更新日:2020年8月7日

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第10回県民フォーラム(山梨県)実施結果

第10回水源環境保全・再生かながわ県民フォーラムの概要です。

結果概要

 
日時 平成22年9月4日 土曜日 13時30分~16時00分
会場 大月市民会館 3階講堂
参加者 142名

主催者あいさつ
水源環境保全・再生かながわ県民会議委員 倉橋満知子

神奈川県では水源環境保全税を財源として、水源の森林づくり事業など12の特別対策事業を行っている。第2期実行5か年計画の策定にあたり、相模川の上流域対策についてもその位置づけが考えられている。

相模川は神奈川県民の6割の水がめであり、相模川の8割の水が山梨県の桂川・道志川から供給されている。神奈川県民900万人の約半数の飲み水が、山梨県桂川流域に住む20万人の方に支えられていることになり、上下流の連携が必要と考える。

写真:倉橋委員
主催者あいさつ 倉橋委員

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山梨県の森林や生活排水への取組について

山梨県森林環境総務課刑部課長補佐が説明を行った。

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神奈川県の水源環境保全・再生施策と両県共同調査について

神奈川県河原水源環境保全課長が説明を行った。

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相模湖・津久井湖の現状報告について

神奈川県流域海岸企画課藤崎グループリーダーが水質改善に係る取組について報告を行った。

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山梨県事業関係者の活動報告について

山梨県北都留森林組合中田参事が事業者の視点から見た山梨県の森林の状況などについて報告を行った。

国産材が利用されず、日本の木材自給率は2割に減少し、林業経営は厳しい状況にある。林業就業者は減少し、過疎化・少子高齢化の問題、野生動物の食害問題などが発生している。

甲斐東部材木材3協同組合(原木市場・製材工場・プレカット工場)は桂川・相模川流域唯一の木材生産拠点施設であり、ここを活用した取組を進めたい。

森を中心とした持続可能な流域循環型社会の実現に向けて、上下流の連携が必要であり、行政・市民・事業者のネットワークが重要となる。

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パネルディスカッション「県民参加による県境を越えた流域環境保全」

コーディネーター
東京農工大学名誉教授 木平 勇吉

パネリスト
桂川・相模川流域協議会代表幹事 河西 悦子
多摩川源流研究所所長 中村 文明
神奈川県環境科学センター専門研究員 田所 正晴

各パネリストからの活動報告に引き続き、会場からの質問・意見等を踏まえ、パネルディスカッションを行った。

パネルディスカッションの趣旨について

(木平氏)

神奈川県が行っている水源環境保全・再生への取組の大きな特徴の1つが県民参加・住民参加である。

上流に住んでいる人の責任や義務、あるいは下流に住んでいる人の責任や義務などについて山梨県の方々と意見交換を行いたい。

 

活動事例・意見発表

(河西氏)

アオコ対策、生活排水対策、上流域の水源林整備など、流域の課題に取り組んでいく際に、県境の壁が課題となっている。流域協議会が提案する「流域材」についても然りである。

環境問題は経済問題であり、お金の流れが環境を決定していく。県境の壁、自治体の壁を越えて協同し、情報を共有化して市民に分かる形でオープンにしていくことが重要である。

 

(中村氏)

多摩川の源流・相模川の源流が山梨県にあるということがまだ知られていない現状がある。

豊かな森は流域共有の財産であり、流域の市民で一緒に守っていく必要がある。その仕組みづくりの一環として、平成15年度から「緑のボランティア」という森林再生ボランティアによる間伐作業を行っている。

森林整備作業にあたって一番つらいことは森を管理するための道が無いことである。そこで、林道より安価な「森林作業道」の整備を促進していきたい。

 

(田所氏)

相模湖・津久井湖では窒素・リン濃度が高濃度であり、流入不可量の実態を調査したところ、源流域付近で高い値を示した。

発電用水は源流域で取水され、発電所で使用された後に放流されるまで、ほとんど導水路を通っているため、自然浄化作用を受けることが無く、そのまま相模湖へ流入している。

下水処理場で脱窒・脱リンした場合、相模湖への流入負荷量は、窒素が3.7%減、リンが5.4%減となると見込まれる。

 

パネルディスカッション

【水源環境保全・再生への主張】

(河西氏)

地域住民が主体的に関わる仕組みを作る必要がある。また、学校における流域材の活用や、上流域の魅力的なスポット整備など、市民の人たちに見える施策展開が必要である。そして、神奈川県議会議員や県民会議委員の方に県外上流域の現場を見に来てもらいたい。

 

(中村氏)

県境を越えて、流域全体を良くするという共通認識を持つことが重要である。神奈川県と山梨県で流域共通の基金を設置するなど、全国のモデルとなる新しい政策を作ってもらいたい。

 

(田所氏)

調査の結果より、水源域のところですぐに濃度が高くなっているため、その汚濁負荷要因を把握する必要がある。また、これまでは外部からの負荷ばかりが議論されてきたが、今後は湖の内部からの負荷(堆砂に含まれる有機物など)についても考えていかなければならない。

 

写真:木平委員
コーディネーター(木平委員)
写真:河西氏、中村氏、田所氏
パネリスト(左から河西氏、中村氏、田所氏)
<以上、文責は水源環境保全課。敬称略>

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