更新日:2020年9月18日

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第6回施策調査専門委員会審議結果

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

水源環境保全・再生かながわ県民会議 第6回施策調査専門委員会

開催日時

平成20年11月13日(木曜日)18時00分から20時20分

開催場所

日経ビル 304会議室

出席者【委員長・副委員長等】

田中 充【委員長】、古米 弘明【副委員長】

淺枝 隆、木平 勇吉

次回開催予定日

平成21年1月30日

所属名、担当者名

土地水資源対策課、担当者名 原田

電話番号 045-210-3106

掲載形式

  • 議事録

議事概要とした理由

-

審議(会議)経過

(田中委員長)
定刻になりましたので、始めさせていただきます。第6回施策調査専門委員会ですが、配布資料にあるように、渓流調査、河川と森林のモニタリング調査、最後に12の事業の評価の仕方について検討したいと思います。それでは、資料1の前回委員会の確認からお願いします。

【土地水資源対策課から、資料1に基づき、前回委員会の意見要旨について説明。】
【特に意見なし】

(田中委員長)
前回、渓流調査について、ご意見を頂きました。それを受けて、本日の主たる議題の1つである渓流調査について、その後の検討状況をご説明いただき、ご意見を頂きたいと思います。お願いします。

【土地水資源対策課・トーニチコンサルタントから、資料2に基づき、渓流調査について説明。】

  • 前回、渓流調査について出された意見を踏まえ、濁度・流量等を調査する方法(案の1)を基本に再度検討した。石面付着物の強熱減量等を調査する方法(案の2)は、採用しない。
  • 自動測定機器による連続測定の方法(案のA)については検討したが、1多額の費用、2量水堰設置による自然への影響、3対照流域法との重複などの理由から、事務局としては否定的に考えている。
  • 今回は、森林整備箇所と未整備箇所の比較調査する方法(案の3/案の4)を検討案として提示。


(田中委員長)
ありがとうございました。この議題も3回目ですので、そろそろ方向性が出ると思いますが、如何でしょうか。古米先生、前回ご欠席でしたので、後日事務局から先生にお伺いしたとのことですが、今回の案は如何でしょうか。

(古米委員)
渓流地域や調査方法が具体的になっておらず、連続測定することが非常に困難な場合も十分想定できるので、なかなか判断が難しい。しかし、現実的に渓流調査は森林整備において重要なので、何とか意味のある調査成果を出すためには、今説明があった(案の3)はいただけません。(案の4)は、期待を持たせるけど、結構実施するには大変だと思います。費用、作業の可能性、安全性の確保などを考えると、できるだけ流量や水位の情報を、降雨時とそうでない時の違いを把握できるように、継続的に測定できる箇所を探すことが魅力的だと思います。
そのような意味において、どのような渓流地域で調査するかがポイントなので、渓流の事前調査、例えば、流域面積や森林整備面積、降雨量と流出量などの事前調査をしっかりしていただきたい。候補地点の調査に費用をかけて、調査地点を選ぶための努力をして、モニタリングのための調査の解析があると、今回提案されたように、整備箇所と未整備箇所をペアで調査することは分かりやすい。3地域でなく、2地域に地点数を減らしてでも良いので。
ポイントは、降雨時のデータも、そうでない時のデータも欲しいけれど、降雨時の調査は難しいと思います。(案の4)では「降雨後」とあるので、(案の3)の降雨の影響が少ない日を6回ぐらい調査して、(案の4)のように降雨後でも良いので降雨の影響が流出量に残っている日を調査する。モデルで流出解析はできるので、今回の6回の雨の中で、測定に行った時間帯を記録して、流出解析上の流量と、実際の測定した流量を比較する。
また同じ場所で、翌年も同様に測定するので、整備が進捗するとどのように変化するか、未整備地域で今後整備が進む箇所を同様に測定しておくと、連続ではなくても、降雨の影響が流出量にどのように反映されていくかを流出解析モデルと組み合わせて行う。すると、測定装置を設置して連続観測をしなくても、モデルによって、連続測定していたらこうなっていたはずとの予測との比較検討ができる。降雨後の1日後にもう1回行くぐらいは頑張って頂いて。そうすると、流出量が低減しているのか、大量に出ていたものが整備により少しになるのか、2点ぐらいは、降雨の影響が流出量に残る日については測定する。
(案の4)は頻繁に数時間おきに6回も測定しているけれど、24時間測定するうちに、水質は落ち着くのではないか。採水や測定の回数を減らして、2回程度にするならば、降雨の影響を調査する点では、(案の4)での成果に近くて、かつ、降雨の中で調査する費用をかけるより、降雨後の晴天時での降雨の影響が残るサンプリングデータを増やす方法が経済的でよいのではと、先程から考えています。

(田中委員長)
淺枝先生は、如何ですか。

(淺枝委員)
この渓流調査の地点は、雨量計が設置されている箇所が対象になるわけですね。その有無により、全然異なるので。その流域でなくても良いので、少なくとも雨量計が近傍にあることが、1つのポイントになると思います。
もう1つは、水質を調査するならば、雨の降り始めと流出の出始めが出やすいが、流量を調査するならば、影響が出るのが長引きます。しかし、雨の降り始めの調査は、空振りになってしまうことが多く難しい。そのような意味では、流量を調査することでしょうね。
そうすると、古米先生が発言されたように、降雨後数時間おきでなくても、数日おきで良いと思います。

(田中委員長)
降雨のピークから減水してきますね。測定地点によりますが、流量のピークから何時間かかって減衰してくるのでしょうか。

(淺枝委員)
恐らく1~2時間でその減衰曲線が引くのは短すぎます。

(古米委員)
濁りを調査するならば、(案の4)のイメージでしょうが、数時間おきに調査することは、結構大変だと思いますので、それは省略して、日単位で徐々に流量が変化することを見る方が良いと思います。

(淺枝委員)
もう1つ、調査地点の選定のための事前調査は重要ですよね。更にpH、SS、濁度、水温、透視度で上手く行けるのか。森林整備されると、SSと濁度は恐らく減っていく。それ以外は必ずしも、どのように変化するのかわからないし。
それともう1点、以前も話しましたが、費用がかかる部分は人件費。だから、サンプリングした水を保管しておいて、何か結果が出そうだと分かった時点で、再度測定する仕組みを作っておいた方が良いと思います。

(田中委員長)
木平先生、如何でしょうか。調査に適している場所は、山の中にありますか。

(木平委員)
この渓流調査は、降雨時に測定することを、何回か繰り返すことが良いと思います。その場合、降雨時に調査員が調査地点まで行かなければいけませんので、アクセスできる道路があることと、雨量計があることが絶対必要です。限られた場所ですが。
降雨後、落ち着くまでの間、連続的に測定する体制が整っていれば、サンプルの地点数を多くする必要はないと思います。サンプルが多ければデータの傾向が分かるだろうとの期待があるのでしょうが、それよりも1~2か所でも正確に分析できるデータが良いと思います。
降雨の棒グラフの後に、流出量のグラフが増加して平常時の既定量に戻りますが、そのようなことが分かれば、最低限の結果にはなると思います。

(田中委員長)
森林モニタリング調査の対照流域法は流量も含めて調査する予定ですよね。

(星崎課長)
当初から、森林の水源かん養機能の調査は、対照流域法で調査する予定です。また、河川モニタリング調査として、生物の現況を把握するために、平成20年度は相模川流域の動植物等を調査しています。この渓流調査は、当初想定していなかった部分です。したがって、いろいろご意見を受けて、案を作成していますが、これほど困難であれば、調査する意味があるのかという気がします。

(木平委員)
流量の変化は、森林の整備よりも、地形や地質によって決まるわけです。そのようなことを事前に調査しておいて、その後に森林を整備するのが、対照流域法です。この渓流調査は、似ていますが、違いますね。

(古米委員)
対照流域法の調査は、どれぐらいの面積の大きさですか。

(自然環境C)
対照流域法は、流域面積100haの流域の中に、10~20haの対照流域を設定します。基本的には約20haの規模で、沢の下流端に、堰を設置して測定します。
実際に、100ha単位で森林未整備の場所は、丹沢で見つけることはほとんど不可能なので、かなり小さい規模です。しかし、現場では20haは相当広いです。一定の常水がある流域面積は、20haより小さいと常水がなくなるケースが多いので、常水が出ている場所を探すことは非常に現場では難しくて、苦労しています。
特に西丹沢側では土が深くて、水が出ていない場所が多いです。かなり流域面積を大きくしないと、1年中水がない。そうすると、全く未整備の流域はほとんどない。机上では実験的なことは考えられますが、現場では、そのような場所を見つけることが難しいというのが実態です。

(木平委員)
対照流域法は、理論的には非常に理路整然としています。しかし、設定も難しいし、効果がでるまで時間がかかるので、5年間の成果は恐らく出ません。しかし、対照流域法は絶対必要であり、長期に調査すべきだと思います。

(田中委員長)
各委員の意見をまとめると、第一に、調査地点に適した地点を探索する。その条件として、道路に近いことや、雨量計の設置など、そのような調査流域がある場所ですね。
第二に、晴天時の調査と同時に降雨後の調査を中心に、降雨後の流出の動態を調査する。

(古米委員)
降雨時は調査しなくても良いと思いますよ。降雨後の翌日や翌々日に調査する方法でも。測定する渓流の流域面積の規模によって、日単位で調査する程度で良いか否か分からないけれども。

(田中委員長)
しかし、難しいのは、1回の降雨後に、また2~3日後に雨が降ることもうまく考えなければいけません。ともかく、先生方のご意見もあるので、パイロット的に1地点で調査が可能か、調査する場合の問題点は何か、1回調査しなければならないのかなと思います。
そのぐらいならば、地点を絞って、予算も1,000万円も必要とせずに、可能ではないでしょうか。

(淺枝委員)
実際のデータが出てくれば、その後もう1回調査すべきか分かると思います。

(田中委員長)
もう1点、このような研究調査の事例を、文献や研究レポートの調査や、情報を持つ研究者がいれば聴取するなども如何でしょうか。他の地域でも構いませんが。

(星崎課長)
分かりました。

(田中委員長)
自然環境保全センターや、環境科学センターにも、ぜひご協力を頂いて、知見を蓄積することも今後の森林整備に必要なことだと思いますので。
それでは、次の議題、河川モニタリングについて、資料3のご説明をお願いします。

【環境科学Cから、資料3に基づき、河川モニタリングについて説明。】

  • 平成21年度の酒匂川水系の調査について説明。調査方法は、20年度の相模川水系と基本的に同じ。
  • 調査地点は、過去の県内河川の底生動物調査の20地点を基本に、全40地点で実施。両生類調査のサンショウウオについては、25地点を別に設定。
  • 県民参加型調査の平成20年度進捗状況について説明。現地研修会を3回開催。ホームページで情報発信。平成21年度については、参加者を新たに公募する予定。


(田中委員長)
ありがとうございました。如何でしょうか。

(淺枝委員)
平成20年度の相模川水系の調査で、恐らくまだ把握できていないと思いますが、2005年に報告書が出された、県内河川の底生動物調査との差は出ていますか。

(環境科学C)
まだ、分かりません。

(淺枝委員)
同じ地点を調査しているのですよね。

(環境科学C)
同じ地点もあれば、異なる地点もあります。

(淺枝委員)
差が出るのか否か、相模川水系で目星が付けられれば、酒匂川水系も計画に反映できるかと思いましたが、まだ分からないですね。

(環境科学C)
はい。一応、速報値は出ましたが、まだ学名などの精査が終わっていません。また、夏の調査が終わりましたが、冬の調査はこれから始まります。

(淺枝委員)
できるだけ、速報値の段階でも良いので、比較して、特に差が出ているのか否か。酒匂川は、相模川よりは差が出にくい感じですか。

(環境科学C)
同じ調査地点は、変化がないかも知れませんね。

(田中委員長)
平成21年度のサンショウウオの調査は、この40地点とは別ですか。

(環境科学C)
これらの40地点の中ではサンショウウオは出ないので、別の地点で調査します。20年度の相模川のサンショウウオの調査についても、別に25地点を設けました。

(古米委員)
40地点のうち、プラス20地点はどこに決めるんですか。

(環境科学C)
主に渓流と、丹沢湖に流入している3河川の上流側です。

(古米委員)
基本的には今あるプロットよりも、上流側の点を20個設定するということですね。

(環境科学C)
酒匂川の流域には、下流にも河川や用水路がたくさんありますが、今回の調査地点には含めません。

(古米委員)
先程の渓流調査の晴天時調査と、どこが違うのでしょうか。

(環境科学C)
これは全部、晴天時に調査することになっています。

(星崎課長)
基本的には、5年前の調査と比較するために、同じ地点を調査します。しかし、20年度の相模川水系において、もっと渓流を調査すべきとのご意見がありましたので、一部渓流の調査地点を増加しました。ただし、酒匂川は流域が狭いので、以前の調査でも、20地点しか調査していないということです。したがって、40地点を設定しなければならないかは、別の問題です。

(環境科学C)
これから事前調査して、水が流れているか、車で行けるか、それらも含めて1年間調査できるか否かを踏まえて調査地点を決定していきます。

(淺枝委員)
これも、5年の間に差を出したいわけですよね。

(星崎課長)
この調査は、5年間の中で1回しか調査しません。ただ、5年前と比較してどうかは出ます。

(淺枝委員)
相模川では、津久井湖から下流、酒匂川では、丹沢湖から下流。これは基本的に上流の湖で決まっているわけですよね。5年の間に多少は変化しないと、下流には何も影響がないので。相模川の方は、5年間に下水道の整備を進めることになっていますよね。丹沢湖の周辺では何か進めていますか。

(星崎課長)
丹沢湖の上流に200戸ほど家がありますが、そこを全部、高度処理型の合併処理浄化槽を整備する計画です。

(淺枝委員)
それならば、少なくとも本川に、その影響がどのように出てくるかという評価もできますね。

(星崎課長)
それはあります。また、いわゆる公共用水域の水質測定も毎年実施しています。

(古米委員)
少し気になるのは、以前調査した20地点は過去のデータがあり、水質項目としてpHやBODなど過去の調査と同じ項目を調査することは意味があります。しかし、丹沢湖より上流側の調査地点は、pH、BOD、COD、SS、DO、窒素とリンなどの水質調査しても良いけれど、どうせならば、渓流の水質を特徴付けるための調査する項目はないのかと先程から考えています。付着藻類も調査しているので、多少の状況はそれで分かるかも知れませんが。
先程、無機イオンなのか、あるいは森林整備により変化する水質項目とか、あるいは森林整備により落葉など多くなり、粒状有機物が増えてきたとか。しかし、それは生物に反映されるから見ても意味がないのかも知れませんが。公共用水域の水質測定ではなくて、上流域の渓流で調査するための項目を導入した方が役に立たないかなと思います。どのような水質項目を調べればよいかに詳しくはないのですが。

(環境科学C)
水質項目の中で、電気伝導度も測定しております。

(古米委員)
森林が整備されると何がいったい変化されるかを一度調べるとよいですね。

(淺枝委員)
少しマニアックになりますが、いわゆるCPOM(粗粒有機物)とか粒形の有機物は。

(古米委員)
先程言った粒状有機物が餌になって底生生物が変化することはよく言われる話だけど、提案されているサンプリング地点から判断して、結構、渓流での調査は大変そうですよね。

(田中委員長)
平成20年度の相模川水系のデータが上がってきて、もし問題があれば、次回に向けて少し検討することで如何でしょうか。生物調査も含めて、相模川と酒匂川で、20年度と21年度に同じ方法で調査するということで進めていきましょう。
また、県民参加型調査の研修として、既に3回実施されています。これは、既に県民の参加者が実際に生物調査をしているわけですね。研修として。

(環境科学C)
アドバイザーが、調査方法や植物の標本の作り方を、県民の参加者に、実際に体験させて、今後、自分たちで調査していただきたいということです。

(田中委員長)
したがって、県民参加型調査では、県民の参加者を少しずつトレーニングしながら広げていくわけですが、前回の県民会議で広く呼びかけてくださいという意見がありましたので、今後も努力してください。

(環境科学C)
平成21年度は酒匂川の調査も募集しますし、相模川についてもまた新たに募集します。

(田中委員長)
次の議題は、森林モニタリングについて、資料4をご説明をお願いしたいと思います。

【森林課から、資料4に基づき、森林モニタリング(人工林整備状況調査)について説明。】

  • 人工林内を踏査し、整備状況、下層植生の被覆状況や土壌の侵食の程度を点数により判定し、A~Dのランク付けをする。
  • 相模川上流域の山梨県で実施した同様の調査と連携して流域の森林評価できるよう、設定したプロットにおける林分密度の測定から収量比数Ryを算出する。


(田中委員長)
この調査は、来年度始めるということです。如何でしょうか。

(木平委員)
平成21年度及び22年度にこのような方針で調査する。また、過去にも類似の調査を実施しており、データを積み上げる。その趣旨や目的も分かります。しかし、調査方法が私には全く分かりません。人工林を調査して事業を評価する以上のことはできないわけです。
具体的に言うと、どの場所を調査するのか。全部悉皆的に調査するのではなくて、標準地を定めて調査するのでしょう。

(森林課)
いいえ、悉皆調査です。

(木平委員)
悉皆調査。悉皆の単位は何ですか。

(森林課)
いわゆる林分です。

(木平委員)
林分とは、幾つぐらいですか。

(森林課)
具体的には調べていませんが、県全体の林分数が約9万ですので、人工林は数万だと思います。

(木平委員)
数万の林分を現場で、一つ一つ調査するということですね。調査時期はいつですか。

(森林課)
5年に1回です。

(木平委員)
調査結果はどのような成果品をいつ出すのですか。

(森林課)
調査結果はGIS上で管理するので、基礎的な資料はそのような形になります。公表としては、地図的な出し方はせずに、Aランクが何%、Bランクが何%という形になると思います。

(木平委員)
一般に公表するということではなくて、調査結果としてどのようなものが出るかということです。

(森林課)
調査結果としては、林分ごとにA~Dのランクを付けた結果です。

(木平委員)
それでは、21年度は、横須賀・三浦、県央、湘南の地域では約15,000haについて、そのような結果が出るということですね。それは、対象人工林の全部が含まれているのですか。

(森林課)
そのように考えています。

(木平委員)
それでは、全域を悉皆調査するので、22年度末で、全体の人工林の状態は分かりますが、この森林の整備事業によって、どのようになったかは分かりません。整備事業をしなくても、結果は出ます。

(森林課)
5年に1回調査するので、調査結果として、Aランクの割合が増えることが期待されます。水源の森林づくり事業の全体の計画ですが、前回の人工林調査でBランク以下を中心に所有者と交渉して、公的管理・支援を進めていくと計画を立てました。今回の調査の結果によって、水源の森林づくり事業の全体目標の見直し等もできるかと考えています。

(星崎課長)
補足説明します。水源の森林づくり事業は、平成9年度から始めています。今、森林課から説明したとおり、平成15年度に調査結果をまとめて、人工林や広葉樹の割合や、そのうちの人工林をA~Dランクで区分をして、B・C・Dランクを整備するという計画を作成しました。いわゆる長期目標を立てる上で、単年度の整備量や、事業の期間・年数の基礎資料になっている状況です。

(木平委員)
全体で何%という表の中では、場所・位置の情報がありません。位置つきの情報が重要であって、最後の結果のみであれば、その数万の林分を悉皆調査する必要は全くありません。サンプル調査で足りるわけです。したがって、水源地域の良い地域、悪い地域の色分けした地図が出てくるというものがあれば良いと思います。

(森林課)
「成果品」を一般に公表するものと考えたのですが、具体的に委託業者から出る成果品は当然GISですから、色分けもできるし、私どもが事業を進めるに当たっては、その情報をもとに森林所有者に当たっていくということになります。それから、議論されている渓流調査などで、森林の整備箇所と未整備箇所の情報のために、その調査結果を活用することはできると思います。

(木平委員)
地図情報でなければ、森林の整備事業、森林整備状況の調査はあまり意味がないと思います。

(星崎課長)
施策を投入した記録は、今後出す予定です。どの程度の細かさで出すかは、検討中ですが。既にどの場所でどのような整備が実施されているという情報は出しております。また、年度末にはGISについても出すことができると思います。

(木平委員)
どの場所を整備したかは、実行する段階で決まっているから、それはモニタリング以前の問題で、データを持っていますよね。今の問題は、人工林地域が全体としてどういうレベルの状態になっているかだから、それはやはり場所・位置付き情報として整理して、作成する方が良いと思います。
私は別に細かい方が良いとは言いませんが、人工林調査が林分単位であるとのことですので、データの整理も林分単位以外にはあり得ないと思います。

(田中委員長)
収量比数Ryとは、どのような概念か教えて下さい。

(森林課)
森林の、特に人工林の混み具合です。収量比数1が理論上、最も混んだ状態で、0.8ぐらいより高くなったら、もう間伐等の手入れをする必要があるという指標です。

(古米委員)
神奈川県の森林面積が約95,000haで、林分が約90,000。平均すると、1ha当たり林分1つということですね。ということは、1ha、すなわち100m四方の状況を調査するということですね。

(淺枝委員)
整備状況や、下層植生の被覆状況や、土壌の浸食の程度などは、個々について、A~Dランクを付けるのですか。それとも、全体としてA~Dランクを付けるのですか。

(森林課)
それぞれの因子ごとに、点数を付けてから、総合的にA~Dのランクを付けようと考えています。

(淺枝委員)
整備状況は、整備するかどうかなので、良いのですけど。他の項目はその結果なので。

(古米委員)
整備状況とは、何をもって整備状況を評価するのですか。

(森林課)
整備状況とは、間伐等が実施されているとか、10年ぐらいは手入れされていないとかの状態です。数年間整備していない森林はBランク相当で、そろそろ次の整備をした方が良いなどです。

(古米委員)
この調査方法によると、1つ目の項目が整備状況、2つ目の項目が下層植生の被覆状況、3つ目の項目が土壌浸食。この3項目の程度を点数化して、それを全部総合して、A~Dのランクを付ける。過去にも同様に調査したので、継続的に調査することは、それで良いのですが、何か定量性をあまり感じません。

(木平委員)
もう少し具体的なモニタリングの設計がされると、分かりやすいですね。どのような項目か、点数の付け方、目視の方法、どれくらい時間がかかるかなど。また、調査の具体的な内容と成果の整備の方法を説明していただく方が良いと思いますよ。

(森林課)
詳細な詰めがまだですので、今後の会議で、示したいと思います。

(淺枝委員)
入札の時に、調査員の条件を付ければ良いと思います。調査員の質によって、調査結果が変わってしまうので。

(古米委員)
税金を投入したのに、住民から問われた時に困らないようにするためには、エビデンス(証拠)をしっかりとるとか、目視の調査でも写真を撮影するなどしておいた方が良いですよ。また、1万5,000地点を1年間の限られた日数で調査するとなると、すごい業務量ですよね。

(木平委員)
森林課はご存じだと思いますが、1つの調査単位が平均1haぐらいだと、多分その中で特定の箇所を決めると思うのです。それをどこに決めるか、どのように決めるのか、あるいは一定の基準でシステマティックに決めるのかなど。

(田中委員長)
それでは、次回は、調査の方法について、具体的に調査地域のエリア、調査員の数などを示して頂けると、もっと具体的に検討ができると思いますので。

(古米委員)
田中委員長が言われたように、森林の調査は、事業1の水源の森林づくり事業の推進と、事業4の間伐材の搬出促進と、事業5の地域水源林整備の支援が非常に直接的に関わっているので、21年度の横須賀・三浦、県央、湘南の地域で、事業1、4、5が実施されているのか絵を示して頂いた方が、分かりやすいです。

(淺枝委員)
シカの食害はカウントしなくて良いのですか。

(星崎課長)
現状を調査するので、シカの食害があれば、植生がないということになりますよね。

(木平委員)
シカ自体は直接調査できないから、植生で調査するということですね。

(古米委員)
目視の調査でも、写真が残っているだけでも結構貴重なデータになりますよね。植生レベルがわかるような、目安も併せて示して頂けると分かりやすいですね。

(田中委員長)
それもお願いします。それがこの施策調査専門委員会の役割の一つだと思いますので。それから、結果の公表の仕方も考えていきましょう。
それでは、今議論してきましたが、資料5について、ご説明をお願いして、皆さんのご意見を頂きたいと思います。
その前に、私から最初に説明します。この資料5について、水源環境保全・再生施策は12の主な事業があって、これについて年間約40億円の税金が投入されていて、それが19年度に始まり23年度までの5か年計画になっているわけです。その点検・報告をまとめる必要がありますが、4者協議会(金澤座長、新堀副座長、田中施策調査専門委員会委員長、沼尾市民事業等審査専門委員会委員長)の中で、金澤座長から、施策調査専門委員会の中でその考え方や形を考えてくださいとの要請がありまして、それで事務局ともご相談をして、本日はそのたたき台を出させて頂きました。また、11月下旬の県民会議にもお出ししますが、一度、施策専門委員会の中で、ご意見をいただきたいという趣旨で出させて頂きました。
それでは、事務局から資料5の説明をお願いします。

【土地水課から、資料5に基づき、「1水源の森林づくり事業」を例に説明。】

  • 「1ねらい」~「4事業費」については、実行5か年計画から転記。
  • 「5事業実施状況」~「7予算執行状況」は、公表済みの実績を記載。
  • 「8事業実施に係る評価」は、事業実績(アウトプット)について、コメントを付ける。
  • 「9モニタリング調査実施状況」は、調査の実施結果を記載。
  • 「10モニタリング調査結果に基づく評価」は、上記9についての評価。
  • 「11事業モニター結果」「12県民フォーラムにおける県民意見」は、施策調査専門委員会の範囲ではないが、併せて記載する。
  • モニタリング調査を実施していない事業や、モニタリング調査の結果が出ていない事業もあるが、それについては、モニタリング調査の方法自体の適否について、評価を頂ければと思う。


(田中委員長)
以降、順番に、2番事業が丹沢大山の保全・再生対策で、これも枠組みとしては基本的に同じですよね。3番事業が渓畔林整備事業、4番事業が間伐材の搬出促進、5番事業が地域水源林整備の支援、6番事業が河川・水路における自然浄化対策の推進、7番事業が地下水保全対策の推進、8番と9番事業が県内ダム集水域における公共下水道整備と合併処理浄化槽の整備。あと10番が相模川水系の流域環境共同調査、11番が水環境モニタリング。先程議論しましたが、森林と河川です。それから12番が県民会議も含めた県民参加の仕組みづくりということですね。

(星崎課長)
10番、11番、12番については、直接的な事業ではないので、どのような形で点検するのか、また相談させていただきたいと思います。それと、モニタリング結果が出ていないものも当然ありますし、十分でないのがほとんどという状況の中で、例えば、施策調査専門委員会では、このように調査した方が良いというアドバイスや意見を、現時点では頂ければ良いのかと思っています。その点をご議論頂ければと良いと思います。

(田中委員長)
施策調査専門委員会の役割も重くなってきて、税金も何億円と使われている中の、かなりの主要なところを、この施策調査専門委員会で、たたき台のようなものを全体の県民会議へ報告をするという作業をしながら、県民会議としては全体のレポートというか、点検結果報告みたいなものを、年度内にまとめるというイメージなんですね。
それで、先生方にご意見として、このような枠組みで良いか、あるいはこれは細か過ぎるとか、モニタリング結果に基づく評価とは一体何を書くのかとか、この点について意見をお寄せいただければと思います。まず質問や感想などでも頂ければと思いますが、如何でしょうか。

(古米委員)
平成19年度の最初の時期に、A3サイズの資料で、事業のねらいや、事業の進捗状況が記載された、例の資料が欲しいなと思います。

(田中委員長)
それがあると確かに便利ですよね。

(古米委員)
あの時にどのような議論をしたのか、少しは覚えていますが。事業の進捗状況のインデックスの他に、最終的に出てくるのは、保全・再生されていることを示さなければならない。しかし、すぐに改善されたと書くこともできないので、また先を見てくださいということで良いのではないか、という議論だったと思います。
具体的に、今回の案は、県民会議として、このように点検したということを県民にお知らせするというシナリオですか。

(田中委員長)
一応そのシナリオです。つまり、これは県民会議として、新しい事業に税金を投入して、その説明責任として、これだけ事業が進捗したとか、これだけ効果が上がったとか、あるいはまだ効果は見えていないということを率直に出す必要があるだろうという話を、座長からも頂きまして、説明責任を果たさなければいけないという話なのですね。

(木平委員)
「8事業実施に係る評価」の欄には、何か評価を書く必要があると思います。それを書くためのデータが必要ですね。
例えば、1番事業「水源の森林づくり事業の推進」の場合、19年度の確保面積や整備面積、予算の執行状況はここに記載されていますが、その数字だけ見ても評価できませんよね。

(星崎課長)
「8事業実施に係る評価」については、可能だと思います。ただ、それは行政的な評価だと思うのです。11番事業の「水環境モニタリングの実施」や個別事業のモニタリングの中について、例えば、「5年間の水環境モニタリングではなかなか評価できない」との意見もありますが、個別事業のモニタリングを実施している事業もありますので、「評価はできないけれど、このような状況になるべきだ」、あるいは「このようなモニタリング調査をしなければならない」という意見を、今まで議論して頂いておりますので、評価できるのではないかと考えています。

(木平委員)
森林の事業の場合、確保事業と整備事業がありますが、地図で示されると良いと思います。

(星崎課長)
年末の頃には、紙ベースのものが出ると思います。小さい画像ですが、土地水資源対策課のホームページ上にも出ています。

(木平委員)
分かりました。場所・位置が見えることが、環境問題には必要です。

(淺枝委員)
例えば、8番事業の「公共下水道の整備促進」は、事業実施=成果ですから、そのまま書くことができます。問題はそうでない事業をどうするか。ただ、どの事業も何かしら調査しているならば、「10モニタリング調査結果に基づく評価」の欄に、そのまま書けば良いのではないですか。勿論、「成果が出るのに時間がかるので評価できない」という意見もあって良いと思います。

(田中委員長)
施策調査専門委員会の今までの議論の中から、モニタリング調査に関する意見をピックアップして、それらの意見・コメントを点検表の中に入れ込むことが1つの方法ですよね。その上で、各先生に確認や加筆・指摘をして頂く方法で如何でしょうか。

(星崎課長)
それでは、そのように作業していきたいと思います。

(田中委員長)
それから、現実にまだモニタリング調査を実施していない事業については、成果は今後の課題であるとか、または今後把握していくなどの現状報告に加えて、予定や見込みや期待値を書く方法もあると思います。
また、淺枝委員の仰せのように、事業の実施結果がそのまま成果とほぼ同じものになる事業については、この委員会としては、この点をもう少し今後検討すべきであるという課題を指摘するということですね。

(星崎課長)
とりあえず、このような枠組みになるのかと思いますが。

(田中委員長)
金澤座長と相談した中では、12の特別対策事業の評価だけではなく、全体の、例えば、森林の保全・再生の課題、河川の保全・再生の課題、あるいは県民参加の仕組みの課題など、大きく3~4の課題に絞って、これらについては、県民会議全体としてまとめます。
そして、それは座長を含む四者協議会でたたき台を考えてみて、今後の県民会議で報告して議論してもらう、そのような流れを考えています。
だから、個別の事業やモニタリングについては、少し専門的な立場で、また、俯瞰的な立場で見てもらうということです。

(淺枝委員)
以前の議論を思い出すと、例えば自然再生が目標ならば、比較的簡単に書くことができると思います。しかし、水質については、まだ結果が出ないと思います。

(田中委員長)
そうですね。事業の積み上げが必要だということを書くことになるのではないですか。

(古米委員)
先程から、何か違う気がしています。県民会議が施策を点検するとのことですが、例えば、大学の場合、自己点検して、それを公表することによって社会が評価する。今回の場合、県民会議が施策を点検するのかと少し気になるのです。県民が点検するために、役立つ情報を提供する役目が県民会議であって、県民会議が点検してはいけないのではないかと思っているのですが。しかし、県民会議が施策を点検する役目があると最初から書いてあるならば、そのように点検するのだろうと思います。ただ、県民会議の点検が最後の点検ではなくて、最終的には県民が点検するということをクリアにしたいというのが第一の指摘です。
第二に、この資料には各事業の金額が記載されていますが、この予算の配分についても、これで良いのか点検をする必要がある。最初の5か年計画は既に決まっていますが、今後の見直しの時期を想定して、1年目から点検をした方が良いと思います。
この税金を県内だけでなく、県外にも使わなければ、水質汚濁対策などには成果が出ないと、以前から言い続けている私としては、かなり施策効果の観点から問題意識をもっておりますので、県民や県議会議員はどう考え判断されるか分からませんが、県民会議の一員として、この点は書き続けてほしいと思います。

(星崎課長)
そのような意味では、県民フォーラムで様々な意見を頂き、県民会議の総意として意見書を提出されました。古米委員がおっしゃった県外対策の重要性についても入っています。したがって、そのような意見も反映させて、県民会議全体の点検表になって、5か年計画の見直しの時に活きると思うのです。施策のあらゆる場面、つまり計画、実施、評価、見直しの各段階において、県民意見を反映するための仕組みとして、県民会議が設置された本来の趣旨ですので。

(古米委員)
それでは、県民がどれだけ参画したかということも、点検するのですか。

(田中委員長)
それもあるかも知れません。12番事業は「県民参加による仕組みづくり」ですからね。

(木平委員)
県民フォーラムなどで出された様々な意見を点検表に掲載することも結構ですが、最初に、県の自己評価や事後報告があり、その事実に基づいて、段々まとめて最終段階になるわけですね。

(星崎課長)
行政側の自己評価としては、事業の進捗状況や、県の総合計画における評価では、例えば100%以上進捗すればA評価などの形で指標化して出しています。

(木平委員)
そのような行政の自己評価が、十分な情報か否かを、我々県民会議がチェックして、不足の部分を追加するプロセスが必要です。
個別の問題として、私が気になるのは、シカの問題や影響について、全く項目がありません。今、水源地域、森林地域で圧倒的に大きな影響があるのはシカの問題です。

(星崎課長)
例えば、森林整備について、シカの管理と一体的に進めなければ意味がないという意見は当然出て良いと思います。
ただ、個人県民税の超過課税を財源としている、水源環境保全・再生事業の特別会計の中の事業として含まれていないので、それについて県が評価することは難しいです。シカの対策だけではなく、ダム下流域の下水道整備や工場排水対策など、影響する要素は沢山ありますので。
ただ、シカの問題が重要な課題であると我々も認識していますし、県民フォーラムの中で出された、担い手不足の問題などの意見を、点検表の中にどのように入れ込むのか。施策調査専門委員会で、やはりシカの問題は重要だとの意見であれば、そのように入れる形になるということです。

(田中委員長)
事業相互の、あるいは県の他の事業との関係を、県民会議全体の評価として述べるということもありますよね。

(星崎課長)
県民会議の石村委員が、森林環境と森林経営の両立のことを、頻繁に仰っていますよね。

(田中委員長)
そうですね。先程、古米委員から出た2つの指摘があります。
第一に、我々県民会議の役目について。つまり、行政が行う自己評価を、県民会議がチェックする立場なのか、あるいは、もう少しコミット(関与)した形の評価をするかという問題があります。
第二に、第1期の5か年計画はともかく、第2期の計画に向けて、課題を出すことも当然すべきではないかというご指摘です。
2番目のご指摘は仰せのとおりだと思います。例えばシカの問題についても、第2期計画に向けて、今の段階から指摘していくことは、あっても良いと思います。
1番目の評価について。確かに大学の場合、自己評価をして公表する方法もありますよね。

(星崎課長)
自己評価すべきという意見はあり得ると思いますが、この専門委員会の設置要綱でも、施策の点検評価に関することが所掌事務になっていますし、この5か年計画の中で、施策の評価・計画の見直しが、県民会議の大きな機能になっていますので。

(田中委員長)
評価の手順について、県の自己評価を、我々県民会議がチェックして、それを評価とするのか。あるいは、もう少し評価作業にコミットしていくのか。今回は、後者に近いと思うのです。施策調査委員会も、例えば、今までモニタリング調査方法について、アドバイスしているので、そのような点も含めて、もう少し評価作業にコミットするということだと思うのです。

(淺枝委員)
最終的な評価が県民会議であるということは、県民会議で評価するための資料づくりが必要ですよね。その意味では、施策調査専門委員会では評価をしながら、実際に県民会議で評価をするためにどのような資料を揃えるのか、それを提言するという気がします。

(古米委員)
点検表の中で、1番事業の水源の森林づくり事業について、項目「8事業実施に係る評価」までは、事業展開の状況を図面化するなど、よりよい表現にするのでしょうけれど、項目「9モニタリング調査実施状況」「10モニタリング調査結果に基づく評価」は、個別事業のモニタリングに関するものですよね。
12の特別対策事業のうち、9つが直接的な効果が見込まれる事業で、他の10、11、12番事業は、調査や仕組みづくりですよね。そうすると、10、11、12番事業の調査や仕組みづくりが、この1番事業の水源の森林づくりに対して、どのように施策効果の検証を図るのかというメッセージがここに入るべきだと思います。
個別事業のモニタリング調査だけを書いても良いけれど、全体的な施策効果の考え方や、11番事業の水環境モニタリング調査の関わり方、検証するためのデータ、この個別事業を10、11、12番事業の調査や仕組みづくりの中でどのように評価しようとしているのか。森林のモニタリング調査の場合、短期的に評価できないことを分かるように書かないと、無責任だと思われてしまうので。
そのような意味では、確かに12番事業の県民参加の仕組みづくりの点では、項目「11県民会議事業モニター結果」や「12県民フォーラムにおける県民意見」として、既に入っていますよね。10番事業や11番事業の調査については、この中に入っていないので、それを入れるべき。
そうすれば、このモニタリング調査をより充実すべきとか、そのようなモニタリング調査ではだめだという意見や指摘が県民から出てくるかも知れない。

(田中委員長)
古米委員が仰せのように、10番事業、11番事業の施策評価や効果検証のための調査が、1番事業から5番事業までの森林系の事業、6番事業から9番事業までの河川系の事業に対して、どのように関与しているのかを、整理していただくと、もっとこのような調査をすべきという意見が出てくるのですかね。

(淺枝委員)
モニタリング調査の説明や解説がなければ、県民会議の委員も評価が難しいと思います。

(田中委員長)
それでは、例えば、項目「10モニタリング調査結果の評価」には、モニタリング調査結果として実際に実施したこと、調査地点の選定や調査方法の検討などが書けるわけですよね。その上で、施策調査専門委員会が考える課題を付加するという方法ですよね。10番事業の相模川水系環境共同調査や11番事業の水環境モニタリング調査との関連性を整理して、その上で、今までの議論の中から課題として追加する方法は如何ですかね。

(しとみ課長)
今のご意見は、1番事業から9番事業まで個別の事業ごとに作成していますが、それをまとめるということですか。

(星崎課長)
逆に、個別事業の頁の中に入れ込むということですよね。

(田中委員長)
この点検表の組み立て方が、個別の事業ごとに組み立てているから、後者の方ですかね。だから、1番事業の水源の森林づくり事業と、5番事業の地域水源林整備と重複すると思います。
もう1つは、事業のアウトカムを一覧表で作成して、そことの関連性をどのように投影するか。事業の成果、あるいは成果は出現していないとか、コメントを書いてもいいと思います。

(古米委員)
各事業に期待されることやねらいを書いておいて、だからこのようなモニタリングを受けて、評価するという部分はありますね。
先ほど言われたように、1番事業から9番事業については、10番事業と11番事業の中で書く方法も良いアイデアだと思いましたが、少し気になったのは、10番事業も11番事業も評価対象の1つですよね。

(星崎課長)
我々も気になっていますが、一気に評価することはできませんので、5か年計画を見直すに当たっては、例えば、公共下水道の整備がそれほど効果がないのに、予算をかけ過ぎているとか、シカの対策をもっと取るべきとか、県外対策を取るべきという議論の元があって、それで最終的に次期5年計画の見直しにつながると思います。

(木平委員)
最初だから、あまり難しく考えずに、1番事業から9番事業までそれぞれ書いて、その中で評価する。10番事業、11番事業、12番事業も性格は異なるけれど1つの事業なので、横並びに書いて評価する。最後に、総論や総括を書く方法で如何ですか。

(田中委員長)
それでは、10番事業や11番事業の関係性を個別事業の頁の中に書いて、どのようなモニタリング調査をしているかを明示する。その上で、今までの議論の中から、関係あるコメントをピックアップして、それを各委員に確認や加筆をしていただく方法で如何でしょうか。
他の県でも、このような水源環境事業を実施しているようですが、県民参加もオープンにして、水源環境税の点検表を出して、ここまで丁寧なのは、どうもないようですね。

(古米委員)
点検表(仮称)という言葉が、何か堅いな。県民会議だから、もう少し何か。

(星崎課長)
名称も県民会議で考えてください。

(田中委員長)
それでは、このような点検表を出すことも、県民会議あるいは施策調査専門委員会の役割であることも事実なので、先生方にはお願いします。事務局にも整理をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。

【会議終了】

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会議資料

資料1 前回(第5回)施策調査専門委員会の意見要旨

資料2 渓流モニタリング調査の検討の経緯・考え方、検討案

資料3 河川モニタリング調査実施計画(平成21年度計画)

資料4 森林モニタリング(人工林整備状況調査)

資料5 水源環境保全・再生施策 点検表(たたき台)

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このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。