更新日:2020年9月4日

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第5回市民事業等審査専門委員会審議結果

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

水源環境保全・再生かながわ県民会議 第5回市民事業等審査専門委員会

開催日時

平成19年10月15日(月曜日)10時00分から12時00分

開催場所

かながわ県民活動サポートセンター 第1会議室

出席者【委員長・副委員長等】

沼尾 波子【委員長】

新堀 豊彦、福江 裕幸、増田 清美

次回開催予定日

平成20年1月中

所属名、担当者名

土地水資源対策課、担当者名 金井、霜島、草柳

電話番号 045-210-3106

掲載形式

  • 議事録

議事概要とした理由

-

審議(会議)経過

(沼尾委員長)
 それでは、皆さんよろしくお願いします。
 ただいまから、水源環境保全・再生かながわ県民会議第5回市民事業等審査専門委員会を開催させていただきます。
 本日は、議事にございますとおり市民事業等支援制度に関する検討と審査基準及び審査方法について検討します。今回で大体の制度の枠組みを定め、その原案を次回の11月22日の県民会議に出していきますので、ここではその案を固めることになります。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、具体的な制度の検討に入るまえに、前回紹介いただきましたように土地水資源対策課でNPO等に対するアンケートを実施していますので、それについてご説明願います。

(星崎水源環境保全担当課長)
資料1の説明

(沼尾委員長)
 はい、ありがとうございました。それでは、まず始めにアンケートに対して質問等ございましたら、お願いします。

(増田委員)
保険代というのは、ボランティア保険などでしょうか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 そういうものだと思います。

(沼尾委員長)
 あとはよろしいでしょうか。NPO協働推進室からこの結果について、どうでしょうか。

(NPO協働推進室)
 内閣府でも、平成16年度に「市民活動団体基本調査」として、NPO法人等への全国調査を行っているのですが、財政的な規模については、自然環境保全の分野ごとのクロス集計をみると、100万円よりもう少し下になっていますのでが、大体このアンケート結果と同程度だと思います。つまり、全国的な傾向としても変わらない結果です。

(星崎水源環境保全担当課長)
 単価50万円というのが頭にありましたので、10万円や20万円のように細かく選択肢を設定していませんでした。50万円以下のなかでも低い額の回答が多かったと思います。それは、質問の4番のところの財政的な支援制度ができたら受けたいと思いますかという問いは、自由記載となっていまして、その内訳では、30万円くらいが一番多かったです。

(新堀委員)
 現状ではその程度でしか活動ができていないということですね。

(NPO協働推進室)
 内閣府調査の場合でも、その他の分野のNPOの活動費は1,000万円未満が半分くらいですが、森林保全に限ってみると100万未満が半分くらいとなっています。

(福江委員)
 要するに、このアンケート結果では、多岐にわたった活動があり、支援を受けたい額が低かったということは分かるのだけど、そのほかについては、イメージがばらけてしまうのですが、一言でいうとどういう傾向があるのですか。

(新堀委員)
 大掛かりな活動は、あまりないという結果ですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 1,000万円くらいの規模で活動が行われているのは、協働事業で一緒にやっているところであったり、行政がからんでいるところです。そういうところは、特筆的に額が大きく、広い面積を整備している状況はあります。

(増田委員)
 交通費、物品購入、通信費・保険代などが多いですので、直接に事業に係るお金よりも、その他のお金が足らないのかなという印象をうけます。ですので、ヒアリングのときにも、弁当代や交通費などが必要との意見もありましたがという結果がありましたが、アンケートでも同じようなものが必要との結果が見えます。

(沼尾委員長)
 ありがとうございます。回答自体が62団体ということで、限られてしまっている面があるのですが、事務局から説明いただいたように活動地域がばらけているということと、活動内容は幅広なのだが、常時活動している人はかなり限られた人数で、維持経費は限られた額で行っており、必要な支援は、交通費や物品購入費、会場使用料であるとそういったところでしょうか。
 ただ、財政的支援の要望は、全体のなかで高いということは見えてきたと思います。他になにかございますか。

(NPO協働推進室)
 交通費、会場使用料等が主となっていることを逆にいうと、活動する方に対する謝礼や人件費のようなものは、もともとあまりないかとは思います。が、このアンケートの結果には、そのことは示され入ってきていないと思います。そのことにより事業額の規模が小さいのだろうと思います。逆の読み方ですが、そういう感じを受けました。

(沼尾委員長)
 ボランティアの規模でやっているものを広く、薄く支援していくのか、それをもっと育てるために、大規模に支援するのか、いくつかの戦略があると思いますが、そのあたりを含めて、具体的な支援制度の検討に入っていきたいと思います。
 それでは、続きまして、資料2の前回にお出しいただいたものに加えて、前回のヒアリング結果を踏まえて、これまで積み重ねてきた意見収集結果を取りまとめていただいたものですが、この内容につきまして、ご説明お願いします。

(星崎水源環境保全担当課長)
 資料2の説明

(沼尾委員長) 
 ありがとうございます。これまで、制度の検討に関して、課題と検討内容のフレームをつくり、それに対して皆様からいただいた御意見を集約していただいています。
 事務局から説明いただいたものを確認していきますと、最初に目的では、実行5か年計画の目的との整合性というところが議論になりました。基本的には、一定の整合性が必要だが、全体として、少額でも幅広に支援をして、制約についてもあまり課さない方向がよいとの皆様方から御意見がいただけていたと思います。
 次の対象団体については、民間企業の活動をどのように含めるか含めないかというところと県外の活動グループをどうするかということ。また、個人、学生をどうするか、いくつか論点に挙がっていました。これについては、このあとの議論に出てくるところですが、企業の営利活動に対する支援はいかがかという話と、個人に対しては表彰制度でやっていく方がよいのではないかという御意見などがあったかと思います。
 次の対象活動については、活動地域が県外の場合どうするのかと直接的な事業ではなく普及啓発、調査研究、技術開発などを対象とするかどうか、議論にあげられてきました。これについては、幅広く受け入れていく方向の考え方ではどうかという御意見が多かったと理解しています。
 また、既に補助を受けている活動を対象にするかどうかにこれについては、一定の整理をした上で、可能ではないかということだったと思います。
 次の頁をおめくりいただきまして、活動地域の話で、山梨県の活動も対象にした方がよいという御意見が多かったかと思います。
 限度額については、設定しつつも、かなり幅広に少額補助していく方がよいという御意見がありました。支援期間は、一定の年限を置きつつも必ずしも単年度ということではなく、数年の支援のあり方を考えつつ、毎年、成果についての報告というしくみを入れていってはどうかという話があったかと思います。審査方法については、これから議論していくということだったと思いますが、ただ、事後評価をどうするか、既存の制度とのすみ分け、地区の割り振りなど問題も提起されております。財政面以外の支援は、今後の議論となっていたと思います。
 具体的な案については、資料3以降で検討することとしまして、これまでの主な意見である資料2について、何か御質問、御意見ありましたらどうぞ。

(福江委員)
 資料の中の、網掛け部分が、新しい意見ですか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 前回8団体に意見聴取した内容を追加しています。

(増田委員)
 資料をみますと、目的のところに、「少額でも広く支援」と網掛けがあり、限度額のところに「一律5万円程度の支援とし」とあるが、関連している感じなのですが、広く支援するのはよいが、一律5万円程度とするとばらまきのような印象を受けまして、実際、反映されるか危惧するところです。

(沼尾委員長)
 この点は、案が出てきたところで、もう少し詰めていきたいと思います。あとは、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、具体の検討課題及び県民会議に出す支援制度(案)について、詳細な検討に入ります。資料3の説明を事務局からお願いします。

(星崎水源環境保全担当課長)
 資料3の説明

(沼尾委員長)
 はい、ありがとうございます。論点となる五つのポイントについて、どこからでもかまいませんので、ご自由にご発言いただければと思います。

(増田委員)
 個人に対する支援ということでの、そういう表彰というのは、勲章を与えるようなことで、これに関して必要性があるのかなというのが、疑問に思っています。少し違う方向で検討する、たとえば個人というものの何かを吸い上げるような形にするのであれば検討する必要があります。ただ今回は、個人対象からはずした方がいいのかなという意見です。

(新堀委員)
 直接水源地でない川崎・横浜を主体とした、膨大な人口と需要を持っている地域の人たちに対する、普及・啓発活動というのは、私は絶対必要だと思っています。
 それを直接行う団体は、いくつもないようですから、実質的には立ち上がらないかもしれないけれども、これについてはかなり関心を持ってやらないといけません。横浜市自体は、水源環境については道志川だけでもいいのだというふうに思っているのかもしれません。PRしてください。横浜は、横浜市民はわずか8%の道志川だけで生きていると思っています。誰に聞いたってそうです。
 だから、桂川や相模川や酒匂川からこれだけの大量の90%以上の水をもらっているという認識はありませんから、横浜市民の水源環境に対する関心を持ってもらうためのアクションを、僕はどうしても必要だと思うのです。
 一般市民は、横浜市が行うPRやいろんな行政から出ているPRを見ていると、ほとんど道志川だけで飲んでいると思います。だから、ロータリークラブにしたって、どこにしたって、みんな道志川における活動のみを行えばいいのだというふうな感覚でいると思います。
 だから、それは違うのだということを分かってもらわないと困ります。道志川も確かに水源地だからそれは大切に決まっているけども、道志川の水だけを大切にしたって、横浜市民は生きられませんよということをはっきり認識させないといけないのではないかという気がしています。前々回にここに呼んだ「よこはま里山研究所」のようなところにそういうことをやってもらったらいいのではないかという気が実はしているのです。
 里山は、いろんなところから資源をもらっています。対象になるかどうかは分かりませんけども、かなり横浜市の信用を得ている団体なので、ああいうところが積極的にPR活動をやってもらうとか、まあ、私どもの団体もそうですけども、横浜市に対してそういうものをやるとかっていうことを、かなりやらないといけません。
 せっかくの制度ですので、水源税も何で取られているのだってことになってしまいますので、徹底して言っていかなければなりません。
 そういう意味でのそのこれからの水源環境を守るためには、横浜市民、川崎市民が本気になって、丹沢、大山や桂川流域に対して関心を持って、手伝ってもらわなければだめなのだという、そういうパイプを作っていくことも必要だと思います。

(沼尾委員長)
 はい、ありがとうございます。それでは、そういう意味では今回、普及啓発・教育活動に対しても、支援をしてはどうかということで、事務局案を出してくださっています。
 普及、啓発しつつ、たとえば現地で間伐材を切っただとかっていう活動を伴わない横浜市内での講演会シンポジウムは対象外とするという案と、前回、木平先生から出たように、間伐まではやらなくても、現地に行ってそこで話を聞くとかっていう現場に入るのであれば、それは実践活動としてある程度含んでもいいのではないかというお話しがあったと思いますが、そのあたりはどう考えますか。

(新堀委員)
 普及啓発全般に対して支援が必要だと思います。

(星崎水源環境保全担当課長)
 前々回に、そういうお話の中で、広報は県の役割であり、県民会議の役割だというような、ご議論があったかと思います。

(新堀委員)
 この資料に記載されているのは、道志ではなく、桂川流域、酒匂川流域や宮ヶ瀬といった山に人を連れて行って見せていくというように具体の活動を伴う事業が出てこなければ対象にしないということですよね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 私どもが心配しているのは、横浜、川崎市内の団体が自分たちで市内の森を守ろうとする場合、5か年計画の市民版としては、エリアが違うので対象とならないと整理した中で、例えばその団体が小学生を連れてきて啓発するのだから特別事業の市民版ではなく普及啓発として申請してくるという可能性が非常に高いと思われます。そういった申請がたくさん来たが、全部だめだというのは、制度的に厳しいのではないかと思います。

(新堀委員)
 いずれにしても、水源環境の税と計画は横浜・川崎の市民にものすごく負担をかけているので、その方々にこの施策は重要であることと施策内容を理解してもらうことが大事なので、活動を我々で助長することが必要だと思うのです。
 手をあげてきた団体の中で、中身を充分審査してきちんとやっていることがわかれば、補助してもよいと思います。

(星崎水源環境担当課長)
 実践活動の枠組みをもう少し広げた形でやるというのは、いかがでしょうか。

(沼尾委員長)
 対象とする森林については、横浜市内のものではなくということですよね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 実践活動が、水源環境保全地域の中に行ってなんらかの行為をすることがあればよいのではないでしょうか。

(新堀委員)
 PRできるものが、内容として充分であればOKと言えると思います。
 おそらく、横浜市内の団体の場合は、道志川以外では、なかなかやらないと思います。今まで、植樹、枝打ちなどの活動をやっているロータリークラブ、ライオンズクラブ、JCなどは、全部道志川です。それ以外には行かないのです。ここだけやればよいと思っているので、この誤解を解かなければいけないと思うのです。それがなかったら、この制度は成り立ちません。

(沼尾委員長)
 今の点は重要なので、これに関して、増田委員、福江委員どうですか。

(増田委員)
 横浜・川崎市民は、人数も多いので今の発言になったかと思いますが、全県の県民対象で同じことがいえるのではと思います。
 横浜市民は、道志の水を飲んでいるという認識をお持ちの方が多いかもしれないが、この件は道志のことだけとして捉えず、もっと現実に水源環境税のことを知らない人が県内にたくさんいると思います。

(新堀委員)
 横浜・川崎地域の人々の認識を放っておいてはだめです。それは県の間違いだと思います。

(沼尾委員長)
 普及啓発の内容が、ある程度現地に連れて行くとかどこの水源地域を対象とするかが見えてくれば、実践活動も幅広く捉えてもよいということでしょうか。

(増田委員)
 そうです。

(星崎水源環境保全担当課長)
 新堀委員のおっしゃることは、私どもとしては、努力していかなくてはいいけないと受け止めさせていただきますが、根本的なところで、啓発の内容を私たちはコントロールできないところもあります。

(新堀委員)
 出てくるような雰囲気を作っていくことが、県民会議には必要だと思うのです。審査内容とは別に、県民会議が横浜・川崎市民に対するPRをどうするかということをひとつの大きなテーマに考えていく必要があると思います。

(星崎水源環境保全担当課長)
 ただ、要綱上、そこは書けないです。

(新堀委員)
 書けなくても、横浜・川崎市民といえども、道志川に関わらず普及啓発する団体があれば、取り上げて大きくPRしてやる必要があるのではないでしょうか。

-傍聴人から発言を求める声あり-

(沼尾委員長)
 傍聴の方には、後ほど発言の機会を設けますので、その時お願いいたします。
 福江委員は、いかがですか。

(福江委員)
 「実践活動とは、何なのか」ということになると思うのです。実行5か年計画の特別対策事業の市民版の活動となると表の上の区分になる。
 実践活動というのは、記載のように体験学習などであると、ある程度抽象的にするか、具体的にするかの2つあると思うのですが、制度の整理手法としては、具体的に一定の説明をする必要があると思います。このままだと誤解を与えてしまうと思います。
 横浜市民の意識、あるいは活動のケースを想定することは必要ですが、あまり固めてしまうと汎用性がなくなる気がします。想定することは必要ですが、取り込んでいこうということで、普及啓発、教育活動があると思います。

(沼尾委員長)
 今のご説明は、もう少し実践活動というものの内容をある程度規定した方が、よいということでしょうか。

(福江委員)
 具体的に規定しておいた方が、審査もしやすいでしょうし、制度としても分かりやすいと思います。

(新堀委員)
 活動内容をもう少し具体的に書いた方が良いかもしれません。

(沼尾委員長)
 どのような活動については、ここに含んで良いというような考えがありますか?

(福江委員)
 ここでいう、実践活動は、表の上の区分のことを含んでいないとダメだといっている気がしますが。

(星崎水源環境保全担当課長)
 そうです。

(沼尾委員長)
 そこは、必ずしも含まなくても良いのではないかということですか。

(福江委員)
 そこですが、例えば、現地へ行っての体験活動は含むということですか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 そうです。

(沼尾委員長)
 現地の見学というのは、事務局案としてはどうですか。小学生を連れて行って見学するといったことは。

(星崎水源環境保全担当課長)
 入っていません。単にバスツアーするということもだめです。

(福江委員)
 現地へ行って、下草刈りを手伝うなど子供に体験してもらうというのは、OKです。そういうものを実践活動とするとどこかに書いた方がよい。

(増田委員)
 教育活動ですが、例えば小学生で水源地などを紙芝居にしてわかりやすく子供たちに課外授業のようにして伝えていく。水源環境以外のものですが、昔話・民話などを「お話し会」として地域の歴史を子どもたちに伝えて効果をあげている団体もあります。
 やはり、当然そういう活動にもお金がかかりますが学校からは一切にお金をもらわないそうなので、現地体験ではないけれども具体的に子供にわかりやすいように水源地とか水源環境保全に対する活動を行う団体にも支援するのもよいかと思います。

(沼尾委員長)
 それも普及実践活動に含めてよいのではないかということですか。

(増田委員)
 教育活動だけではわかりづらい。具体例も少し必要だと思います。

(新堀委員)
 普及活動は定義が大変難しいですね。
 学校の中で活動しているということだけでは駄目だということですよね。野外へ行って、活動する水源地へ行って、しかも内容はただ見物するだけでなくて、実際に身体を使っていくようなものでなければいけないということですね。

(沼尾委員長)
 今の増田委員のお話はそこまで行っていなくても、NPOの方がきて、ある程度、水源地の状況を紙芝居等で伝えたりするだけでも普及啓発の活動になるのではないかということでしょうか。

(増田委員)
 はい。ただ説明するのではなくて、漫画や紙芝居等にするとやはり子供たちはそういうものに目がいくと思うので、それから興味をもって、その後、現地に行ってみたいという関心に繋がるのではないかと思う。
 1つの手段としてはそのような活動も認めてはいいのではないか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 そういった実践活動のプログラムをもった教育活動を対象としたらどうかということですよね。
 審査の段階では可能かもしれないけれども、内容的な部分に我々は踏み込めないので、最終的には活動がどのように終わったのかを説明することは県民に対しては責任があるかもしれないけれども、お金の面の出し方とすると非常に不安定である。

(福江委員)
 啓発の効果については計ることはできませんよね。

(星崎担当課長)
 それでも良いということであれば、そこは割り切って、例えばどんな啓発をされても、どんな活動をおこなったかについて県民に説明する責任を負うかもしれないけど行政に対しては責任を負いませんという話にせざるを得ないです。

(増田委員)
 お金の使われ方があるので普及啓発という活動をはっきりしておかないといけないと思います。

(星崎担当課長)
 最終的な部分で非常にむずかしい問題だと思う
 ただ現地に行って、水源は大切ですよと言っているだけでも普及啓発といえるので。

(沼尾委員長)
 これは今後つめていきましょう。
 傍聴者の方、よろしければご発言をお願いします。

(傍聴者)
 今どのくらいの税金をどこに使うかというお話で1つ思ったのは、一律にこういうことをしたら50万円にするのではなくて、事業計画を出させてその事業がこれだけのことをするなら100万円くらいは使うだろう、これだけだったら経費は10万くらいで済むだろうと色々あって、ただ黙って一律に50万、20万支援するのではなくて、事業計画を出してその価値がどれくらいか検討してから、もう少しこんな活動を入れて欲しい、あなたの団体ならこれくらいできるだろうという、こちらの思い、県の方の思いも含めて頼んでみるやりかたもあるだろうと思います。
 実はこの間10月7日に川崎でネイチャーフェスティバルをやりました。山梨からの活動が桂川・相模川には大事で、NPOだからこそできる活動として山梨県、神奈川県、津久井と合併した相模原市を全部つなげて山梨から持ってきた自分達の活動のフィールドの、相模湖から持ってきた自分たちの材で皆さんに見ていただいて色々と想像して、かなりの繋がってる団体が木使運動を大々的にアピールしたことがあります。
 そのような団体に横浜でもやってもらいたいとか、そういう提案をして要するに横浜でなかなか立ち上がってくる団体が見つからない場合もあると思います。今、既存で活動している団体にこういうことをやってもらえないかと働きかけて事業の一環としてやっていくというのも1つの手だと思います。私の経験上気づきましたので発言させていただきました。

(沼尾委員長)
 どうもありがとうございます。今いただいたご意見は具体的な審査のプロセスに関する事なので次回以降に検討させて頂きたいと思います。 ありがとうございました。
 先ほどの普及啓発教育活動の範囲の話ですけれども、皆様からいただいた御意見ですと実践活動の範囲もある程度規定した方がいいということでした。事務局の方から実践活動プログラムをもって教育活動ということで実践活動の対象をある程度県内の上流域や水源地域とし、対象がこの5か年計画で規定されている対象にある程度一致するというようなことも含んだ形でのプログラムを持った教育活動に限定するという記述を盛り込んだような内容にすべきということで伺ったかと思うがよろしいでしょうか。

(新堀委員)
 あくまでも普及啓発や教育活動の活動地域をどう捉えるかということが課題となる。それが横浜市民や川崎市民の活動は、今言った具体的な活動が当然入ってくる。普及活動についてはもう少し内容に踏み込んだ書き方をした方がわかりやすいのではないか。

(沼尾委員長)
 事例をいくつかあげるということですか。

(新堀委員)
 「実践活動を伴った普及活動をやる」ということを謳ってもらう。

(沼尾委員長)
 しかし、増田委員があげてくださった紙芝居等は必ずしも現地にいくことではないので、活動自体は教育と直結してなくても現地で何か活動されている方がそこでできたノウハウを持って教育にも関わるということであればよいということでしょうか。

(増田委員)
 実際に水源地などで活動をしている方は、生の体験を子供達にわかる様に漫画や紙芝居などの手法で行えば普及活動=教育活動になると思います。

(沼尾委員長)
 教育活動の中に実践が伴っていなくても実践しているということを伝えるということは別途含まれていいのではないかということでしょうか。

(増田委員)
 そうです。全然関係ない人ではなくてそれを実際に生で感じている方が伝えればいいと思います。

(沼尾委員長)
 それでは、そういったところまで実践活動の対象を広げるということ、あとは具体的な事例をいくつかあげるということで、その実践活動のプログラムをもった教育活動ということでの普及啓発についてというようにしてこれを整理したらどうかということでよろしいでしょうか。事務局の方でも特によろしいですか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 はい。

(沼尾委員長)
 では、そういった方向でいきたいと思います。そのほか補助限度額、補助率、補助期間ですね、あと個人に対する支援についてはこのままやらないという方向でよいのではないかというお話もございましたけど、いかがでしょう。

(福江委員)
 限度額ですけど、ここ見ると、団体の年間の活動費50万円以下というのが大半で、それでも100万円かかっているというところも27%ぐらいあります。だから、50万円ぐらいというのは妥当なのかもわかりませんけれども、支援ができたらどのぐらいの経費をあてたいと思いますかというところも50万円が42%、100万円が18%。ところが、財政的支援の限度額についてどれぐらいにすべきかと考えますかというところをみると、50万円程度よりも100万円程度の方が実は上ですよね。32%が100万円程度と書かれてある。で、50万円でも私はいいと思うが、つまり、50万円というのは現状で適当な額かなということであって、今後の活動が非常に発展していくとか、いろんな視野を持ってもっとこう大きくなっていくとか、そういうことを想定してなのではないかなと思います。

(星崎水源環境保全担当課長)
 ただ一方では支援を契機にして、当然自立をうながしていくのだというのが、ひとつ大きな課題ですが、その辺の兼ね合いをどうしたらよろしいかというところです。

(福江委員)
 兼ね合いでスパッと50万円出していいのかなという疑問がちょっとあるので。

(新堀委員)
 福江さんのおっしゃるとおりで、今の段階では50万円でおさまる程度のものしか出てこないと思うのです。だけど、さっきあちらからお話があったように活動を行っているうちに規模が大きくなってくるケースもあると思います。だから、それはそうなったときにこの規定を決めてしまうと、ちょっと苦しいかなという感じもしないでもないです。とりあえずは50万円でもある程度は間に合っていくのじゃないかという気はします。

(星崎水源環境保全担当課長)
 お話のとおり当然予算の積算というか、そういうものも全部いただかなければいけない。事業計画ももらわなければいけませんし。これはあくまでも上限ということなので、30万円しか必要ないよと言われれば30万円という格好になるかと思います。そういう意味では上限ですので、ちょっと高くするという意見はあってもいいとは思います。

(新堀委員)
 そこは難しいところですね。

(沼尾委員長)
 そうですね。

(新堀委員)
 財源の関係からいって50万円というのは妥当なのでしょう。

(星崎水源環境保全担当課長)
 さらに言えば、たぶんそれだけをやっているのではなくて、先程の話、啓発もやるし、研究もやりますよという団体があるのかな、それから当然備品購入も一緒にありますよ、そういうのを併せても大丈夫ですよという制度にしたいものですから、そうすると総額で150万円という可能性も出てきます。

(新堀委員)
 そういう幅ができるのですね。

(沼尾委員長)
 なるほど、複数の申請をしてそれを積み上げると、100万円とか、120万円とかになりますね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 たぶん会の活動というのはそんなに切り分けられる話ではないのかなと思ってはいます。

(沼尾委員長)
 なるほど。

(星崎水源環境保全担当課長)
 森林整備を行っていれば近くの小学生でも呼んでいろんなことやりましょうよとか、という風に発展していくのが一般的な話ではないかと思います。そこは費用としてはきちっと分けていただいた上で支援はしていきたいと思っています。

(福江委員)
 そうすると複数の区分で申請されてそれが認められる場合もあると思います。

(星崎水源環境保全担当課長)
 はい、当然5haやりたいんでチェーンソーをもっと買いたいよという話になれば、資機材のところで50万円というようなところです。

(沼尾委員長)
 そうすると複数の申請を可能とするということですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 明示をさせていただきます。

(沼尾委員長)
 明示していただくということで、それで、100万円くらいにもいく可能性もあるよ、というようなことで幅を持たせるということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(福江委員)
 それから個人への支援についてですが、原則は何人もどのようなケースでも充てられると思うのですけれども、やっぱり制度をつくっていく上である程度整理していかなければいけないので、この個人の支援に対しては、今回は対象外であるという風にしてもかまわないと思います。ただ、そういう原則はどこかでうたっていただきたいと思います。
 つまり、そもそも支援のあり様というのは個人も本来は含めるべきであるけれどもということが、どこかで担保されないと、はなから個人は対象外にしていますというのでは、ちょっと制度づくりの上で柔軟性がないというか、今後の進化の余地がなくなっちゃうと思います。

(沼尾委員長)
 例えばすみません、具体的にはどういうケースを考えればいいのでしょうか。例えば個人で紙芝居される方が出てくるかもということですか。

(福江委員)
 それはちょっとどういう想定があるか分からないです。

(星崎水源環境保全担当課長)
 それを含めまして、団体の規模いわゆる組織として成り立つ条件というものを、前は「○人」という風にあえて書いてなかったのですけれども、今回「5人」ということで、させていただいたのですけれども、そうすると4人はどうなるんだと、そういう話になっていくわけです。

(新堀委員)
 そしたらおおむね5人以上とかさ。そりゃあ人数は難しいですよ、やっぱり。5人でできるかという話もあるしね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 ただなんか線を引かないとまずいかなということで。

(新堀委員)
 こういう活動だったら10人、20人いないとできませんよ。

(増田委員)
 やっぱり線引きは必要と思います。ちょっと違いますが、割引なんかでも団体割引は20人以上とか、19人だからやってくれということはありませんので線引きは必要かなと思ったわけです。含みを持たせるのではなくて、5人以上だったら5人以上ということで団体の枠を決めてもいいのかなと思います。

(福江委員)
 だから実行ある個人の活動があまりないことからという、これでたぶんいいと思うのですよ。たぶんないのでしょう、あんまりね。だけどそれ分かんないじゃないですか。どういう個人の活動が出てくるか分からないので、そこまで、現在あまりないけれども、実行ある個人の活動がないかっていえば、それは分かんないですから。

(新堀委員)
 一人でね、自分の山じゃないところで全くボランティアでね、この山ほっとけないから俺草刈やろうとかという人がいるかどうか。

(沼尾委員長)
 逆にどういう表現がよいのでしょうか。

(福江委員)
 だからここに書いてあるようなことを書いておけばいいのかなと思いますよ。つまり、実行ある個人の活動は現状ではあまりないことから個人の活動は対象外とするとかね。単に対象外とするというのではなくて。

(星崎水源環境保全担当課長)
 逆に真覚委員がよく言ってるように、そういう人たちをどう組織化というかご希望があってもなかなかできないという方をどうするかというのが、来年度以降の課題かなと考えています。

(新堀委員)
 ご希望があったら仲間に入れてくださいとか、指導するとか。点から面にしてもらうということですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 はい。

(沼尾委員長)
 例えば5人ぐらいで申請して初年度補助金をとった後で、例えば会が分裂してしまったとかね、2人になっちゃったとかというときに次年度継続していいのかどうかみたいな話はどうでしょうか。

(新堀委員)
 それはだめだと思います。申請は毎年必要ですからね。

(福江委員)
 個人が実効性あったり、実現可能性が高い計画がある場合に排除できるかということがあるもしれない。

(増田委員)
 それは、ハローワークのような窓口で受け入れてというかたちをとればいいと思います。個人を対象にするというのは、ちょっとどうかと思います。たとえば山の好きな人で、ゴミをひろうという活動を単発的にはあっても、継続的に行うというのはあまりないのではと思いますが。個人というよりは団体として活動しているほうが多いのではないでしょうか。

(沼尾委員長)
 団体の関係で、5人という、5という数字はどうでしょうか。

(NPO協働推進室)
 かながわボランタリー活動推進基金21は個人も対象としております。補助金も負担金も個人を最初から閉ざしてはいないです。応募はあまりない状況です。

(沼尾委員長)
 個人に対する支援については、森林整備を個人で行うということは考えにくいということもありますので、今回は対象外ということでいきたいと思います。あとは限度額、補助期間、補助率についてはいかがでしょうか、補助期間で5年とありますが、これは毎年審査するのですよね。
 この書き方だと一度もらえると5年間もらえると思ってしまうかもしれませんね。

(新堀委員)
 毎年成果については、チェックするのでしょうね。

(増田委員)
 限度額は、アンケートを見ると50万から100万円が多い気がします。上限は決めて、一律ではなくて、対象により変えていくということですよね。

(沼尾委員長)
 それは、審査の過程で見ていくということができると思います。
 補助率10月10日については、いかがでしょうか。

(増田委員)
 最終的には、自立というのが考え方としてあり、永遠に補助できるわけではないですよね。水源環境保全・再生に携わる方たちは、短期だけでは結果がでてこないということもあるかもしれませんが、それを含めても行政としては、エンドレスに支援をすることはできないので、そういう意味では、期間を定めて支援するのがよいと思います。

(新堀委員)
 ボランティア基金の結果をみると、4年5年後に補助金が終わると、その団体の運営は、そうとう厳しい状況になります。結局どこかで面倒みなければならないです。もちろん、自立するという前提ではじめるのですが、結果として難しい状況になっている例があります。しかし、この計画は期間がありますので、この制度も期限を決めなければならないでしょう。

(沼尾委員長)
 補助限度額、補助率、補助期間、普及啓発、個人に対する支援は、今ご議論いただいた形で進めていくということで、よいですね。
 それでは、これを踏まえまして、次の資料4で県民会議に出す委員会の報告案を事務局から説明願います。

(星崎水源環境保全課長)
 資料4の説明

(沼尾委員長)
 はい、ありがとうございました。かなり盛りだくさんの内容ですが、まず、1ページの市民事業の支援制度検討に関する基本的な考え方を事務局でまとめていただいているのですが、これまで議論してきたことをコンパクトにここでの姿勢を示していただいているのですが、御意見ありますでしょうか、こういった形でまとめてよろしいでしょうか。

(各委員)
 よいと思います。

(沼尾委員長)
 それでは、具体的な制度内容等について、これまでの議論を踏まえた形で事務局に案を作成いただいたのですが、なにかございますか。 

(福江委員)
 対象活動のところで、△だったところがあります、「すでに補助を受けている団体も対象にしてよいが審査段階で勘案する必要がある。」のところですが、ここも少し話をしておいたほうがいいのかなと思います。

(星崎水源環境保全担当課長)
 この支援制度の補助対象とする団体としない団体、一つは、県の他の同様の補助金を活用して、経常費的な経費にあてているところと、秦野市が行っているように水源環境保全・再生に係るこの税を使って別枠で行っているところには、二重にはできないというところです。
 しかしながら、他の市町村から違った補助金を受けているところには、二重取りはできませんが、同じような団体で、片方が同じような事業を行うというのであれば、次回の審査基準の話になりますが、その観点からも順番をつけることになるのかなと思います。そういう意味で今後の検討とさせていただいております。

(福江委員)
 わかりました。

(沼尾委員長)
 2ページ目のイの活動内容のところで、神奈川県民を対象としたというのは、普及される側がということでよいですよね。これは、普及する側が神奈川県の団体で、それ以外の山梨県民に対して普及啓発をするというケースは含まれないということでよいですよね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 具体的な活動そのものについては、山梨県側は含めていませんが、県民が行ってそこで普及啓発活動に参加されているケースがあり、交通費に補助して欲しいという意見が多くありましたので、それら場合には、団体を経由して補助できるようにするということです。

(沼尾委員長)
 特別対策事業の森林整備のところは、あくまでも県内においてということですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 活動地域は、実行5か年計画の特別対策事業の市民版活動については、県内水源保全地域で、普及啓発・教育活動については、県内水源保全地域または、相模川・酒匂川水系の県外上流域で、調査研究については、県内水源保全地域で、普及啓発活動のみ上流域を含めるということで、ただし、そこで行うのは神奈川県民がそこへ行って行うものだけです。

(沼尾委員長)
 そのほかのところはありますでしょうか。

(増田委員)
 2ページの企業内部のボランティア等は対象とするということですが、労働組合等は、企業からの補助はでていますよね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 それはかまわないということです。

(沼尾委員長)
 もう一点確認で、特別対策事業の市民版活動について、3年程度継続の意志があることが条件なのですが、一度補助金を受けて、継続的に活動をしていくのですが、二年目、三年目に予算の規模が必ずしも拡大してくわけではないですよね。活動が広がっていったときに、新規参入が難しくなるという状況になってしまうのでしょうか、それとも、活動が広がっているということで、年々補助金の枠が広がっていく可能性もあるのでしょうか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 ありえます。こちらとしても、そのように対象が増えていく状況があれば、要求段階で増やすことを考えます。また、財政的な支援を行っていくべきでないかというご要望があれば、予算が必要となりますので、それはそのときに、こちらから要求していくと考えます。

(沼尾委員長)
 こういう事業ですと継続的にみていかなければならないところもあります。そうすると予算の枠が一緒ですと、新規が難しくて、一度もらってしまうと継続していく事業がほとんどという状況はどうかと思いますので、確認させていただきました。

(星崎水源環境保全担当課長)
 ただし、毎年倍々に増えていくということは状況難しいですが。

(沼尾委員長)
 そのほかいかがでしょうか。大体これまでの議論を踏まえて、網羅していると思いますが、よろしいでしょうか。
 特にないということで、普及啓発・教育活動における実践活動の定義を盛り込んでいただくということで、お願いします。

(星崎水源環境保全担当課長)
 書き込ませていただきます。

(沼尾委員長)
 そうしますと、最終的な調整は、委員長、副委員長に任せていただくということでよろしいですね。
 それでは、最後になりましたが、資料5ですが、これは資料4が県民会議でとおった後の審査基準に係るものなのですが、こういったことがポイントになるということで、本格的な検討は11月以降になるのですが事務局に作成いただきましたので、ご説明お願いします。

(星崎水源環境保全課長)
 資料5の説明

(新堀委員)
 最後の所ですが、調査研究活動の内容が、水質調査はいいですね、河川の生物調査、樹林地調査もいいですね。湧水池調査とかというのをヤマビルの発生状況調査よりも優先すると書いてあるのですが、1番の問題は、樹林地調査というのは、ものの幅が広いのです。この中にいろんなものが入ってしまいます。さっき言われたように、鹿の問題とか、その中に入っちゃうのですよ。そこはどう表現をするのか。樹林地調査というのをどうしたらいいのか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 調査だけでは終わらない、という点も、重要というように思っております。

(新堀委員)
 だけど、大体調査というのはそれで終わってしまうのです。具体的な活動できる人はほとんどいません。この前の丹沢大山総合調査の学術調査報告書を見たって、調査報告書を提出した人たちは、具体的に山中に入って何かできるのかといったら、これ一切できません。
 これはね、調べることは専門家でやるけれども、それを使ってどうするのかはなかなか専門家はできないです。また、普通のボランティア団体やNPOだったら、この調査の中でできそうなのは、水質調査と湧水地調査ですよね。河川生物や植物調査というのはプロが入らなきゃできないですよね。難しいところですよね。今、困っているのですが、丹沢大山保全計画の方でも。これから先モニタリングやるにしても、どこまでどうするかという方針がまだ立っていないわけですね。西と東の丹沢でやるということになっているけれども、その中身について、どこまで、どうやるかということは本当に難しいです。それも全て水源環境に全て関係しているわけです。
 1番困るのは、稜線部のブナ林の問題。特に立ち枯れしている場所をどうするかというところです。一般の方は、植林すればいいじゃないかと簡単に思うのですが、そう簡単にいかないのです。特別保護地域であり、人為を本当は加えてはいけないわけだから、通常の場合では、いわゆる植林ができないのです。
 だから、行うとすれば、丹沢産のブナの種子をまいたり、あるいはお隣のものを持ってきて、できるだけ影響を破壊しないで植えます。しかし、植えただけだったら、鹿に食われてしまう。そうすると、そこは、また鹿柵を作らなきゃいけないということになって、これはとんでもないことになります。稜線部全体に防鹿柵を作ることは、ほとんど不可能に近い作業になるし、お金をかければできるということですが、急傾斜面の所なんかありまして、難しいところたくさんあります。

(星崎水源環境保全担当課長)
 出て来なければわからないというところは結構あるかと思うのですが、この委員会であらかじめどの辺まで応募者の方に示す必要があるのかということですが。

(沼尾委員長)
 ということですよね。

(新堀委員)
 例えば、ある団体があり、これは、我々と全く関係なく、研究だけやっている団体ですが、もしそこがやると言ってきたときに、その団体は、状況を調べることはできるけれど、それを復活させる技術は一切持っていないから、調査と言うことは、そこで終わるものとなってしまいます。

(沼尾委員長)
 その辺は、書きぶりということなのでしょうか。

(増田委員)
 今のところ、先程話したように、教育活動、体験を伴う森林教育というのはありますので、先に述べたような形を、ちょっと入れてもらえるといいかなと。
 それと、3番の調査研究活動というのは、非常に難しいと思います。どこで決めるのかと思うのですが、やはり、調査研究は大学など専門の方に頼むのでしょうが、それだけで終わってしまうようなものもあります。いろいろな方の体験を見ていますと、古いデータだけで、何年も活動していたりします。しかし状況はどんどん変わります。そういうところの表現が難しいのですが、現実に調査したというだけではなくて、「これはこういうふうにやったら、きれいに浄化する」というような、代案的なものも含まれた調査結果だったらいいのではないかと思います。データだけを、こういう活動に報告しても意味はないとは言いませんがどうかと思います。

(新堀委員)
 どうやってそれを実際に結びつけるのかということなのですよ。今回の調査は、1,200ページの膨大な学術調査が出てきたのですが、この中を読み取って、どこからどこまで、どうするかは、総合解析やって、それに基づく行動を起こさなければいけないのですが、それが大変です。考えるだけで頭が痛いです。

(沼尾委員長)
 今、増田委員からいただいた御意見ですが、まず、普及啓発・教育活動のところは、直接、実践活動自体が、教育活動と、その中に組み込まれていなくても、別途実践活動を持っていて、そのノウハウを使って普及啓発をするというのは、事例として、一文入れておくべきということなのでそこはお願いします。

(星崎水源環境保全担当課長)
 それは、こちらの方にも入れたいと思います。

(沼尾委員長)
 はい、お願いします。
 あと、調査研究については、それが具体的な提案なり、実践に結びついていくということで、事務局としては挙げてくださっていますけれども、それを基準とするということでいいでしょうか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 まず、前提としてどこまで事前にお知らせしていくのか。内規的な部分でいいよというお話なのか。実際にNPOのボランタリー活動基金21で審査される時には、もう委員さんにお任せするのか、それともABCDランクのようなものがあるのか、どっちのやり方ですか。または、こういうものを優先するとか、幅広だからあまりないですね。

(NPO協働推進室)
 審査基準も公開し、切り口(観点)を明示してありますので、それに従って委員さんにやっていただいておりますが、どれを優先するという意味合いの基準とはなっていないですね。

(沼尾委員長)
 なるほど。

(星崎水源環境保全担当課長)
 公開しなくていいのであれば、委員さんの中で意思統一しながら、審査していただければいいのかなと思います。

(沼尾委員長)
 そのあたり、これから議論するということですね。
 福江委員から何かありますか。

(福江委員)
 一点、基本的なことをお伺いしたいのですが、多自然型の河川整備というのがあるのですが、主体的な市民活動としての河川整備というのはどのようなものがあるのでしょうか。というのも、河川整備というのは、官の仕事ですよね。これに対して手伝うということですか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 そうですね。一緒になってやっていくパターンはあると思います。

(福江委員)
 そうすると、あくまでも行政主導についてお手伝いするということですか。

(星崎水源環境保全担当課長)
 それは、整備した後ですね。例えば、ハード面を整備した後、外来種を除いたり、観察をしたりすることも考えられます。

(福江委員)
 なるほど、わかりました。そのハード的な建設とかそういうことではなくてということですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 それから炭を焼いてそれを使って河川浄化していくという風に継続的に関わっていこうという団体もあります。

(福江委員)
 わかりました。河川整備というと整備主体は行政なので、おかしいなという気がしたので確認しました。

(沼尾委員長)
 わかりました。ありがとうございます。
 それと今事務局から話がございました、どこまで募集の段階で出していくかということですが、具体的な例を出した方が分かりやすい面もある反面、逆にこれは含まれていないのかというような誤解を招く可能性もあって。

(星崎水源環境保全担当課長)
 「これは対象になりませんよ」というのは出さなければならないと思います。せっかく応募していただいたけれども対象ではないというのはよくないと思います。

(沼尾委員長)
 そうですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
 どれを選ぶかの基準は、基本的に委員会に任されているということもあるので。

(福江委員)
 内規として、作ってもいいけれど、公表しない内規があっていいのではないかと思うのです。例えば、一種の活動を序列化したように受け止められてもまずいわけだし、序列化しているわけではなくて、それは便宜上どういう風に振り分けが効果的かという判断でやるわけで、そのためにある程度こうしたモデルを優先するというような内規のようなものはあるのだろうと思います。ただ、審査のやり方とか基本的な考え方というのは、出していくけれども、具体に「これよりこれを優先する」というような所までは、出していく必要は無いのではないかと思います。

(沼尾委員長)
 例えば、実践活動に結びつくものを重点的に支援といったところまでは出してもいいけれど、具体的にこの事業よりこっちという・・。

(福江委員)
 具体的にこの活動よりこっちの活動の方が優先するということは、僕らの評価の便宜上の優先度を挙げて、それが一種、活動の序列であるとか意味合いの違いであるとか、価値観の違いであるというものではないわけだから。

(沼尾委員長)
 そうですね。増田委員はいかがですか。

(増田委員)
 それでよいです。

(沼尾委員長)
 そうしますと、全体として大まかな支援の方向性というか方針について明記するけれども、その中での具体的な事業については、実際、先ほどの新堀委員のお話ではないですが、樹林地調査といっても幅広だからといって一概に基準を作っても書類が出てきてみたらそれは全然違いますねということもあるかもしれないので、そのあたりはむしろやっぱり、表に出して方向性を基準にして審査するということは変わらないと。だけれども、何か具体的なイメージをある程度共有するという意味での内規というか内部でも考え方を整理する上で、具体的な事例を挙げながらどういう風な優先順位をつけるかということを考えていきましょうと。そういうことでよろしいですか。

(福江委員)
 内規も成文化する必要もないような気がしますね。皆さんが了解すれば、それでいいという気がします。

(沼尾委員長)
 ある程度、その枠組みを作ってそれを表に出すと。特に内規を文章化することはせずに、この場である程度了解していけばいいのではないかというあたりでよろしいでしょうか。
 あと、NPO協働推進室の方から何か審査とかされておられるので、そのあたりで、もし何かありましたらお願いします。

(NPO協働推進室)
 先ほど新堀委員がお話されていたことなのですが、かながわボランタリー活動推進基金21には3つ制度がありまして、特に協働事業の負担金のところでは、期限5年としてやっていますが、協働でやっていますので、県もそれなりに責任があるわけです。その後を県としてどうするのだという方針はあるものの、事例ごとに対応するものなので、1つ1つ見ていくといろいろな対応事例が出てきたりします。そういうところからも踏まえますと、この制度が、5年に限定されているのは、5年間で皆さんにがんばってもらって市民活動が広がっていくのですよという意味だと考え、募集要項にはそこまで書けないと思いますがそういうところがはっきりわかるようなお知らせの仕方を工夫していくのがよろしいのではないかと思います。
 特に、補助率10分の10ですと、これはもう委託ではないかという感じがするので、10分の10だけど、皆さんで盛り上げていくのですという形がよいのではないでしょうか。
補助率10分の10だと勘違いされてしまうような場面も出てくるといけないかなという懸念もあります。

(沼尾委員長)
 ありがとうございます。
 そのあたりは、今後、広報でどのように出していくかということにかかってくることなので、引き続き議論していくということで。

(星崎水源環境保全担当課長)
 逆に、単年度として、継続5年まで可能ですという打ち出しの方が分かりやすいのかなと思います。

(沼尾委員長)
 先ほど、そういう整理だったと思うのですが。

(星崎水源環境保全担当課長)
 もちろん、申請はそうなのですが。5年までと言ってしまうと逆に5年というのが既得権のようになってしまうかもしれませんので。

(沼尾委員長)
 そこの打ち出しの仕方は工夫していくことでよろしいですか。
 それでは、時間になりましたが、他に何かありますでしょうか。

(各委員)
 特になし。

(沼尾委員長)
 ありがとうございました。今日の議題はこれで終わりました。
 以上で、第5回市民事業等審査専門委員会を終了させていただきます。
 ありがとうございました。

 

以上

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会議資料

資料1 水源環境保全・再生に取り組むNPO等に対するアンケート集計結果

資料2 市民事業等審査専門委員会における検討課題について

資料3 第5回市民事業等審査専門委員会における検討課題について

資料4 水源環境保全・再生に係る市民事業等支援制度(案)について(たたき台)

資料5 対象事業の審査に係る優先度について(たたき台)

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