更新日:2020年7月29日

ここから本文です。

第14回(第2期第6回)水源環境保全・再生かながわ県民会議 審議結果

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

第14回(第2期第6回)水源環境保全・再生かながわ県民会議

開催日時

平成22年8月12日(木曜日)14時00分から16時30分

開催場所

神奈川県庁本庁舎3階 大会議場

出席者【座長・副座長等】

堀場 勇夫【座長】、新堀 豊彦【副座長】

天野 望、井伊 秀博、井上 伸康、岩渕 聖、片山 幸男、加山 俊夫(代理出席)、北村 多津一、木下 奈穂、久保 重明、倉橋 満知子、小林 信雄、高橋 弘二、髙橋 二三代、田中 充、中村 道也、沼尾 波子、林 義亮、増田 清美、柳川 三郎

次回開催予定日

平成22年11月中旬

所属名、担当者名

水源環境保全課調整グループ 担当者名 志澤、長谷川

電話番号 045-210-4352

掲載形式

  • 議事録

審議(会議)経過

(事務局)
定刻でございます。
開会に先立ちまして、事務局より何点かご報告申し上げます。

まず、資料の確認でございます。前日までに資料は配布させていただいておりますが、当日配布資料を机上に配布させていただいております。

  • 第14回(第2期第6回)水源環境保全・再生かながわ県民会議出席委員一覧
  • 資料2-1 対照流域法等による森林のモニタリング調査
  • 資料2-2 平成21年度人工林整備状況調査の結果概要
  • 資料2-3 平成21年度河川のモニタリング調査結果の概要・河川のモニタリング調査実施計画
  • 資料5 第7回・第8回県民フォーラム意見報告書に対する県の回答
  • 資料6-2 第9回県民フォーラム結果報告
  • 第10回県民フォーラムのチラシ

以上でございます。

続きまして、本日の委員の出席状況でございますが、現在、21名のご出席をいただいており、設置要綱第5条に規定する会議を開くにあたっての委員の定足数を充たしています。

本日の出席委員は、お手元に出席者一覧を配付させていただいております。また、相模原市長の加山委員の代理として、佐久間環境経済総務室長さんにご出席いただいております。

なお、本日傍聴の方は、いらっしゃいません。
県側の出席者は、宮崎水・緑部長をはじめ、関係各課職員が出席させていただいております。

次に、本日の議事の進行でございますが、県民会議設置要綱第4条第4項の規定により、堀場座長に議長をお願いいたします。それでは、堀場座長、よろしくお願いいたします。

(堀場座長)
それでは、ただいまから、第14回(第2期第6回)水源環境保全・再生かながわ県民会議を開催したいと思います。
会議の次第に沿って議事を進めてまいります。
最初に議題1「現行5か年計画の課題と対応方向」についてですが、報告事項の「水源環境保全・再生施策における県外上流地域対策(山梨県)の調整状況」に関連いたしますので、この2つについて事務局より説明をお願いいたします。

(事務局)
それではご説明させていただきます。資料1をご覧ください。実行5か年計画の課題と第2期5か年計画への対応方向を整理したものです。

まず、最上段の長い枠囲み、第2期計画の基本的事項ですが、一番左側の「計画期間」、その横の「対象施策と対象地域」、一番右の「税収規模」につきましては、5月31日に県民会議からいただいた意見と同様の整理をしております。

なお、右から2番目の「次期計画キーワード」につきましては、現段階での対応方法を勘案しますとシカ管理と森林整備の連携強化など、このような特徴になるかと事務局で整理したものであります。

次に、その下の大きな表ですが、左側は施策大綱の体系及び内容を記載しております。

その右、第1期5か年計画の12の特別対策事業ごとの事業メニュー、計画内容、実績見込、達成率を整理しております。この実績見込ですが、22年度当初予算編成時に23年度予算の推計値を試算しており、それに基づく5年間の事業費の見込みを記載しております。全体のトレンドとしては、今年の2月に県民会議から出された点検結果報告書と同様に、県事業はおおむね順調、市町村交付金事業は一部目標に達しないものがあるという状況であります。

その右、「課題と第2期5か年計画での対応方向」であります。課題は、県民会議からご指摘いただいたもの、県当局として認識しているもの、市町村から要望があったものと大きく3分類しており、それぞれの課題の後ろに括弧書きで出典を記載しております。

本日、時間の都合もありますので、県民会議からのご指摘に絞って課題と対応方向をご説明させていただきます。

まず最上段、1の水源の森林づくり事業です。

森林塾を次期計画に位置づけ、労働力確保の目標を設定すること。また、シカ管理と一体となった森林整備が不可欠との課題をいただきました。これに対する第2期計画での対応方向ですが、森林塾を計画に位置づけるとともに、適切な目標の設定を、またシカの採食を考慮した森林整備を行いたいと考えております。

2の丹沢大山の保全・再生対策ですが、森林の整備状況を検証する一つの手法として、森林生態系調査を検討すべきとの課題をいただきました。これにつきましては、対応の方向としましては、整備効果の早期把握のため、森林モニタリングにおいて生物多様性の観点からも調査を実施したいと考えております。

なお、同様の課題と対応方向をこの資料の下から2枠目の水環境モニタリング調査の欄にも記載しております。どちらに位置づけるかにつきましては、現在、事務局で検討しているところであります。

なお、この2の丹沢大山の保全・再生対策で実施する場合には、現行事業メニューにブナ林等の調査研究がありますので、このメニューの中に森林生態系調査を追加することが考えられます。

次に、2つ飛びまして5の地域水源林整備の支援であります。県民会議からは、市町村が選択する整備手法により事業面積に比較して事業費が増加しているため、より適切な整備手法の検討が必要との課題をいただきました。これに対しては、地域特性を踏まえた全体構想の構築、具体的には森林の荒廃状況等を踏まえた目標林型を明確化するとともに、優先順位を考慮していきたいと考えております。

その下、6の河川・水路における自然浄化対策の推進です。

整備実施箇所の中に生活排水の流入が見られることから、整備手法の再検討が必要であり、汚染源対策とセットで河川・水路の整備を行うことも一つの手法であるとの課題をいただきました。これに対しては、ダム下流域から取水堰上流のエリアにおける河川・水路の自然浄化対策を進めるための新たな仕組みを検討したいと考えております。

7の地下水保全対策ですが、県民会議から、地域の状況に応じた効果的な浄化対策の実施及びモニタリングの長期継続の課題をいただきましたが、このとおり対応していきたいと考えております。

8と9の県内ダム集水域における公共下水道、合併処理浄化槽の整備促進ですが、県民会議から、相模原市の下水道計画区域の縮小、浄化槽整備区域の拡大に応じた目標見直しが必要との課題をいただきました。対応方法ですが、相模原市との協議を踏まえ、目標を設定してまいりたいと考えております。

10の相模川水系流域環境共同調査は、相模川上流の森林整備について、山梨県が森林環境税の創設を検討しておりますので、この税と協働した森林整備を、また生排対策は両県協働で取り組める対策を検討しております。この後、内容についてご説明させていただきます。

11の水環境モニタリング調査は、先ほどの丹沢大山で説明済みですので、省略いたします。

12の県民参加ですが、現行の市民事業支援制度をより使い勝手のよいものに、また県民会議の機能強化の課題が指摘されております。対応方向は記載のとおりであります。

山梨県との調整状況について資料9でご報告いたします。資料9をご覧ください。

1(1)ですが、施策大綱では、県外上流域対策については、共同調査の結果を踏まえ、対策を推進するとしております。その下(2)の実行5か年計画では、3つの調査を行うこととしております。

2の共同調査の結果です。(1)は相模川、山梨県では桂川ですが、その流域の私有林・人工林の現況調査結果です。59%が荒廃している状況です。

(2)水質汚濁負荷量調査結果です。一番左側は発生源を示しております。中ほどの太線の上は、この流域の発生汚濁負荷量で、その下の排出汚濁負荷量は、発生汚濁のうち桂川を通じて相模湖に流入する母数を、その下の流入汚濁負荷量は、自然浄化等で減じたもの以外で実際に相模湖に流入する汚濁負荷量を示しております。

太線上の発生汚濁負荷量のうちアオコの原因であるリンについて見ますと、一番右の上から3行目、湧水が187キロと最も多いことがわかります。次いで、その2つ上の生活系が102キロという状況であります。このリンの列の太線下の排出汚濁負荷量は437キロ、実際の流入は268キロですので、流入率は61.3%、4割近くは自然浄化できますが、約6割は浄化されずに相模湖に流入しております。

その下の行、イの相模湖の流入水質をご覧ください。山梨県と神奈川県の県境である境川橋と相模湖上流の日連大橋の水質を記載しております。

太線下の現在の基準値は河川の環境基準が適用されることから、BOD、いわゆる水質の汚れの指標ですが、いずれの地点も基準をクリアしております。しかしながら、相模湖・津久井湖については環境基準の見直し、具体的には河川から湖沼への指定替えが環境省により検討されております。下から2行目が、その指定替えによる法則が適用された場合で、この場合にはCOD、全窒素、全リンともに基準を大幅に超過しております。通常、暫定目標が設定されることから、一番下の行の暫定目標値ではどうにかクリアできているという状況であります。

裏面をごらんください。(3)生活排水処理方法の実態調査です。

この流域には約19万人の人口がありますが、下水道計画区域の認可区域においても、くみ取りが1,630件、単独浄化槽が7,861基になります。認可区域外や下水道計画区域外を合計しますと、右側の計欄ですが、くみ取りでは7,404件、単独処理浄化槽で2万2,000件以上ある状況です。

次に、3の県民会議からの次期5か年計画に関する意見書です。(2)の2つ目の丸ですが、実施する場合の事業の内容、事業量等については、①から③までの見地から、費用対効果も含めて十分に検討する必要があるとのご意見をいただいております。

4は山梨県との調整状況です。19年度、20年度は調査内容を中心に、21年度からは対策内容を中心に議論しております。(2)の充当の基本的考え方ですが、山梨県とは記載の3つの視点で昨年度より調整をしてまいりました。

説明は以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。

前回、県民会議から次期5か年計画に関する意見書を提出いたしましたが、それを受けて、今回の県民会議において方向性が示されたということでございます。

ご意見、ご質問がございましたら。どなたでも結構です。

(中村委員)
今の説明の、まず上からですが、森林塾を計画に位置づけるとともに、労働力確保の目標を設定とありますが、これは後ろの方にも具体的な説明がありますので、そこでまた、もう一度お話が出てくるかと思うのですが、就職者数というのがありましたが、定着率はどのくらいなのか、あるいは定着率の可能性というのをどの程度お考えになっているのか、ご説明をいただきたいと思います。

それから、5の地域水源林整備の支援ですが、これは私の印象ですが、当初に比べて、この対象地域という範囲が非常に広がっているような感じがします。私はこの計画が始まるその前の水源林の整備・確保という事業がございますが、その中で、この地域水源林をダムの集水域より下の森林整備が水源として本当に必要なのかという質問をしたときに、沢水を利用する集落とか、あるいは地域というものがたくさんあるので、そのために必要という説明をいただいたことがあります。そうしますと、いわゆる小尾根の内側だけが基準になっていいはずなのですね。

ところが、実際には全域が地域水源林という名目で整備対象になっている。この辺があいまいな感じがしますので、ご説明をお願いいたします。

それから、ダム下流域の河川・水路の自然浄化対策を進めるための新たな仕組みの検討と書いてありますが、水の安定供給、これが、もし水道水ということであれば、エリアの限界設定のようなものが必要ではないかなという気がいたします。この辺の説明をお願いします。

それからもう一つ、間伐材なんですが、これもまた後で具体的な説明があるかと思いますが、搬出量、これが私の印象では、数字が先に出まして、搬出する事業というものが何かノルマ的になっているような印象を受けるんですね。それは、間伐材を搬出した施業地が森林として質的に向上しているかどうかというと、全域にそれが見られないわけなんです。その搬出した後が、あとは野となれ山となれというような現場も見られますので、この辺の指導といいますか、それが適切に行われているかどうかも含めまして、もう一度ご説明をお願いいたします。

(服部森林再生課長)
まず、森林塾のご質問がございました。
昨年の実績でございますけれども、就労前の方々を対象に研修を行っておりまして、昨年度15名の方が森林塾に入校されて、結果として8名の方が神奈川の森林組合及び林業会社に就職をされて、現在も働いている状況でございます。

就職に応じていただける会社は18社あったわけですけれども、入校した15名のうち7名の方につきましては、1人は実家に帰らなければならない事情があり、他の人はやはり70日間という長期の研修の中で、体力的にもたないということで、週に3日とか4日ぐらいだったら働けるだろうということでしたが、会社と条件が合いませんでした。会社としては、やはり通年でフルに働いてもらうということでしたが、条件が合わず、結果として残った8人の方が就職して、現在、働いています。

この人たちにつきましては、今度はOJT研修といいまして、70日間の研修だけでは十分でないということで、国の補助金をいただいて、実際に働きながら、現場の班長さんたちが指導して育てるような、そういった仕組みの中で育成しています。どれだけ続くかというのはなかなか未知数ですけれども、そういう形で経営面、雇用条件の面についてもいろいろ指導する中でやっておりますので、希望としては継続して働いていただきたいということでございます。

それから、間伐材の搬出につきましては、考え方としては、間伐材を搬出して、その利益で森林の循環、次の森林整備につなげてもらいたいと、そういう思いで搬出を実施しておりますけれども、やはり現在としては、なかなか3割とか、あるいは2割とか、出てくる材は非常に限られています。いわゆるA材といいまして、真っ直ぐな材しか今は使われていないというような状況の中で、この利用を伸ばしていかなければならないと考えています。

間伐の搬出をした後の山についてのアフターケアといいますか、どういった形でやっていくのかということですけれども、林業改良指導員を中心に、あるいは協力協約といいまして、水源の森林づくり事業で市町村と協約を結んで計画的に実施をするということでやっていますので、そういった普及指導の中で今後指導をしていきたいと考えています。

私からは以上でございます。

(事務局)
私からは、地域的に言うと、まずエリアの関係です。地域水源林については、まず基本的にそのエリアについては、地域内の河川、表流水とか伏流水、地下水、湧水を主要な水道水源としている地域と、相模川水系、酒匂川水系、取水堰の県内集水域のうち水源の森林エリアを除いた区域ということで、基本的には行政界で割っています。その中で、具体的に、その行政界の中のどこを地域水源林としていくのかにつきましては、基本的にその中で市町村が、そのエリアの中で水源の保全上重要と認める森林ということで、市町村が考えたものを県と協議して決めています。基本的にはこれは尾根界になっていきますので、尾根界から広がるというのは基本的にはないのですが、ただ1点、伊勢原市の例がありまして、伊勢原市の県の水源の森林エリアと秦野市の地下水源のエリアが非常に隣接していましたので、特に地下水の流れは、はっきりわからない部分もありますので、隣接するという観点から伊勢原市の方も重要だと。県の方でもそうでしょうということで実際にやった例はあります。ただ、これも地域水源林エリアの中での話です。

もう1点の河川・水路におけるエリアの限界設定が必要ではないかというお話でしたが、河川・水路については、これは現行の5年計画の中で実際には図表もあるのですが、これは完全に水系でいっており、尾根筋でとっていますから、相模川とか酒匂川に行かないところの流域を対象にすることはありえません。

以上です。

(堀場座長)
よろしいですか。そのほかに質問はございますか。

(小林委員)
シカ管理のことについてお伺いしたいのですが、シカの個体数の調査、それから分布の調査、これらの調査の予定はいつごろになるのか、お伺いしたいと思います。

それから、これからどういう進め方で管理されていくのか、そのあたりのお話をお伺いしたいと思います。

(松田自然環境保全センター所長)
シカの密度調査というのは、基本的には区画法といいまして、目で目撃しながら数えるという方法をとっております。具体的には、直近では平成19年にニホンジカの保護管理計画の第2期をつくったときに、前年とその前の年のデータで3,700頭から4,500頭という数字を、出しております。その後は、こういうことを毎年やるというわけにはいかないので、具体的には昨年度と今年度で新たな推計をいたしまして、第3次の、具体的には平成24年からの計画に使っていこうと考えております。

ただし、毎年、管理捕獲をしている場所については、ある程度定年的にとっておりますので、そういうデータは毎年とっているものはあるのですが、全体としては計画をつくる前年、前々年ぐらいのところのデータで推計しているということです。

シカについては、具体的にどういう形で対策を打っていくかというのは、これから議論していく部分はあるのですが、やはりもう少し具体的な捕獲を強化していく必要があるという方向の中で、具体的に捕獲の場所、特に高標域、高い稜線の部分に集まっている部分をどうするかと。あるいは中高標域でも、やはりまだシカの密度が高いという状況の中で下層植生の劣化が止まっていないところもございますので、全域にわたってある程度方向を出すためには、もう少しきめ細かく、かつトータルに言えば少し対策を強化していかなければいけないのかなということで、今、内部的には検討しております。

以上でございます。

(堀場座長)
よろしいですか。

(新堀副座長)
私は丹沢大山の総合調査、1990年代と2000年代の2回とも委員長をやりましたが、シカの数の問題が一番大きな問題であったわけです。

よく知っているのは中村委員ですけれども、少なくとも、当時、シカの専門の学者さんが2年間丹沢へ入っていて、頭数がつかめないのですよ、はっきり申し上げて。

私は最後のときに委員会でちょっと怒りまして、これだけやっていて頭数が出てこないのはどういうわけだと。頭数も出てこないでどうやって管理するのですかということまで申し上げたことがあるんですよ。その結果、今、自然環境保全センターの方でも、おっしゃられたように、相当精度が順次高くなっていることは間違いないんです。

管理捕獲する数については、結構数字は伸びているんだけれども、実際にその次の年になって見ると余り減っていないんじゃないかというようなことが起こっていまして、一体どうしたら本当に完全な管理捕獲ができるかということについて、要するに行政の立場でどこまでやれるかということが、ちょっと限界が見えてきているような感じが、実はしているんです。

ですから、これからの問題として、やはり相当しっかりやっていただかなければならないけれども、現に難しいと、非常に困難であるということだけは間違いないようでございまして、ただし、それをちゃんとやらないと、やはり水源の一番の大もとある丹沢の中心部のブナ林や、その他の下層植生がいつまでたっても荒れるということであれば、これは、やはり水源地としての影響を大きく受けることになりますから、これはできるだけ止めなきゃならんと。それにはどうしたらいいかという対策を講じていくのが、やはりここの仕事になってくると私は思っております。

(柳川委員)
地域水源林整備の支援のことで、何回かこの会議でも申し上げておるのですけれども、第1期5か年における事業費の実績見込みが347%ということですが、これで私有林の確保、整備などが100%超になるのかというと、これが100%未満というような状況です。

この地域水源林整備の支援は、第2期の考え方について、もう少し市町村とよく詰めていかないと同じようなことが起きてくるのではないかと。その辺のところを、次期5か年では一応対応方針が書かれておりますけれども、この傾向が改善できるのかできないのか、私は厳しいのではないかなというような予想をしておるのですけれども、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。

(事務局)
お答えいたします。
まず、地域水源林につきましては、今の第1期の5か年計画は、まず、この県の計画ができた後に、市町村の方で、地域水源林の整備計画はどうしていこうかというのを実際につくり出しているということで、少しずれがありました。

次期計画については、そもそも市町村としてどこの地域水源林を、どのような林型目標を立てて整備をしていくのかと。将来的な目標というものをまず定めてもらい、どこの対象なのか、それをどんなふうにしていきたいのかということを定めてもらった上で、15年間のうちの第2期の5か年でどのくらい整備をしていくのかという、そこの調整をしようと思っています。

そういう意味では、その目標林型とかも、多分、整合性はとれているんですが、ただ実際の事業費については、このままでいきますと相当長くいきますので、その事業費が抑えられるような仕組みというものを、現在、検討しているところです。

難しいかもしれませんけれども、そこのところはできるだけ努力をしていきたいと考えています。

以上です。

(増田委員)
12番の丸の一番下の「県民会議の機能を強化することが必要」ということが課題になっておりますが、これに関しては、県民会議そのものの存在を含めたことを検討事項とするのか、また、第2期計画の対応方向の中で、県民会議の中で検討とありますが、これがいつぐらいの時期から入ってくるのか、もし決まっているのでしたらお伺いしたいと思います。

(堀場座長)
これに関しては後ほどご相談申し上げますので、よろしいでしょうか。

(増田委員)
はい。

(田中委員長)
簡単な質問をさせてください。資料1の一番上に次期計画のキーワードを2つ並べていただいております。私は次期計画のキーワードは、多分、一つは第1期計画の継続あるいは強化ということが大前提になると思っているのですが、そういう点で①と②、シカの管理、森林整備の連携強化、あるいは丹沢大山再生への重点取り組み、これは大変重要な課題だったのですけれども、計画のキーワードを決められた経緯だとか何か意味があったらお尋ねしたいと思います。

(事務局)
今のキーワードですが、実はこの資料は県の内部検討の資料にも使っていまして、その中で、第2期計画はどういう特徴を出していくのかというのが話題になりました。その中で、一つはシカ管理と森林整備の連携強化だろうと、あと、やはり丹沢大山についても、重なっているエリアで、そこの保全も非常に重要ですから、そこに力を入れていくというところで、現在、整理しているだけで、絶対にこれで固めたいとか、そういうことではなくて、いわば特徴としては何なのかというところで整理をさせてもらいました。

(倉橋委員)
今の次期計画キーワードの中で、丹沢大山を中心にするというのは、この水源環境税から言うと確かに必要なのですけれども、もう少しキーワードをほかのところにも広げてほしいと思うんです。特に今回、次期5か年は上流域対策ということを、今、ここで検討している段階ですので、その辺のキーワードも、ぜひ入れていただきたいということが一つ。

それから、6番事業の河川・水路における自然浄化対策の推進ですが、生態系に配慮した河川等の整備と直接浄化の実績が、目標とはかなり反対の方向にいっているように見えるのですけれども、特に河川・水路については、自然浄化というよりも整備の方に中心がいっているように見えるのですね。確かにある程度、河川整備というのは必要ですけれども、そんなに必要のないのに河川整備の方を重点的に置いているため、非常に高額な工事費がかかっているように見えますので、この辺のことも今後の対策の中で内容のチェックを、もう少し市町村の方としていただきたいと思っています。

(事務局)
キーワードですけれども、上流域対策の方は、実はうちでも考えていたんですけれども、まだ具体的に山梨県との調整が済んでいない部分があったので、キーワードからあえて落としたという整理をしています。実際には入れたいとは思っています。

あと、もう一つの河川については、県民会議から、せっかく整備をしても、生活排水が入っているではないかという指摘もありますので、例えばですけれども、河川整備の実施箇所については、その周辺の生活排水対策を市町村が行うことが前提条件みたいな、そういうことも現在、検討しております。

(林委員)
先ほど、ご説明がありました山梨県の森林税導入による森林整備の動きがあるというお話ですけれども、これは山梨に聞くべき筋の話でしょうけれども、今、得ている情報でかまいませんが、いつぐらいから始まりそうなのかということと、それともう一つは、県外上流域における生活排水対策は、それに合わせて、実施を考えていらっしゃるのかということを、確認したいんですけれども。

(事務局)
山梨県の森林税ですが、昨年11月の山梨県議会における知事の提案説明の中では24年度から導入したいという話でした。その中では、あくまでも森林環境の整備が中心ですので、生活排水対策については、その税ではカバーしないという整理と伺っています。

以上です。

(堀場座長)
それは水源環境目的税ですか。

(事務局)
森林環境です。生活排水等は対象ではないということです。

(北村委員)
県外上流域対策に関連して、資料9の相模川水系環境共同調査の結果について、例えば水質汚濁負荷量調査では全リンが61.3%の流入率とか、あるいは相模湖の流入の水質は平成20年度では年間でこういう数字がございますが、これはその前の調査と比較して悪化しているのか、それとも変わらないのか、あるいは改善されているのか、どういう状況なのでしょうか。

(事務局)
流入水質の関係については、大綱の中に実は平成7年から8年のデータがあるのですが、そのときのデータの取り方とこのデータの取り方の整合がとれていないものですから、前回と比べて流入率がどうだったかというのは、今、即答はできません。おそらく、データを分析していけば出るかと思っていますが、今、手元にはございません。

(堀場座長)
その他、ご意見、ご質問がある方はどうぞ。

(中村委員)
渓畔林整備事業についてお聞きしたいのですが、この事業は、内容が非常に県民に理解されやすいというか、わかりやすい事業だと思います。こういう事業を拡大してほしいと希望します。

この事業を進めるに当たって、森林再生課のいわゆる治山事業というものがありますが、この治山事業と連携するというか、一体となった取り組みというものは検討されているのかどうか、この第2期計画での対応方向では対象地域について検討中とありますけれども、行政の中での連携というものを考えているのであればお聞きしたいと思います。

その例としては、東丹沢の沢ですが、森林再生課の方々でしたらご存じだと思いますが、地獄沢という沢があります。この沢は15年ほど前までは、少し雨が降るだけでどろどろの濁りが入り、水量が非常に不安定な沢だったのですが、この数年、かなりの雨が降っても濁らないんですよ。これは、いわゆる沢が安定してきたことと、沢が安定することによって周辺の森林が安定してきた成果ではないかという印象を持っています。

ですから、新しい考え方、あるいは新しい手法で取り組んでいくという必要性から、特に自然環境を優先するという意味で、渓畔林整備事業に私は大いに期待しているんですが、やはり一つの事業を小さな範囲だけでやるのではなくて、やはり広域に広げていくということで大きな成果につながるのではないかという気がしていますので、これを私は、ぜひ長く進めていただきたいと思います。

それから、次期計画のキーワードということですが、①のシカ管理と森林整備の連携強化というのは、これは新しい取り組みとして、正直言いまして強い期待を持っております。

②の丹沢大山の自然再生というのは、これは制度がある限り、続けていくべきテーマではないかと思っています。それは水源、もちろん県外上流域とか横浜市の水源というものもありますけれども、県内で利用するほとんどの水が、丹沢から出てきているという事実がありますので、やはりこれは崩すべきではないと思っています。

それから、県外上流域ですが、例えば24年度から森林環境に限定してというお話がございましたけれども、川の支流まで計算しますと、山梨県の相当部分が入ってきます。そこまで神奈川県が責任を負う必要があるのかどうか、そういった線引きも必要だと思います。

それから、山梨県がどの程度、森林に対して神奈川県と近い考え方を持っているかどうか。これは、神奈川県民が森林に持つ認識と山梨県民が持つ認識というのがある程度共有していませんと、神奈川県民の税金を使って他県の事業の助成をするといいますか、補助するというのは、県民の理解が得にくいと思うのです。ですから、その辺は慎重にお願いしたいと思います。

それから、これは非常に具体的な言い方で失礼なんですが、山梨県は恩賜県有林というものがあります。この恩賜県有林は非常に予算が潤沢なんですよ。そういう潤沢な予算が、山梨県の中で、自分たちの恩賜県有林の中だけではなくて、山梨県内の森林環境というものを考えたときに、その恩賜県有林がどの程度、自分たちの予算を割いて山梨県内に出しているのか、そういう山梨県内の予算の枠組みというものを把握した上で、神奈川県の態度といいますか。考え方を山梨県側に示すべきではないかなと、そういう感じはします。

(倉橋委員)
今、中村さんから丹沢大山の、神奈川の水源のかなりの部分が丹沢大山からの水源というお話だったのですが、それについて、逆に私は山梨からの水量が8割、相模川の中でも8割という、この大綱の中でも謳ってありますし、私たちも実際に、そういう形で活動していまして、やはり相模川の水も、私たち流域の方から言いますと、丹沢大山の水というのは直接相模川に入ってくる量というのは非常に少ないんですよね。要するに直接的な支流というのがかなり丹沢から離れていますから、そういう意味では、今の質問に反論したいのですけれども。また、新堀さんから、もし何かご意見があったらお聞きしたいのですけれども。

(新堀副座長)
一応現況における水源の水の量というものは、丹沢大山の分と桂川の分と2つ、あと酒匂川の分とありますね。その中で酒匂川の大半は、やはり丹沢に含まれているということになりますから、結局、今後、桂川は流域が広いし、おそらく水量としては丹沢の分を全部含めたよりも多いぐらいの分量が流れてきていることは間違いないだろうと思うのですが、それをやはりどういうふうに受けとめて、つまり、ある意味で言うと山梨県民に対して我々はどういう態度をとるかということが、一番山梨の問題について基本的な問題だと思っているのですよ。ある意味で自然のことですから、我々は余り感謝という気持ちはないけれども、桂川水源がなければ我々の水は確保できないわけですから、そういう意味で、山梨県に対しての物の考え方というものも一つあるし、それから今、中村さんが言われたように、現況ではとにかく丹沢大山の、これは道志川を含めての話になりますけれども、道志川から酒匂川までの間、すべての水源が全部丹沢山界に依存していることはほとんど事実ですから、だからそれなりの形でやはり見ていただくと、そこで今回のキーワードが丹沢大山に入っているというようなことになってくるわけであって、決してこれからの5か年計画の中で、それから先のことをカットしているという意味ではないと私は思っているんですね。

だから、とても難しいのは、非常に分野が広がっていて、県庁の方でも、要するに水源環境保全課がまとめるのだけれども、その周りには自然環境保全課や森林再生課、あるいは大気水質課もあるし、しかも自然環境保全センターや環境科学センターがあるというように非常に分野が広いわけですね。だから、それらを全部統括して県民会議で水源環境というものをどう考えるかというふうに考えていかないと、これはうまくいかないんじゃないだろうかと。

今、とりあえず我々は丹沢大山に関しては、おそらく全国で一番詳細に、一番長期間にわたって学術調査もやってきたし、いろいろな環境調査をやってまいりましたから、全部把握しているんですよ。それでもまだ足りないぐらいですけれども、一応よく把握しているつもりなんです。報告書は2回ともこんな厚いものが出ているわけですから、それを見ていただければいかに詳しく見ているかということがわかるわけで、それが今回の水源環境問題に全部関連しているということは間違いないので、特に渓畔林にしても、あるいは人工林にしても、すべてかかわり合いがあるとご認識いただく以外ないだろうと思うのです。

言われたこととかみ合わないかもしれませんけれども、ちょうど座長と2人で、その話をしておりましたので、申し訳ないですけれども、所感として申し上げます。

(宮崎水・緑部長)
よろしいですか。今、副座長からお話がございましたので、私から所見を述べさせていただきます。やはり水源環境保全・再生施策が12本の事業に決まって、年間、38億円の税を投入するということですが、これは個人県民税の超過課税であり、要するに余計にご負担をしていただいているわけで、1銭も無駄にしちゃいけない。ですから、この12本の事業に優劣というのは、実は私はつけているわけではありません。

ですから、先ほどお話があったように、渓畔林の関係についても、これはやり始めれば、本県の取り組み自体が日本の中でも初めてのレベルになるだろうということですから、これも当然、非常に重要視していますし、それから倉橋委員が言われたように、いわゆる水源林の部分でいう3つのダムですね。相模川で言いますと、その集水域の8割は、山梨県内に広がっておりますので、そこの部分と協調しながらやらなければいけないと。

ですから、そういう意味では、それぞれが、どれが天秤にかけて優劣があるかということではなくて、このキーワードの中に山梨は入っていないというのは、たまたま、要するに山梨県側のほうが来年以降に、その森林税、いわゆる水源税ではなくて森林税を持っていこうというときに、やはり水源のかん養の部分については、当然、あちらもやっていかなければいけない部分があります。そのときに、桂川上流域で直接、要するに私どもの県の方に影響がある部分については、例えば少し神奈川県の税金を県域のところから外へ飛び越えて持っていかなければならない。これは大変大きな議論でございまして、もともと県の中のものを上流域のところからやっていこうということで、その実績が本当に出て、もうこれははっきり、いわゆる効果が出た、これ以上税金を取ってもしようがないから、減らしましょうとか、あるいは、ほかに振り向けましょうとかいう話でなければ、これは少なくても、今、第1期でございますし、第2期の部分も、今、県民会議の方々からいろいろご提言いただいた中で、実は全部が足りているというわけではないだろうというふうに感じているわけです。

ですから、当然、要するに今までどおりにやっていかなきゃいけない部分もあるし、それから、中にやっぱり少し投入部分といわゆる論点が違ってきたような部分があれば、それは修正してほかのものに振り分けるべきなのか、あるいは減らしていくべきなのか、あるいはもっと市町村の自己負担をふやしていくべきなのかという部分もご議論があるかと思うんです。それは、今、ご提言をいただいた部分の中で、我々がこの次期の計画の中で、実は骨子案でございますけれども、そういう中を要するに踏まえた上でやっていき、そして素案に持っていかなければいけない。こういうふうに認識をしております。

しかしながら、県外上流域の関係については、先ほど申しましたように、やはり森林税ということになりますと、いわゆる浄化槽ですとか、それから生活排水の関係なんかにつきますと、もともと山梨県側が自らの責任としてやらなければいけない部分というのはあるわけでございますね、そういうものを全部我々が引き取って、こちらから県境を飛び越えていって税金を使って、山梨が足りない部分はこちらでやりますみたいな話には、ならないわけでございます。

ですから、その部分というのは慎重にあちらがやれる部分、そしてこちらが神奈川県民にとって、必ず有益になるんだという効果が出るようなものについて、一緒に何かやっていきましょうと。そのために実はモニタリングをやりながら、そして調査もしながら、そしてどういうところに効果が出ていくんだろうかという部分の段階を踏まえて、そして何かこういうところで実は一緒に手を組んで、少し、ご一緒に何かやっていきましょうよというところまで、来ているわけです。

ですから、そういった部分では、まだ時間がかかるかもしれませんけれども、順次、限られた予算の中で効果的な部分として、できるものについて慎重に取り扱っていかなければならない。そういうことでございますので、決して段階にレベルがあるというものではございませんので、その点だけは、ご理解をいただきたいと思っております。

以上です。

(堀場座長)
これは座長の発言というよりも、税をつくった者の1人として、つまり税調の意見として申し上げたいのですけれども、水源環境保全税は目的税と称される税金で、水源環境の再生、それから、かん養ということも考えて、それのみに使えるという、税理論的には目的税でございます。その制約下においての使用が決まっておりますので、これが地域環境税という、いわゆる環境全般に及ぶということになりますと、現在、税調の方でも地域環境税を別途検討しております。それが実際に実施される、あるいは施行されるかということはまた別の問題の話です。ただし、この税金は少なくとも水源環境のみに用いられる。その使用がどの範囲まで及ぶかということは、神奈川県に対する対応も含めて、慎重に検討してもらいたいというのが、おそらく税をつくった側の考え方です。

そこを外に出て何でも使えるよと、環境全体に使えるよという話は、税自体の目的からは出てまいりません。これはそういう目的でつくっておりますので、税をいただく理由は、れっきとした目的税であると。それは税調の意見として聞いていただいて、そのために、その運用が正しく行われているかどうかチェックすることが、この会議の目的とされているということだと思います。

(宮崎水・緑部長)
まさにそのとおりでございまして、目的税であるがゆえに、当然ほかの目的にどんどん広げてよいものではないことは、当然認識しております。

例えばそれが県外上流域対策について、これは大綱の中で、その水源のもとになる部分が山梨県に由来している部分があるということで、そこについては、どんな方策が必要なのかということで、それが税が使える目的に合えば投入ができるという中での狭い狭義の解釈でございますので、そういった意味では、先ほども申しましたけれども、やはり山梨県が本来、やるべき公共事業と一致すれば、下水道対策について、どんどんこちら側が入り込んでいくという意味ではないということを先ほど申し上げた、そのとおりでございまして、そういった意味では座長が言われたご指示の中で、あくまでもその協議の中でやっていくということでございます。

以上です。

(堀場座長)
水系、その他に対して私は専門家ではないので、口出しするつもりもございませんし、何が税目的に即した支出なのかということに関しては、ここで十分ご議論いただいているわけです。それをここでどうこういうつもりではございません。ただし、確認しなければならないのは、作った税はあくまでも目的税ということですので、それだけは作った者として確認させていただければと思います。その範囲に関しましては、またご議論いただければと思います。

(倉橋委員)
先ほど堀場先生がおっしゃったご意見の中に、この税はもともと丹沢大山のために作ったのだという、ちょっとそういう言葉をちらっと伺ったんですけれども、違いますか。

(堀場座長)
違います。正確に申し上げますと、この税が神奈川県の税とどうも違っているようだと。確認させていただきますが、神奈川県は森林かん養ですか。

(事務局)
水源かん養です。

(堀場座長)
これは水道水の取水あるいは水源をかん養するための税ですので、その目的税という意味で、対象は水源かん養に絞られます。その歳出項目がどのようなものに用いられるかというのは、税の目的にしたがって決すべきものとご理解いただければ結構ですということです。ですから、丹沢というのは、私は専門ではございませんので、それは専門の方たちを含めて検討していただきたいと、こういうことです。

(倉橋委員)
水源かん養ということでは、森林というのはもちろん重要な部分だと思うのですけれども、確か水源環境再生・保全の中にはアオコの問題も入っているはずだと思うんですよね。

アオコの問題というのは森林ではないのですよね。多少はありますけれども、やはり生活排水、それから水の窒素、リンの問題で、その原因というのは、今は相模原市を中心に浄化槽、下水道管理の事業が行われていますけれども、でも、それはほんの一部だと私は思っています。

やはり、この調査の内容を見ていただいても、山梨県の浄化対策というのが非常に遅れているということは完全にわかるわけですから、それで新しく税を投入する山梨県側も、そこには全く関与しないということが今もはっきり出ているわけですから、そうしたらアオコの問題は永遠に消えないわけですよね。それをそのまま浄化対策を何も取らずに、別に莫大な費用を神奈川県は持つと言っているわけじゃないですよ。やはり上下流の関係がきちっとお互いに認識するためには、やはりある程度何らかの対策をしなければ、上流部の人は汚すことに何の、別に損も何も得にもならないわけですよね。逆に自分たちがお金を出してそれをきれいにするにはお金もかかるわけですから、それはこちら側に対する責任と思う人がどれだけいるかということになると思うんですよ。そういうことが何もここで対策としてとらないままいけば、永遠にアオコは解決しないと思っていますので、もう少し、何か上流域対策というものを本当に考えていただきたいなと私は思っております。

(堀場座長)
そのご意見自体は私も反対するものではないんですが、再度申し上げますと、税の議論として、神奈川県民から目的税でいただいたものを山梨県のどこかに投入する、歳出するということは、それ相応の理由がやはり必要になってきます。これを一般財源で何とかする、あるいは神奈川県の歳出項目でやっていただく、あるいは共同作業でやっていただくということは、それは構わないんですけれども、目的税を山梨県側に投入するということになりますと、やはりそれ相応の税理論的な理屈がおそらく必要になると思います。ですから、その辺は十分ここでご検討いただいた上で、県民が納得する範囲でやらざるを得ないということなんです。それは今回の税の持っている性質なものですから、アオコが問題だといっても、それに税金を投入できるかどうかというのは別の問題としてあるわけです。

おそらくこの内容を見てみますと、それが非常に慎重に扱われている部分があるので、これはこれでご議論いただきたいと思いますが、やはりある程度の制約は、税の性質として持っている。ただ、それは全くだめだという話を私はしていないので、こちらの方で十分ご検討ください。

(天野委員)
今、山梨県の問題で水源、アオコの問題とかいろいろ出ていますけれども、私なりにかかわってきて整理をしているんですけれども、要はこの間の施策調査専門委員会でも申し上げましたけれども、根本的には水道水だと思うのですね。水源環境保全税といってますけれども、もっと具体的に言うと水資源対策事業でありまして、本来、水資源の量的確保、安定的な確保をやるのは、本来は水利権者の仕事だと思うのですね。

つまり、少し昔の話をすると、津久井町という町がありました。目の前に津久井湖を持っていても、約9,000所帯のうちの6,000所帯ぐらいは、相模川に水利権を持っていませんから、自分たちで簡易水道をつくって飲んでいたんですね。ですから、水利権、つまり、小さな簡易水道事業者は、自治会とか、自分たちで常に山の手入れをして、その水道水を確保すると。ですから、本来、水利権者がやるべきことが水の確保なんですね。

それから、津久井湖や相模湖等の湖水、閉鎖水域ですから水の汚濁の問題というのは水質管理なんですね。水質管理というと、どちらかというと、ほとんどが生活用水対策で、これは水利権者の仕事ではないんですね。これは下水道、生活排水対策など、市町村の固有の事務といって、県もやる必要もない、どこまでも市町村がやる。そこで、この水源環境保全税を立ち上げるのに長い年月がかかりましたけれども、要は相模湖、津久井湖の汚濁がひどすぎると。そこで何とか相模湖、津久井湖周辺公共下水道ができないかという話が、昭和57,58年、随分県から津久井の町長に話が来ましたけれども、どうしてもできないと。財源がなくてできないということなんですね。

そこでいろいろ検討した結果、新しい税金を作ってくれないかと。つまり市町村固有の事務として責任を持ってやりたいけれども、財源がないから何とか、私が最初は水道事業者が本来、力を貸すべきだということで、神奈川県広域水道企業団というところへお願いをして基本的な相模川流域下水道へ加入する約60億円弱は、つまり水利権者からいただく、でもその水利権者には100%、それを負担しなければいけないというものはないわけですから、そこで神奈川県と議論をした結果、もう一つ税金を考えようと。神奈川県にはもう一つ、水利権であるとか湖沼の汚濁、湖の水質汚濁以外に、やはり山全体が非常に荒廃をしているという問題、この3つを私は組み合わせたのが、今日の仕事であると。

そこへ昔から山梨県から入ってくる水が汚いという問題がありますけれども、その辺の、今、座長からもお話が出ましたけれども、やはり水利権者がやること、それから市町村固有の事務としてやるべきこと、そしてそれを、どうしてもできない部分をどうカバーするかということは、山梨県以外に、いわゆる相模原と合併してしまいましたけれども、旧津久井4町にそのまま残っているわけですね。ですから、そういうだれが何をやらなければならないという行政議論があるのか、税はだれがどう払わなければならないのかということを、もう一度、やはりきちんと整理して、座長がおっしゃるように山梨県対策というものも、何が県の仕事であり、何が山梨県の市町村の固有の事務としての義務であるのか、その接点をじっくりすり合わせないと、神奈川県民が目的税として払っている税をただひたすら山梨県の固有の事務に投入してよいかどうかということは、十分議論する必要があるのではないかと思っています。

山梨県から流れてくるものは自然水にしか過ぎないのです。それを神奈川県民は莫大なお金を払って相模湖をつくり、城山ダムをつくり、宮ヶ瀬ダムをつくって、現在6,500億円をかけた宮ヶ瀬ダムの、おそらく30%ぐらいは、今、水道を飲んでいる人たちが毎月毎月、水道用水でも払っているわけですから、そういう仕組みをよく理解した上で、この水資源対策というものは、一体どうすべきなのかということを、私は考えた方がよいかなと、そのように思っている。

以上です。

(堀場座長)
議論が、かなり本質的な部分にも関わってまいりますし、山梨県との間で、施策の調整のみならず、この県民会議自体の役割も関わってきますので、時間をかけて議論することになると思いますので、もしよろしければ、ここで次に移らせていただければありがたいんですが。議論しないということではなくて、問題自体が少し、全般にわたる問題ではないかということです。いかがでございますか。

(中村委員)
少し内容を変えてもよろしいですか。

(堀場座長)
はい、どうぞ。

(中村委員)
今、さまざまな意見を私もかなり出しましたけれども、それぞれの立場で意見を出しておりますので、その意見のある程度の隔たりというものもありますでしょうし、それがまた会議を発展させていくことにつながっていくと思うのですが、基本的なところで、これは私事で大変恐縮なのですが、この税制度の経緯についてですが、今、座長さんもお話しになりましたけれども、それは税制度を設置するときからの経緯なのですね。設置する前段の経緯は抜けているのですよ。

この税制度、これは私なりの思い込みかもしれませんけれども、私が自然保護団体を組織しておりまして、丹沢の荒廃が、森林から渓流からすべてにおいて非常にひどくなりまして、このため、神奈川県に対していくつも要望を出しました。ところが自然環境に関しては予算がないんです。当時、旧林務課では約100億円の予算があったのですが、自然環境の予算は1億円なのです。何をやるにしても事業が進まないわけなんです。

それで、そのときに丹沢において1泊2日で、「丹沢の荒廃している現状を訪ねる」という現地フォーラムを実施したのです。地元の農家の方とか、いろいろな方たちが参加しました。そのときに、いろいろな話題を提供したときに、先ほどから話題になっている地域水源林について、伊勢原の農家の方から、「自分たちの取水している水が、その土地によって、昔と違って非常に水量が変化している。それはやはり森林の荒廃が原因であろう。神奈川県にお金がないのであればおれたちが出してもよいのではないか。」という発言をした方がいたのです。それを、私どもフォーラムを主催している事務局側がその意見を受けて、そして、「受益者負担の原則で私たちからお金を取ってください。」と神奈川県に要望したのです。最初のときは、飯田副知事、その次に具体的な話を持っていったのは水口副知事、そのとき水口副知事は驚いて、「これは税金ですよ、増税ですよ。このようなものを県民が納得するわけがない。」とおっしゃった。

そのときに、「行政の失敗で金を出せと言ったら県民は反対する。しかし、県民が取ってくれと言っているのだから、よいではないか。」という話をした。それがきっかけだったと私はそう思っている。そしてその後に、いろいろと委員会ができたのですが、私が思っている感覚と、行政が組み立てていく制度のあり方というのが、自然保護団体の代表としては考え方が合いませんで、私は途中でやめてしまったのです。その後、こういう制度ができてきたんですね。

ただ、私は、目的税でこういう事業に取り組むという行政の姿勢は評価しています。途中でやめてしまいましたけれども、制度自体は評価している。

ただし、最初の頃の県民の要望のほとんどが丹沢大山の自然再生と生態系の維持だったんですよ。もちろん人工林の整備にお金をかけても、だれも反対はしませんよ。ただ、そういうものを目的の一つに掲げてほしいと。あのときは、新堀先生もご存じだと思いますけれども、1人当たり1,000円取ってもよいという意見が一番多かったのですよ。けれども、これはいくら何でも取りすぎだというので、少しずつ減らしていった。最初は100億ぐらいでしたよね。それから70億になって最終的には今の38億円になった。

ですから私は、この事業の目的のところに、ぜひ「丹沢の自然再生、生態系の維持と多様性の向上」というものを、1行の文章でいいから加えていただきたいと思うんですよ。それが最初の県民の要望を生かす道だと思うのですよね。

施策調査専門委員会のときにその意見を出しましたら、これは水の安定供給だから、だめだという言い方をされたのですが、この中を見ますと、個別の事業には、みんな書いてあるのです。生態系の維持とか、多様性の向上に寄与するとか、森林の公益的機能を発揮するとか、全部書いてある。ですから個別の事業に書いてあるものを何で目的として書けないのか理解しがたいところがありますので、私としては、もしそれがだめだというのであれば、もう一度、県民に対してアンケートを再実施してもよいのではないかという気がするんですね。

(田中委員長)
確かに中村委員から先の施策調査専門委員会でも同趣旨のご意見をいただきまして、私が主に答弁をしたんですが、結局、この水源環境保全税は、いわば先ほど座長がおっしゃられたように目的税ですよね。良好な水の安定的確保、これが第一目的です。したがって、これを第1位の旗頭にせざるを得ない。副次的あるいは第2次的効果として、生態系の保全や、あるいは豊かな生物相の確保に広がっていくと、こういう効果も入ってくる。したがって、それらはこの税目的からするとあくまでも副次的であることになります、。今、私たちが議論しているこの計画は、この税をいかに使うかという、そのためのいわば実行計画ですので、実行計画の目的は、やはり水の安定的、特によい水を安定的に確保する、ここに集中するのではないか、そういう回答を先の委員会で申し上げております。

今、繰り返し中村委員からそういうお話が出たので、これは県民会議としてまたどのように整理するかということがあるかと思いますけれども、一応そういうやりとりがあったということはご報告しておきます。

(堀場座長)
おそらく、田中委員長がおっしゃったことは、それをつくったときの目的の適切な表現かと思います。税目的の確認をしてみましたけれども、やはりそういう目的でつくるということが書いてありますし、表現にもそのような答弁がなされているということで、それを逆にモニターするために、全部この会議自体の目的の…………ですが、金澤前座長が、ここに座ったのもおそらく同じ目的で、同じことを述べたつもりでモニターしようということで税調が変えられたということです。

この全般的な導入、こういうのは多々お伺いしていますと、二、三回ですけれどもお伺いしていますと、こちらの部分もいろいろあるように思えますけれども、それはちょっと時間をかけて、恐らく第2期の実行計画をつくった上で、第3次に向けてそろそろ見直しといいますか、議論を改めてもう1回、戻ってやる時期になっているようにも感じます。これは、今日、明日の問題ではないという感じもしますので、いったん引き取らせていただきまして、自由にご議論いただければなと。

すみません。少し長くなりましたけれども、議題1ということで、第2期5か年計画の検討を作業として進めていかないと、実際としては施行できないという問題が生じてしまいますので、もし、お許しいただければ、先ほどの問題は別途、時間をかけて議論するとして、9月には第2期5か年計画の骨子案、12月には素案という形で議会に報告した上で、実際的な内容を組み込んでいくということでいかがでございますか。その際、先ほどから申し上げている県民会議のご意見を踏まえながら、検討してまいりますが、市民の代表の方、専門的な方がおいででございますけれども、知恵を出しながら、副座長のお知恵をお借りしながら、行政の方にも知恵を出していただいて、私も税調の座長の立場としては税金を取っていただいているわけですので、これが適切に使ってほしいという、その一言に尽きるかと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。

何か議論が、中途半端なことはわかっているのですけれども、問題が大きいので、誠に恐縮ですが、議題2に移らせていただければと思います。

それでは、議題2「施策調査専門委員会の検討状況」について、田中委員長よりお願いします。

(田中委員長)
それでは、資料2ですが、資料2-1、資料2-2、資料2-3が本日配付資料で、資料2-4というのが事前配付資料で、この4点がございます。施策調査専門委員会は8月2日に開催をいたしまして、主な議題は21年度調査の実績と、それから22年度にどういうことをやるかという、その本年度事業の確認を行いました。

資料2-1、資料2-2、資料2-3は本日お配りさせていただいておりますが、当日はかなり分厚い資料が出まして、内容について専門的あるいは多面的な点から、突っ込んだ議論をさせていただきました。

まず、資料2-1、資料2-2、資料2-3の3点をご紹介させていただきます。

これは、先ほどの大きな一覧表の資料でいきますと、11番に水環境モニタリング調査という項目がございまして、つまり対象とする水環境についてどういうモニタリングをし、その結果どういうことが行われているかという、そういう調査を含んでいるわけであります。

2-1は対照流域法による森林モニタリング調査というタイトルで、この趣旨やねらいは1番のところに書いてございますけれども、間伐等を行う森林整備の前後、つまり整備を行う前と整備を行った後の違いを対照することによって、水収支とか土砂の流出量であるとかといった、そういう整備による違いを分析して、森林整備の効果を把握するという、モニタリング調査でございます。

5か年計画に基づく実施スケジュールというのは、この1枚目のスケジュール表に書いてございますけれども、平成19年度から始まりまして21年度、22年度と、ちょうど中間点に来ているということでございます。対象地域は、4地域を設定しております。これは現場で具体的にモデル実験をやるものですから、それなりの一定の条件があるところが必要だということで、4地域を水源エリアの中に設定しておりまして、一番上から、宮ヶ瀬(大洞沢)、貝沢、ヌタノ沢、それからもう1カ所、最後酒匂川上流の、これは場所を今後、確定していくことになりますが、この4カ所でございます。

21年度の実績と22年度の予定ということで、枠に書いてございますけれども、具体的な内容は2ページのほうに出ておりますので、2ページを見ていただきたいと思います。

21年度は、最初に設定をしました大洞沢については常時観測ということで、水収支であるとか土砂の動態について観測モニタリングを行っております。それから貝沢、ここは平成20年度に設定をしたところでございますけれども、21年度に施設を設置して流量観測等を始めております。それからヌタノ沢は、これは事前調査を21年度は行いまして、地域の森林や土壌、地形等の測量調査等を行ったわけであります。こういう形で大洞沢については実験調査が始まり、貝沢については20年度から調査が始まって、ヌタノ沢は準備をしたと、こういうことになります。

22年度の計画は、さらにこれを進めていきまして、ヌタノ沢については観測施設を設置し観測を開始する。それから、既に設置してある大洞沢、貝沢については調査を継続することになります。さらに、もう一つ、22年度の作業の中で④番という総合解析の検討というのがございまして、少しずつ調査データが積み上がってきているものですから、こうしたモニタリングデータと既存データとを突き合わせた上で、大学の研究室と連携をしながら、具体的なシミュレーション予測であるとか個別のモニタリングを行ってみるという、総合解析も実施することを予定しております。少しずつ対照流域法の調査が進んできているというのが、2-1の資料でございます。

2-2は、人工林整備状況調査の資料でございます。これは同じく、水源保全地域のすべての人工林について実際に現地踏査をしたということでございまして、4万2,500カ所、約2万9,000ヘクタールを具体的に調査しました。

その結果が1枚目に出ておりますが、実際に現場を見まして、林内の状況であるとか、明るさ、植生、土壌、こういうものを実際に観測し、その上でランクづけをするというものでございます。ランクした結果は、書いてございますが、Aランク、これは林内が明るく、下層植生等も良好であるというところは実に3.4%。A´というAに準ずるところでございますが、これは、林内は明るいけれども下層植生が貧弱だというところは1.2%でございます。以下、Bランクが88%、Cランクが2.3%、Dランクが0.0%ということで、全体的に人工林の現況は非常に厳しい状況にあるということが、調査結果からわかってきたということでございます。

裏面には、今のは総合評価の結果ですが、ここでは森林整備であるとか、光環境、下層植生、土壌流出という4項目について、個別に具体的なランクづけをしているという結果が出ております。
以上が、これは人工林整備状況調査、森林調査でございます。

資料2-3が河川モニタリング調査、特に動植物調査の結果でございます。

これは19年度から、20年度、21年度と継続して河川における水質と生態系についての調査を行ってきたわけであります。特に21年度結果でございますが、1ページにございました酒匂川水系40地点におきまして、水質及び生態系調査、動植物調査を行ったということでございます。一覧表に書いてございますけれども、水質の傾向はかなり良好であったということ、動植物についてみれば、底生動物、魚類、両生類、鳥類、植物、付着藻類、こういう項目について調査し、それなりの生物生態が把握できたわけであります。例えば両生類でございますが、カエル、サンショウウオが生息していることが確認できたというところで、特にサンショウウオについては、源流に近い良好な水質のところで確認されているということでございます。

裏面のほうは、この時期に合わせて、県民の皆さんが川に入っていただいて調査をする、いわゆる県民参加型調査を行った、その概要です。

それから、平成22年度は何をするかということで、特に動植物調査については県民参加型調査を継続していくこと、それから河床、川底の底質について調査をするという調査計画を、記載させていただいております。

以上この3つのモニタリング、つまり対照流域法、森林整備状況調査、河川モニタリング調査、について施策調査専門委員会にご報告をいただき、質疑を行いました。

続いて、資料2-4をご覧いただきたいと思います。これは、先ほど一覧表で紹介ございましたけれども、特別対策事業の1番から9番までの個別事業の実績を主にまとめてございます。ご案内のとおり、年度末にかけて、この後、点検報告書のいわば内容にまとまっていくものでございます。

簡単に紹介いたしますと、例えば1番目は水源の森林づくり事業でございまして、1-3ページのところに、この事業実施の実績が載ってございます。例えば森林の確保事業、整備事業で、それぞれ1,400ヘクタール、あるいは2,300ヘクタール、事業の実績が上がったということです。それから「かながわ森林塾」、先ほどご質問がございましたけれども、修了者が何名である、あるいは就職者が何名といったデータが入ってございます。

それから、1-4あるいは1-5ページあたりに、5か年計画の中で見たときの実績、進捗率、その累計値が出てきておりまして、例えば事業量だけで見ますと、確保事業につきましても整備事業につきましても、大体この3か月で68%まで進捗している、ほぼ予定どおり5か年計画の中の68%ということですので、進捗しているという実態がわかっております。

同じように2-1ページ、丹沢大山の保全・再生事業ということで、これも組み立ては同じでございまして、21年度調査の概要ということで2-2、あるいは2-3ページあたりに、主にどういう調査をやったかということで、特にブナ林の立地環境であるとか衰退の実態調査といったことをやっておりまして、21年度実績については、2-3ページの一番上に、既存施設における観測の継続ということで、それぞれの地域でオゾン、あるいはブナハバチの発生の動向といったものを調べております。

そうした事業の結果の実績数値をまとめてみますと、2-4ページのような形になりますが、この中に土壌流失対策ということでいけば、実績率としては3か年で77%まで達している。それから、予算執行状況でいけば平成19年から21年までで5か年計画のうちの55%まで予算が執行されている。こういうデータが上がっております。

それから、渓畔林整備事業でございます。3-1ページに事業の概要が書いてございまして、21年度実績は3-2ページに記載してございますが、白石沢とか本谷川といったところで行い、その場所を3-3ページに記載してございます。

その結果、5か年計画における事業の進捗としては、概ね、択伐の森林整備は385%、非常に予定よりも大幅に進行している状況が見えております。逆に保護柵については77%、累計では129%、それから丸太等の設置では累計で25%という実態でございます。

以上、同じように4-1ページ、これは間伐材の搬出促進ということで、これも数字だけ紹介させていただきますと、4-3ページに5か年計画で見た場合の間伐搬出量、これは3か年累計で45%、予算執行としては58%に達しているという実態でございます。

それから、めくっていただきまして地域水源林、これもご質問いただいておりますが、地域水源林の支援ということで、実態としては5-2ページにどういう事業をやったか、私有林であったり、市町村有林であったり、こういうところを間伐したということ。それから具体的な整備の実態ということで、森林区分ごとに5か年実績で5-3ページに5か年計画の進捗状況、累計で30%から50%程度で、少し遅れているという実態が出ております。

めくっていただきまして6-1ページ、河川・水路における自然浄化対策ということで、河川・水路等の整備と直接浄化の2つの事業区分で行っておりまして、予算的には執行率が高くなっております。6-3ページに、19年から21年までの3カ年で80%の予算を執行されておりますけれども、箇所数としては延びていないところが記述されております。

7-1ページの地下水の保全対策も、組み立ては同じようでございまして、地下水保全対策を各地域で行っているということでございます。予算的な実績数値につきましては7-4ページに予算の執行状況の事例が出ております。

8がダム集水域における公共下水道整備ということで、特に相模原市の実績になるかと思いますが、8-2ページに対象地域における下水道の整備の進捗状況、それから予算の執行状況等が8-2、8-3ページに出ておりまして、取組として少し遅れているという実態が出ています。

最後、9番がダム集水域における合併処理浄化槽の整備促進ということで、主に対象地域としてはダム集水域ということで、相模原市域になるかと思います。実態としては9-2、9-3ページに数値が出ておりまして、予算の執行としてはおおむね順調に、3か年で84%まで執行されているという実態です。

以上、大きく分けまして、こうしたモニタリング関係の取り組みの調査についての検討と、それから、今、資料2-4のような形で9本の特別対策事業の進捗実績について専門委員会で確認し、検討いたしました。

以上でございます。

(堀場座長)
田中委員長、ありがとうございました。それでは、ご質問はございますか。

(岩渕委員)
2-1、2―2、2-3の調査がそれぞれ独立してやられているようなんですけれども、理想的には、例えばモニタリング調査のところの貝沢とかヌタノ沢で、次の2-2にあるBランクがAランクになったのでとか、Cランクのものが何%Bランクになったので、2-3の生物が減りましたとか増えましたとか、そういった流域を切り取ったような評価が理想的だと思うんですね。分布状況は分布状況で一つ、やはりそういった流域単位でどういう変化が森林整備によって生物に起こったかと、そういうのがまとめて必要だと思いますが、2-1の2ページのところに、先ほどご紹介があった4-④のところに、「また個別事業のモニタリング結果など既存データを用いて総合検討を行います」というのが、今、言ったようなそれぞれ独自に行っている調査を全部取りまとめた形で、その流域の動植物もひっくるめた形で評価をするという意味で書かれているのかどうか、ちょっと確認したいのですが。

(田中委員長)
それでは、私から、場合によっては自然環境保全センターから補足をしていただければと思います。まず、その3本の調査、それぞれ対象箇所が違っておりまして、今のお話のように、具体的に連携をするという形にできれば非常に理想的かなと私自身も思います。

ただ、例えば2-1の対照流域法というのは、これは現地に比較的類似の環境を設置して、他方は森林整備を行っている、他方はそのままに任せておきまして、お互いの違いを見ることで、どの程度、森林整備の効果があるかという一種の実験です。現場実験を行うと、こういう話でございます。実際、今、お話がありましたように、資料2-1の裏面にありますように、そういう実績が具体的に出てくれば、それを使って解析をしていくということの、そういう手順に移るということになるかと思います。シミュレーションを通して、その効果や具体的に水質改善や土砂流失の状況がどうなるかということをシミュレーションするということになるかと思います。

シミュレーションの具体的な内容については自然環境保全センターのほうが詳しく専門的に、私たちも実は専門委員会の席上でかなり質問はしたんですけれども、十分私どもも知悉しているわけではありませんので、自然環境保全センターのほうから補足をしていただければと思います。

(松田自然環境保全センター所長)
対照流域法というのは、かなり地域的に流域としては小流域として限られている場所で、今やっております。その中で、先ほど言いましたように森林の状況を、今、A、B、Cというようなランクですけれども、もっときめ細かい、逆に言うと植生調査なり樹木の調査をあわせてやっております。あと、生物相調査についても、逆に言うとかなり酒匂川の方でやられているようです。点としてはやられているんですけれども、逆に言うとエリアの中で生物相なりというのは、きめ細かく追っていく形になります。

ですから、どちらかというとこちらの人工林の整備状況調査というのは、ある意味ではマクロ的な感じの把握というふうに考えておりますので、マッチングできるのはもちろんマッチングするんですが、それよりも具体的な調査の中身としてはもう少し細かい調査をして、現況を押さえて、そこを森林整備をしてやった場合に、どんな形で水量に影響が出るのか、水質に影響が出るのか、生物相に影響が出るのかということを、今モニタリングでスタートし、始めているという状況です。

あとシミュレーション調査については、一方で、実際に限られた流域の中のデータでやっていたわけですが、最終的には雨が降って、それで表面に流れて、地下水に入って、一部は蒸発して還流していくわけですけれども、これをこの中ですべてのデータを把握することはできないのですが、ここにあるデータと、それとほかの大学の見識等も入れてパラメータを入れながら、できるだけ現況に合うような形で、水の収支はどういう形で、最終的に入ったものが地下水になり、表流水になり、あるいはすぐにいくものはどの程度なのか。そういうものもシミュレーションを合わせてやっていくということで、並行して大学の協力をいただきながらやっていくという形で、今、進めています。

以上です。

(堀場座長)
そのほか、何かご質問ございますか。

(岩渕委員)
施策調査専門委員会のときにも質問したのですが、水を供給する大もとにはやはり健全な生態系とか生物の多様性というお話が先ほどから出ていますけれども、私もそのとおりだと思います。しかし、そういう段階にいったかどうかという評価をするためには、やはり水と底生動物だけの厳密な調査だけでは不十分ではないかと。別のやり方でこれだけ多岐にわたる生物、動物の調査をしていますので、やはりそのデータは生かせるところは生かすべきじゃないかと思うのです。また新たに調査をしてくださいというわけではなくて、このデータを生かして、まとめ方を変えたらよいのではないかということなので、可能かなと思うんですが、いかがでしょう。

(松田自然環境保全センター所長)
マッチングできるところはデータを活用していくような形になろうかと思います。

(堀場座長)
その他、何かご質問ございますか。

(中村委員)
間伐材の搬出促進のところで基本的なことは先ほど質問しましたので、ちょっと細かい話で恐縮ですが、生産指導活動の推進というところで、経営指導や生産指導を行う指導員を2名配置し、と書いてありますね。相当な人数になると思います。それから、もう一つは、こういったところで搬出への働きかけや山土場での技術指導ということが書かれておりますと、相当な経験や知識の蓄積も必要だと思うんですが、どこからそういう人材を配置する計画があるのか、お聞かせいただきたい。

それから、地域水源林整備の支援ですね。ここも先ほど質問しましたので、細かい話で恐縮ですが、エリア内の林齢36年生以上の私有林と書いてありますね。35年生ではだめなのかとか、25年生ではだめなのかと。なぜ36年生以上と限定したのか、そこをお聞きしたいと思います。

それから、もう1点は、これも先ほど質問いたしましたが、私は、地域水源の中で地下水源に配慮した事業というのは、例えば私ですと地元の秦野市さんと、いろいろおつき合いがありまして、そこの地下水源に対する努力というものも承知しておりますので、これに対する事業の支援というものが私は必要だと思っているのですね。

ただ、そこの地域が地下水源にどのくらい頼っているのか。例えば秦野市では70%以上が自己水源で、その中でも地下水を相当利用しておりますよね。そういうところは積極的な支援があってしかるべきですが、それ以外の場所で、一体その市町村がどのくらい地下水源を利用しているのか。その辺をできれば示していただきたいなと思っています。

それから、最後になりますけれども、生態系に配慮した河川・水路等の整備というところで、これは農業用水路として利用しているところが相当あると思うんですね。これは私、公共事業の評価委員をしておりまして、正直言いまして、ここにこんな事業が必要かと思うものがたくさんございます。それは、事業計画そのものが何十年も前に計画されているんですね。

実際には、農業用地は事業計画を立てたときの3割減ではないのですよ。7割減ぐらいになっている。それでも事業だけは生きている。そういうところの水路整備に水源環境保全税まで使って水を浄化する必要があるのか。私は、これが事業そのものも、また、農業サイドの事業そのものも見直しが必要ではないか。その見直しの中で本当に必要なものであれば、目的税である水源環境保全税を充てるのも私は構わないと思いますが、やはりいろいろな角度からその事業を検証していただいて、必要かどうかというものを判断した上で、この目的税を使っていくべきではないかなという気がしておりますので、基準が一体どこで決まっているのか。

それから、もう一つは、私は公共事業の評価委員会のときでも意見を出しておりますけれども、農業用地だけではなく、最近は商業地や宅地も増えているので、水の氾濫を抑える目的もあるという話をいただいたことがあるのです。もし、そうであるならば、それは農政とか水源環境保全税で使うのではなくて、もし必要であれば、県土整備局とか、あるいは国土交通省に働きかけるような事業だと思うのですね。農業用の水路であるならばそれは県の予算でも構わないんですけれども、やはりそういった事業の整備とか見直しというものを基本的にやっていきませんと、38億円の目的税が本当に適切に使われているかどうか、県民に対してきちんとした説明ができないと思うのです。その辺の説明を、できたらお願いしたいと思います。

(服部森林再生課長)
私から、間伐材の搬出促進と高齢級間伐、この2点についてお答えをさせていただきます。
間伐材の搬出促進の生産指導をどのような人が行っているのかということですけれども、具体的に言えば、県森連の職員を充てています。その中でも、県森連が経営しています丸太の唯一の市場がございますけれども、そこで培った技術、経験、知識をもって、丸太であれば、どのように裁断して何に使っていくのか、そういったところの指導を現場で行っているということでございます。それから、高齢級間伐の36年生以上でないとだめなのかということですけれども、実は国の造林補助制度というのがございまして、35年生以下については、県としては国の造林補助金を使ってやっていただくと。36年以上は国の補助金がございませんので、それについては地域水源林の交付金の中で実施をしていただくという整理をさせていただいております。

(事務局)
それでは、2つありますが、1点目は市町村が地下水源を利用しているところの話ですが、私どもの整理では、湧水等を含めて地下水を主要な水道水源としている地域、何をもって主要かというのは、おおむね自分たちで調達できる水源の半分程度ぐらいが地下水であれば、地下水を主要な水道水源としている地域であると定義しています。

2点目は、農業用水の話がありましたけれども、私どもでは、農業用水とか市町村管理の河川という区分けをせずに、その河川自体が取水堰のところまで流れていくために水質の改善等が必要ですので、そこの河川整備に対して支援をしていくという整理をしています。ですから、農業用水だからだめということはありません。あくまでも市町村が提出してきた計画を県の方で調整し、決めさせていただいております。

(堀場座長)
よろしいですか、中村委員。

(中村委員)
要するに集水路に関係するということですか。

(事務局)
相模川と酒匂川の取水堰に関係している流域にある河川水路です。

(堀場座長)
よろしいですか。その他、ご質問ございませんか。

(井上委員)
資料2-4の8-2ページですけれども、6に5か年の整備進捗状況がありますが、この中の状況として、下水道の普及率、整備面積、進捗率が出ているわけですが、現実的に管渠に接続した調査はできないのでしょうか。結局、最終的に家庭から管渠に接続をしないと、費用対効果の面から効果が上がらないわけであって、もしそういう調査をしていないとするならば、調査をしてほしいと思います。

また、3年間のうちに接続をする義務というものがあるわけですから、それまでに接続をしなかった世帯がどのくらいあるかということも出すことはできるのですか。

(事務局)
今、井上委員が言われた接続をしていない部分の率ということですと、今、我々としては数字を持っておりませんので、市に確認をするような形になると思います。

(井上委員)
特に3年のうちに接続をしない世帯、その理由は何なのかということも、できたら調査をしていただきたいと思っています。これは法律に3年間で接続しなければいけないということ、それから、接続しない側には命ずることもできるという規定があるようですから、ぜひその辺のところのデータといいますか、調査をしていただきたいと思っております。

(堀場座長)
恐縮ですけれども、時間が押しておりますので、次に進みたいと思います。
なお、施策調査専門委員会では、今回ご報告いただいた内容をもとに、今後、点検結果報告書の21年度の実績版をまとめていただくということになっています。今、ご意見あるいはご質問等がございましたので、その点も踏まえてよろしくお願いいたします。

それでは、次の議題3「市民事業専門委員会の検討状況」に入る前に少し時間をいただきまして、市民事業専門委員会委員の選任を行いたいと思います。

市民事業専門委員会につきましては、当初5名の委員を選任しておりましたけれども、5月に蓮場委員が県民会議委員を辞任され、1名欠員となっているため、ここで新たな委員を選任いたしたいと思います。

お手元の資料3、県民会議設置要綱をご覧いただきますと、一番下の第6条第2項の規定がございまして、専門委員会の委員は座長が指名することになっておりますので、恐縮でございますが、私から指名させていただきたいと思います。

規則に従いまして、市民事業専門委員会の新委員につきましては、本日欠席されておられますけれども、齋藤委員に入っていただきたいと思っております。いかがでございましょうか。

(各委員了承)

(堀場座長)
ありがとうございました。それでは齋藤委員に入っていただくということでよろしくお願いいたします。
次に、議題3に入りたいと思います。「市民事業専門委員会の検討状況」につきまして、沼尾委員長よりご説明願います。

(沼尾委員長)
それでは、お手元にございます資料4-1から4-5を使いまして、ご説明をさせていただきます。

まず初めに資料4-1をご覧ください。この資料4-1は前回の県民会議でお示ししたものでして、今年度の市民事業専門委員会の活動について、ということで、(1)から(3)までの3つのことをやるということで、前回お話をしたものでございます。

1番目は次年度の支援補助金の選考を粛々と行うというものでございまして、本日のご報告に関わるのは次の(2)と(3)でして、(2)は、次期の5か年計画において市民事業の支援制度をどのように構築していくかという話ですね。それから、(3)は、11月に実施する市民事業交流会に関するご報告ということになります。

それで、その資料4-1の下にございますとおり、次期5か年計画の中で、この市民事業の支援のあり方をどのようにしていけばよいのかということを考えようと。現在の制度をこの時点で評価をして、その上で次期につなげていこうというご説明をさせていただいたかと思いますが、それを受けまして、先月の市民事業専門委員会でその内容について検討を行いました。

実際の評価の流れですけれども、3つの作業を行って、それをまとめることで、今後の制度のあり方に関して取りまとめを行い、年度末に報告書を提出しようということを考えております。

1つ目は、モニターグループによる評価です。2つ目が、それぞれの今、補助を受けている団体に自主的に、この制度の使い勝手はどうですかというようなことを評価していただくというもの。それから3つ目としては、事務局が補助実績、活動実績、そういったデータをお持ちですので、そうした資料に基づいて分析を行っていただくと。この3点セットを取りまとめまして、それらをもとに整理をしていきたいと考えております。

次回の県民会議が11月に開催される予定と聞いておりますので、次回までには、これらの①、②、③を踏まえて、市民事業専門委員会で、ある程度の大枠みたいなものをまとめた上で、中間とりまとめの案のようなものをお示しし、皆さんのご意見をいただきたいと考えております。

実際にモニターグループの評価をどのように行うかということで、資料4-2をご覧ください。市民事業支援制度評価シートということで、基本的なことについては前回のこの県民会議でもお示ししたかと思いますが、その内容について市民事業専門委員会で検討を行いました。

まず1ページから2ページのところで、ねらいや、制度評価の視点などが書かれているのですが、時間も限られていますので、3ページの実際の評価のシートを見ていただきながら、ご説明したいと思います。

この評価は、事業活動自体の評価と、制度の使い勝手の評価の2本柱からなっておりまして、事業活動については、補助金を受け取ったことによって、その団体の活動内容が広がったのかとか、新しい関係が構築され、事業に継続性が見られるかとか、団体が自立できているかとか、そういった今後の展望も含めて、こういった補助金がどのような成果をその団体の活動にもたらしたのだろうかと。そういった観点が一つですね。

それから、次の4ページは、このように補助を出したことで、実際に、森はどれくい手が入ったのかとか、河川・水路が親しみやすいものになったり、普及啓発プログラムとか調査研究の成果というのが、どのぐらい一定の域を持ったのかというような、その中身に関する評価というのが、その次でございます。

それから、5ページは、毎回、補助交付の審査会のときに団体さんからいろいろご意見をいただくところでもあるんですけれども、その申請の手続自体の書類が非常に細かくて大変だとか、あるいはもう少し金額がどうにかならないかとか、使い勝手がどうにかならないでしょうかとか、いろいろとご意見もいただくのですけれども、そのあたりのところについて率直なご意見をいただくというようなことが制度自体の利便性の話で、あともう一つは、交流会ですとか県のホームページを通じてその団体の活動を資金面以外からの支援をしていこうということもやっているんですけれども、そういうネットワークの構築のプログラムについてどう考えるかとか、そういった補助金の交付以外に団体さんがどういった支援というものを、この制度に期待をしているのかと。そういったことをこういう形で自由に記入をしていただいて、その上で、この制度をどのように展開させていくかということを考えていこうということで、このシートを、現在、補助を受けている団体や過去に受けていた団体にお配りをしているところです。

それが資料4-2でございまして、次が資料4-3でございます。

こちらは事業モニターの側でして、こちらの県民会議委員の方々にも、お声をかけさせていただいているかと思うんですけれども、実際に補助を受けていた団体さんのところの現地に行って、その成果や制度の使い勝手についてヒアリングをしていただいて、この資料4-2の評価シートも使っていただきながら、この市民事業支援補助の制度について実際に評価をしていただこうということで参加をしていただいているものでございます。

全部で5回、5日間日程を決めさせていただきまして、それで実は、既に8月8日に第1回を開催させていただきました。非常に多くの皆様にもご参加いただき、無事に調査を終えることができました。そのときにご参加いただいた皆様、あるいは手配してくださった事務局の方々、本当にありがとうございました。

そういった形で、今この評価シートを使いながら聞き取り調査というのを進めているような状況でございます。

この資料4-3の参加メンバーというのは、既に手を挙げてくださっている方のお名前をここに記載させていただいているのですけれども、ぜひ、今からでも大丈夫なので参加したいという方がいらっしゃいましたら、遠慮なく事務局にお申し出いただければと思います。

それで、次は資料4-4でございまして、これは事務局の資料をもとに、これまでの補助実績ですとか、活動実績について整理をしてくださっているもののサンプルでして、こうしたものをもとにして今後の支援のあり方というものを考えていきたいということになっております。

前回の8月8日に2カ所ヒアリングをしたところのイメージからすると、やはりこの補助金というものを受け取ったことで、活動自体は随分活発になり、いろいろ成果も上がっているということは伺えたのですけれども、他方で、やはり現地で地主さんとか地元の住民の方の理解を得るのが難しいであるとか、あるいは事務処理の手が足りなくて、なかなか事務手続が大変なので、そこの支援が欲しいですとか、あるいはなかなか若い人の参加が見込めなくて担い手をどうするかとか、あるいは安全面ですね。チェーンソーなどを扱う場合の安全面の問題があってとか、そのあたりの講習会のことですとか、あとボランティア保険ではチェーンソーの事故は効かないので、別途保険料が非常に高くかかるとか、そういう細かいことも含めていろいろなご意見をいただきまして、そういったことも含めて、今後、一つ一つそれをくみ取りながら、あり方というものを検討していきたいと考えているところです。

それから、最後に資料4-5でございますが、そういったことをそれはやっていくということで、もう一つの柱として、11月7日に、今、補助を受けている団体の中間報告会兼交流会というものを開催することを予定しております。そこに書いてあるとおり、11月7日の午後、場所はプロミティあつぎで自由参加ということで、今年度の補助を受けている23団体には参加を依頼しまして、ここで次期5か年計画の骨子案の説明を事務局からしていただくとともに、参加者の方たちに実際にこの市民事業制度はどうですかというようなことについてのグループディスカッションなどもさせていただきながら、皆さんで交流を深める機会になればいいかなと思っておりますので、よろしければ、ぜひご参加いただきたいということでございます。

私からは以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。大変詳細なご報告をしていただきました。

何かご質問ございましたら。よろしいですか。

それでは、市民事業支援制度の評価につきましては、皆さんご存じのとおり、大変な作業をしていただいております。今後とも制度をよくするためにご協力をお願いいたします。

それから、市民事業モニターにつきましては8月、9月という大変暑い時期を中心的に実施していただくということになりますので、お体を大切にしつつ、頑張っていただければと思っております。

次に、議題4に入らせていただきます。県民意見の集約・県民への情報提供ということで、事務局及び各作業チームのリーダーからご説明をいただきたいと思います。ご質問、ご意見につきましては、その後お受けいたしたいと思います。

(事務局)
初めに資料5につきまして、水源環境保全課からご説明させていただきます。こちらは第7回、第8回の県民フォーラムの意見に対する回答です。5月31日に県民会議から回答を求められたものであります。

1枚開いていただきますと、概要がございます。概要は左側の上の方の(1)森林の保全・再生事業に関すること、その下(2)水源環境への負荷軽減事業に関すること等の項目立てをして、主なものを拾っております。

それを1枚めくっていただきました3枚目以降、一番下にページ1と振ってありますが、これが出された意見の詳細の回答でございます。ちょっと時間の都合がございますので、内容の説明は省略させていただきます。後ほどご覧いただければと思います。

以上であります。

(堀場座長)
どうもありがとうございました。
引き続き、第9回県民フォーラムの結果につきまして、髙橋二三代委員よりご説明いただければと思います。

(髙橋(二)委員)
第9回県民フォーラム、県西地域フォーラムが7月29日木曜日、小田原市の「センターけやき」で行われまして参加者は105名でした。

第1回が19年10月、山北町で開催されて、こちらは対象地域である水源の山、湖、川がたくさんあるということで、多くの関心が集まりました。今回はテーマが「酒匂川流域から見た水源環境保全」ということで、このことで皆様がどの程度関心を持っていただけるかということをとても心配しておりましたが、やはりまだまだ県民の方の理解力というものが浸透していないなということを強く感じました。

この中のいろいろなことは資料にも書いてございますので、割愛させていただきますが、酒匂川について新しい知識を得られたということが、私たちとしてはとてもよかったなと思います。

以上でございます。

(堀場座長)
どうもありがとうございました。県民の皆様方に対する情報提供も我々の役目でございますので、今後ともよろしくお願いいたします。

続きまして、第10回県民フォーラム企画書(案)について、倉橋委員よりよろしくお願いいたします。

(倉橋委員)
第10回は山梨県で行うことになっておりまして、県外上流域対策ということで、今後、これから骨子案を含めて具体的対策を次期5か年計画の中に盛り込んでもらうためにも、山梨県でこの神奈川県の水源環境保全税を知ってもらうことから始めるということで開催する予定でいます。

山梨県ということで、何もツールがない中で、そしてまた時期的に短い期間でこの企画を進めておりまして、私もどれだけの人に周知できるか心配しているところです。日時は9月4日土曜日、1時半から3時半ということで、場所は大月市民会館の3階で行います。こちらは駅からは多少歩いて10分ちょっとで、300名ほど入る会場ですけれども、私も一体何人が来ていただけるのか非常に心配で、特に山梨県の方に来ていただきたいんですけれども、こちらからは皆さんに、ぜひ出向いていただかないと、グループディスカッションになりかねませんので、ぜひお願いしたい。

パネルディスカッションとしましては、コーディネーターを木平先生にお願いしておりまして、パネリストは私の所属する桂川・相模川流域協議会の代表幹事で、山梨の代表幹事でもあります河西悦子さん、それから、もう1名は多摩川源流研究所所長の中村文明さんですけれども、こちらは多摩川と書いてありますけれども、小菅村でして、多摩川がほとんどなんですけれども、桂川にも集水域がありますので、特に多摩川を中心として東京都とやっていますので、そちらの上下流の活動の内容をお話ししていただければと思っております。

それから、田所正晴さんは、神奈川県環境科学センターの専門研究員ですけれども、特に専門家としてアオコの問題をお話ししていただければと思っております。

ちょっと順番が逆になりましたけれども、今回の山梨で行う目的としては、テーマを桂川の水が神奈川県民の飲み水であることをご存じですかということで、山梨県民に神奈川の水源環境保全・再生施策や水源環境保全税のことを説明することになっています。特に一番問題になっているのは、県境を越えて何ができるかということですね。この税が本当に県境を越えて生かせるのかということがキーワードになっていくと思います。山梨での第1回目となりますが、山梨の方たちが、自分たちにとってメリットがあるのかどうかということがポイントになると思っておりますので、そこを皆さんにもぜひ考えていただきたいと思っております。

ちょっと雑駁ですけれども、ぜひ皆さん、9月4日には自分ともう1人ぐらい連れて山梨まで行ってください。お願いいたします。

(堀場座長)
どうもありがとうございました。山梨県民の方々に我々のこの活動をぜひアピールしてきていただければと思っておりますし、協力関係が必要だということはもう皆さん認識していると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

引き続き、第11回県民フォーラムに関してですが、日程が決まったということで、井伊委員より口頭でご説明いただきます。

(井伊委員)
横浜・川崎地域の県民フォーラムチームの井伊でございます。
前回、第7回は横浜でやりましたので、今回は川崎でやるということで、今、計画を進めております。

場所は、川崎市にございます総合自治会館というところで、10月24日、日曜日の午後を予定しております。内容としましては、「私たちの水はどこから来るのか」ということで、どうしても川崎・横浜地域は参加率が低く、参加人数が少ないということがございましたので、その辺を周知し、水に関心を持ってもらうということと、この水源環境保全税のことを周知していくという、その辺のところを少しずつやっていこうかなということで、今、計画をいろいろ練っております。

形式としては、やはりパネリストの方々に議論をしてもらって、それに対して、県民の意見をいただくということを考えております。コーディネーターですけれども、やはり、この水源環境保全・再生の取り組みについて、知見を持たれているこの会議の有識者の先生にぜひお願いしたいと思っておりますので、私のチームからお願いにまいりますので、ぜひ協力をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

(堀場座長)
よろしくお願いいたします。
引き続き、事業モニターの実施予定等につきまして、高橋弘二委員にご説明いただきたいと思います。

(高橋(弘)委員)
それでは、平成22年度事業モニターについてご説明します。

事業モニターは、水チームと森チームの2つに分かれておりますが、水チームの第1回目は8月6日、特別対策事業6番の河川・水路における自然浄化対策の推進事業についてモニターしてまいりました。

大きく分けまして、生態系に配慮した河川・水路等の整備ということで、小田原市の鬼柳桑原排水路と栢山排水路、それから2番目として河川・水路等における直接浄化対策事業として開成町、このどちらとも2年前にモニターしておりまして、その後、どういう経過をたどっているか、事業の効果が維持あるいは向上しているかという点からの評価も行ってまいりました。

両地区とも水質浄化効果という点からは余り明確な判定、評価はできませんでしたが、どちらも外から見ただけでも生き物関係はかなり見られましたし、生物多様性という点から非常に向上し、増大しているのではないかという評価ができました。

ただ問題といたしましては、どちらの水路におきましても生活排水の流入が考えられ、実際に起こっているということで、この流入汚濁負荷の削減というのは今後の問題ではないだろうかと思われます。

下水道整備区域においては、幹線が整備されていても、そこに家庭からの排水の接続がすべて終わっていない。それから、市街化調整区域にあっては単独浄化槽のままで、合併浄化槽への切り替えが行われていないということで、処理性能の芳しくない単独浄化槽からの処理水と未処理の家庭雑排水がこの水路に流れ込んでいるという現実があります。

それともう一つ、こういう事業を行うに当たって地元の住民あるいは環境団体に対して、計画の段階からどれだけ説明が行われていたかということです。今回も地元の人からかなり批判的な意見を聞きました。計画の段階において地元に対して十分な説明が行われていなかったのではないだろうかという気がいたしました。

それから、特に生態系に配慮した河川改修工事においては、水質浄化効果がどう変わったかというよりも、生態系を配慮して生物多様性がどう変わってきたかというような面からの評価が大事であって、BOD1.1ppmが1.2ppmになった、あるいは0.8ppmになったという評価よりも、生き物がどれだけ増えたかという点からの評価が大事ではないかというのが、第1回目のモニタリングに参加した皆さんのご意見でした。

それで、次回の予定ですが、資料7では第4回目は実施時期が未定となっておりますが、これが9月15日、対象としては地下水保全対策の推進ということで、中井町、大井町の地下水をモニターする予定になっております。

水チームとしては以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。資料7の裏面にございますとおり、大変厳しいスケジュールで回っていただきまして、その上でいろんなご意見を聴取していただいたようでございますので、お礼申し上げます。

引き続き、県民会議ニュースレター「しずくちゃん便り」の配布予定ということで、北村委員よりご説明いただければと思います。

(北村委員)
それではコミュニケーションチームの資料8です。

前回の会議でお願いいたしました「しずくちゃん便り」の配布先の見直しについてですが、主に県民会議委員の皆さんに積極的に配布なり活用していただけないだろうかということで、その見直し結果がこれに出ております。

1番の県民会議委員の配布数は1,332部ということで、従来が670部でしたから、倍ぐらいの数字になっておりまして、皆さんの積極的な意欲に本当に感謝しています。ぜひ関連先なりに配っていただいて、積極的に活用していただければと思います。

それから、新規の配布先として13番、市町村支援センターに配布してはどうだろうかというご意見がございましたので、これにつきましては95部、新たに配布するということで、合計では4,800部となります。従来が3,800部ですから1,000部増刷してお配りするということで、少しでも県民の皆さんに周知徹底できればいいなと思っていますので、ぜひ、引き続きご協力をお願いしたいと思います。

2番目は、次回の「しずくちゃん便り」第17号ですが、この発行を9月中旬に予定しています。先ほど水チームの高橋弘二委員からお話がありましたけれども、8月6日に実施した小田原市、開成町の河川・水路の自然浄化対策について掲載したいと思っています。これは先ほどもありましたけれども、平成20年7月31日付けの第2号で掲載していますが、その後、進捗状況がどうなっているのか、こういうことも踏まえまして各委員の意見を取りまとめて、どういうふうになったかという、各委員の意見をここには掲載していきたいなと思っております。

最後に3番目ですが、先ほど沼尾委員長からお話がありました市民事業モニターが、8月、9月で5回行われますけれども、できましたら、どういう団体が活動しているかということも「しずくちゃん便り」に掲載できればいいと思っておりますので、そういう面も関係者の方と検討していきたいと思っております。

以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします。作業チームの皆様方、大変ご苦労さまでした。今後とも期待しております。

それでは引き続き、最後にその他の事項ですけれども、3点ほどございます。

1点目に関しましては、前回の県民会議において、制度の検討及び事務局のあり方についてご発言がございましたけれども、引き続き、この問題を検討していかなければならないだろうと思っておりますので、意見交換を次回以降にするということで、本日は引き取らせていただきたいと思います。

2点目でございますが、県民会議委員の退任について、ご報告させていただきたいと思います。神奈川県町村会の瀬戸委員でございますが、去る7月11日に行われました山北町の町長選挙の結果を受けまして、7月21日に山北町長をご退任されております。県民会議委員につきましてもご退任ということでございますので、ご報告させていただきます。なお、瀬戸委員の後任につきましては神奈川県町村会より山北町の湯川町長をご推薦いただいており、現在、事務局で委嘱の手続を進めているところでございます。

3点目は、次回の県民会議の日程でございますが、11月下旬を予定しております。日時、会場につきましては、決まり次第、またご連絡させていただきます。

以上で議題はすべて終わりましたけれども、かなり重い議論もございましたので大幅に予定時間を超過しております。全体を通しまして何か質問ございますか。

(柳川委員)
増田さんが質問した件ですが、後ほどとおっしゃった。

(堀場座長)
できましたら、次回以降に改めて議論したいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、時間もかなりオーバーをいたしましたので、本日はこれで閉会いたしたいと思います。

このページの先頭へ戻る

会議資料

資料1 現行5か年計画の課題と対応方向

資料2-1 対照流域法等による森林のモニタリング調査

資料2-2 平成21年度人工林整備状況調査の結果概要

資料2-3 平成21年度河川のモニタリング調査結果の概要、河川のモニタリング調査実施計画

資料2-4_1 特別対策事業の平成21年度実績・22年度計画(1)

資料2-4_2 特別対策事業の平成21年度実績・22年度計画(2)

資料2-4_3 特別対策事業の平成21年度実績・22年度計画(3)

資料3 水源環境保全・再生かながわ県民会議設置要綱

資料4-1 市民事業専門委員会の検討状況について

資料4-2 市民事業支援制度評価シート

資料4-3 事業モニター実施計画

資料4-4 事務局による分析

資料4-5 平成22年度市民事業交流会(中間報告会)企画書

資料5 第7回・第8回県民フォーラム意見報告書に対する県の回答

資料6 第9回県民フォーラムチラシ、第10回県民フォーラム企画書(案)

資料6-2 第9回県民フォーラム結果報告

資料7 事業モニター実施予定、事業モニター水チーム実施結果

資料8 県民会議ニュースレター「しずくちゃん便り」配布予定

資料9 水源環境保全・再生施策における県外上流域対策(山梨県)の調整状況

このページの先頭へ戻る

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。