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更新日:2024年4月18日

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神奈川県再犯防止推進会議の審議結果(令和5年度第4回)

会議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

神奈川県再犯防止推進会議

開催日時

令和6年2月5日(月曜日)14時から16時30分まで

開催場所

よこはま新港合同庁舎4階 横浜保護観察所 研修会議室(横浜市中区新港1ー6ー1)

出席者

小西 暁和、德田 暁、上野 成雄、大津留 寿弥、鍛治 龍男、山添 聖可(代理:玉井 清一)、山口 貴亮、関口 靖彦、栁川 義信、松世 三重子、小川 めぐみ、志村 宗男、田中 一哉、長澤 里香(代理:竹内 政昭)、山下 康、伊部 智隆、近藤 綾子〔計17名(順不同、敬称略)〕

次回開催予定日

令和6年7月頃

掲載形式

  • 議事録

会議経過

1開会

(事務局から委員の出欠状況を報告)

2あいさつ

(笠井地域福祉課長)

3議事

(1)神奈川県再犯防止推進計画[第2期]案について

(小西座長)
 本日は、大変お足元の悪い中お集まりいただきありがとうございます。
先ほど笠井課長からもお話がございましたが、いよいよ第4回目ということで、これまでの議論を踏まえ、取りまとめていく大詰めの段階になりました。
 今回出席されておられる委員の皆様からの最終的なご意見をいただくとともに、今後の展望について、各機関、団体の皆様からお話をいただいて情報共有しながら、次期計画を踏まえて、今後どのように展開していくのかということにつながっていくような会議にしていければと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
 では早速ですが議事を進めさせていただきます。神奈川県再犯防止推進計画[第2期]案について、事務局からご説明をお願いいたします。

<事務局より資料「神奈川県再犯防止推進計画[第2期](案)」について説明>

(小西座長)
 ありがとうございます。ただいま事務局からパブリックコメントの実施結果、そして計画案の素案からの変更点について詳細にご説明をいただきました。既にパブリックコメントを経ているため、大きな修正は難しい段階にはございますが、委員の皆様からのご意見をいただいていきたいと思います。
 全体をいくつか区切りながら確認等を進めていきたいと思います。まず、第1章の「計画の概要」についてですが、計画改定の趣旨、国、都道府県、市町村の役割とそれぞれの分担、また神奈川県におけるともに生きる社会かながわ憲章、当事者目線の障害福祉推進条例等を踏まえながら、立ち直ろうとしている者の意見を反映する等、第2期の計画では新たに取り込んでいくという内容になっております。最初の第1章の部分について、何かお気づきの点等はございますか。
 非常に細かくて恐縮ですが、9ページの流れ図の※印、「2024年(令和6年)年」と年が2つあるので、1つ削ったほうがいいと思いました。第1章について、他にご意見はよろしいでしょうか。
 続きまして、第2章についてです。神奈川県における再犯防止を取り巻く状況について、県警、検察、矯正、更生保護の観点から、かなり詳細にグラフが示されているかと思います。また、第3章「施策の展開」の数値的な根拠としても、非常に重要な意味のある章でございますが、この章に関して何かお気づきの点等はございますか。この点も既に事務局の方でいろいろとご意見を反映させているので、特にはよろしいでしょうか。
 では続けて、第3章「施策の展開」についてですね。まず、「就労・住居の確保」に関して、お気づきの点はございますか。
 私の気づいた点を幾つかお伝えします。24ページの「現状と課題」の4段落目の3行目、「また職場定着支援が終了後も」とあるところを「また職場定着支援が終了した後も」としたほうがいいかなと思ったところが1つ。また、細かくて恐縮ですが、就労支援事業者機構様に書いていただいた26ページの取組事例、3段落目の下から2行目、「働く人と接するなかで」とあるところを「働く人と接するなかでの」としたほうが文法的にしっくりくるかなと感じました。あと、27ページのハローワーク様の取組事例ですが、最初の2行目の「禁固」の「固」は、73ページの用語解説にも記載されていますが、金偏の「錮」になりますので、今後統一した方がいいかなと思ったところが1つ。あと、同じくハローワーク様の4段落目、「横浜刑務所、横須賀刑務支所」が正しいかと思いますので、「支」という字を入れておかれるとよろしいかと思います。あと、28ページの「住居の確保」の「現状と課題」の2段落目の4行目が、「生活基盤を確保に向け」となっていますので「を」ではなく「の」がよろしいかなと思います。
 他にご意見はよろしいでしょうか。
 次に31ページ以下、「保健医療・福祉サービスの利用の促進」の「高齢者または障害のある者への支援」と「薬物依存の問題を抱える者への支援等」についてですが、新たな記載内容があるとともに、「かながわ依存症ポータルサイト」や「依存症対応のヒント 家族のためのワークブック」のQRコード等も掲載し、計画を読まれた方がアクセスしやすくしたという工夫もございます。
 この「保健医療・福祉サービスの利用の促進」についても、意見はよろしいでしょうか。気になったのが、31ページの「現状と課題」の3段落目で「県は、」から始まる段落ですけれども、2文目の「令和3年度の」という部分は、上では西暦括弧元号の順番で年を記載しているので、ここも統一するような形にした方がいいかなと思いました。他にはよろしいでしょうか。
 37ページでは、我が国における依存症治療をリードしてきた神奈川県立精神医療センターのプログラムについて詳細に記載していただいていますので、非常にわかりやすく、県民の皆様にも見ていただけるのではないかなと思います。
 38ページからが「非行の防止等」ということで、非行防止のための取組について記載されていて、続けて、「犯罪をした者等の特性及び個々の課題に応じた効果的な支援」では、先ほどもお話がございましたが、性犯罪をした者への対応について、これまでのご意見等も踏まえながら、厚めに記載したというふうなことになっております。また久里浜少年院における、社会貢献活動や発達上の課題を有する在院者に対する処遇プログラム実施ガイドライン等も、県民の皆様に写真等も掲載しながらわかりやすく記載されていると思います。この部分に関してもよろしいでしょうか。
 では続けて45ページからの「民間協力者の活動の促進等」についてですが、「民間協力者の活動の促進及び連携」では、保護司活動への支援等も新たに記載するということになりました。それぞれの更生保護ボランティアの皆様の活動についても、写真も交えながら、掲載をするということになっております。また、51ページ以下の「広報・啓発活動の推進」についても、“社会を明るくする運動”の展開や矯正展のコロナ後の新たな動き等について記載していただいています。この部分に関してもよろしいでしょうか。
 次に56ページからの「市町村への支援とネットワークの構築」についてです。こちらは、第2期の推進計画において重要な柱の一つでもございますが、こちらについて何かお気づきの点はありますでしょうか。
 細かいところですが、56ページの「現状と課題」の2段落目の5行目の「また」から始まる文、「刑事司法手続き後も」という部分ですが、上の文章では「き」がないので、ここも合わせて「き」を取った方がいいのではないかなというところが1つ。次の57ページの1行目2行目ですが、「再犯防止に関する取組等に関する」というふうに「関する」が2回出てきてわかりづらいので、「再犯防止に関する取組等について」と変えたほうがいいかなと思います。ここの柱のところもよろしいでしょうか。
 そのあと入口支援について説明が載っておりますが、この部分もよろしいでしょうか。1点、恐縮ですが、61ページのグラフの左上に「処理件数」と大きく記載がありますが、上に括弧書きで「神奈川県における事件の処理件数について」と書いてあるので、これを取った方が逆にわかりやすくなるかなと思います。あと、61ページの下から4行目の「支援スキームや具体的な手続き」の「き」も先ほどと合わせて取ってしまった方がいいかなと思います。あと、62ページ「被疑者等支援業務」の最初の段落の年号の記載も他と合わせた方が、全体として統一感が出るかなと思います。
 第4章以下についてですが、こちらは、計画の推進体制と、あとは法律の条文と用語の解説というところですが、ここも特にはよろしいでしょうか。

(鍛治委員)
 少し戻るのですが、18ページから基本的に縦軸に人数やパーセント、横軸に年を書いているところなんですけれども、人数について気になるところがありました。まず1つは「(7)窃盗の罪により受刑した者の状況」の人数がマイナス10から始まってるので、これはきちんと0にそろえておく方がいいかなと思いました。あと、19、20、23ページあたりのグラフは、人数やパーセントの基準の部分が、それ以外のものは全て0になってたんですけれども、ものによって400から始まっていたり、100から始まっていたり、10%から始まっていたり、20%から始まっていたりというところが見受けられました。微妙な差の推移を見るためにあえてそうした方が見やすくなる場合もありますが、その一方で、見た人をミスリードしてしまうような懸念があると感じています。
 例えば、私の感覚で言いますと、「(10)成人受刑者の就学状況」とか、「(11)少年院入院者の就学状況」あたりは、そんなに見た目も大きく変わらないので0から始めたらいいのかなというふうに思いますし、その一方で、「(9)刑事施設入所時に無職である者の状況」だとか、23ページの「(5)保護司の状況」等は、微妙な変化を強調したいのであればこのままでもいいのかなと思いますが、そのあたりを再検討していただければと思います。

(小西座長)
 ありがとうございます。重要なご提案かと思いますので、事務局におかれましては、ご検討をお願いいたします。

(山下委員)
 ページ数で言うと28ページになりますけど、「住居の確保」の「現状と課題」の2段落目の4行目です。「居住支援法人との連携を進めてきました」と書いてあります。その結果、一定の効果があるというような記載があるのですが、これに加えて、神奈川県居住支援協議会では、各専門機関をつなぐ役割を担う人材を育成するために、居住支援コーディネーターの育成研修を行っています。第2回目が来週またあるんですけども、居住支援と各関係機関をつなぐコーディネーターの育成をしてるといった事実もありますし、非常にこれは大きな取組になってくると思いますので、「現状と課題」の中に入れていただいた方がいいのかなと思っています。

(小西座長)
 ありがとうございます。これにつきましても事務局においては、ご検討をお願いいたします。全体的によろしいでしょうか。では、先ほど委員お二方からもご意見をいただきましたが、こちらを踏まえてまた、検討修正の上、議会に提出というふうな形で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 事務局の方からもお話がございましたが、また先ほども私の方からも触れましたが、今後この市町村とのネットワークの構築というのが、この第2期計画においては非常に重要な点になろうかと思います。その点について、ぜひ今回ご出席いただいている委員の皆様から、今後市町村とどのように連携していきたいのかということについて、何かご意見等ございましたらお話いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。順番にご発言いただければと思いますが、まず竹内代理お願いいたします。

(竹内委員)
 長澤委員の代理の竹内と申します。よろしくお願いします。
 今後の市町村との連携という話ですが、当機構では資料にもありますように職場体験事業を実施していまして、当初はジャンピアの助成がありましたが、3年間の助成期間が過ぎたことから今は自己資金で活動していることから、その資金確保に苦慮しているところで、ぜひとも市町村の協力を得たいと強く願っているところです。既に横浜市とは協議をさせていただいていますが、引き続き話を進めていきたいと考えております。
 また協力雇用主の関係でいきますと、私どもの事業は、どうしても協力雇用主の方々の協力がなくしては達成できないものでございます。現在、当機構は神奈川県から委託を受け、この事業を進めているところですが、さらに充実させたいということで、できれば各市町村が例えば入札参加資格関係で協力雇用主に優遇措置を付与する制度が全市町村にできますと、協力雇用主の数が増えてくる可能性もありますので、そうした働き掛けも進めていきたいなと思います。

(小西座長)
 ありがとうございます。協力雇用主の数を増やしていくことは重要なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。では続けて関口委員、お願いいたします。

(関口委員)
 神奈川労働局関口です。私どもは、国の機関になります。27ページに国の取組ということで、今回入れていただきました。
 国の事業としまして、刑務所出所者等就労支援事業というものがございます。こちらの方で関係機関等と連携を取っているのですが、特に横浜刑務所さんの方でハローワークの職員が直接出向いて、職業相談等を実際にやっております。今年度から久里浜少年院でも同じようにやっているところです。
 出所までに就職が決まる方を1人でも多く増やしていくということに加えて、ハローワークとしましては、協力雇用主を増やす取組の中で、何かお手伝いができないのかと思っております。ハローワークでは仕事探しもそうなんですけども、会社の方々との接点も非常に多くございます。具体的に何ができるかというと、なかなか難しい部分もあるのですが、ハローワークのホームページ等で、求職者だけではなく、企業の方もかなりご覧になっていますので、例えば法務省さんの協力雇用主のホームページにリンクを貼って、反応を見てみるですとか、具体的にできるところから、何かお役に立てることはないかと考えております。逆に、こういうところにリンクを貼ってもらえないか等ご要望があれば、ぜひお話を頂戴できれば、検討させていただきたいと考えております。

(小西座長)
 ありがとうございます。協力雇用主の増加にも、ハローワークとしても上手く協力していきたいというお話が出ました。では続けて山下委員、お願いします。

(山下委員)
 地域生活定着支援センターの立場で市町村との連携というと仕事そのものが全てなので、具体的にどうというようなところは個別になってしまいますけれども、私としては、神奈川県としての再犯防止推進計画をどのような形で各都道府県に広げていくのかということの議論が必要じゃないかなと思っています。

(小西座長)
 ありがとうございます。では次に山口委員、お願いいたします。

(山口委員)
 まず推進計画の取りまとめにつきましては座長をはじめとしまして、事務局の皆さんが大変充実した内容の取組をしていただきましたことを感謝申し上げます。当庁から提案させていただきました意見等につきましても計画案に反映していただいておりまして、入口支援につきましても記載内容等を充実させていただきましてどうもありがとうございました。また今回、計画案自体に反映されなかった事柄につきましても今後の取組の参考としていただけるということですのでどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 私どもとしては、推進計画の今後の取組の参考として2点ほどお願いとご参考のご提案をさせていただきたいと思っております。
 1点目は神奈川県地域生活定着支援センターの人的物的体制をさらに拡充していただけたらということでございます。地域生活定着支援センターはご案内のとおり検察庁の入口支援におきましても、保護観察所に更生緊急保護を要請する際に高齢、障がいの方々とか生活環境の調整が必要である方々等については、保護観察所と定着支援センターとで連携をして、被疑者の処分が決定する前に面談をしていただいたり、釈放後も比較的長期な支援を行っていただく等、被疑者の支援の成果を上げていただいていると認識しているところでございます。昨今生活環境調整が必要な対象者が増えておりますので、地域生活定着支援センターの体制のさらなる拡充、予算要求等も含めましてお願いできたらと思っているところでございます。
 2点目は、ちょっとしたご提案でございますが、再犯防止推進計画におきまして、神奈川県としてどのような施策を講じ、どのような取組実績があり、それがどのような成果が上がったかという検証を今後されていくことと思いますので、その際に例えば、進行管理表のようなものを作っていただいて、施策番号ごとに関連する施策や事業内容の概要とか、取組実績等を記載して、この達成度を評価するような方法等を採用してはいかがかというご提案でございます。施策やその取組の実績や達成度との効果検証は、充実いたしますと検証結果と踏まえた政策の次のステップに展開することができますので、この点を参考としていただけたらと思っております。
 それから、座長からご質問がありました今後の市町村との連携ということでございますが、当庁では、検察庁の入口支援につきまして、横浜市等の政令市の福祉の担当部署等に説明する等しているところでございますが、依然として検察庁の入口支援につきましては、市町村の窓口の福祉担当者の方々には、周知が足りていないと認識しているところでございます。もちろん我々の努力不足のところでございますが、そのため今後支援対象者から、例えば、横浜地検の社会福祉アドバイザーが生活保護受給状況等を市町村の方々に照会した際に、対象者からは個人情報開示の同意書を取っているにもかかわらず、市町村の福祉担当者の方々からは電話では回答できないので書面で照会してくださいと言われてしまったり、自治体の福祉機関からは、うちでは犯罪者を受け入れることはできませんと言って断られてしまったりするようなケースがございます。ですので、私共も市町村の福祉担当者の方々とスムーズな連携をして入口支援を行うためにもご理解周知等が必要だなと考えているところでございます。
 具体的には、今年の2月20日に、当庁におきまして、各市町村の担当者の方々にも参加していただきまして、当庁主催の入口支援関係機関会議というのを開催する予定でございます。ですので、こちらの方で当庁の入口支援について説明させていただきますとともに、まず窓口担当者の方々にも周知させていただきたいと考えているところでございます。
 また市町村の福祉の担当の方々の出席する横浜地検主体の対象者のケア会議、これは個別の事件の話になりますけれども、そういうケア会議の際とか、生活保護申請のために当庁が市町村の窓口に対象者の方々と同行する際には、担当者に、お手元にお配りしておりますこのようなリーフレットをお渡しいたしまして、検察庁の入口支援についてご説明するというような取組をしていきたいと考えているところでございます。
 当方の今年度と今後の取組につきましては先ほど申し上げたような、入口支援機関会議やその個別の事件での周知広報をさせていただきますとともに今後の取組としましては、神奈川県の地域生活定着支援センターと連携しまして、一定程度、入口支援の効果を上げているところでございますので、引き続き他機関との間で、対象者やその支援方法等の情報を共有した上で、最善の支援方法等を検討する等して連携し、効果的な入口支援を行っていきたいと考えているところでございます。

(小西座長)
 ありがとうございます。ご提案として地域生活定着支援センターの人的物的支援に関する拡充と、今後の計画の効果検証の必要性についてお話いただきました。地域の市町村との連携という点では、地検が主催される入口支援関係機関会議というのが、2月20日に行われる予定ということで、かなり積極的に市町村との連携を進めておられることがよくわかりました。ありがとうございます。では続きまして玉井代理、お願いいたします。

(玉井委員)
 久里浜少年院としては、社会貢献活動に力を入れています。今年の1月にも横須賀市等々の団体において、蘭の花を育てたものについて贈呈式をさせていただきました。贈呈先については、少年院のすぐ近くの施設もそうなのですが、それを問わず県内いろんな地域の団体の方等に贈呈しております。あまり多くありませんので、たくさんの数はなかなかできないのですが、1年かけて生徒に育てさせたものをいろんな施設の方に届けて気持ちを楽にしていただく一助にしていただければということでやっています。蘭を育てることで、自分が実際に手をかけて育てるものが一般の方たちの心に何らかの形で響くというようなことを実感できるということで、改善更生についても大きな意味を持っていますので、これを継続していきたいと思っています。
 再犯防止のところについては、少年院の活動そのものが非行性の除去というところになりますので、その辺のところについて先ほどご紹介がありましたが、発達上の課題を有する在院者が増えてきていますので、その辺に対する指導を念入りにやっていきたいなというふうに考えています。

(小西座長)
 ありがとうございます。計画の43ページにもございますが、蘭の花を育てて寄贈するということで、寄贈先も児童養護施設、外国人支援施設とか、小児医療専門病院とか、難民支援団体施設等、幅広くいろいろな民間の団体へ寄贈されていて、いろいろな領域の方たちにも少年院における矯正教育の意義等について理解が深まっていくような活動ではないかと拝読しながらも思いました。では続けて鍛冶委員お願いいたします。

(鍛冶委員)
 横浜少年鑑別所は、この計画の58ページにもありますように、地域援助業務として、地域の非行犯罪の防止に関する様々な活動を行っております。こちらには、割とざっくばらんに実情を踏まえた形でご紹介させていただいております。
 今私が思っている課題としましては、まだ県内全域と思って考えると、認知度があまり高くないと思っています。あともう1つ、それに反するようなところではありますが、法務省は、かなりマンパワー的に脆弱なところがありまして、実際のところ全職員が50数名で、この業務をメインで担当している者も数名というようなところで県内全域を担当するっていうようなところがあるので、こうした限りある資源をどこに注力するかというところは課題に思っています。
 国の機関ですので、県との関係を通じていろんな県内各自治体とつながりを考えているのですが、県の福祉子どもみらい局の子どもみらい部が所管されている神奈川県子ども・若者支援連携会議っていうのがあるんですね。それが県内5つのブロックに分かれて、それぞれのブロックで会議をしておりまして、私たちの横浜少年鑑別所はもともとその所在地である横浜川崎地域ブロックにだけ入っていたのですが、来年度から残りの横須賀三浦地域、湘南地域、相模原県央地域、県西地域の全てのブロックに会議のメンバーとして入れていただくことになりましたので、そういったところを通じて各エリアの自治体の方々と顔の見える関係を築いていきたいと思っております。
 それから、マンパワーが足りないところをどうするかというところは、児童相談所や県警の少年相談保護センター等との連携も強化していく必要があるかと考えています。と申しますのは、実際いろいろなところからも相談の電話をいただくのですが、結局皆さん自宅から近いところを好まれる傾向にあるかなと思っています。児童相談所は県内15か所ありますし、県警の少年相談保護センターは8か所あります。それぞれの機関で対象になる年齢等が少し違いがあるんですけれども、うまく連携をしていければいいなと考えております。

(小西座長)
 ありがとうございます。法務少年支援センターは、実際には年齢制限なく幅広く地域援助業務を展開されておられるとのご紹介をいただきました。では、大津留委員お願いします。

(大津留委員)
 市町村との連携というところでいうと32ページのところにも書いてあるのですが、この内容を詳しく説明と言いますか、今後拡充させていきたいなと思っております。32ページの上から3つ目ですね、「矯正施設見学会の開催」というところで記載させていただいていますが、刑務所は建付けとして出所後はなかなか直接支援をできませんので、外の方にいかに刑務所でやっていることとか、受刑者の方の実際の課題や長所とかですね、上手くいっている部分も含めて理解していただくということで、見学会を開催しております。実は本年度からコロナが明けまして、大体年間で50数回を、今年度多分60回超えるくらいの見学会を開催しております。社会福祉施設等というふうにここに書かせていただいておりますが、実際来ていただくのは、福祉施設以外も、各基礎自治体のケースワーカーの方に来ていただいたりですとか、居住支援法人の方ですね、まとめて来ていただいたりということがあります。今後も、より広くこちらから広報させていただいて、基礎自治体のケースワーカーの方ですとか、社会福祉施設等含めて矯正施設の中から外への引き継ぎのところをご理解いただきたいと思います。
 特に見学会と言いましてもただ中を見ていただくだけではなくて、当所に福祉専門官とか就労支援専門官も一緒に入りまして、当所の施設概況に加えて、福祉支援就労支援について具体的にご説明させていただきます。あと要望があれば実際の事例を少し加工したものですけども、実際こういうふうに支援して外につながったというお話もさせていただいておりますので、今後そういった展開をしていきたいと思っております。

(小西座長)
 ありがとうございます。市町村の福祉職員の方の中には、矯正施設がどのように活動されておられるのかよくご存じない方もいらっしゃるかと思います。見学会では福祉専門官も関わりながらお話いただくということで、市町村職員の方々の理解促進につながる重要な試みではないかと思います。
 では上野委員お願いいたします。

(上野委員)
 第2回の会議のとき、あまり時間がなかったので詳しくは説明できなかったのですが、更生保護地域連携拠点事業というのが、全国の3ヶ所の保護観察所の埼玉、福井、旭川で始まっていまして、いずれ将来的には横浜でも、というような話をしたかと思うのですが、令和6年度予算では残念ながら予算が盛り込まれなかったので、横浜でこの事業を実施することはないのですが、将来的には、横浜でも実施する可能性があるかと思います。その事業の中で更生保護支援ネットワークの構築という事業がありますので、そういうことを視野に入れながら、今回県の方で新しく項目として立てていただいた「市町村への支援とネットワークの構築」というところで具体的な施策として、市町村担当者の意見交換会とか、研修会の開催等ということが盛り込まれておりますので、この辺について県の方と連携をとりながら開催をして、そういうネットワークの構築も踏まえながら、市町村との連携を図っていきたいと考えているところです。
 その他、市町村の再犯防止推進計画についてなのですが、神奈川県内には34の市町村がございますが、既に計画が策定されている所と、あと令和6年度から新たに計画が始まるところを合わせると、14の市町村が計画を策定していただいております。計画策定いただいている市町村につきましては、その具体的な施策についてより連携し、推進していきたいと思っていますし、まだ策定されていない市町村につきましては、策定に向けての支援や働きかけというのをしていきたいというふうに考えております。
 3つ目が、県の計画案の60ページをご覧いただきたいのですが、これは横浜保護観察所で行っている支援ネットワークづくりということで更生支援ネットワークの研修を実施しております。研修で参加していただくのは、主に福祉に関わる市町村職員の方や刑務所の方、少年院の方、私ども保護観察所の職員、今年からは、保護司さんや更生保護女性会の先生、更生保護施設職員の方、検察庁職員の方にも参加をしてもらって、更生支援の関係の研修を実施しています。これを昨年度までは、横浜市のみで実施していたところですけど、今年度におきましては、相模原市においても同じような取組を実施しましたので、このネットワーク研修というのを市町村の方に拡大して、実施して、連携していけたらいいなと考えております。

(小西座長)
 ありがとうございます。今後のネットワークの拡大と現在行われているネットワークの取組についてご紹介いただきました。また、令和6年から14の市町村の計画が策定ということで、今後、神奈川県内の市町村における計画策定が広がっていくような形でのご支援の方向性についてお話をいただきました。ありがとうございます。では德田委員お願いいたします。今後の市町村との連携をどう促進していかれるかという点です。

(德田委員)
 弁護士会として市町村とどのような取組をしているかというと、例えば横浜市や政令市とは再犯防止推進計画、更生計画の作成会議に参加をさせていただいたり、横浜市で言うと更生支援ネットワーク会議というのがありますので、そこに委員を送って連携をさせていただいているというのが1つです。
 後は、横浜市と弁護士会は、高齢の方とか障がいのある方、支援が必要な方の虐待とか差別とか成年後見について各区でサポートネットという会議を持っていて、そこで区の担当、市町村の担当者、弁護士の委員、包括支援センター、障がい者の相談支援事業者、支所の方が参加して地域福祉について協議をするという場があるのですが、そこに行っている弁護士が、司法と福祉の連携ということで、弁護士は刑事弁護で関わるものですから、そういったところで福祉的な支援を必要とされてる方に対してどういった取組を市町村の担当の方にご協力いただいてきたいのかというようなお話をさせていただいたりということがあります。
 というのは、こういう司法と福祉の連携とか更生支援を考えるときに、特に障がいのある方とか、ご高齢の方もそうですけれども、地域における受入先が全く見つかりません。特に犯罪の内容によっては見つからないというところで、その地域の福祉機関とつなげる責務を担っているのは市町村ということなので、市町村の担当者が理解していただいていないと、なかなかそこが進まないで苦労するというようなことがあるものですから、その辺りについてお話をさせていただくというようなことをやったりしています。
 横浜市とはそういうふうなことをさせていただいているのですが、それ以外の市町村との接点が全く弁護士会としては持てていないというような状況なので、ぜひとも大きな政令市以外の市町村とも更生支援であるとか、地域の司法と福祉の連携について弁護士がどういったことをやっているのか、特に更生緊急保護とか、地域生活定着支援センターの取組の他に、弁護士は、社会福祉士会と連携した入口段階における支援として、更生支援計画を立てて、それを矯正施設に対して申し送りをするというところまでの一連の事業をやっていますので、そういった取組もぜひとも知っていただきたいですし、今後は他の自治体、市町村の関係者ともそういった協議の場を持たせていただければなと思っているところです。

(小西座長)
 ありがとうございます。横浜市におけるネットワークの状況と他の市町村における弁護士会の活動について、より認識、認知を広めていくということの今後の必要性についてお話いただきましたので、ぜひ今後この新しい計画のもとで、こうした活動が進めていければと思います。では栁川委員お願いいたします。

(栁川委員)
 県下で45地区の保護司会がございます。本題であります第二次再犯防止推進計画においては、政令市横浜、川崎、相模原からスタートしまして、大体20万都市も年度ごとには違うんですけども、福祉の3か年計画が各市町村で同じ年度とは限ってないので、順次3か年計画の中で再犯防止推進計画を取り入れてもらって、徐々に何年かすれば、3年ごとのクールでございますので、3年或いは6年後にはおそらく80%ぐらいの市町村が再犯防止推進計画を福祉計画の中に取り入れていただけるものと存じております。
 それから、再犯防止を含めて、未来を担う子どもたちのために、保護司会は行政との連携を密にしております。当然福祉もそうなんですけども、青少年担当する部署とかで学校との話し合い、校長先生だけじゃなく現場を預かる先生方も県下各地で大きな地域じゃなくて第一線の小さな組織で、小学校或いは中学校単位で、再犯防止を含めて子どもたちの非行防止とか、或いは“社会を明るくする運動”の中で、犯罪防止活動をなるべく小さな単位で少しずつ積み上げようということでやっております。それから、多くの保護司がほとんどの地域で薬物の乱用指導員、或いは相談員になって活動をしております。
 一番大きなネックとなるのが、入口支援もそうなんですけども、私たちは、基本的に出口の最後の受け皿を担っているわけですので、そういった研修も市町村の部長さんや担当の課長さんにも定例研修会の中で出席いただいて、犯罪防止活動というものを行政と共に歩む保護司会であって欲しいということは絶えず申し上げております。
 2月1日に埼玉で開催され、山下先生がパネラーを務められた再犯防止のシンポジウムに行きましたけども、出口支援も非常に保護司としては大変な苦労があります。当然再犯や、精神障がい、知的障がい、体の障がいとか、貧困といったものを行政とどうつなげていくかっていうのも非常に問題であると思っています。
入口支援というのは、大変な事業だと思います。例えば警察或いは拘置所、検察でも、1つ1つの福祉の関係にしても守秘義務もあり、壁があるんですよね。その壁を前提にどうやって連携していくかっていうのをオープンにできることは非常に難しいと思いますけども、本当に出口の支援で私ども大変なのに、入口の部分で、どうやって連携していくかということが、再犯防止の計画の中では大変じゃないかと思います。
 最後になりますけど、私は令和2年まで県警の留置管理の委員長をやっていて、54ヵ所の留置場に行ったんですけれども、必ず留置されている中に鑑定留置の容疑者がいるわけなんですよね。そういった方が将来、社会復帰するために、どうやって入口支援から出口支援につないでいくのかということは、まだ課題がたくさんあると思っています。入口支援も出口支援も本当に連携をきちっとやっていかないと、再犯をどこで食い止めるってことじゃなくって、どうやって社会の中でその人たちをもう一度生かせていけるのかなっていうのを考えていかなきゃいけないと思います。

(小西座長)
 ありがとうございます。入口支援における連携とともに、仮釈放中の刑務所出所者の方たちの保護観察を担っている保護司の皆様のご活動の観点からも連携の必要性、また市町村における理解をもっと深めていっていただきたいというご意見をいただきました。ありがとうございます。

(松世委員)
 “社会を明るくする運動”は、今、全国展開されています。県連といたしましても、県の推進委員会に協力参画し、標語パネルによる広報活動に今努めております。私たちは、神奈川県下50地区、4300人が地域の特徴活かした活動をそれぞれしております。また広報の一環として、「ホゴちゃんぬりえ」も盛んに行われております。子どもさんに大人気で、塗ってもらった塗り絵は、区役所や保育園のロビーなどに展示していただいて、若いパパ、ママに更生保護についての理解を深めてもらうことを目的としてここ2、3年やっております。7月が強調月間となっておりますので、地区会によって様々ですけれども、“社会を明るくする運動”の推進委員会に協力しながら、保護司会、中学校の生徒さん、更生保護女性会と一緒になって犯罪予防活動や、薬物防止キャンペーンに参加、協力しております。
 それから、行政が非常に私たちの相談役としていろいろな取組をする中でとても大事な役割をしてくれています。私たちが取り組んでいく活動を支えてくれています。女性が得意としているところ、ダルクの料理教室もそうですが、子育て支援、子ども食堂、寺子屋事業など、そういったことにも行政の力を借り、今盛んに各地区会で行われているところでございます。県連といたしまして、各地区会に対して、日本更生保護女性連盟、関東更生保護女性連盟から、「地域との連携、協働活動推進」についてお願いをしているところです。どういうことかと申しますと、例えば同じ地区の中に子育て事業をしている団体はとても多いと分かります。目的は同じ方向を向いていますが、横のつながりが全くないといった現状です。そういった団体と手を取り合い、一緒にやっていきましょうということです。これをやるには行政の力が必要で、民生委員や他団体とのパイプ役としてとても頼りにしているところです。こういった取り組みが認められればこれは助成金が出ます。魅力はありますがかなりハードルが高いです。県連はこれからもそういう取組をやっていくよう進めています。

(小西座長)
 ありがとうございます。更生保護に関しての理解促進を図るようなご活動や、また今後のご展望ですね、より幅広く、社会の中で生きづらさを抱えている住民、市民の方たちのサポートの活動も幅広くできるのではないかということもお話しいただきましてありがとうございます。では小川委員お願いします。

(小川委員)
 市町村との連携ということで、地域に根差した活動に関しては、既に活発に動いている地区会や会員がいるところに関しては、保護司会や女性連盟の方々と、あとは保護観察所の方と連携を取って、地域のお祭りに参加させていただいたり、“社会を明るくする運動”に参加させていただくことで、連携をとっています。ただ、実際会員が少ないエリアはカバーできてないところもあるのが現状ですので、そういうところに関しては、全エリアをカバーしている保護司会等、そういったところに協力をもらいながら、連携をとって、情報共有をしながらBBS会にとってできることを模索していければと思っています。既にサポートセンター等を活用して、つながりがある地区会に関しては、引き続き、こちらとしてもやっていければと思っております。

(小西座長)
 BBS会における今後の展望、サポートセンターの活用等についてもご紹介いただきましてありがとうございます。では志村委員お願いいたします。

(志村委員)
 更生保護施設は、神奈川県には4か所ありまして、川崎に1か所自立会と横浜に力行舎、まこと寮の2か所、あと小田原に1か所、報徳更生寮があり、全国で103か所ある中の神奈川県では4か所で、活動させてもらっています。
 今、国の施策がここでだいぶ大きく変わったということであります。また変わりつつあるわけですけども、法務省の矯正局長さんの講演を聞きましたら、だいぶここで刑法の一部が、懲役、禁錮を廃止して、拘禁刑がこの1年半後にできるということで、今までどちらかといえば刑務所は、一度悪いことをして裁判かけられて、その罰として刑務所に入って償いをするというような形から、その中入って、作業をさせるという形ですが、これからは作業もできるという形になって、ある程度は本人の自立性と、いずれは社会に戻ってくることを見据えた、更生保護を念頭に置いた収容が大事だというような形を表しているということを聞いたんです。全くその通りで、我々は今、更生保護施設をやっていますが、刑務所から帰ってきた人が、社会に戻る中間の段階で社会に戻りやすい、再犯を起こさないような仕組みのための施設なのですが、そういう意味では大変大きな役割を担っていると思っています。
 市町村との関わりですが、刑務所から出所して更生保護施設に入る人は、薬物が多いです。薬物とか、性犯とか、窃盗が一番多いわけですけども、刑務所の中ではそれに対しての専門的な知識を持ち、教育を受けた職員等が指導していますが、まだまだ更生保護施設は少ないです。これからそういう薬物や性犯に対して、まして高齢者、障がい者ということを考えますと、やはり更生保護施設は病院の役割持ったり、刑務所のお手伝いをさせてもらったりとか、病院、あと老人ホームと、そういう役割を持つこともあるのではないかということで、勉強しながら、資格を取りながら、対象者の支援をやっているわけです。
 4か所の施設の中では、市とのつながりを持って、高齢で働くことが難しい対象者を福祉の方につなげたり、生活保護につなげたり、いろんな病気になった場合は病院につなげる役割を担っています。中にはそういうことでやってくれる自治体もあるのですが、地域によっては、難しい所がありますので、これからはさらにそういった連携を含めながら、スムーズに橋渡しをしていく役目を担えればと思います。
 更生保護施設は、行政、警察、市役所ではできない役割があると思うんです。24時間開いていますから。警察は罪を犯した人でないと面倒見てくれないわけですね。市も役所も時間内じゃないとなかなか対応が難しい。更生保護施設は24時間365日やっていますから、罪を犯して刑務所から出てきた人も相談できる施設の役割ということで市町村とも、契約をして、市町村や警察ができなかったことでも更生保護施設では受け入れますよというようなフォームを考えています。横浜保護観察所とも相談しながら対応するというようなことをやっておりますので、再犯を起こさないためにはどうしたらいいかということの地域の1つの拠点として、そういった役割を担っていかなくてはいけないとすごく感じておりますので、よろしくお願いいたします。
 最後になりましたけど、この間、警察署長、検事、弁護士の経験者と話す機会がありました。対象者と関わる中で、「今後は頑張れよ」とか、そういった声かけをすることでフォローをしているということを耳にしたんですよね。こうした言葉のかけ方はありがたいと感じました。いずれ社会に戻ってきたときに、警察に対して温かい印象を持つことができるので、こういったことも再犯防止につながるのではないかなと感じましたので、付け加えてお話しさせていただきました。

(小西座長)
 ありがとうございます。更生保護施設は色々な機関とも連携する必要性があるということですとか、今後、その点が活きていくのではないかというお話とか、或いは24時間365日、更生保護施設では職員の方がそこで生活をしている、入所者の方とともにいらっしゃるので、いつでも相談できる仕組みになっているため、それが何か今後展開できるのではないかというお話もいただきましてありがとうございます。では田中委員、お願いいたします。

(田中委員)
 だいぶ終盤の方になっておりまして、申し上げたいことの多くは既に各委員からご発言いただいております。とりわけ、先ほど地域生活定着支援センターの山下委員からのご発言のとおり、県としてのこの第2期計画をどう基礎自治体、市町村に浸透させていくかが大きなテーマかもしれません。まさに私の意見もメインはそこでございます。
 と申しますのは、今回立派な計画を座長そして事務局に取りまとめていただいていますが、この個別の施策の各実施主体を見ますと、本当に様々です。国の機関、或いは民間、一方で広域自治体である県が主たる役割を担っていただくものもあれば、県内各市町村に頑張っていただくものまで様々であります。現状は、県内につきましても市町村の間に温度差がありますし、神奈川県では大変すばらしい先進的な取組を県中心でやっていただいておりますが、全国で見た場合いろいろな温度差があるという実態があります。こうした点を踏まえて、今後、神奈川県における再犯防止を進めていく上で、基礎自治体に対して広域自治体である県、またそれに対応する私どものような民間も含めて関わっていくのかが大きなテーマかなという問題意識を持っております。先ほど地検の山口委員からもご発言がありましたが、これだけ立派な計画を作っていただき、その実施手段等についても整理していただいている以上は、この会議体を維持していく中で、各施策の進捗状況についてはきっちり把握し、進捗管理についてしっかりやっていく必要があると思いました。
 今回この3章6節には個別の具体的な施策として、担当者の意見交換会であるとか、担当者の研修会、さらにはもう少し大きな包括的なところでの支援事業が掲げられております。これらを具体的に実効性あるものとしてどう企画し、また運営していくか、このあたりが第2期計画を実施していく中で問われていくと考えます。

(小西座長)
 ありがとうございます。今後のこの計画のもとでの進捗状況の管理の必要性と各自治体の組織とネットワークをどう広げていくのか、実際にどういう内容として、これらの研修会を行っていくのかがまさに重要ではないかというご意見をいただきましてありがとうございます。では伊部委員お願いいたします。

(伊部委員)
 3つの視点でお話申し上げたいと思っております。1つは、県社協は広域県域の団体ですので、その立場でのお話と、市町村社協との関係の中で実際どうなのか。そして、この計画がまとまった後に、今大きなテーマとなっております市町村の域でどういうふうに活用を期待しているかという3つのポイントでお話したいと思っています。
 1つは私ども、神奈川県社会福祉協議会は県域広域の団体でございますので、前回お話しましたように、福祉タイムズという広報誌に保護司さんを取り上げさせていただいたり、地域生活定着支援センターの件も実際に罪を犯した当事者の方にもインタビューでご登場いただいたり、そういうことを通じて、市町村域でご理解をいただくような努力をさせていただいているところでございます。
 一方、市町村の社会福祉協議会では、あらゆる課題を持った方が日々の相談に来たり、また支援に対して関わっているところでございますが、再犯防止という分野別の課題での関わりというのは、少々ハードルが高いのではないかというふうに日頃受けとめているところです。一方、はざまの問題とか、寄り添った支援が一層必要だという視点は、この再犯防止の分野において非常に大切だと考えております。以前山下委員から、たまたま罪を犯した人であって、最初から再犯防止の視点で決めつけて関わるのではないというご指示をいただいたことがございます。
 こういう相談の中で、いろいろ特別な専門性を持った支援が必要だというところで、その支援をするために何が必要かといったときに今回の計画というものは、非常に参考になるいわばテキストとしても活用できますし、再犯防止というときに、どういう機関とどういう関わりを持ったらいいのかというところでは、この計画は非常に有効なものだと思っております。
 最後に学びが大切という視点で少しお話をさせていただきます。去年の9月になるのですが、私どもの施設部会の更生福祉施設協議会の方で、横浜刑務所を見学させていただきました。その中で、私どもの県社協の職員4人が行きまして、非常に感銘を受けたというお話がございました。受刑者ご本人とは接する機会はなかったのですが、どのように罪を犯した人と関わることが大切なのかということがわかったと同時にまだまだ私どもの県社会福祉協議会も含めて、包括的に関わるには何が不足しているのか、今後の福祉分野の課題として何が大切なのかというような報告もいただいているところでございます。県社協の立場で言いますと、何か事業をやればそれで完了というわけではなくて、再度見直していく、また気づきの場ということでは、この委員会にご参加されている皆さんのご意見を引き続き伺いながら、市町村域との関係、また各社会福祉施設の関係を深めていきたいと考えているところでございます。

(小西座長)
 ありがとうございます。今のご指摘の中にもございました、この計画では、各団体や機関の皆様の具体的な活動についてもかなり詳細に掲載されておられるので、市町村職員の皆様にとってテキストとしても利用いただけるのではないかというお話もございました。この計画をぜひ読んでいただいて、市町村における再犯防止の取組にも活かしてもらえればと私自身も思います。ありがとうございます。
 では、近藤委員お願いいたします。

(近藤委員)
 この再犯防止推進計画を県内の皆様にどうやって周知するかということについてなのですが、一度は刑法に触れた者が、再犯防止、立ち直りというところで、地域で暮らしていく上でどのような関わりを持っていくかという市民の意識が大切だと思うので、そういう意味で、この再犯防止推進計画を県内の多くの方に知っていだきたいという思いはあります。
 再犯防止というテーマは、犯罪をした方に関わるということで、個人情報であったり、人権の尊重等、細心の注意が必要なテーマだと思っております。
 山口委員から横浜地検の入口支援のチラシについて紹介がありましたが、こういう情報を神奈川県内の機関誌、社会福祉協議会が配布している冊子、地域、市町村で配られる広報紙等で紹介すれば皆さん目を通すと思います。こういった計画を立てているということを市民の方が視覚的にわかるように周知できればいいと思います。
 あとは、社会福祉アドバイザーと言われている方、社会福祉士、精神保健福祉士等地域社会で啓蒙活動をしている方等に協力を募ってみたりとか、社会福祉協議会へのボランティア活動をなさっている方へ周知していただいて、講義やお話し会等の活動を通じて、地域の方に伝播していけるような仕組みが広まれば緩やかに周知されていくのではないかと思います。

(小西座長)
 ありがとうございます。住民の皆様、県民の皆様への周知の方法等についても具体的にご提案いただきまして、実際、広報紙等幅広く目に触れる機会にも国のこれらの再犯防止・更生支援の取組についても掲載したり、これからこの5年間広報啓発においても非常に重要な点ではないかと思います。
 ひと通り委員の皆様からも市町村との連携というようなことでご意見をいただきましたので、事務局におかれましては、今後の事業の展開においてもぜひご参考にしていただければと思いますのでよろしくお願いいたします。
 次に、その他の議題に入って参りますが、これをもちまして第4回、またこの2年間の各委員の任期が終了となります。既に、市町村との連携ということでお話いただいた方もいらっしゃいますが、最後に、今年度の活動についてですとか、来年度以降の展開がありましたらお話しいただきたいと思います。既に十分話してしまったという場合には、2年間の任期を終えて一言お話いただければと思いますのでお願いいたします。

(竹内委員)
 情報ですが、昨年12月に山梨県庁から要請がありまして、神奈川県内の再犯防止の話をしてくれということで、県内3か所を廻り話をしてきました。もちろん機構としての取組の話をしてきましたが未だに再犯防止推進計画ができてないというような話もありました。隣県ということもあり神奈川県の動きに関心を持ってるということでした。先ほど近藤委員よりお話がありましたように、できるだけ県のこの取組について発信すべきだと思っています。特に当機構からすると、神奈川県産業労働局の事業を受託し実績を伸ばしているところなので、これからどんどん進めていきたいと思っております。

(小西座長)
 ありがとうございます。では関口委員お願いいたします。

(関口委員)
 私は、昨年の4月に着任しまして、前任からの後半1年を引き継いだ形になるのですが、何度も申し上げておりますが、我々労働局ハローワークは、入口出口で言えば、出口支援がメインとなります。なかなか入口というところの部分がわからないことは正直あったのですが、会議に参加させていただきまして、入口から出口まで一連した支援をみんなで協力してやっていかなければいけないということを改めて勉強させていただきました。
 引き続きこの推進計画に協力できるように、組織としても取り組んで参りたいと思います。

(小西座長)
 ありがとうございました。続いて山下委員お願いいたします。

(山下委員)
 地域生活定着支援センター事業が始まって14年目になります。出口支援の仕組みができて14年ということでございます。それから令和3年度から、入口支援が始まっています。入口支援も今年度から弁護士ルートができました。どんどん制度、施策、仕組みは広がってきています。ただ、広がってきてはいるのですが、それをつなぐものがないんですね。私たち地域生活定着支援センターもフォローアップで終わってしまえばそれで終わってしまいますが、制度政策がいっぱいできてくるけれども、その人を中心とした支援の仕組みがまだでき上がってないというような中で、私は先ほどの保護観察所からありました拠点事業ですね、令和6年度は予算化されていないと伺いましたけども、ぜひ令和7年度以降、拠点事業が出来上がって、神奈川県の更生支援の中心になっていくと、関係機関の連携がまさに事業として展開するというような建付けになっておりますので、ぜひ拠点事業の方に、今後、神奈川県として、全体で進んでいければいいなと思います。

(山口委員)
 大変立派な計画が取りまとめられまして本当にお疲れ様でございました。申し上げるまでもないことですが、罪を犯した人の社会復帰という観点では複合的な問題が様々あるわけですので、多くの関係機関が様々な観点からできるところをサポートしていくという連携というのはとても重要だと思います。
 神奈川県ではこのような連携の場をしっかりと作っていただいて、これを拠点に1つ1つの取組をしていくということになろうかと思いますので、この計画をもとにすばらしい取組が進められたらなと思っております。
 また、先ほど近藤委員からもご発言がありましたように、やはり社会に復帰するということですので、地域住民の方々のご理解というのはとても大事かと思っております。そういう意味では、もちろん県の皆様もそうですし、我々それぞれの機関において、きちんとこういう取組の重要性というのを県民の皆さんに伝えていくということも大事なのかなと思いました。

(玉井委員)
 私は去年の4月に着任しまして、前任者から引き続いて、後半に臨ませていただきました。会議を通じて、たくさん勉強させていただきました。幅広い機関の方が集まっていますので、様々な視点の意見を伺うことができて、目からうろこみたいなところも多くありました。大変中身の濃い1年を過ごさせていただきまして、ありがとうございました。推進計画そのものにつきましても少年院も微力ではございますが、お力添えができればなというふうに思っています。

(鍛治委員)
 私は、一昨年の11月から、こちらの会議に参加しております。これまでこういった会議に参加したことがなく、こちらが初めてのこともありまして、再犯防止の推進計画、各自治体の計画はこんなふうに作られているというプロセスをとても実感できたところでした。今日の1つ1つの言葉の修正は、文字数で言うと、ほんの数文字かもしれませんが、背景でいろいろな機関のいろいろな方のお考え、思いが込められているところもすごくよくわかりました。こうやって、いろいろな機関が集まって、1つ1つのことは小さいかもしれませんけれども、結びつくと大きなものになっていくというところがあると実感できたところですので、これまでどうもありがとうございましたというところと、来年度もよろしくお願いしますというところで、挨拶に代えさせていただきます。

(大津留委員)
 1点情報提供ということで、本日ペーパーをお持ちしてないので口頭になるのですが、
本年2月16日から3日間ですが、横浜市役所で、横浜みなとみらい矯正展というのを開催いたします。既に参加団体、関係機関の方はご存じかと思いますが、ご存じでない方もいらっしゃるかと思いましてご連絡させていただきます。また、今日か明日ぐらいに案内文書を各委員に発送いたしますが、今ここで概略を説明させていただきます。
 2月16日、17日、18日の金、土、日ですけども、場所が横浜市役所1階アトリウムになります。主催は通常の矯正展と一緒で刑務所が主催になっておりますが、場所は横浜市役所ということで、後援として横浜市の健康福祉局にも入っていただいております。中身は、矯正展のパネルに加えて、17日の土曜日には、川崎ダルクの方による講演、あと琉球太鼓のエイサー、そして横浜の高校生による和太鼓演奏等、そういった催しもありますので、ぜひ関係省庁の方々、ご友人とご家族も含めてお誘い合わせの上来ていただければ幸いでございます。関係者の方にこれから至急送付させていただきますけども、参加いただけますとありがたいと思います。計画の54ページにも少し書かせていただいているところでございますが、参考としてお知らせいたしました。
 最後にご挨拶ということで、私は、4、5年前ぐらいから鑑別所の職員としてこの会議に参加させていただきましたけども、非常に自分自身の勉強になりますし、実際、矯正施設、開かれた組織というか施設にしようということは、口ではよく言うのですが、なかなか塀の中の仕事を目の前にしてると、実際出所してからの姿が見えにくいものでして、外の施設に入る前、出所後の方のお話を聞くのは本当に勉強になります。実は、この議事録を現場職員にできる限り見させるようにしております。おそらく今後も異動がなければ、引き続き参加させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(小西座長)
 ありがとうございます。確か、コロナ禍前のときに横浜刑務所でこの会議を開催するという話があったのですが、コロナになってしまったので、できなくなってしまいました。今後、そのような機会をぜひまた設けることができればと思います。またよろしくお願いいたします。

(上野委員)
 私も昨年の4月から1年間参加させていただきまして、委員の皆様の所属する各機関団体の実情であったり、ご意見をお伺いして、とても勉強になりました。本当ありがとうございました。
 私から1つお話させていただきたいのは、保護司の適任者確保についてです。県の計画でも46ページの下から3つ目に、保護司適任者確保に関わる取組に対する支援ということで、施策として取り上げていただいているところでございますが、皆様ご存じの結果の通り、2年以内再入率という統計がありますが、細かい数字は今覚えていないのですが、概ね仮釈放者が、2年以内再入率が10%ぐらいで、刑務所満期出所者が、その場合の20%近くいるというのが、2年以内再入率がほぼ数年同じような割合で来てるんですけども、これは、仮釈放ですと保護司さんがつきますので、保護司さんの支援とか、寄り添い等の援助を受けながら、立ち直っていく割合が高いのですが、保護司さんの減少傾向がずっと続いていて、令和元年くらいからこれが問題になっていて、保護観察所でも、保護司さんの確保には取り組んできてはいるんですけども、なかなか減少傾向に歯止めきかない状況がもうずっと続いております。現在、法務省の、持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会というところで栁川会長と小西座長が、委員としてご参加いただいて、いろいろご協議いただいているところなんですが、この検討会の報告案というのが、今年の8月頃に一旦示される予定になっておりまして、その報告も踏まえたり参考にさせていただきながら、保護司さんの適任者確保について、保護観察所で取り組んでいかなければいけないというふうに考えているところです。
 保護司さんのみならず、更生保護女性会の会員さんも、ずっと減少傾向が続いていたり、あとBBS会さんの発展や、会員の増加等そういうところも課題としてありますので、関係機関の皆様の会の発展や会員の増加とか、そういうところにも重点的に取り組んでいきたいと考えております。

(德田委員)
 弁護士会としてこの再犯防止ということを考えた場合に、例えば弁護士会の中には刑事法制という委員会とかもありまして、そういったところで本来きっちり議論をするという必要があろうかと思うのですが、なかなか弁護士会で議論をしている状況は、現状、無いのかなというところがありまして、その辺りは持ち帰って、しかるべき議論を県弁護士会の方でもする必要があるだろうというふうに参加させていただいて思いました。
 私がこの会議に参加するようになった経緯としまして、私はどちらかというと刑事というよりは、障がい者の権利擁護というところで、弁護士会の委員会の委員長であるとか日弁連の方の部会長もさせていただいている中で関わっておりまして、障がいのある方、罪に問われた障がいのある方の支援というようなことは弁護士会としても非常に前からいろいろ議論をしていていろんな制度を作っているというような状況にあります。
そうしたときに、再犯防止を考えると、再犯防止というのは目的ではないんですね。彼らは生きづらさをたくさん抱えている中で、ある意味、冤罪の被害も非常に多いですし、或いは、偏見を持たれて重罰か厳罰を受けるというような事例も報告されている。或いは、そういう生きづらさがある中で福祉との接点が切れている、適切な支援を受けていない中で犯罪につながっているんじゃないかというようなそういった生きづらさを支援する、そういった更生を支援する、その結果として再犯がないということにつながるというような観点から弁護士会はこの問題を議論していろいろな制度を作ってきているという状況にあります。
 その一環としてご紹介なんですけれども、日弁連の方で、各地の弁護士と社会福祉士会とか福祉職の間で、刑事弁護において連携をするようにということで呼びかけていまして、実際に横浜は前から社会福祉会と連携をして刑事弁護に当たるというような制度があるのですがそれが各地に広がっているというような状況で、そうした場合に問題になるのはやはり福祉職の方の費用ですね。どこから出るのかと。弁護士は国選弁護の費用が幾らかは出ますが福祉職の方は今までボランティアでやっているような状況があったという中で、それでは制度として広がらない、支援も広がらないというようなことがあり、弁護士会としては、この連携する福祉職の方に、日弁連から費用を出すというような制度を昨年の4月から作っております。上限で言うと20万円まで出るというような、それなりの予算規模の事業になっていまして、それを各地方弁護士会に規定を整備して広げていくような取組もしております。もちろん後々は、例えば法テラスとかに事業化して欲しいというような思いも込めての制度でございますが、一応弁護士もこの分野に一生懸命取り組んでおりますが、知らない方も多いのではないかと思いますので、この機会にご紹介させていただいた次第です。

(栁川委員)
 保護司っていうのは決して社会の中で目立つ存在ではなくて、なるべく目立たないようにやる仕事なのですが、65歳の壁というのがあって、公的年金が65歳にならないと出ないので70歳まで働けとか、以前だったら、60歳で定年した警察、教職、役所関係の方は社会のためにお役に立つならとやっていただけることが多かったのですが、65歳の壁により、なかなか適任者がいなくなっています。人生の素晴らしい経験をした方に、どうやって保護司について理解していただくのかというのが私どもの大きな課題でございます。
 私もちょっと以前経験した事件で、高齢者の仮釈放者を私が担当して、福祉の専門家ではありませんが、福祉のことも勉強しなきゃいけないということで、私も保護司以外で市社協の方で福祉のことはずっとやっているのですが、ネックに感じているのは、高齢福祉課とか、障害福祉課とか、生活保護課とかどの市町村でもあるのですが、こうした3か所を回らないと、高齢者の支援ができないことです。そういう難しさもあるし、長期刑の人の多くは無保険の無年金ですし、そういった形をどうやって、出口の部分で保護司が支えていくかっていうのは、時々、いろんな会で話をするのですが、これから高齢化社会になるので、やはり高齢化社会で社会復帰した人たちをどうやって支えていくのかということをじっくりと、私たちも勉強していかなければならないということは話しております。
 私はいつも保護司に委嘱された人に、自分なんかが社会の中で支えているんだから、人を信じることと、人を見守ること、この2つをずっと心に刻んでいただければ、保護司はできますよとお伝えしてるのですが、今の社会情勢でなかなか保護司の適任者が見つからないというのがもう、どんなに議論してもやはり見つからないっていう現状を打破していくためには、少しずつどこかで扉を開けていかなければいけないのかなと考えております。

(松世委員)
 2年間、この会議に参加させていただきました。非常に難しい会議に参加させていただきましたけれども、2年間本当に勉強になりました。私たちは、女性の立場で保護司さんとともに更生保護に携わりながら、女性のあたたかさとか、優しさとか、そういった得意としている分野を発揮しながら、これからも再犯防止に協力していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

(小川委員)
 BBS会としては、引き続きともだち活動ですとか、グループワークといった非行防止、再犯防止活動に取り組むのはもちろんなのですが、最近非行防止活動というところにも力を入れております。地域の子ども達っていう広い範囲の子どもたちを対象にした活動やイベントというところで、最近グレーな子達が結構増えてきていると思うんです。なので、そういったところをターゲットにした、犯罪をさせないというところも大事だと思って、BBS会としては取組をしていきたいなと思っております。
 知られていないかもしれませんが、実は70年くらい歴史のあるボランティア団体ですので、20代がほとんどの若手のBBS会としては何ができるのか、なかなか知られていない団体だと思っておりますので、こういった会議に参加させていただくことで、どういった形で連携ができるのかと改めて考えさせられましたし、自分たちに何ができるのかということを多くの会員に伝えていきたいなと思いましたので、本当に参加させていただいてよかったなと思っております。ありがとうございました。

(志村委員)
 この2年間ありがとうございました。私も20代の時から少年院の方に関わらせていただいて、篤志面接委員をさせてもらったり、保護司また今更生保護施設でやらせてもらっています。
これに通じて1つの共通点があったのですが、一番感じるのは、人間というのは、生まれながらに悪い人はいなくて、ちょっとしたきっかけで、逸れてしまったわけですけども、小田原警察署長さんが、今まで少年院の施設にはあんまり行ったことがないということで、あるとき成人式に行ったのですが、そこの成人した生徒さんが、「自分は今まで人に迷惑かけてきた。でも、成人したから、これからは本当に親に面倒をかけないように、また社会に恩返しするために立ち直っていくんだ」言っていたのを聞いて、署長さんは、今まで捕まえることばかり考えていたけれども、あとのことも大事だなということで、すごく感動したそうです。それから、今とある大学で警察官になろうとする大学生に、特別講師として、警察のあり方等を教えてるということを聞きましたけど、やっぱり立場が変わってもみんなやはり同じだなってすごく感じました。いずれは更生保護施設から出て社会に戻るのですから、「何か困ったときには、もう一度更生保護施設に相談に来てもいいよ」と言いますと、出ていった人は、「第二のふるさとは更生保護施設だ」というような言葉もいただいて、本当に温かく、信頼してくれているんだなと感じます。これは、今まで関わった全ての人の気持ちがどこかにあるのだと思うんです。そういったことを大事にして我々も一生懸命再犯防止のために頑張っていきたいと思います。また、大学を出たばかりの若者が、更生保護施設に魅力を感じて、やりがいのある施設なんだ、事業なんだと感じてもらえるように頑張っていきたいと思いますし、現にそういった若者が1人2人入ってきてますからね。なおさらそれを大事にして、協力して、また皆さんのご指導ご鞭撻いただきながら、この事業を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。いろいろありがとうございました。

(田中委員)
 私は昨年の5月に委嘱をいただきまして、この検討の場に参加することになりました。先ほど申し上げました意見と同じなのですが、皆様のご意見、ご発言を聞く中で、一番痛感しておりますのは、最終的に1つ1つの具体的な取組が、新しい形をとるものであれ、これまで脈々とそれぞれの機関の所掌として行っていることであれ、着実に実践していくことの大事さを改めて感じております。
 と申しますのは、再犯防止ということが、議論の対象となる、或いは喧伝されるようになって、もう少しで20年近くになります。平成19年版の犯罪白書において法務省の研究所が、戦後の検察庁が持っている犯歴データの分析から、約3割の再犯者が、量的に6割の日本の犯罪を惹起しているという、そういう表現を法務省はとりませんでしたが、言ってみれば、日本の犯罪の主役は再犯する人たちではないかという問題提起から始まった議論だったと思います。それがある意味でいわば追い風となって、再犯防止の一連の大きな潮流を作ってきたのだと思います。その間、様々な議論がありましたけれども、犯罪対策として、再犯対策というのはある意味で大変はっきりしていると思います。というのも、その対象となる人たちというのは特定されているわけです。初犯者対策と比べれば本来、実効を上げることができるのではないか、またそのための議論として、国レベルで或いは県レベルで、切れ目のない、そして息の長い支援、また、最近の言葉で言えば重層的な支援を行っていくんだというところにいわば処方せんは、おそらく行き着くと。
 しかし、我々の努力不足もあるのかもしれません、すべてにおいて実効が上がっているというわけではない。刑務所入所率2年以内の再入率について言うならば、政府目標を達成したりといった事実も積み上がってきていますが、まだまだ課題もあるということです。言ってみれば、一度失敗した人間が自力ではなかなか立ち直りがたい、そういう現実を目の前に感じているということかと思います。
 県内の各所轄の署長さんのお話等をうかがいましても、各レベルで刑法犯の認知件数が、或いは反転傾向にあるのか懸念されます。この20年間の歩みというのが認知件数という点で言えば、ずっと減少傾向にある20年間だったわけでして、その中での再犯者というところがスポットライトを浴びてきたのですが、これが仮に反転するとなった場合、再犯者が今後どのような傾向をたどっていくのかは我々、この場にいる者としては注視していかなくてはいけないと思います。どのような情勢にあり、どのような潮流の変化があるのか。とはいえ、本当に大事なのは目の前の、1つ1つの取組をしっかり実践していくことであるとも同時に考えます。
 ただ、そのための大きな県としてのグランドデザインを今回、この推進計画第二期という形で持ち得たことは、大変すばらしいことであり、神奈川県の大きな第一歩になるものと感じた次第です。

(伊部委員)
 県社協の立場で、今まであまり申し上げなかったことを少しお話しさせていただきたいと思っています。
 この再犯防止の関係で言いますと、まず、県民からは誤解が2つぐらいあるのかなと思っています。1つは、この再犯防止という言葉から何か怖い世界を取り扱っているんじゃないか、難しい世界を取り扱っているんじゃないかという誤解です。今回の計画では、コラムについても非常に充実してきておりますし、誤解が少しでも解消していく方向になっているのではないかと思っています。もう1つの誤解、偏見というのは、この再犯防止に関わっている皆さんも怖い方なのではないかという誤解、偏見があります。これは私も福祉担当では皆さんのご協力を得まして、今日ご出席の栁川委員にも、福祉タイムズの表紙にご登場いただきましたし、今年度も横浜市都筑区の保護司村田会長にご登場いただきましたし、こんなにこやかな方なんだということで、随分印象が変わってきたのではないかと思っております。
 今日、横浜地方検察庁さんからいただいたこの資料には、地域社会と書いてあるところの上にイラストがございますが、県としては、この計画の仕様書とかいろいろ限界があるのかもしれないですが、ここにこういうイラストを載せることが可能であれば、この計画は決していかついものではなく、社会の温かさをこれから皆さんで作っていこうというような、そういうことが更に示せるのではないかと思っております。
 その理由は2つあります。社協としましても地域共生社会の実現ということで、皆さんの協力、理解をいただきたいという意味合いがございますが、皆さんでこういうにこやかな社会を作っていきたいということと、もう1つは再犯の比率がときには高まっているという話も伺っていますが、今まで罪を犯した人もこうやって社会はにこやかに見守ってくれてるんだという、罪を犯した人に対してのメッセージにもなるのではないかと思っています。県の計画で、こういうイラストが表紙にあるということは、私は聞いたことがありませんが、より一層にこやかにできないのかと今日感じた次第でございます。

(小西座長)
 近藤委員におかれましては、この後別途、一言ご挨拶いただく機会がございまして、情報提供があればということですが、よろしいでしょうか。
 では、皆様から新しいいろいろなご意見、情報提供や、この2年間を踏まえたお話もいただきました。ありがとうございます。
 本日の議事は以上をもちまして終了ということになりますので、事務局にお返しいたします。よろしくお願いいたします。

4閉会

(坂下地域福祉課副課長)

会議資料

次第・委員名簿(PDF:155KB)

【資料】神奈川県再犯防止推進計画[第2期](案)(PDF:3,443KB)

【参考資料1】素案のパブリックコメントに係る「県の考え方」(PDF:248KB)

【参考資料2】修正箇所一覧表(第3回会議提出素案から案への修正)(PDF:225KB)

 

 

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