や部会を設置し、4つのプロジェクトチームが活動している。情報発信プロジェクトでは支援や活動状況に関する情報収集と発信、交流会プロジェクトでは地域の交流会を企画、アンケートプロジェクトでは必要な支援や子育てに関する要望等のアンケートの検討・実施、学習支援・子ども食堂プロジェクトでは活動の周知や支援者同士の連携強化に繋がる取組みを実施している。

【意見交換】

  • ひらつか子ども・子育て支援ネットワークは、支援者と社会福祉協議会、行政に加え、子育て当事者も仲間に入っていることが特徴。
  • 地域の人たちと意見交換する中で、ネットワークを欲しいと思っている方を見つけ、その方も巻き込んで、少しずつ仲間が増えていった。
  • ネットワークに行政が入っていることで、市民アンケートで集まった意見を市の政策に反映することができた。
  • いい官民の連携協働の実例だと思う。
<学校との連携による朝ごはん提供事例>講師 水取 博隆氏(NPO法人キリンこども応援団(大阪府泉佐野市))

子ども食堂のほか、市からの委託で学校と連携した「こども朝食堂」を実施している。こども朝食堂は、市長が参加したタウンミーティングでの地域の方からの声が開始のきっかけとなった。現在は泉佐野市内7校で実施されており、そのうち3校をキリンこども応援団が担当。家庭の事情で朝食を食べずに登校する子どもたちへ食事提供をすることで、子どもたちの学習や成長を支えることを目的として行っており、キリンこども応援団では、地域の子ども食堂の方にできる限りスタッフとして入ってもらい、学校の家庭科室を借りて、手作りの朝ご飯を提供している。
この取組みの効果については、アンケート結果より「朝ごはんを食べる子どもの割合の増加」や「朝起きるのが遅い子どもの割合の減少」がみられ、生活習慣の改善に繋がったのではないかと考えている。
学校との連携では、開催日の決定、調理器具、消毒方法、周知、問合せ窓口等細かなところまで事前協議し、信頼関係を大切にしている。お互いに歩み寄る姿勢を大事に学校と協議をしながら取り組んでいる。

【意見交換】

  • 食事を美味しく食べるだけでなく、見守られている雰囲気で、安心する場だったからこそ子どもたちが継続して行こうと思える場になったのではないか。
  • 学校の中で取り組む場合には家庭科室が使いやすい。学校と連携する際は、お互いの環境を考えて、行政と協力していくことが大事。
<高齢者施設による子ども食堂活動事例>講師 細川 悟氏(SOMPOケア株式会社)

2022年11月から老人ホームで子ども食堂を開始。取組背景には、コロナ禍における老人ホーム利用者の活力低下、少子化問題、介護人材の確保等があり、現社長が発案した。多世代交流を通じて、老人ホーム利用者に活力と笑顔をもたらし、子どもの心身の健やかな成長を支援すること、地域交流の場として提供すること等を目的として取り組んでいる。また、ご飯を食べるだけでなく、事業所毎に内容を工夫しており、地域の芋掘りへの参加、近隣の小学校からの職業体験の受入れ、近隣保育園との協働開催等、地域と連携して様々なイベントを企画している。
取組みの成果としては、利用者の笑顔や活力の向上、役割の創出、働きがい、地域連携等につながった等と考えられ、課題としては事業所による取組みの差(集客)、運営の仲間づくり・賛同企業との協働、定量評価の方法等が考えられた。今後も長期的に取り組み、皆様から御協力もいただきながら、取組みを広げていきたいと考えている。

【意見交換】

  • 取組みの目的を繰返し伝えるなど丁寧な説明を経営層から現場に伝えていったことで、現場の理解が得られるようになった。
  • 現場の管理者が一度取組みの成果を実体験でき、自分の言葉で利用者や家族にも説明できるようになるとスムーズに取組みが進むようになった。
<神奈川こども食堂・地域食堂ネットワーク活動事例>講師 佐藤 由加里氏(神奈川こども食堂・地域食堂ネットワーク世話人)

神奈川こども食堂・地域食堂ネットワークでは、子ども食堂に参加したい人、応援したい人、企業、子ども子育て支援団体・施設、中間支援団体、行政等と連携して日々活動している。また、県からの委託を受け、活動状況調査のほか、持続化支援事業、ネットワーク化支援事業を実施している。
活動状況調査では、子ども食堂の開催頻度、開始時期、開催する支援等を調査。調査の結果、令和5年10月時点で県内に484箇所の子ども食堂があることがわかった。持続化支援事業では人材育成のためのセミナーや連絡会を開催しており、令和5年度は企業向けセミナーを行った。また、企業からの寄付のコーディネートや人材育成のため、調整委員会を設け、寄付品の受入調整、再分配、一次保管場所等への配送・受入れ調整等を実施した。調整委員会を発足したことで寄贈品の配布や配布ルートが定着した。ネットワーク化支援事業では、子ども食堂同士が交流できる場ができ、連携ができるようにオンライン交流会の開催や、ポータルサイトの充実となる取組みを実施している。

【意見交換】

  • ネットワークがあるからこそ、子ども食堂の立ち上げやすさや継続しやすい地域の環境作りに繋がっている。
  • 色んな人たちが何かしたいと思った時に、相談できるところがあることもすごく重要。
<保育所における子ども食堂活動事例>講師 門脇 奈津子氏(溝口ピノキオ食堂 栄養士)、桑門 ちさ氏(TTDining 栄養士)

ピノキオ食堂では、子どもと親、子どもと子ども、親子と親子が繋がる場所、美味しい食事を食べながら楽しく過ごせるように、「地域の居場所」という想いでこども食堂を開始した。在園児と卒園児の再開の場、卒園児同士の集まりの場、地域の方々の憩いの場など、たくさんの出会いと繋がりが生まれている。保育所には栄養士、保育士、看護師など様々な専門職がいて、利用者が自由に相談できる場となっており、地域支援にも繋がっている。また食事を楽しむだけでなく、セルフサービスでの配膳、片付けの実施や、ボランティア、お手伝いとして役割を持ったり、SDGsの取組として寄付された食品の利用や、マイ箸、マイコップの持参の依頼などしている。また、保育園が運営することで、運営費だけでなく、人員の維持においても安定的に運営することができている。
TTDiningでは、放課後等デイサービスや学童クラブで手作りのおやつと手作りの昼食を提供している。様々な食体験を行い、食を通して体だけでなく、思考や感性も育てていきたいと考えている。また、地域向けカフェ・レストランとしても営業をしている。地域の方の交流の場となっていたり、在園児や卒園児、職員の憩いの場となっていたりする。

【意見交換】

  • 園の中で地域交流として親子園を開催。親子園にも来ていただきながら子ども食堂にも来てもらうなど、色んなものを併せて取組んでいる。
  • インスタグラムなどSNSを活用して、子育て広場等への掲示で周知をしている。

交流会・相談会

会場参加者が自由に情報交換しました。