更新日:2020年10月2日

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第22回施策調査専門委員会審議結果

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

水源環境保全・再生かながわ県民会議 第22回施策調査専門委員会

開催日時

平成25年1月30日(水曜日)9時30分から11時00分

開催場所

神奈川県中小企業共済会館6階 第1・2会議室

出席者【委員長・副委員長等】

木平 勇吉【委員長】

天野 望、伊集 守直、田中 充、中村 道也

オブザーバー委員 井上 貞子、坂井 マスミ

次回開催予定日

平成25年3月22日

所属名、担当者名

水源環境保全課調整グループ、担当者名 高乘

電話番号 045-210-4352

掲載形式

  • 議事録

審議(会議)経過

議題:特別対策事業の点検結果報告書(平成23年度・第1期5か年実績版)の総括(案)

  • 水源環境保全課 高乘副主幹から【資料1-1から1-3まで】により説明。

(木平委員長)

 まず、最初にご意見をいただきたいのは、点検結果報告書に関して県民会議の委員から出された意見の取扱いについてです。資料1-1についてですが、このように非常に沢山の60件の意見について、どのような対応をするかを一つひとつ表にまとめてあります。これについて皆様からご意見があればお願いします。対応案の区分は5つに分けてありますが、このような分け方、それから、それぞれの意見に対して、これで良いのではないか、あるいは見直した方が良いのか、どちらの観点からでも結構です。


(中村委員)

 個別意見ですが、最初の頃は参考意見として書かれていたと思いますが、広葉樹や渓流上の森林の取扱いなどについて、意見をかなり出していました。もちろん林業関係も出しましたが、ほとんどが参考意見でなかなか盛り込まれない。翌年また意見を出すと、結局反映されず、また参考意見として書かれるので馬鹿馬鹿しくなってしまいました。

 結局、個別意見はどこまで反映されるのか、例えば、この制度が終息した後どうなるか心配する人は公募委員だけではありませんが、そうしたことに対する明確な回答が欲しい。ただ単に個別意見として一括りにするのでなく、その中の意見を事業に反映させていきますよという姿勢があっても良いのではないか。そうでないと個別意見として振り分ける意味がないと思います。


(木平委員長)

 名称は参考意見だったか、個別意見か分かりませんが、ニュアンスとしては、意見はあるけれどもすぐには実行出来ないし、参考として考慮するといった取扱いだったと思います。それは毎年出てきますが、今回は最終年度なので当然、重要性から考えて、ただ単に参考にしますというのでは困るものについては、やはり文章として入れないといけないと思います。種別のところで、総括本文に入れるというものと、個別意見として書いておくという2つの分け方がありますが、それはさほど明快ではなく、現在は個別意見に入っていても、重要なものは本文に取り入れる余地を持っている含みのあるものだと思います。ですからその辺は、皆さんのご意見によって、最終結果のところの載り方が違ってくると思います。

 また、実施中という区分については、もう既にやっているので記載しなくても良いとの解釈もありますが、実行しているのは分かるけれども、もう一度考えてもらいたい、重要なので書いた方が良いということであれば、本文中に載せる必要があるものを載せることで良いのではないかと思います。対応案の5つのパターンは、あまり厳格にしなくても良いと思います。

 しかし、報告書の文章に載せることと、実行することは別だと考えます。ここは報告書の文章に載せるか否かの話で、後から「あの時にあのような発言があった」ということを記録に残すこと、組織として文章化しておくことは必要だと思います。


(中村委員)

 意見を交通整理する際に、個別意見を一括りにするのではなく、やはり今後の事業の参考になるような意見は、何らかの形で将来的に取り入れることがあっても良いと思います。


(木平委員長)

 そうですね、それは必要だと思います。折角、沢山の意見が出てきても、文章に載らなかったら、出ていないのと同じになってしまいます。何処にいれるか、主文にいれるか、あるいは注的な形で入れるか、区分があるかと思います。皆さんの意見を消してしまわないという、中村委員の指摘の趣旨にも沿ったかたちで、最終案を事務局にお願いしたいと思います。


(田中委員)

 今の整理でよろしいと思いますが、私の理解では、個別意見として掲載してあるものは、このような考え方もあるということで、きちんと残しておきますが、あくまで県民会議委員個人としての意見です。つまり、県民会議共通の認識ということであれば、総括に載せることになります。例えば、個別意見というよりは、県民会議全体の意見としてこの趣旨は反映できるので、結果として総括に反映させていくという扱いもあると思います。

 全体からすると、総括を前に持ってきて、「事業の成果はあったのか」ということで、12の事業の柱ごとに取りまとめてあるので大変分かりやすくなり、インパクトが強くなったと思います。その上で、今までは後ろにあった全体のまとめを前に持ってきたおかげで、ここだけを読めば全体像が大体分かるようになり、以前に比べると分かりやすくなりました。

 気付いたことを申し上げますと、森林生態系ワークショップを行い、新しい評価方法の模索を始めていますが、昨年の施策調査専門委員会で、こういう方向で新しい観点から、これまでの水源環境保全・再生施策の効果、成果を把握することが必要ではないかとの提言を出して、今年度から具体的な事業が始まった経緯があります。

 その趣旨のことは、例えば0-10ページの下線のコメントで、「また、県民会議としても、5か年計画の満了を見据え、累積的な評価と政策の効果、アウトカムを総合的に見ていく必要があり、そのための評価の視点を検討する必要がある。」とあり、これがワークショップに繋がっていると思いますので、ワークショップの成果も踏まえ、新しい評価方法として、状態評価、経済評価、それから森の事業と水を結びつけるような、有機的な森林生態系というキーワードを使って繋げるような評価の仕方、そうした取組も必要になってきているということは、強調しても良いと思います。今年度、既にそうした方向でやっていますので、新しい具体的な手法も変わりますし、多面的な評価を行っていくということも打ち出されても良いと思います。


(水源環境保全課)

 今、田中委員からご指摘のあった点については、報告書案の11-13ページ、11番事業の総括、上から8行目に個別事業の総括として記載していますが、今のお話ですと、これを例えば全体的な話にも記載した方が良いということでよろしいでしょうか。


(田中委員)

 両方に入っていると良いと思います。昨年、県民会議としての5か年の総括で、「何が出来て、何が出来なかったか、何が課題か。」ということをまとめた文章を作成しましたが、その内容は0-9ページや0-10ページ辺りに反映されているのでしょうか。


(水源環境保全課)

 成果と課題について、非常に簡潔な形で1番から12番事業のII(ローマ数字の2)「何をしてきたのか」に記載しておりますが、それが全体の総括に入っているものもあれば、入っていないものもあります。


(田中委員)

 昨年、第1期を振り返ってまとめた総合コメントを第2期に向けた意見書として出しましたが、それが0-9ページ、0-10ページ辺りに入っていれば良いと思います。意見書に記載してあって、報告書では落ちているものがあれば反映していただければと思います。


(木平委員長)

 そうですね、全体の総括の中で森関係、水関係、支える取組関係と3つに分かれていますが、森と水を結び付けるという意味では、総合的な評価の視点、森林生態系効果把握の検討を行っている点も書くことが必要だと思います。

 3つ目の支える取組関係のコメントで、「評価について、事業主である県が行う立場と、県民目線で行う評価では違うのではないか、そこが必ずしも明快ではなかったので区分した方が良い。」ということ、これは県民会議が始まった時から言われてきたことです。「県による評価と県民会議による報告書、それぞれ別の観点から書くということについて検討する必要がある。」と自分で言いながらも、これは難しい問題だと思います。元々この報告書は県民会議の報告書ですが、中身はほとんど県の目線での報告になっており、実態と中身とが必ずしも一致していないところがあります。報告書を2本立てにするのが良いのか、そうしたことも含めて検討出来ればということです。大きな課題かと思いますので、ご意見をお聞きします。


(中村委員)

 評価の仕方について、もう少し行政と切り離した形で出来ないのかということがあります。例えば、県民会議で整備箇所を見に行きますが、それは行政の用意したところを見に行くわけです。私共の団体では、会員や一般の登山者、自然観察の人達などから上がってきた情報をもとにして、県が事業を行っている場所を見に行きます。そこで県の担当者にも来ていただいて、事業概要の説明をしてもらう。そうすると、問題となっている部分というのは、説明している行政の方とも意外と共有する部分も多いので、今後どのようにしたら良いか、事業のどこがまずいのかという話も意外と見えてくるのではないでしょうか。そうした形の評価をすれば、あえて2つの評価手法をとらなくても、事業評価というものが見えてくるのではないでしょうか。


(木平委員長)

 県民会議の事業モニターは、昨年度、方向を変えようとの話になり、県が選んだところを見に行くのではなく、県民会議自らが選んだ箇所に行くことになり、制度としては既に始まっています。

とは言っても、まだまだ自立して何処が問題かといった指摘が出来ないので、まだ途中段階です。少しずつ県民会議の評価の精度がきちんとしてくれば、明快な意見が出るのではないかと思いますし、そのような評価が報告書に載れば良いと思います。そうなれば2つの報告書を作る必要もないかも知れません。


(田中委員)

 県による評価と県民会議による評価を明確に区分することは、なかなか難しいと思います。基本的に、これは県民会議による報告書だと理解していますが、県による事業の評価は、事業の進捗度についての数字が出ますので、各事業担当課や水源環境保全課等で数字をチェックする。県民会議としては、そうしたものを踏まえ、改めて県民会議の目線からコメントする。そうした形で、総括として「事業の成果があったのか」と書かれている前提があります。

 水源環境保全課は、事業課としての側面と、県民会議事務局としての側面があります。ですので、県民会議が必要な情報を要求したり、分析をしていただいたりということを指揮してやるというのが、本来の役割としてあるとの前提だと思いますので、県と県民会議の評価を分けるというと、ややこれは大変なのかなと思います。

一応、県民会議としての評価がここに表明されており、まだ県民会議としての主体性なり、独自性が十分に発揮されていない、多様な意見の集合体としての特性が発揮されていないといった点はあるかも知れませんが、この報告書の作成はそうした前提で行われているものだと理解しています。

 それから、中村委員の指摘は、かなり立場を独立していかないと出来ないですね。それは財政的にもそうですし、突き詰めればNPO法人でということかと思います。

県民会議は、水源環境税という枠の中でやっているので、その使い道を透明度高くチェックをして、必要な点があれば是正させていくという、内部牽制的な意義があると思います。完全に外部から第三者の目でということになると、やはり立場を独立しないと難しいと思います。


(中村委員)

 例えば、委員会として調査会社に委託し、植生や土壌動物などの項目別に分けて、1年ごと、あるいは5年ごとに調査してもらった結果をこのような場で検討する。そうすれば、行政が出してきた進捗状況でない評価が出てくると思いますし、そうした形があっても良いと思います。

 それから、県民会議から出た意見で恐縮ですが、ヘクタール当たりの金額を出すことに意味があるのかなと思います。例えば、林業の枝打ちや間伐などの整備をしているところであれば、ヘクタール当たりの金額で実際にどのぐらいの事業が行われているか分かると思います。

 しかし、渓畔林やシカを含めた自然環境において、ヘクタール当たりの金額を出して何の意味があるのかなという気がします。それよりは、例えばシカの管理に対して使う金額、その大枠の予算の中で森林の植生が再生しているか、あるいは土壌流出が止まっているか、そういうものを個別に判断していく方が、事業成果の具体的なイメージとして一般の方にも分かりやすいと思います。このヘクタール当たりの金額は、私は必要ないと思います。数字だけが独り歩きしてしまうのではないかと思います。


(天野委員)

 水源環境施策は、河川や森林など幅広い内容を対象とした事業である上、学門的な専門性だけでなく、行政を進める上での専門的な知識も必要ですので、評価をする際、県の評価と県民会議の評価をきちんと線引きするのは、事業全体の性格上なかなか難しいと思います。県が税金を使ってやっていくわけですから主体性を持って進め、それに対して県民会議がチェックしていくことになります。

 そこで中村委員のおっしゃる県民参加の考え方でいくと、より専門的なもう一つの評価をするコアを作らないといけないとなるとかなり難しい。こうした意見があることを考えると、例えばこの部分については、もう少し深く専門的な分野で来年度は実施してもらったらどうかと提案するとか、常に県と県民との協働事業にしないと進められない事業ではないかと思います。

 評価は県民にとって大事なものですから、評価方法については、部分的には深くやっていったらどうかということで、従来どおり一体の関係でやるのかなと思います。あまりにも事業が膨大であるし、地域の差もありますし、複雑ですし、県に責任を持ってやってもらわないと進まないと思います。


(田中委員)

 ヘクタール当たりの金額についての話は、前回の県民会議で出た意見です。経年変化を見る、あるいは事業間の効果を見るには、どれぐらいのお金をかけたかを見ることが必要ではないかとの意見です。このため、0-16ページの右端に単位当たりの金額が書かれていて、必ずしもこれで分かるわけではないかも知れませんが、こうした指標があれば一つの目安になるのではということだと思います。


(中村委員)

 林業や木材の搬出に関しては分かりますが、私は5年毎の見直しも、自然環境に関しては早いのではないかと思います。シカの保護管理で、5年ぐらいで再生するのであれば、日本の自然環境は全て再生しているはずです。

 ある程度の期間の中で、ある程度の成果を強調していかなければ事業として成り立たないとの立場は分かりますが、個別の事業で常にヘクタール当たりの金額を提示されても、それを見た県民は理解出来ないと思います。


(木平委員長)

 これは必要かどうかということよりも、県民会議委員が必要性を感じたとの意見があったということで、それはそれで良いのではないでしょうか。


(中村委員)

 こういうものを出す場合には、具体的なものを一緒に出す必要があると思います。例えば、林業の整備とリンクしながら、シカの保護管理を進めているところでは、植生の回復がかなり見られる。しかし、整備が行われていないところでは、シカの保護管理をしても植生の回復がほとんど見られない。

 そうしますと、一括りでヘクタール当たりいくらとなると、こちらでは成果が上がっているが、こちらでは上がっていないという話になります。事業の進捗や内容も書き込んでいかないと、ヘクタール当たりの金額だけを増やしていっても何もならないと思います。


(木平委員長)

 ご指摘のとおり、ヘクタール当たりの金額が全ての価値を決めるものではありません。しかし、内容を専門的に知っている人はそうしたことを説明できますが、何も知らないで税金を出している人にとっては、1ヘクタールの森林を整備するのに、100万円かかるのと10万円かかるのでは随分違いますねということなので、およその荒っぽい目安ということで、こうした資料があっても良いのではないかと思います。


(中村委員)

 その場合は、「ここでは何ページのここの部分を参考にしてください。」といった書き込みがあれば、まだ分かると思います。およその目安との話は分かりますが、この金額は非常に荒っぽくて、見る人によって判断がまるで変わってきます。せっかく報告書を出しているのであれば、このページを見ればこの金額が分かるとか、あるいは5年間で検討した結果がこの報告書に繋がっているという経緯も書かなければ、何故そうなったかが分からない。

 数字を出す時には、必ずその数字がある程度分かるような内容のものでなければ、数字が独り歩きしてしまうと思います。これは丹沢のシカの数と一緒で、私は丹沢にシカが何頭必要だというのは判断がつかないと思いますが、出さないと議論が出来ないから数を出す、そうすると数だけが独り歩きします。


(田中委員)

 0-10ページから11ページに、全体総括の個別意見として「全てにおいて対症療法的」という意見が載っています。とても厳しい意見ですが、ある委員はそう思っているが、別の委員はそうは思っていないということで個別意見に位置付けられたのだと思います。委員として、それぞれの考え方やポジションで意見を言う権利や自由はあると思いますが、それが全体として共有されて主文に反映されるかどうかについては、県民会議の総意として考えるということだと思います。

 それから、出来れば個別意見もポジティブに、このように改善する必要があると読み替えていく、個別指摘を色々な観点からもらう形にした方が良いと思います。これも場合によっては、全体会議の中で意見交換させてもらったら良いと思いますが、例えば「こういうことを行うべきである」「このような観点を追加すべきである」と、ただし、それはまだ時期尚早とか、まだそこまでいかないという水準もあるので、個別意見にとどめておくけれども、全体としては変えていく、良い方向に向上していくような、そういう指摘の仕方が良いと思います。


(木平委員長)

 それでは、いただいた意見を事務局と私の方で相談いたしますので、最終的な総括案の内容や字句の修正などについてはお任せいただけますか。


(出席委員)

 よろしくお願いします。


(木平委員長)

 ありがとうございます。今後の手続ですが、修正案が出来ましたら、それを県民会議委員にお送りして再度意見の照会をいたします。それに基づいて、3月の県民会議に報告書を出して確認いただく。その後、県に提出をいただく。このような予定ですがよろしいでしょうか。


(出席委員)

 はい、結構です。


(木平委員長)

 今日の検討事項はこれまでとし、最後に報告事項として森林生態系効果把握手法について報告したいと思います。それでは事務局からお願いします。

報告事項:森林生態系効果把握手法等検討業務の実施状況について

  • 水源環境保全課 高乘副主幹から【資料2】により説明。

(木平委員長)

 ありがとうございました。それでは今の報告について、ご意見があればお願いします。

神奈川県はこれまでに色々な調査、モニタリングを行っており、その蓄積が非常に大きい。他の県より圧倒的に調査を行っていますので、その資料を十分活用することが大事で、新たに行うのではなく、手持ちの資料の分析が重要だとの指摘がありました。

 もう1つは、山が良くなったか、水がどうなったかなど、技術的な評価に近い立場で私達はやってきましたが、県民は必ずしもそうしたことに関心があるばかりではない。自分の払ったお金でどうなったか、支払い者としての立場があるのではないか。技術的な立場ばかりで考えていると、県民の評価に答えられないということで、県民がどう思っているかを具体的に把握しないといけない。専門家や行政など自然環境のプロの考えばかりでは駄目ではないか。そうした面に関しては私達も弱いことが分かりまして、それをどうするかということもワークショップから出てきたものです。

 もう1つは、良い水を豊富にやるという川と森の機能ですが、それを測るということは理念としては良いのですが、なかなかつかみにくい。報告は感情論ではなく、データを根拠に話さないといけないものの、機能の測定は難しいので、それに代わるものとして、森や川の状態でつかみ、機能はその後にあるものとの考え方が必要ではないかとの意見が多く出ました。

 県も大体同じような提案で、専門家の意見とほぼ一致していましたので、あとは何処まで実行出来るかが課題ではないかと思います。実際に実現できれば、かなり大きな成果が期待できますが、そこまで実行できるかどうか。これは非常に積極的な取組ですので、実力に見合ったなかで実施していかなければならないと思います。特に県民の経済的な評価、支払意思について、どう受け止めるかといったことが重要になってくると思います。


(伊集委員)

 専門的な観点から評価する手法として、かなり効果が期待できるものも考えられていますが、事業として行っていこうという時、事業を計画していく段階で、具体的な政策の計画、プランまで進んでいく方向性を持っているのでしょうか。


(木平委員長)

 進めようとしていますが、報告書がまとまった段階で、誰がどのような組織で行うかは検討中です。事務局から補足はありますか。

 

(水源環境保全課)

 お配りした資料では、一番後ろにA3を織り込んだ資料がありますが、ワークショップでも県からの提案についてこの資料を使って説明しました。資料2枚目の右側に5か年計画、20年間の時間軸の中で状態・機能・経済、それぞれ評価をしていく中で具体的な項目としてはこのようなことが考えられる、それが時間の経過とともに推移し、項目も変わっていくことを、ある程度のスケジュール案として提出し、このことについてご議論いただき、概ね了解をいただきました。

 これを委託先のイー・アンド・イーソリューションズが報告書にまとめておりますので、報告書が出ましたら、木平委員長がおっしゃった実現可能性も含めて、3月の施策調査専門委員会で検討をお願いする予定ですので、その際にご説明させていただきたいと思います。

 

(伊集委員)

 政策側としての実行可能性や技術的な面での実行可能性、効果を期待出来るが、なかなか今の予算の中では難しいので取り下げざるを得ないということもあり得ると思いますが、そうした部分でこそ、県民の意思として、これを行うとこれだけの効果が期待出来る、それにはこれだけの財源が必要ということを評価してもらうことが出来ると思います。その時に、少なくともこれだけのことを行えば、これだけの効果が期待出来るということを、まずは情報として出してもらう作業が入ってくると良いと思います。

 

(木平委員長)

 ワークショップでは、そのことも指摘されました。一般県民の方が、どのくらいお金を出して良いかということで評価する時には、白紙で聞くのではなくて、「これだけお金がかかります」ということや、「これだけ成果が上がります」といった実際のデータを示して、ある程度の理解を得た上で、県民意志を出してもらわなければ、ただ始めから賛成ではアンケート調査をやる意味がない。まず最初は技術面での実績、あるいは見通しというものの説明が非常に重要だとの指摘がありました。

 

(中村委員)

 もしそれが本当に必要であれば、こうした先生達は必要ないと思います。もっと丹沢をよく知っている人達や、実際に事業を進めている県職員達で作業部会を作り、きちんとした内容のものを作り上げて、この専門部会に出せば済む話ではないでしょうか。全く丹沢を見たこともない、進めている事業も知らない、一般論しか話せない先生方を呼んでも、県民は理解しないと思います。

 神奈川県が水源環境税を最初に実施しようと言った時に、一番多く県民が出しても良いと言った金額は一人500円で、その次は1,000円でした。そこまで県民が出しても良いと言った訳で、それは行政との信頼関係です。そうしたものがある程度構築されているところに、新しい事業と言っても、既に5年進んでいる事業の中で、新たな評価手法にこうした先生方を呼んで行うことに何の意味もないと思います。

 もし本当に県民に対してきちんとした説明が必要であれば、県職員にいくらでも人材がいるので、その人達で作業部会を作れば、丹沢にとって今後どのようなことが必要か、どういう事業を進めたらどのくらいの期間で成果が出るかといったことは、こうした先生方よりはっきり分かるはずで、そうした人材の有効活用も必要です。

 もう一つは、本当に進めたいのであれば、実際に関わる担当職員を増やす提案をしていかなければ、事業内容だけ議論しても、そこに関わる職員がいなければ事業は進みません。お金に見合った職員を充てなければ駄目ですし、そうした提案をしていくべきです。森林生態系評価に来ている先生方は、おそらく神奈川県のことも丹沢のことも知らないと思いますので、きちんと分かっているところで話をすることが必要です。

 

(木平委員長)

 そうですね、色々な提案があった中で、実際には誰かがやらなければ議論で終わってしまい、成果が出ないわけです。したがって、誰がやるのかとなると、県が主体にならざるを得ないということで、個人力ではなく組織力で、どういう組織が何時までに何をやるのか、これが検討事項です。

 このワークショップのメンバーが全てをやるのではなく、新しいアイデアや専門的な意見を聞くという意味では重要です。しかし、それに基づいて何をやるかを決めるのは県民会議や県の役割だと思います。

 この件は、県民会議や施策委員会の中で、事業の評価について、このような考え方が必要なのではないかということで検討しようとの経緯があって、その結果が県民会議に入ってくるのが3月になりそうです。また、その時にご議論をお願いします。

閉会

(木平委員長)

 オブザーバーが今日は2人来ていらっしゃるので、もしご意見があれば一言ずつお願いします。

(坂井オブザーバー委員)

 皆さんには、いつもよくやっていただいていると感謝しております。最初の県民会議で副知事が言われたことは、新たな視点ということでした。抜けている視点はないか、見落としていることはないかということを考えなさいとご指示いただいたと思っております。中でも、担い手の問題や優先順位の問題が大きいものだと思っています。

 先日、「酒匂川の上流から下流までを考えよう」という催しが小田原高校で開かれましたが、その際、中流・下流の話は出ましたが、森の話は全く出てきませんでした。それはやはり、川の担当部署なので森のことまでは言及できない、あるいは県民会議や水源環境保全課がやっているので、そこは遠慮しているのだと思います。その時、その部分がこちらではここまでは出来ますよとか、こういう優先順位でいかないと酒匂川は危ないですねと、こちらでもある程度、優先順位をつけて対策を取らなければいけないのだと問われているように思いました。


(井上オブザーバー委員)

 経費対効果に関しては、非常に難しいことだと思いました。相手が広大で広域な自然環境を対象として、人が行うことの難しさや大変さをつくづく感じました。そのことについて、税金をいただいた県民にいかに分かっていただき、納得していただくか、PR方法をしっかり考えていく必要がある。専門的なことは分かりませんので、そのことをいかに県民に知らせたら良いかということを感じました。


(木平委員長)

 県民に知らせることは非常に重要ですね。これで今日の委員会は終了いたします。どうもありがとうございました。

【会議終了】

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会議資料

次第

資料1-1 点検結果報告書(平成23年度・第1期5か年実績版)(案)に関する意見について

資料1-2 特別対策事業の点検結果報告書(平成23年度・第1期5か年実績版)(案)

資料1-3 点検結果報告書の「総括」作成の流れについて

資料2 森林生態系効果把握手法等検討業務の実施状況について

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