本庁舎の保存・活用の取組み
更新日:2024年7月31日
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歴史的建造物である本庁舎の保存・活用の取組みに関するページです。
所在地 |
横浜市中区日本大通1(北緯35度26分東経139度38分) |
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竣工 |
昭和3年(1928年)10月31日 |
構造 |
鉄骨鉄筋コンクリート造地上5階・地下1階・塔屋4階建て |
設計者 |
神奈川県内務部(設計コンペ1等入選(小尾嘉郎(おび・かろう)案)を元に設計) |
日本趣味を加味したシンボリックな高い塔は「キングの塔」として親しまれており、このような塔を持つ庁舎建築の先駆けといわれています。建物内部も貴賓室、大会議場など和風を基調とした優れた意匠がよく保存されており、昭和初期に創建された我が国の府県庁舎建築における代表的な存在の一つです。
なお、県内最初の国の登録有形文化財(平成8年12月20日登録)であり、平成19年度には経済産業省より横浜港周辺の関連建築物群として近代化産業遺産に指定されています。
現在は、国の重要文化財(令和元年12月27日指定。同日付で登録有形文化財の登録は抹消)となっています。
本庁舎の見学についてや見どころなどの詳細は「キングの塔(神奈川県庁本庁舎)へようこそ!」に掲載しています。
庁舎機能の維持・充実を図りながら、本庁舎の魅力を高め、創建当時の姿を後世に伝えることを目指し、改修工事を実施しました。
地下1階及び1階の外壁は花崗岩(万成石)張り、東・西面の正面部分も同様に花崗岩(万成石)張りとしており、2階から5階までと塔屋の外壁は主に茶褐色の無釉粗面タイル張りとしていますが、一部正面はテラコッタ張りとしています。
平成29年(2017年)からの耐震補強工事では、タイルの補修・張替えや屋上増築部分の撤去など、創建当時の外観意匠の復原を実施しました。
なお創建当時、軒先にはテラコッタが配されていましたが、落下の恐れがあったことから、事故防止のため昭和38年(1963年)の改修で銅板に変更されています。
注:テラコッタとは、イタリア語で「焼いた土」という意味で、建築物の装飾品などに使われる素焼きの焼き物のことです。ツヤがなく、茶色がかったオレンジやベージュなど、素朴で暖かみのある色が特徴です。
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軒先の銅板張り |
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1階部分の花崗岩(万成石)張り |
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無釉粗面タイル張り (凸筋付) |
テラコッタ張り |
テラコッタスクラッチ面 |
本庁舎4階にある正庁は、創建当時からの内装などが残り技術的価値や歴史的価値が高く、建物の価値を象徴する空間です。
平成28年9月まで執務室等として使用してきた中で、間仕切りを設け、シャンデリアを取り外し、壁の色を変えるなどの改変が行われてきました。今後、本庁舎の魅力を発信しつつ、会議室等として活用するため、創建当時の内装意匠を可能な範囲で復原するなどの改修工事を実施しました。
創建当時は、部屋の中央にある奉安殿(ほうあんでん)(注)に天皇、皇后の御真影を安置し、式典などで使用されていました。日本の建築様式である格天井としながらも、シャンデリアが設置され、和風と洋風が融合された部屋となっています。旧議場(現大会議場)等と並んで格式の高い空間ですが、戦後は、執務室等として使用されてきました。
(注)戦前の日本において天皇、皇后の御真影や教育勅語を安置する場所
執務室等として使うためにシャンデリアを取り外し、壁の仕上げや色を変えるなどの改修を行ったことから、正庁は、創建当時とは異なる姿になっていました。そこで、本庁舎の文化財としての価値や魅力をより一層高め、歴史的建造物としての保存・活用を図るため、耐震補強工事と併せて、当時の部材をできる限り残しつつ内装等を復原しました。
平成10年に取り外されていた、創建当時のシャンデリアを分解・清掃した上で復活させ、奉安殿の舞台を復原しました。床は、磨き上げて寄木模様を現し、壁は、コルクチップで凹凸をつけた仕上げにするなど、創建当時の姿に戻しました。また、奉安殿をはじめ、縦長窓や壁に装飾カーテンをしつらえました。(工事費:約1億4千万円)
【創建当時】 |
【復原工事後】 |
復原した正庁は、外国の大使など海外からの賓客を迎える会場、企業等との協定締結・共同会見の会場、県内市町村長との意見交換会など、県の重要行事で活用していきます。
本庁舎の耐震補強工事を実施
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