更新日:2020年10月2日

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第33回施策調査専門委員会審議結果

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

水源環境保全・再生かながわ県民会議 第33回施策調査専門委員会

開催日時

平成27年5月13日(水曜日)9時30分から11時30分

開催場所

産業貿易センター地下1階 B102号室

出席者【委員長・副委員長等】

鈴木 雅一【委員長】、淺枝 隆【副委員長】

田中 充、中村 道也、吉村 千洋

オブザーバー委員 坂井 マスミ、中門 吉松、森本 正信

次回開催予定日

平成27年7月10日

所属名、担当者名

水源環境保全課調整グループ、担当者名 高乘

電話番号 045-210-4352

掲載形式

  • 議事録

審議(会議)経過

議題1:水源環境保全・再生施策の総合的な評価について

<水源環境保全課高乘副主幹及び倉野グループリーダーから【資料1-1】及び【資料1-2】により説明。>

 

(鈴木委員長)

 ありがとうございました。まず、従来からこの資料1-1の冊子については何度も見ていただきながら、かなり整ってきまして、前回から新しく書き変えた部分を中心にご説明いただきました。

 3-1ページの評価結果の全体総括の部分が一番重要ですが、まだ白紙になっていまして、ここの部分の実質的な議論の機会はあと1回ぐらいになります。こういうところを議論しながら、2番目の議題、次期計画の話に繋がります。7月にやるワークショップの時に、資料1-1を要約したものを50ページぐらいで作ろうとのご提案です。ご説明いただいた部分についてご意見をいただきたいと思いますが、本日配布された資料の森林の部分について何かご意見ありますでしょうか。

(吉村委員)

 「緑のダム」の資料に関して気になった点がありまして、図に時間軸が示されていますが、これを見ると前半の平成29年までで緑のダムの機能はほぼ頭打ちとなっているようにも読めるのですが、そのような理解で良いのでしょうか。

(水源環境保全課)

 残りの期間がまだ10年ありますので、後半でも機能は上がります。

(吉村委員)

 そうであれば、後半部分についても期待出来るという形に線を変えていただければと思います。

(鈴木委員長)

 今のようなご意見をいただいて、良いものにしていく部分があると思います。ご指摘のように、横軸では平成9年から19年は10年間ですが、隣の19年から29年までがぐっと幅が広くなっていて、その次の10年間はまた幅が狭くなっていますし、線のカーブの形もあると思います。

 公的管理終了の文言もまだ工夫の余地がありまして、特別対策事業による公的管理は期限があり終了するかも知れませんが、森林に対して一般的に公的に補助を続けるということは、防災等のことも考えると恒常的にと言うか、ある部分はずっと残るわけです。特別対策事業だけに限って公的管理終了とのイメージで書かれているのだと思いますが、森林の公的関与を幅広く捉える見方をする方からすると、これは何だというように見られるかも知れませんので、言葉の使い方や説明の仕方をやさしい言葉にする必要があるかも知れません。

 ご指摘がありましたように、カーブをずっと右肩上がりの線で描くのか、ゆっくりの線で描くのか、飽和曲線のように描くのかというのも、かなり自然観や行政の目標の取り方にも関わるので、もう少し議論が必要かと思います。それから、ここで表現していることにしては文章量が足りない気もします。例えば緑のダムを説明する時、一般には森林と水の関わりを言いますが、ここでは唐突にシカの話が出てきます。神奈川県ではシカが出てきて当然との話は一方ではありますが、シカの話をするのであれば、本文中に昨今の状況では森林管理とシカの管理は切り離せないといった文言を入れるとかですね。緑のダムの機能を高める話と、それをどのように対策を講じて実効あらしめるかという話と、誰がやるかの担い手の話と、それをモニタリングして評価する話と4つぐらい書いてありますが、小見出しを付けるなどもう少し工夫をしても良いと思います。この辺りもいろいろとご意見があると思いますが、委員の方のお考えがありましたらお願いします。

(田中委員)

 タイトルの「未来ある子どもたちに」についてはどこかで議論したのでしょうか。要するに将来世代に引き継ぐためにとの趣旨だと思いますが、対象を子どもたちに限定しているのは少し気になりました。

 また、「緑のダム」の表現に関して、施策の最終的な目標は将来にわたる良質な水の安定的確保でして、これを言い換えれば緑のダムであるとどこかで規定しておけば良いのですが、記憶では緑のダムと良質な水の安定的確保が同義であるとか、同じ目的であるといったことはまだ議論されていなかったと思います。この緑のダムの表現の扱いがどうなのか、というのが2点目です。

 3つ目は、「順応的管理」の言葉の使い方が、PDCAサイクルのように読めたのですが、やや違った概念があるようにも思えます。単なるPDCAの意味で良いのかを確認しておいた方が良いと思います。

 4点目ですが、モニタリングの主体には、専門家、県、森林所有者、あるいは県民と県との協働とありますが、ここでは県民と県との協働だけに注目して説明が書かれてあります。今後、施策の中でこのモニタリングの仕方を進めていくのであれば意味がありますが、県や専門家によるモニタリングも行うのであれば、ここだけに注目するよりはバランスを取った方が良いと思います。

(鈴木委員長)

 緑のダムの文言の使い方に関しては、おそらくこの施策では極めて慎重に避けて、なるべく使わないように文章を作ってきた経緯があるのではないかと思います。緑のダムの文言は、ふわっとした形で使うのであれば使い勝手は良いのですが、定義して議論しようとすると複雑であり、人により理解が異なることもあるので、使うとも使わないともここで申しませんが、考えるところはあります。広い意味では、洪水を防御する、ピークを減らすという意味と、渇水流量を上げる話とか、人によって受け方が違いまして、自然環境保全まで含める場合もありますので、出来れば違う言葉で説明した方が良いと思います。

(淺枝委員)

 良質な水の安定的確保をもう少し強調させる、上手く出すようなキーワードにしていただいた方が良いと思います。緑のダムでよく言われるのが、水量の意味合いからダムという言葉が出ますが、水量の意味合いからすると、蒸散等を考えると場合によってはない方が良いかも知れない。ただし、良質であることが重要なポイントで、良質な水を確保しようと思ったら絶対要るので、それが前面に出るような言葉を是非使っていただいた方が良いと思います。

(鈴木委員長)

 将来に引き継ぐというところは、特別対策事業の出口論にもなり、20年経過後にどうしていくのかの伏線になる意味合いもないことはないですし、文言や構成は議論のあるところではないかと思います。

(吉村委員)

 「未来ある子どもたちに」の部分は、もう少し説明が欲しいと思います。この報告書の内容を受けての話になると思いますので、過去10年の成果が少し最初に入っていると、この事業をやっている意義も伝わってきますし、目指す将来像にどれぐらい近付いていて、これからどういうことが重要になるのかが分かります。これだと何となく一般論になってしまうので、事業内容との関係がクリアになると良いと思います。

 水源の森林づくりの資料について、4つのゾーニングのうち「自然再生ゾーン」には、良好な自然林で維持を図っていくところもあると思いますが、800メートル以上の標高の高い所は全て再生する取組になるのでしょうか。もし現状が良好で維持する部分も含まれるのであれば、「保全・再生」と表記した方が良いと思います。

(鈴木委員長)

 従来、森林の目標の類型で施策を説明する仕掛けがあって、この資料の説明とは少しキーワードが重なっていないところがあると思いましたが、従来の森林区分とここの森林再生の方向とはオーバーラップしているのでしょうか。

(水源環境保全課)

 神奈川県の森林の特性として、経済林的な活動ではやっていくのが厳しい中で、森林のゾーンによって大きく2つ、林道から遠くて成り立たないような所では混交林とか巨木林というあまり手のかからない森林に持っていき、水源かん養機能の向上を図る、それから200メートルより近い所は民間活力を使うということで、ゾーンに応じた適正な森林づくりを行う考え方のもとに書いています。目標林型について個々にというよりは、それがどういう形に分類されるかという形です。

(中村委員)

 これまでの目標林型は、30年近く前の県の森林林計画のものをそのまま取り入れていて、それが一番簡単であったということだと思います。今回この資料を見ると、その部分がより具体的になってきたと思います。これまでの目標林型も含めて、より詳細な部分をさらに議論していく必要があると思います。例えば「未来ある子どもたちに」とか「緑のダム」というのは一般的な表現ですが、下のモニタリングのところに来ると専門的な内容になっています。この辺ももう少し具体的に個別に議論をしていくと良いと思います。この資料自体は良く出来ていると思います。

(田中委員)

 森林再生50年構想の色の付け方とは整合しているのでしょうか。左側の地図と色が合っていた方が良いと思います。

(鈴木委員長)

 左の地図は傾斜で区分し、右側は標高で区分してありますので、それぞれインデックスが違いますが、地図とは色を合わせる必要があると思います。また、見出しの大きさやページ毎のフォントなどを統一させていく必要があります。

(田中委員)

 0-21ページのIII(ローマ数字の3)について、タイトルが水源環境保全・再生施策による森林づくりとありますが、これは特別対策事業のことを指しているのでしょうか。特別対策事業は林道から200メートル以内と以遠で整理されているのでしょうか。このことがその後の施策のところに入っているとの前提でよろしいのでしょうか。例えば、水源の森林づくり事業は概ね200メートル以内と以遠を両方含めていて、間伐材の搬出促進はまた別のカテゴリーになるのでしょうか。水源の森林づくりの推進というカテゴリーがありますが、その中に200メートル以内と以遠の両方が入っているのかどうかの確認ということです。ここで言われている森林づくりは、12の特別対策事業の1番事業のことを指しているのか。用語について全体で整合させるようにしていただきたいと思います。

(鈴木委員長)

 現況を説明する一方で、一般会計の事業だけでは足りずに12の事業をやってきたと言外に言いたいわけです。「水源の今」と言うことですと、林道から200mの話は細かい話に踏み込んでいるとも言え、それは悪いことではないと思いますが、踏み込んだところを扱っているとの認識で書きぶりを考えることが必要だと思います。

(田中委員)

 III(ローマ数字の3)のタイトルについては、森林づくりの基本的方向など一般論で考えていて、その中で特別対策事業で柱立てしているとか、一般会計事業でもやっているということであれば分かるのですが、これは水源環境保全・再生施策に限定して言っているような印象を受けるということが気になります。

(中村委員)

 III(ローマ数字の3)の内容は人工林のことですので、それをタイトルに入れた方が良いと思います。

(鈴木委員長)

 全体としてはかなりまとまってきていると思います。先程も申し上げましたが、評価結果の部分は大事で、材料はあってそれをどうまとめるかということだと思いますので、新たにオリジナルに捻り出す必要はありませんが、あと1回の審議ということですので、出来れば事前に粗々のものでも案をご提示いただければと思います。

 それから資料1-2について、取組状況の検証としてIII(ローマ数字の3)、IV(ローマ数字の4)がありますが、ここに評価結果の全体総括に相当するものが見当たりませんが、これはどこかに入るのでしょうか。

(水源環境保全課)

 7月のワークショップの際には、別冊で評価のたたき台のようなものを用意する予定です。

(鈴木委員長)

 資料1-2の50ページの冊子の中には、評価報告書案の方の結論に当たる部分は入らないとの構成でご提案いただいているということですね。

(田中委員)

 私も委員長の意見に近いのですが、出来れば全体像ですとか、今後の課題、今後の展開まで入れても良いと思います。一応、ワークショップ配布資料として完結しているのが望ましいです。これまでの取組状況の検証や評価が中心ですので、このような課題があるということまで通しであると良いと思います。新たにV(ローマ数字の5)を作るなどして、評価の全体と今後の課題の記載があると良い。その部分は別冊でとの説明でしたが、一緒にしておくと良いと思います。

(鈴木委員長)

 そこまで書いてしまうと確定し過ぎてしまうとの考えもあるかも知れませんが、議論のアウトラインを示すようなものはIV(ローマ数字の4)-8として付ける、あるいは「まとめ」として加えることも考えられますので、ご検討いただきたいと思います。時間がまいりましたので、よろしければ議題2に進みたいと思います。


■議題2:次期5か年計画に関する意見項目について

<水源環境保全課高乘副主幹から【資料2-1】から【資料2-3】までにより説明。>


(鈴木委員長)

 ありがとうございました。資料2-3は次期計画に意見を申し述べていく時のたたき台になると思います。県民会議から県に対して、次期5か年計画に関する意見書ということで、第2期に入る時も出していましたし、第3期に向けても出していこうということです。前回は第1期計画4年目の平成22年5月に出していますが、今回は平成27年7月にワークショップを行いますので、それを総括して開催後の8月に、今後の10年に向けた意見としてまとめていく予定をしているところです。

 会議を開いて検討をし、その結果を意見書にまとめるスタイルですので、後々になってそれまでになかった意見を急に突っ込むのは困難だと思いますので、資料2-2にありますように、従来どのようなことが意見として指摘されてきたか、あるいはそれに対する反論があれば検討し、まとめていく動きになろうかと思いますが、こうしたものが意見をまとめる素材になります。

 なお、水源環境保全・再生施策と連携しながら、丹沢大山自然再生計画に基づく取組も進んでいて、そちらでも第2期の中間点検結果がまとまったとのことです。次期の意見をまとめるに当たり参考となる部分もあるかと思いますので、丹沢大山自然再生委員会のご報告を伺いたいと思います。本日は、委員会事務局が代理してご説明されるとのことでお願いいたします。

 

<自然環境保全センター山根研究企画部長(丹沢大山自然再生委員会事務局)から【参考資料1】及び【参考資料2】により説明。>

 

(鈴木委員長)

 ありがとうございました。私は丹沢大山の委員もさせていただいておりまして、若干補足いたします。パンフレットを開いていただくと、第2期計画の実施方針と構成事業とあり、ここでは8つの事業が掲げられています。ブナ林の再生、人工林の再生、地域の再生、渓流生態系、シカ、希少動植物、外来種、自然公園利用といった課題がありますが、このうち希少動植物の保全とか、外来種、自然公園利用などは、行政の範疇ですと水源環境保全とはかなり遠いと言えるところがあります。様々な領域の話を行政の縦割りで分けるのでなく、関わりのあるものは一体として検討しているということです。考え方は水源環境保全と似ているところはありますが、対象としてはオーバーラップしていない部分もありますし、地域は丹沢に限られています。一方で、これだけの総合的な取組として課題が抽出されていて、第2期計画策定の際には、シカに関わる問題について、それまで水源環境の事業に入っていなかったのが、扱うようになってきたことがあります。

 その中で、今のご報告にあったのは、奥山域での取組や、渓流域及び景観横断的な課題、モニタリングに関わる水源環境保全・再生との連携ということで、先ほどご説明のありました次期計画に向けての議論の中で、ある部分は関係してくる部分があるかも知れません。今の点も含め、ご意見、コメントをお願いしたいと思います。

(中村委員)

 水源の事業に関して当初から言い続けていますのは、ダムより標高の高いところに何故水源の事業を重点的に入れないのかということです。自然再生はまさに水源に直結する事業だと思います。昨日大雨が降りましたが、今朝車を走らせていますと、標高の低いところの人工林は割と下草が安定してきまして、大雨による影響はほとんどなかったのです。ところが、大体標高600mより上ですと、路面に赤土が出ています。ということは、標高の高いところの森林再生をしなければ水源環境にほとんど寄与しないということです。手入れ不足の人工林管理は大事ですが、水源環境という税の目的がある以上、目的に沿った事業をまず展開していくことが絶対に必要です。私は、一つの部分だけに集中して事業を進めていくと、県民理解が非常に難しくなると思います。川に生物が棲めることと同じで、生きものの棲める森が一番健全であって、水源環境にも寄与する森だと思っています。

 丹沢のブナ林に関しては、そのまま守っていれば良いところはどこもないのです。予算の多寡は別として、優先順位としては山の上から手を打っていくことが、水源環境として質の高い森づくりを進める一歩だと思います。

(淺枝委員)

 中村委員のご指摘は、ダムの濁質化の話でもあります。宮ヶ瀬ダムの完成当初や出来る前は濁質化はほとんど考慮しませんでしたが、それ以降、山が荒れてきて濁質化が起こっている可能性がなくもありません。

 もう一つは、三保ダムの丹沢湖は濁質化しているかどうかです。もし濁質化しているとすれば、中村委員の発言はターゲットとして重要になります。埼玉県のダムであれば、秩父の山は結構土砂が出て来るので、間違いなく濁質化を検討します。神奈川の地質がどのような状況かによりますが、調べていただくと今の話が本当に重要かも知れないし、そこまで考えなくても良いかも知れません。

(鈴木委員長)

 ダム湖より上を管理するのは、話としては水源環境の管理として分かりやすいということはあります。具体的に、ダムに溜まる土砂や濁りという話になりますと、森林の話だけではなくて丹沢の固有の地質などがあり、本来はそういうことまで県民に説明する必要があります。丹沢大山の委員会ももっと発信しなければいけないこともありますが、水源の事業の中でも、基本的な部分として、濁質化や土砂についてもう少し分かりやすく表現する必要があるかも知れません。

 とにかく宮ヶ瀬湖、丹沢湖は非常に土砂が堆積しているのは確かで、それに対して対策も進められている先進的なところでもあると思います。丹沢湖には支流が3つありますが、流域毎に地質が違い、それに対応して土砂の出方が違うことがはっきりと分かっています。土砂を掘った時に、セメントの骨材に使える土と、値段が付かないものと流域毎にあります。それは地質の話ですので、流域管理とか森林だけの話に関わらない部分もあります。その部分を分けて説明する必要はありますが、この事業の構成要素として重要な意味を占めるだろうと思います。

(中村委員)

 私は67年から68年丹沢に住んでいまして、丹沢の山は3回荒廃しています。記憶にあるのは、雨が降る度に川が濁りまして、それは戦争中の人手不足の時で森が荒れていました。ただ、その後は山に入って来て林業をする人も多かったですし、治山土木に関わる人も多くいましたので、一定の時間でそれは納まってきたのです。少なくとも昭和30年代の後半ぐらいには山は割と落ち着いていましたが、30年代後半から40年代に入って皆伐が始まり、また一気に土砂が流れるようになりました。ただ、その時の土砂は表面の土砂なので、雨が止むとすぐに納まりました。今度はそれが納まるか納まらないかぐらいの時に、皆伐によってシカが急激に増加して、シカと人工林との関わりが出てきて、もう一度川が濁るようになりました。順応的管理は非常に良いと思いますが、これは自然保護団体も研究者も含めてですが、その時の行政は評価・検証をしなかったのです。ですから、シカが増えた時に、取りあえず植えた木が守れれば良いということで柵を作りました。その結果、シカが上部になだれ込み、その影響が今出てきているわけです。

 人工林に関しては、少なくとも素材として売れるまでの一定の期間について奨励するのであれば良いと思いますが、50年、60年過ぎた立派な柱材になっているのに間伐材の奨励金を得ようとするのは、林業家として情けないと思います。ダムより高い所と低い所と言いましたのは、そうした意味での提案でして、評価と検証は絶えず続けていかないと、きちんとした事業は進められないと思います。

(鈴木委員長)

 今のような話も詳しい方はご存知ですが、税金を払う人や議会にきちんと伝わっているかは心許ないところがあります。その辺を報告書やシンポジウムで理解していただき、その上で次の作戦を認めていただくプロセスが要るのだと思います。間伐にしても、細い木の間伐と、50年から80年の太い木の間伐をどうするかということと、林道の脇とずっと遠い所、運び出せる所と出せない所があり、我々は議論しているので頭に入っていますが、そうでない方にどう説明するかをこのプロセスの中で工夫をして、それを伴った形での意見の表示になるかと思います。

(田中委員)

 資料2-3について、資料2-2にある意見が上手くこの中に納まっているのかを確認する必要があると思います。それが施策調査専門委員会あるいは県民会議の役割で、その上でさらに追加すべき意見があればそこを強調するということです。一度資料2-2をレビューして、資料2-3にエッセンスを書き出すということです。

 それから、第2期から始まった県外上流域対策やシカ対策に関して、ある種の中間評価になりますので、これまでの10年の総括の中に新規に始まった取組がどうであったかの見出しがあっても良いと思います。

(鈴木委員長)

 今のご指摘は、資料2-3のこれまでの10年のところの課題別のコメントのほかに、第1期からやっている事業については中弛みがないか、第2期から始まった事業については入れただけの価値があったかということがあり、それを踏まえて第3期にどうするかということかと思います。

 それからもう1点は、資料2-2と2-3の対応関係がありまして、作業的には真ん中のこれからの10年のところの意見に「あ」から「お」など記号を表示し、資料2-2の各意見にも同様に表示する。関係のない意見を集めた時に、さらに柱を立てるかどうかを見る、あるいは「あ」から「お」の記号を付ける時にもう少し関係ありそうなものを加えることで対応出来る部分もあると思います。

 もっと大きな話では、ここでは救えていない部分をどう救うかということもあります。しかし、無限に対象を増やすわけにもいかないので、施策大綱に照らして必要性を検討する視点も大事だと思います。

(淺枝委員)

 水源環境税の事業とそれ以外の事業との関係の中で、どのような意見が出されているかということをマップに落とす必要があるかと思います。丹沢大山の自然再生計画とも上手く調和が出来て、全体が進んでいることを示す形です。

(吉村委員)

 これからの5年もしくは10年の計画を考える際に、フォーラム等での論点になるのではないかと思う点が2つあります。

 一つは、最終目的が良質な水の安定的確保ですが、分かりやすく言えば水道水のことで、それを頭に入れて議論を聞いていると少し違和感があります。森林の場合は木材の話や林業の話があり、土砂や生物の話もありまして、生態系として水と何らかの関わりがあることは確かなのですが、最終目標を水だけにしてしまうと、林業経済や木材、森林そのものの環境の維持といったものは少し論点から外れることがあるようにも思います。もちろん、目標として安定的に水を確保することは重要であり続けるのですが、それに追加する形で、森林ないし河川の生態系保全も同じレベルで入れた方が議論しやすいと感じる時もあります。生態系の保全も水源環境保全の最終的な目標に入れる必要があるかどうかを議論した方が良いと思います。

 もう1点が、モニタリングに関してまだ改善点があると思います。一つは、このモニタリングを続けることは重要ですが、それに加えて個別の事業の成果を表に出すような仕組みを検討した方が良いです。もう一つは、安定的の量的な部分をモニタリングしていく必要があります。3つ目は、一般財源事業との関連もありますので、最低限モニタリングデータの共有はしながら進めていくと良いとおもいますので、その仕組みが明文化されると良いと思います。

(鈴木委員長)

 今の点は大事なご指摘だと思います。モニタリングにも種類があり、今、神奈川県の自然環境がどうなっているかを見るモニタリングと、この事業による効果があったかどうかを見るモニタリングがあります。実際の作業としては、重複する部分があるとは思いますが、2種類あるということです。

(田中委員)

 資料1-1のIII(ローマ数字の3)-2を見ますと、最終的なアウトカムの良質な水の安定的確保の手前に、自然が持つ水循環機能の保全・再生、さらにアウトカムと段階的になっていまして、吉村委員がお話された生態系の話はここに入っているとも言えます。もう一つは、施策大綱が20年計画になっていまして、その最終目的がこの表現になっていますので、良質な水の安定的確保を見直すことは全体を見直すことにもなり、その議論を中間評価で行った方が良いどうかは重要な論点です。目的の設定の仕方からの検討となるとかなり議論を呼び、大綱のあり方から見直しをすることにもなりますので、それはチャレンジングと言えます。したがって、最終目的はこのまま維持し、その手前の具体的な評価の仕方のところで今指摘のあった視点を入れることで、実態としてはきちんと生態系の保全・回復が図られるプロセスを追っていくといった対応の方が、実質的ではないかと思います。多分、県もそのように考えているのではないかと思います。

 モニタリングについてはご指摘のとおりで、水の量と質、それから生態系についてきちんとやっていく必要があります。施策の効果であると同時に、施策全体を複合的に見ていくことの重要性も示唆していることは十分あると思います。

(中村委員)

 生態系や多様性については、私もずっと言い続けていますが盛られないのです。ただ、ここには盛られなくても、例えば当初認められなかったシカ管理に予算が出るようになりましたし、最近では生態系の効果把握も入ってきています。私は「緑のダム」のところに、生態系とか多様性の話が入ってくると、一般の方に分かりやすいと思います。

 もう一つは、生活排水のところに公的管理終了後と入るのは違和感がないのですが、森林再生のところに入ることは、森林に関しては他とのいろいろな関わりが出て来ますのでいかがかと思います。

(鈴木委員長)

 子ども達に引き継ぐことは大事だと思いますし、丹沢大山でも以前話が出ましたが、子どもの話は小学校、中学校の教育との連携もありまして、県民への情報提供や将来に引き継ぐということからすると、そういう話も資料2-3には入らないかも知れないが、資料2-2には、伝えるべきことを伝えて、将来の担い手にこれに関わってもらうということで入るのかなと思います。出口として直ちに第3期の施策に入るかどうかは別として、子ども達に引き継ぐとの文言があるので、それに関わる部分をこれからの10年に書ける部分はないのかなとも思います。

(淺枝委員)

 先程の議論に出ましたように、生態系が最終目標の良質な水の安定的確保に関わってくるわけです。子どもの教育と言った時に、少し気になるのが、シカを殺しましょうとの話が一方では出て来るのですが、それは生息のバランスが崩れてしまっていることが背景にあるわけです。この報告書では出す必要はないかも知れませんが、少なくとも一般の方の説明の中にはないと、何故生き物を殺さなければならないのかと受け止められます。生態系は元々バランスの上に成り立っているのだとの前提の説明が少し欠けている気がします。教育の立場を考えた時に、教育に携わる人がこれを見て小学生なり、中学生なりに教えられるということも、今回でなくて良いのですが、どこかの段階で必要かと思います。

(鈴木委員長)

 本格的に行政的な出口を考えますと、小中学校の副読本みたいなものの予算化といったこともあります。今、地域防災の分野でもいろいろな副読本を作る事業があり、直ちにそうすべきということではありませんが、将来の水源環境保全との繋がりの視点でのご意見かと思います。

 そろそろ時間が押してきていますが、参考資料3の説明を事務局からお願いいたします。

 

<水源環境保全課高乘副主幹から【参考資料3】により説明。>

 

(中村委員)

 先程の補足になりますが、公的管理終了後の状況ということで申し上げましたが、負荷軽減のところにこの文言を入れて欲しいというのが1点と、今行っている手入れ不足の人工林に一定の目途が付いたら、そこでの公的管理は止めるべきだと思います。予算の額が実際にどのように使われているかをもう少し県民に出して、これだけの税をいただいて、これだけの年月でこれだけの実績が出たので、今後はここに使っていきたいというものを出していく必要があるのではないでしょうか。

(鈴木委員長)

 お金をどう使ったかと言うのは、円グラフ等でかなり随所に出るようになりましたので、長期的に言えば将来像をどうしたいかということだと思います。

(中村委員)

 人工林の管理の場合、現在、公的資金を投入しているのはほとんど私有林ですが、一定の時間が過ぎると、後は所有者の意向によるので関与は出来なくなります。今回の事業の時間制約が終わった段階で切り離す、あるいはそこまでの間に自立するために所有者の努力を促していくことだと思います。

 水源の協定林は20年ですので、10年経った段階で新規契約をやめれば、残っているお金で所有者への手当てが出来ます。

(田中委員)

 資料2-3の一番右側にめざす将来の姿、ビジョンとありまして、ここに4項目あります。これは今回初めて出される内容でしょうか。

(水源環境保全課)

 これは施策大綱で分野毎に示されている将来像の記載になります。

(田中委員)

 これは全体にわたる話なので、上の部分に書いておくと良いのかも知れませんが、この3層構造は考えた方が良いと思います。課題、問題点として抽出されるものと、計画化していくものとあると思いますが、整理してみると良いと思います。

(鈴木委員長)

 右側の区画は大綱で元々書かれていること、それから左側は、これまで点検してきた結果としてプラスマイナスがあるかということで、それが提言の骨子になっていく、論点整理の形としてはそういうことだと思います。

(淺枝委員)

 大綱にはダム湖と書かれているのでしょうか。

(水源環境保全課)

 はい、大綱の内容をそのまま記載しています。

(淺枝委員)

 取水しているのはもっと下流ですから、それはいかがかと思います。飲料水として考える時、ダム湖ではなくて、ダム湖から取水堰まで全て含めた範囲で取水される水の水質が決まります。

(鈴木委員長)

 そろそろ時間が迫っておりまして、オブザーバーの方で何か一言コメントがあればお願いします。

(坂井委員)

 意見をまとめる前に、事業モニターが不足しています。順応的管理にモニターの実施は不可欠ですけれども、例えば長期施業のモニターを実施する予定でしたが時期尚早ということで見送られた経緯があり、本来昨年度やるはずでしたが、昨年度は全く違う内容が組み込まれていたので、今年度の実施が必要です。

 それから、間伐材搬出促進に関しても現在の助成金制度で良いのかとの問題もありまして、改めてモニターが必要だと思います。また、施業のマニュアルを見直す元となった森林のモニターも必要です。

 子ども達に関する取組は、コミュニケーションチームで出前授業を実施しようとの話がありまして、必要があれば実施出来るようにしたいと思います。

 それから出口の問題で、材価が安いということが全ての原因になっているのですが、林業センターのセリの状況から見ると、神奈川県産のB材を三重県の業者が一山いくらでどんどん買っていく状況で、買い手がついていない状況です。先週末のかながわ住宅フェアで各社の方と話をしましたが、木の家がなぜいいのかを説明できる業者さんは2社だけでした。1社は元々木材を扱っていたナイスさんですが、もう1社は、「よいロシア材が入ります」と言っていました。また地域材を使うことの意義を説明できた業者さんは一社もありませんでした。工務店で意識の高い所を探すのは県の仕事としても難しいところがありますが、私自身は東名高速、小田急線、京王線の先にある、渋谷区、目黒区、世田谷区の町場の工務店さんたちが有力ではないかと思います。実際、3月に設計事務所と工務店の6名の方を連れて山と製材所の見学会を行いましたところ、こんな良い材がこんな近くにあるのかと感動されて帰られました。参加された設計事務所さんは、目黒区内の施工業者30名くらいで6月に同様の見学会を実施したいと言われています。材の価格が安定するのであれば施策のあり方も変わってくる、順応的管理であれば最新の情報が必要だと申し上げます。

(鈴木委員長)

 ありがとうございました。これで本日の委員会を終了いたします。

【会議終了】

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会議資料

次第

資料1-1 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから 総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その1)

資料1-1 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから 総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その2)

資料1-1 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから 総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その3)

資料1-1 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから 総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その4)

資料1-2 水源環境保全・再生施策 総合的な評価ワークショップ配布資料構成(案)

資料2-1 水源環境保全・再生 特別対策事業のこれまでの事業実績と「第2期5か年計画に関する意見書」への対応状況について

資料2-2 第2期5か年計画における県民会議意見、委員意見について

資料2-3 次期5か年計画(これからの10年)に関する論点整理

参考資料1 丹沢大山自然再生委員会事業計画・評価専門部会による第2期丹沢大山自然再生計画中間点検結果概要

参考資料2 ブナ帯森林再生研究成果の概要

参考資料3 総合的な評価ワークショップに係る検討調整会議(第1回)結果概要

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このページに関するお問い合わせ先

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