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更新日:2024年8月22日
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次の審議会等を下記のとおり開催した。
第6回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例整備基準見直し検討会議
令和6年9月6日(火曜日)13時15分から15時15分
シルクセンター 小会議室
石渡和実【副会長】、大原一興【会長】、金子修司、山口英生〔五十音順、敬称略〕
地域福祉課 調整グループ
電話 045-210-4804(直通)
ファックス 045-210-8874
議事録
(事務局)
ただいまから第6回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例整備基準見直し検討会議を開会いたします。本日、進行を務めます、神奈川県地域福祉課の竹内です。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、地域福祉課長の笠井から御挨拶申し上げます。
(笠井地域福祉課長)
皆さんこんにちは。地域福祉課長の笠井でございます。
今回第6回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例整備基準見直し検討会議にお忙しい中、そして、大変暑い中、御出席賜りましてありがとうございます。久しぶりに対面での開催となります。
規則に定める整備基準につきましては、昨今の社会環境の変化等を踏まえて、その内容や運用がより実態に即したものになるよう、これまで5回、この会議で御議論をいただきまして、令和6年3月29日付で改正することができました。県では、本年10月1日の施行に向けて、審査窓口等で混乱がないように、現在準備を進めているところでございます。
本日は、主に事業者・設計者の方々にお示ししている「みんなのバリアフリーまちづくり整備ガイドブック」に位置付けている内容について、委員の皆様から御意見をいただきたいと考えております。
また、本年6月に建築物移動円滑化基準の改正が行われましたので、当該改正事項に係る本県の整備基準の対応について、御意見をお願いいたします。
県では先日、津久井やまゆり園事件から8年となり、追悼式を行いました。この事件を受けて、県では「ともに生きるかながわ憲章」を制定し、こうしたことが二度とないように取り組んでいますが、共生社会の実現に向けては、やはりバリアフリーの街づくりは欠かせません。県としても、今後もしっかりと取り組んで参りたいと考えておりますので、引き続き、御意見賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
(事務局)
本日の出席者につきましては、お手元の名簿のとおりとなっています。
それでは会議の前に、本日の配布資料の確認をお願いします。次第、出席者名簿、資料1から資料3、参考資料として資料2-1から2-5、現行のガイドブック本体を机上に置かせていただいております。
本日の会議は、「附属機関の設置及び会議公開等運営に関する要綱」に基づき、傍聴が認められておりますが、傍聴を希望される方はいらっしゃいませんでした。
それでは、ここから議事に移らせていただきます。ここからの進行は、大原会長にお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
(大原会長)
こんにちは、大原です。
この会議自体は、何年間かやってきていますね。しかし、しばらくだったという感じもありますし、今日は新たな課題もありますが、まずはこの数年かけて検討してきた基準をおさらいして、記憶を戻しながら、また新鮮な気持ちで見ていきたいと思います。
それでは、本日は議題が3つということになりますが、1つ目は「今後のスケジュールについて」です。確認に近いことかと思いますが、まずは、事務局に説明いただいて、御意見いただきたいと思います。それでは資料1について説明をお願いします。
(事務局)
資料1「今後のスケジュールについて」を御覧ください。
真ん中ほど「基準改正手続き」の欄にあります「基準見直し会議の6」が本日の会議でございます。課長の笠井から申し上げたとおり、本日の会議では、整備ガイドブックの改正案、また、改正政令基準への県の対応について御議論いただきたいと考えてございます。その上の点線の矢印、「5年度規則改正・施行」にあるとおり、本年3月29日付で改正した規則につきましては10月1日から施行される予定です。そのために9月ガイドブックの改正を行う予定です。
一方、一番上、「国の動向」についてですが、6月中旬に政令である「建築物移動円滑化基準」が改正されまして、施行が令和7年6月1日になっております。施行に向けては順次、関係する告示、誘導基準、建築設計標準などの改正が行われる予定と伺っております。
県では今後こうした国の動向を注視しつつ、本日の議論も踏まえながら、規則改正に向けた条文策定作業を行い、必要に応じて、10月・11月に改めて皆様の御意見いただく機会を設定した上で、12月頃パブリックコメントを予定してございます。
その後パブリックコメントの結果を受けまして、改正報告及び改正事項に関する「望ましい水準」の設定について第8回会議で御意見をいただき、年度末頃の規則改正を目指しております。また、同規則改正を受けたガイドブック改訂は、令和7年4月頃を予定しています。
資料1については以上です。
(大原会長)
はい。それでは何か質問や御意見はありますか。
スケジュールの表で、「国の動向」が一番上に書かれていますけど、この項目のトピックとしては、我々の作業してきた順番からすると、一番下の段に位置付くことだと思います。
つまり、今まで条例改正から始まって、規則改正という話があり、それで基準の見直しという形で進んできた流れが、いよいよ最終的にガイドブックという形で見える形になってきたところに、国の政令の方の改正が6月にあったということで、また新たに改訂しないといけないことが増えたということだと思います。
スケジュール感に関してはいかがでしょう。無理のない範囲でいけるかなとも思いますが、それも今後、議題3で新しく改正された内容について検討してどうするのかっていう話で、もう少し検討しないといけないということになるかもしれませんけども、いずれにしても政令施行が来年6月、それには間に合わせないといけないということで、こんなスケジュールを作っていただいています。
これはよろしいでしょうか。今日の議論で、検討しなくちゃいけないことがたくさん出てきてしまったら、ぜひ検討会議などを間に密に入れていただくというようなことになるかもしれません。
[意見なし]
はい。まず、議題1ということでしたが、スケジュールの確認、この方針で進めていただければと思います。
つづいて2番目、議題2は「みんなのバリアフリーまちづくり整備ガイドブック改訂(案)について」ということです。資料2の関係ですね。事務局から説明をお願いします。
(事務局)
続きまして、議題2「みんなのバリアフリーまちづくり整備ガイドブック改訂(案)について」でございます。
最初に資料2-1を御覧ください。本年3月29日に改正した5年度整備基準改正事項に関する振り返りです。
まず「1目的」としましては、近年の共生社会づくりに対する社会環境の変化等を踏まえ、整備基準の内容や運用が、より実態に即したものとなるよう改正をしたところでございます。
具体的な改正事項としては、2に記載のとおりでございまして、
まず1つ目、「便所の機能分散化」についてでございます。利用競合や適正利用推進の観点から、様々な機能を集約し、1つの便房内でユニバーサルデザインを目指すという考え方を見直し、便所内に機能を分散又は組み合わせて配置することによって、トイレ全体で、ユニバーサルデザインを実現することとしました。
2つ目、「乳幼児用設備」、ベビーベッドや乳幼児用の椅子、授乳室の基準化についてでございます。妊婦や乳幼児連れでも外出しやすい環境を整備するため、乳幼児を連れての長時間の利用が見込まれる一定の施設に対し、乳幼児用設備の設置を義務付けることとしました。
3つ目、「介助用大型ベッド」についてでございます。介助を必要とする方などが外出しやすい環境を整えるために、外出時における移動の起点となる施設、または長時間の滞在が見込まれる一定の施設について、設置の努力義務を課すことといたしました。併せて、より快適に利用できる大きめのベッドを「望ましい水準」に位置付け、設置を推進することといたしました。
4つ目、「聴覚障害者の安全かつ円滑な利用に必要な設備」の基準の見直しでございます。4年度条例改正では、事業者の責務として、施設利用時にあたっての情報の提供を新たに位置付けたところでございます。これに対応するものとしまして、窓口設置、会議室設置、客席設置の場合における対応について、それぞれ表のとおり基準の引き上げを行うものでございます。
5つ目、「施設計画段階からの障害者等その他の関係者の参画」についてでございます。国・地方公共団体が整備する公共的施設に関し、新たに努力義務を課すことといたしました。
また、その他の施設については、「望ましい水準」に位置付け、取り組みを推進することといたしました。
続きまして、「3運用改善・施策での対応等」といたしまして、(1)用途や規模の状況に踏まえた遵守の取り扱いの整理のほか、(2)幅広歩道等におけるベンチの設置を「望ましい水準」とすること、(3)避難設備の整備基準や施設の円滑な利用のための支援の提供ということで、設備を生かしたソフト的な対応事例につきまして、事前協議等の確認書類に追加することを整理しています。以上が整備基準改正に関する事項の振り返りでございます。
続きまして資料2「「みんなのバリアフリーまちづくり整備ガイドブック」改訂(案)について」を御覧ください。
スライド1です。整備ガイドブックにつきましては、事業者・設計者をはじめ、県民の皆様にバリアフリーの街づくりの考え方や、条例の整備基準について理解を深めていただきまして、それぞれの立場から取り組みを行っていただくことを目的に作成しているものでございます。
スライド2です。令和4年度の条例改正、そして先ほど振り返りを行いました5年度整備基準改正の内容等を反映し、またより使い勝手のよいものとするために、前回の第5回会議では改訂の方向性について御了承いただいたところでございます。
スライドの3から5までです。これまでの会議の中で、皆様からいただいた御意見、またこれまでの間、当事者団体等からヒアリングをした内容のうち、主なものを記載させていただきました。ここで記載した意見等を基本といたしまして、後程見ていただく各整備項目の「解説」「望ましい水準」を整理してございます。
スライド6です。整備基準は大きく建築物、公共交通機関の施設、道路、公園の4区分で設定しておりますので、以下それぞれの区分別に資料を作成してございます。この資料には、主なもののみを記載してございますが、より詳細な内容につきましては、お手元の資料2-2から2-5までに記載のとおりですので、適宜御参照ください。
それでは建築物の基準についてです。スライド7を御覧ください。便所の機能分散に関しては、会議でも特に多くの意見をいただいたところです。
まず、機能分散は大事な考え方ですが、地域や立地条件によって必要性の度合いが異なるので、必ず分散しなければいけないというわけではなく、必要な機能がエリアとして十分に備えられていることが大事であるといった御意見。機能分散をすることで「オストメイトで車椅子の方」など、これまでトイレを使っていた方が使えなくなってしまうことがないようにしないといけないという御意見がありました。その他、夫婦や親子などの異性による介助同伴利用や性的マイノリティによる利用への配慮も必要といった意見がありました。そこで基本的な考え方としまして、トイレの整備の考え方を示すとともに、義務基準となっているオストメイト対応設備につきましては、車椅子使用者用便房内に整備することを求める内容としてございます。また男女共用できる位置に配置することを「望ましい水準」として設置する予定です。
スライド8です。介助用大型ベッドについては、車椅子からの移乗動作や介助者の動作を考慮して、十分なスペースの確保を求めていく必要があります。また、畳み忘れの際などに車椅子で進入できない状況とならないよう、入口との位置関係への配慮が必要です。
また、円滑な動作のために、従来の車椅子使用者用便房よりも一回り大きな220センチ角の空間や大きいベッドの設置を「望ましい水準」に設置する予定でございます。
続きましてスライド9・10の授乳及びおむつ交換場所です。子育て世帯の方に意見照会を行ったところ、独立した区画を求める声が多く寄せられた一方で、授乳コーナーのような形態でも支障がないといった声もいただきました。そこで、より多くの方が気兼ねなく使えるよう、独立した区画の設置が望ましいものとしつつ、それ以外の方法による設置も認める記載ぶりとしてございます。その他、ベビーカーの幅員等を考慮した有効幅員の設定や整備が求められる設備などについても記述する予定でございます。
スライド11です。乳幼児用設備を備えた便房に関する項目です。乳幼児同伴者が多い施設では、おむつ交換場所として、便所内ではなく、便所外に設けた方が使いやすいといった意見がございましたので、その旨を「解説」につけてございます。
スライド12はその他改正事項やヒアリングによる内容を記載してございます。
また、スライド13から15までは新たな施策動向であるとか、安全配慮上必要となる事項について、個別の項目として記載してございます。
続いてスライド16からは公共交通機関の施設に関するものです。
スライド17を御覧ください。改正方針にありますとおり、公共交通機関につきましては、「公共交通機関に関する移動等円滑化基準」の技術的助言との重複を防ぐため、円滑化基準による確認が行われる場合は、規則の適用を一部項目に留める運用としています。
一方、参考図の斜線がない部分ですが、これは円滑化基準による確認が行われない場合となりますので、この場合につきましては全ての項目について、県の基準を適用することになりますが、移動円滑化基準における指導・助言内容に差が生じた場合は、事業者に混乱をきたす懸念がございますので、原則として、記載のガイドラインに準拠した内容に整理し直してございます。
具体的にはスライド18以降ですが、現在、円滑化経路における垂直方向での移動に関し、エレベーターやエスカレーター等に関する項目を位置付けてございます。特に事故が起こりやすく、また、視覚障害者からの利用に関するニーズが高いエスカレーターについては記述の充実を図っております。
スライド19は、改札口における配慮や誘導方法等について記載しています。
スライド20はプラットホーム等における対応でございます。車椅子使用者の円滑な乗降等のための渡り床の設置や車両との段差・隙間の解消、その他ホームドア等の構造や視覚障害者誘導用ブロックの敷設、運行異常時における情報提供体制につきまして、位置付けを行うことを検討しています。
続きまして道路の整備基準です。
スライド22です。歩道等としまして、「望ましい水準」に幅広歩道におけるベンチの設置を位置付ける予定でございます。
スライド23、視覚障害者誘導用ブロックについてです。令和4年奈良県内において、視覚障害のある方が踏切内で電車と接触しお亡くなりになる事件がありました。これを受けて、国土交通省では、令和6年1月に「道路の移動円滑化に関するガイドライン」を改訂しております。県ガイドブックにおきましても、特に必要と認められる箇所につきまして、誘導表示の設置を推進することといたします。その他、道路における誘導ブロックの敷設方法や管理などについては、視覚障害をお持ちの方から特に御意見が多いところでございますので、留意事項として記載を充実する予定でございます。
最後は公園でございます。スライド25です。改正方針にあるとおり、都市公園に関するバリアフリー基準につきましては、第二次地方分権一括法によりまして、公園管理者の方がそれぞれの条例で定めるような整理になってございます。そのため、本条例の規定が、都市公園条例で定める基準と重複をしないよう、条例第35条におきまして、基準適用につきまして一部除外をしてございます。適用関係については、参考の表のとおりですが、一定の場合には本条例における適合審査をすることもございますので、両者の考え方や水準につきましては、概ね整合させていく必要があるということでございます。具体的な見直し内容につきましては、スライド26のとおりでございます。
長くなってしまいましたが事務局からの説明は以上でございます。
(大原会長)
ありがとうございました。この具体的な文章が資料2-2から2-5ということですね。それではこれに関して、何か御意見などはいかがでしょうか。
(石渡副会長)
1週間ぐらい前に、神奈川県肢体不自由児者父母の会の会長さんとやりとりをしました。
来年8月に関東地区の大会をみなとみらい辺りでやりたいが、みなとみらいはバリアフルで、どこに具体的な会場を設置したらいいか迷っているとおっしゃるんですね。具体的なところでは、車椅子用のトイレとベッドがないというところが一番悩ましいのだと。
今回その大型ベッドとかを設置するというようなことであれば、多分そういう方たちの利用もバリアフリーになっていくのかなというようには思うのですが、具体的に建築の工程が変わるのはいつ頃になるのか。あとやはり実際に不便を感じている方に対しての情報提供は、いつ頃からどのような形で行われるのか。来年8月に大会があるということなので、何かそれまでに、少しでも情報が提供できるといいなということです。元々、全然違うことで話をしていたのですが、そのような話が出てきましたので。
(事務局)
介助用大型ベッドにつきましては、このたび3月29日に改正した規則の中で、これまで「望ましい」といった水準に留めていたものを、努力義務という形でありますけども、実際に義務として法的に位置付けたところでございます。この改正につきましては10月1日から適用されることになっています。
また、このバリアフリーの基準につきましては、やはり新築改築増築というタイミングでの確認になりますので、どうしても既存の施設につきましては、なかなかこの条例だけでは先に進んでいかないということもございます。そこで、規則とは別に、施策での対応としまして、先ほどおっしゃっていただいた介助用大型ベッドにつきましては、設置を県として進めていくという方向性を、昨年知事が定例会見で打ち出しをいたしまして、県として率先した整備をしていく、まず県庁内からどんどん作っていって、それを広げていく姿を示していくことが必要じゃないかというところで、設置を進めているところでございます。
また、今どこに設置されているかという情報につきまして、民間施設、あとは市町村に照会をかけまして、設置状況についての公表というのを昨年始めたところでございます。以上になります。
(石渡副会長)
わかりました。そうしましたら、その大型ベッドの設置はまず、県庁とか、県立の施設の中で具体化していくってことですかね。
(事務局)
そうですね。まずはどういったものなのかっていうことをまず知ってもらう必要があるということで、規則はもちろん施行されていきますけど、新築改築増築のタイミングでないと直接の適用がされないという中にあっては、施策での働きかけもしていかざるをえないという部分もございまして、まずは県として率先する姿を見せていく。あとはそこに合わせて、皆様に対しても、こういった設備があるよということを働きかけていくということで、順次進めていきたいというように考えてございます。
(石渡副会長)
ありがとうございました。それでは個人的なお願いになるんですけれども、みなとみらいあたりで大会をやるというお話を聞いたので、この大型ベッドの設置についての、恐らくこの資料2-1ぐらいの資料でいいと思うのですけれど。あとは具体的に例えばホテルとか、民間の施設が変わるのが、いつ頃になるかみたいなことを整理してあるような情報があればいただけるとよいかなと思います。
(事務局)
具体的にいつ整備がされるかというような細かな情報までは、まだ取れていないところでございますが、設置に向けて働きかけの連絡というか、県から依頼をさせていただいたものがございます。そういったもののほか、こういったものをつけてください、必要としている方がいますといったチラシを作って、皆様にホームページで公開したりしていますので、改めて周知をするということを考えていきます。
(石渡副会長)
ありがとうございました。というようなやりとりをしたので、今この改正の方向っていうのが非常に県民の方のニーズに合致しているものだなということを再認識しましたという話です。以上です。
(大原会長)
結局、最終的にそういうものが現実に見えてくるためには、やはり新築とかの機会ですよね。特にこの介助用大型ベッドだと、広さが必要になってくるので、既存のところに入れるとなれば、やはり限られた所にしか入れられないのではないか。そういう意味で整備を推進するような仕掛けを別途考えていかないと、新築の場合と既にある施設の場合と差が激しいと、なかなか普及していかないのではないかという感じもあります。
今は「望ましい水準」でしたよね。今のガイドブックには、どの辺に出てきているかわかりますか。その推奨のされ方というのが少し気になります。
(事務局)
ガイドブックにつきまして、平成29年度にちょっとした改正をしておりまして、本の冒頭に挟まっている冊子「みんなのバリアフリーまちづくり整備ガイドブック(平成22年3月15日発行)一部改正」とあるものです。この頁番号86の「望ましい水準」というところの、付属器具というところに下線を引いてございますが、「大人の利用も対応できる介助用のベッドを設けること」というものが、記載ぶりになってございます。
(大原会長)
やはり、今あまり意識として普及してないっていう感覚になりますかね。必要性はよく聞くんですけど、それもあって変わってきたけれども、現実には、実際に建築する側としてもそれほど認識はあまりないんじゃないかな。かなり望ましいっていう扱いになっています。
(山口委員)
そういう指示がない限りは、おそらく。折り畳みのベビーベッドについてはスペースがあれば設置しようとする設計者が多いと思います。
ただ、この大人用の介護ベッドというのは、私も実際、特に民間の事例で言いますと、1度も見たことがないに近いのが現状ですね。ですので、公共建築物の方で率先して、まずは実例を示していただくのも大事だと思います。
この件で1点確認ですが、簡単にまとめていただいている資料の中で、新たに「望ましい水準」として記載する主な項目という、介助用大型ベッドの8ページですね。ここのところで、空間の数字を具体的に示されているんですね、220×220cmと。ちょっとこれで収まるのかと、ふと思ってしまいました。というのも、一般的に私たちが今設計しているのが大体これぐらいのサイズになるんですね。そうすると、そこに新たにその大きいベッドを折り畳みといえども入るだろうかって思ったんです。これは実際に実例として、これはぎりぎりいけるっていう判断でしょうか。
(事務局)
実際の例として、200×200cmの中でも収まらなくはないという形ではあるのですが、介助者の動作を考えていくと少し厳しいところがあったり、また、配置する物の置き方によっては、この200cm角という中では、どうしても入れきれないということもあります。これが220cm角だと、幾分入りやすいといいますか、配置の自由度も比較的高まるという形になります。
(金子委員)
相当大きいですよね。
(山口委員)
実際に過去のやつと言いますか、今のガイドブックを見ると87ページに大型ベッドの入った参考レイアウトが載っておりますよね。これが200cmで、縦が少し長いですかね。これが220cm角でいけるよっていう御判断でいいわけですよね。
(事務局)
そうです。
(山口委員)
それで、基準に合う例が挿し絵として入ってくるっていうイメージですね。
(事務局)
はい。
(山口委員)
前回の会議のときも、この議題で少し申し上げたのですが、今、比較的大規模建築物の場合、1つ1つをこうやって造作でみんなのトイレ作るというよりは、例えばTOTOさんのパック商品があるんですよね、トイレパックというもの。
それをもうポンっと入れてしまうことの方が、やはり現場として時間の短縮になる。コストは若干上がってしまうのですが、時間の方が今は重要視されますので、そちらを採用されることが非常に多いです。そこで、基準で示すこともさることながら、そのメーカーの方へそういった指導を行っていくようなことも、再度お願いしたいなと思います。
(大原会長)
具体的にはガイドブックの改訂というのが、スケジュールにありましたよね。11月から図版作成を開始して来年4月に書き変わるという。そこには書かれることになりますかね。
(事務局)
今回の改正事項については、施行までの間に、暫定版としての絵を入れ込む予定としておりますけれども、今回、議題3で話をしていただくようなものも含めた最終的な完成といいますか出し方は、来年の4月を予定しているということでございます。ですので、9月の段階で、一旦として、220cmの絵も入れ込む予定でございます。
(金子委員)
これは望ましい方向性を示しているということですね。
(事務局)
そうですね、「望ましい水準」となります。
資料2の1ページの一番下に「第4章項目の種類」という部分がありまして、「解説」と「望ましい水準」がどういったものかというのを簡単にまとめておりますが、「望ましい水準」というのは、整備基準を遵守した上で、より快適にできるより望ましい方向性ということで、施策での対応をしていく部分になります。「解説」というのが、整備基準のより具体的な内容を示したものとなりまして、いわばその整備基準と一体化した基準のようなところになり、審査窓口における行政指導の対象になるようなものになってございます。この度の介助用大型ベッドにつきましては、これまで「望ましい水準」ということで、設置するといいですよってところから、標準的な設備として設置をしていただきたい、というところに引き上がったということ。努力義務という中ではありますけども、設置を指導していくべきものになったということでございます。
(大原会長)
そういう意味では、この赤いガイドブックっていうのは、いつ作られたのかな、改めて見てみるとやっぱりかなり古いなって感じがしました。発行は平成21年ですね。国の方のガイドラインにも割と大分前から入っていたような気はしますし、トイレメーカーが作っているパンフレットや何かの方がむしろ進んでいる感じがかなりあります、男女共用とか。その辺の方がかなり先を行っている感じなので、設計する場合はやっぱりそういう具体的なモデルになる図だとか、具体的なイメージでやっぱりあった方がずっと普及するはずです。
今のところ、それが絵として出てきてないというのがやはり、意識変える上では、遅れをとってしまっている感じがありますね。
早いところ、来年までにこの改訂を具体的に進めるということでその辺も意識しながら、ぜひ、少し先を見た改訂にしてもらえるといいかなと。
(山口委員)
もう1つ、少し小さい話で、いつも本を見ていて思うのですが、例えば今のこの87ページのレイアウト例が幾つか載っていますよね。それで、レイアウトとして一番左から、だんだんオプションが多くなっていくというのもわかりますが、もし望ましいと考えるものがあるのであれば、望ましいものが一番最初にあった方がいいと思うんです。そこから100歩譲ってこっち、のように落としていくというか、その方が設計者への訴えかけとしては、より効果的ではないかと。そちらをまず見て、選択肢としてそうなると、せめて真ん中ぐらいにしとこうかみたいな感じに、人の気持ちとしてなるんじゃないかと。どうしても一番簡素な、一番左の絵をやっとけばいいなっていうイメージになりかねないと思いますので、もし校正されるのであれば、触れるところから、順番も変えていって、「行政としてこれがやって欲しいことです」というのを最初に、ドンっと出した方がより良いのかなと思いました。
(大原会長)
私からは、具体的にこのガイドブックの編集の段階での話かもしれませんが、トイレに関しては、「トイレ」と使ったり、「便所」「便房」、特に分散型のトイレの話をするときには「便所」なのか「便房」なのかが曖昧になるところがよくあるので、その辺の定義っていうか言葉の定義みたいのはどこかに入れておいたらいいんじゃないかなとは思っていつも聞いています。言葉は難しいですよね。
いかがでしょうか。基本的にはここまで議論されてきたものが、まとめられて書かれているということです。
あとは、先ほどもお話がありましたけれども、どこにそれが設置されているのかっていう情報は非常に重要な意味があると思うんですね。ここには誰が使えるトイレがどういうふうに設置されているかって言う情報というのは入口の表示とかでも、それこそ便所域全体の図というのがあり、さらに便房の中の図があるわけですけど、全体の表示というようなことも重要だと思います。
これは整備のガイドブックですが、やはり何か表示の仕方とか、場合によってはデータ的なものも、何らかの形で標準化しておくと。ここのトイレはどういう規模で、どういう物や設備があって、何ができるという情報が設置される時点で、どこかに提供される仕組みができていると、それが積み重なっていき、それを便利に使うかっていうのは民間のアプリがやってくれると思うんですけど、何かそんなことも仕組みとしては必要ではないかと思います。
(石渡副会長)
障害者の方、特に車椅子の人などは外出するときは、まずはトイレがどこにあるかを確認してから、どこに行こうか決めるみたいな話はよくあるので、一般の人たちが見られる県のホームページみたいなところで、バリアフリーについてはここに集まってますよ、みたいなものがあるといいのかなと思ったりしたのですが、既にそういうのはあるんでしょうか。
(金子委員)
一般の人向けってことですよね。
(石渡副会長)
建築の専門家向けとかではなくってことです。
(事務局)
県ではトイレ情報につきまして、民間の「check a toilet」というオープンデータサイトがあるのですが、そこと連携をしていまして、情報提供に同意が出た施設についてはその情報を県が取りまとめて情報を流す仕組みというのがあったりするんですけれども、必ずしも全ての施設さんで同意がいただけるわけでもないということもあって、一部に留まっているというのが現状ではございますが、そういった形で、県の情報として収集したものを、なるべく公開して見れるような形にしていこうということで県のホームページと、あとそういったオープンデータサイトである「check a toilet」いうところで、まずは提供を始めているところです。
あわせて石渡副会長がおっしゃるとおり、当事者の方からも、やはり情報がもっとわかると良いという話もいただいてございますので、そちらにつきましても、何か県の施策が必要じゃないかということで、今検討を進めているところになっています。
(山口委員)
データの集積について、今、私たち設計者はBIMというツールを使い始めているんですね。ビルディング・インフォメーション・モデリング。それを使った確認申請が2028年だったかな、に公共建築物に関しては、原則BIMによる申請が基準になるよということを国交省さんが今、謳っています。何が今までのデータと違うかというと、BIMというのはそれぞれの設計したデータだったり、そのトイレの便器そのものが、ちゃんとデータの中で便器として存在するんですね。今までは立体の絵でしかなかったけど、「私は便器です」っていう情報を持ったデータとして入っていきます。
BIMデータが蓄積されていくと、どんな便器がどこにあるかっていうのが全部データとして抽出できるようになります。
これはそこの仕組みをきちんと作っておけば、この条例の中で、例えばそのBIMデータの中には、こういう情報をデータとして、拾い出せるように入れておくようにみたいなルールを作ってしまえば、あとは確認申請してきたデータから自由に欲しいデータを抽出すればよい。そこにソートをかければいいということですね。なので、その辺りも睨んで進んでいかれたら、今のデータの集積には少なくとも役に立つし、BIMで確認申請する意味っていうのも出てくる。
公共の建築物であれば、何年後に便器が壊れるっていうことまで想定がつくんですね。そうすると修繕計画もその時点で立てられるとか、大きく今までの設計行為と異なったものになっていくので、今この条例の整備というのを睨んでいくと比較的かなり進んでいるというか、考え方としては進んだものになっていくのではないかなといった感じはします。
(大原会長)
すごくいいですね、期待ができる。
このバリアフリー関係に関しては、事前協議という仕組みが、通常の確認申請の段階であるわけですから、BIMが全体的に使用されるというのかな、標準になる以前にも情報としては今得る仕組みがあると思うんですね。
全ての建築物が公共の資源だとすれば、特にトイレっていうのは大変重要な資源で、災害時や何かには、非常に重要なデータになると思うので、だからそれに向けて少しでも、例えば事前協議の仕組みの中に、トイレ情報だけでいいのかわかりませんけれども、バリアフリーに関する情報をあらかじめ収集するという仕組みを県とかで作ると、すごく良いんじゃないでしょうか。
それが、いずれは全面化BIMの時代になった時にもすぐに移行できるし、何らかの形で実現させるとすごくいいことかなと思います。
(金子委員)
せっかく新しい試みを一生懸命やろうとしているので、今の山口委員がおっしゃったようなBIMは実は大変なんですよ。私の事務所でもBIMをやれるのは3人ぐらいしかなくて、高齢者になってきたらもうできないっていう、そんな状況ではありますけれども、非常に効率的でもあるので、特に住宅関係をおやりになる方は、割合使いやすいかもしれない。
また、公共建築のような大きいものをやっているときには、大原会長がおっしゃったような、いろんな情報がそこに集積されれば、集め方がいくらでもできる。
だからどこかでBIMの情報収集とか、システムを考えておくという一考を入れるぐらいでも将来的にはプラスになるだろうと思うんですね。
すぐには、数年で出るようなものではありませんので、多分。確認申請の展開は2・3年後でしたっけ。
(山口委員)
国交省のロードマップでは2027年ですね。もうすぐなんですよね、意外と。あと2・3年の話で、本当にそうなるのかってみんな言っています。ただ、方向性としてはもうそちらに舵を切っていく。
(金子委員)
人手不足が一番大きな原因ではあるんですけど。だからそのために、取り入れるところは取り入れていく。
(石渡副会長)
今、大原会長が災害時のトイレの話もされて、本当に今回の能登の地震ではその辺りがクローズアップされていたように思います。
もし、そのような情報をアップするとしたら、やはり高齢者や障害者の方が接近しやすいのは社会福祉協議会とか地域包括支援センターとか、そういう所かと思う。何かそういう場所に情報が集積されるとよい。接近しやすい所はどこかというような視点。
建築側、作る側の情報収集の場とはまた違うところで、使う側にとっての、アクセスしやすい所みたいなことも、少し検討していただくと良いかなと思います。
(笠井地域福祉課長)
御意見ありがとうございます。今、いろんな新しい制度が始まる中で、どれだけ情報を受けられるかっていうところは、これから確認して参りますけれども、いずれにせよ、そういった建築の情報を県の方で、可能なものを集める。それをまた県が出すというより、やはり「餅は餅屋」じゃないですけど、そういう情報を発信しているオープンデータサイトもありますし、ユーザーさんが便利に使っているサイトというものがあると思いますので、そういうところに適切に情報を流していくことができるように、ちょうど今、我々も先ほど少し説明がありましたけど、このバリアフリー設備の「見える化」というところをですね、どのように進めていくか、少し考え始めているところですので、それとあわせて検討していきたいと思います。
(大原会長)
なかなか、次の展開まで見えてきて、良かったですね。
では、この件は、これまで検討してきたことを具体化するという段階になっていますので、いま出てきたようないろいろな情報の技術なんかも、そこにうまく組み合わせて、ガイドブックの改訂の作業にかかるんですかね。ということでお願いしたいと思います。
それで、先ほどのスケジュールの話になるんですけど、ガイドブックを改訂している途中段階で、このグループで一応見ることができるってことですか。チェックする。
(事務局)
まず10月に3月に改正した規則が施行されることになりますので、その前に必要な情報を届けなければいけないということがございます。いろいろ先行している自治体さんもございますし、国の方でも参考となる絵が出ておりますので、まずはそういった絵を御紹介するようなところ形から始めていき、最終的には県のガイドブックとして、しっかりまとまった1つのものにしていく作業というのを、7年度に向けてやっていくと。
その過程の中にあって、会議の場もございますので、そういった場を使いながら、皆様にも、こういう形になりますということを、適宜情報の共有をさせていただく予定でございます。
(大原会長)
はい。それでは、また途中段階でも、いろいろ御意見とか、アイデアいただいていきたいと思います。
(石渡副会長)
今回、トイレのことに話題が集中しちゃったんですけど、あと公園のことについても、いろいろと検討していただいています。
いまどこの自治体も、上位計画といいますか基本計画みたいなのを作るときに、子供が希望を持てるような地域にどうしていくかっていうところで、公園が必ずすごくクローズアップされるんですね。だから、今の課題もいろいろあるかと思うんですけど、何かその子供が将来、地域を背負っていくみたいなときに、公園というのがすごく大きな意味を持っているなぁということを今再認識しているので、公園の情報が子供たちに上手く伝わっていくことも大事なのではないかと感じています。
(事務局)
ありがとうございます。公園については、まずバリアフリーの立場として、アクセシブルな公園としていくために、車止めの柵であるとか、そういったところを基準としては考えております。また、今おっしゃっていただいたように、いま公園に関してスポットが当たっていることも承知しておりますので、そういった部分は公園の所管部署がございますので、情報共有しながら、希望が持てるための公園となっていくように、情報提供も含めて、いろいろと検討をしていきたいと考えています。
(山口委員)
1つよろしいですか。資料2の18頁エスカレーターの話なんですけれども、先日もおばあちゃんですかね、痛ましい事故のニュースがありまして、ちょっと今言うのは遅いのかもしれないのですが、毎回事故の内容を見ると、その前に子供が指挟まれたっていうのも、回ってきて最後の吸い込まれるところ、あそこで皆さん大怪我されているんですよね。
人の命まで亡くなっているのに、そこの改善命令とかっていうのは出てないのかしらっていうのはすごく思ったんです。バリアフリー条例ではさわる話ではないのかもしれないですが、以前、回転自動ドアで子供が挟まれて亡くなったときにも大きな問題になって、そこの対応策というのが、結構早く出た記憶があったんです。エスカレーターについても、例えば2階との間に三角板つけろとかそういうのも、確か人が挟まれた事故に起因して基準ができていたように思うんですが、あの程度の簡易なものでいいから何かできないのかなというのを、ちょっとその事故のときに思いました。ちょうど今この内容が、「望ましい水準」ということになっていますので、今更ですけど、何かそういったものを付け加えられないかなっていうのは思いました。バリアフリーっていう意味ではないのかもしれないんですけど
(事務局)
先日ですね、今お話があった事故の関係で調査報告書を国がまとめていたような記憶があります。そういったところも見た上で、また逆にですね、付け加えるにしても対応可能なものでなければいけないというところもございますので、そういうことを踏まえながら、少しそこの部分については、対応を考えてみたいとは思いますが、もしかしたら、このバリアフリーの基準の中で、このタイミングで入れるということが難しい可能性もあるのかなと思いますので、そこは検討を引き続きしていきたいと思います。
(山口委員)
円滑化経路としてエスカレーターを進めていくという意味で言うと、老人の方もやはりエレベーターだと結構待ったりするのが面倒くさいみたいな方で、あの時も確かそうですよね、カートというんですか、引っ張って運ぶやつです。あれを一緒に乗っけてしまって、それがうまく動かずに挟まれてしまったみたいな内容だと思いますが、円滑化経路としてそのエスカレーターの設置を推奨していくのであればそこの安全性も話をしていくべきだと思いますし、あわせて言うと、「角度」と「速さ」。これも場所場所によってまちまちなんですよね。要は設計者に委ねられているんです。
そこも、もう何かその1つ物差しがあると、例えば、弱者が集まる建物の場合は、何度以上の何度以下、速度は何メーター以下みたいな、明確な基準を定めておくとか言ったようなことがあってもいいのかなっていう気はします。
どっち回りにするか、全部そうなんですけどね。全部そのプロじゃない人たちに委ねられてしまっていますよね、エスカレーターの運行自体が。
あれ向き変えるのもお店の判断で変えられちゃうので、そうすると、例えば、利き手が違う人にとって、回りにくい運用されているお店っていうのも、お店の都合でなってしまうんですよね。そっちの階に人を溜めたいみたいなときに。こっち回しで設計者が設計していたものを、お店の判断の逆回しにしてしまうということもあって、その場合、若い人とかはいいんです、健常者はいいんですけど、やはりシニアの方とか多少その体が不自由な方になると、それだけでもう途端に降りにくくなるっていうことに繋がると思いますので、そこら辺も含めて、エスカレーターについては、引き続き議論していただきたいなと思いました。
(事務局)
ありがとうございます。そちらにつきましては、なかなか少し技術的な部分もありますので、多分すぐに結論が出るものではないというところもありますし、神奈川県だけで決められるものなのかどうかも含めて、課題もいろいろとあるかと思いますので、今いただいた御意見、御助言というのを、一旦受けとめさせていただいた上で、必要に応じて、場合によっては適切なところ、国や関係部署につなぐとか、若しくは引き続き御議論いただく中でですね、考えていきたいと思います。
(大原会長)
今回このガイドブックを改訂するわけですよね。改訂というのは、これをもう一度編集し直すってことですよね。たくさん新しい絵がきっと入ってくると思うので、今エスカレーターだと51頁、この程度なんですが、ここにもっともっとたくさんいろいろ書き込めること、注意すべきことが入ってくると思うので、こういうところで、とにかく方向性をちゃんと示していくっていうことじゃないかなと思います。
規則の文章にするまでには、結構大変かもしれない。いろんなメーカーがあったりするかと思うので、推奨事例というか、望ましいよりももっと厳しくていいとは思うんですけど、こう作りましょうという、そういう事例を見せていく。
(金子委員)
何か入れたほうがいいような気がいたしますね。この会議の中で、少しそういう意見が出ていることはやっていかないと。
(事務局)
具体的な、先ほどおっしゃっていただいたような「角度」とか「速さ」とかそういった部分を定めていくっていうのは少し議論が必要な部分だと思いますが、おっしゃっていただいていたような、こういったことに注意した方がいいというような留意事項として、推奨される形としてはこういう声があるという、そういった紹介をさせていくような形で記載することは可能かと思いますので、そこからまず考えていきたいと思います。
(大原会長)
ありがとうございます。そんなところでしょうかね。少しずつ具体化していく段階でまたこのメンバーで意見を言わせてもらえるということであれば、その都度、もう少し具体的に詳しくやれればいいかなというように思いましたね。
では、このような方針で進めていただくということでよろしいでしょうか。
[意見なし]
続いて、3つ目の議題がありまして、今回、国の方で改正されるものに対しての県の対応についてということです。資料3をもとに事務局の方から説明をお願いします。
(事務局)
それでは資料3でございます。「建築物移動円滑化基準の改正に伴う本県の対応について」です。
1スライド目。国の建築物移動円滑化基準の改正の概要でございます。移動等円滑化の一層の推進に向けまして、便所、駐車場、劇場等の客席客室に関する基準が改正されました。公布日は6月21日で、施行が7年6月1日となってございます。各項目の改正内容につきましては、次ページ以降で御説明をいたします。
スライド2を御覧ください。まずは便所の改正内容でございます。これまでの義務基準は建築物に1ヶ所以上を設けるということでしたが、こちらにつきまして各階1以上ということで、基準を強化するということです。
その際には一律にというわけではなく、小規模階を有する建築物につきましては、1,000平方メートルに達するごとに1ヶ所以上と緩和し、大規模階を有するものにつきましては、逆に付加をしていくという形で規模に応じた基準の設置になってくるというところでございます。特に小規模化への緩和規定の所がちょっとわかりづらい部分かと思いますので、例としてケース1、国会議の資料のものを抜粋しております。5階建てケース1になりますと、5階建てということになりますので、標準的には各階1ヶ所以上ということで5つの車椅子使用者用便房が必要である、いうところについて、各階の面積が1,000平方メートル未満ですから小規模階に該当、1,000平方メートルに達するごとに1ヶ所以上、今回は2,000~2,999平方メートルとなるため、2ヶ所で良い。これまでの基準では1ヶ所でよかったところが2ヶ所必要になるということでございます。延床面積1,000平方メートル未満である場合の取り扱いであるとか、標準的な規模の階と小規模階が混在するような場合であるとか、そういった場合の取り扱いなどの細かい点につきましては今後示される関係告示や通達などによって示されるものと考えてございます。
スライド3つ目です。駐車場、あと劇場等の客席の改正内容でございます。
駐車場について、車椅子使用者が乗降できる幅の広い駐車区画につきましては、これまで建築物に1ヶ所以上、1台以上設けるということでしたが、こちらが駐車台数に応じた適用になっていくということでございます。
また、客席の部分でございますけれども、こちらにつきましては、これまで義務基準がなかったところに対して、同じく客席総数に応じた設置が義務基準化するというところでございます。
4スライド目を御覧ください。こちらは円滑化基準改正前と改正後のもの、あとは県の条例を並べておりまして、現行の規則の水準がどうなっているかというものをまとめた表でございます。今回の改正に伴いまして、改正後の移動等円滑化基準が、いずれの場合についても県の整備基準を上回るような状況というのが生じてくる、ということです。
5スライド目を御覧ください。この建築物移動円滑化基準と県条例の整備基準の関係について簡単にまとめたものでございます。このバリアフリーに基づく建築物等円滑化基準につきましては、障害者等が、建築物特定施設を円滑に利用できるように定めた「最低限のレベル」という整理がされてございまして、建築基準関係規定として建築確認の審査において適合性が担保される仕組みとなってございます。一方で、2つ目のチェックについてですが、県条例に基づく整備基準について、障害者等の利用に配慮した整備を進める点で、目的としては同じところになりますけども、バリアフリー法の規定と同程度またはそれを上回る水準とした上で、事業者の理解をえながら、より高い水準での整備を求めていくというものでございます。
具体的な例としましては、その下のところ「確認施設の範囲」という部分でございますが、対象施設の追加をしたり、あとは対象面積の引き下げをするという対応をしています。
その他、整備基準の付加例としましては、記載のようなところで、基準がないところに県の基準が設定されることによってより高い水準を目指していくということをやってきたところでございます。
スライド6を御覧ください。こちらにつきましては先ほどの話と少し異なる部分の話になるのですが、バリアフリー法の付加条例に関する規定の話でございます。条文記載してございますが、バリアフリー法第14条第3項で条例による基準の上乗せが認められておりまして、特定建築物について特別特定建築物に追加する。あと面積の規模を引き下げる、整備基準の付加を行うということが可能とされており、県のバリアフリー条例の第4章という部分で付加の規定を置いてございます。それぞれの内容につきましては、この線を引いたところ、学校・共同住宅・老人ホーム等の特別特定建築物への追加であるとか。規模の引き下げっていうところをやってきています。
スライド7を御覧ください。施設種別、施設面積ごとに適用される基準をまとめたグラフになっています。グラフの見方につきましてですが、例えば「物品販売業、飲食店等」というところでございますが、法による特別特定建築物としての基準は2,000平方メートル以上というところで、網々のところになってございます。法委任規定、先ほど申し上げたバリアフリー法第14条の規定に基づく委任規定としまして、こちらについて、500平方メートルまで引き下げを行っていて、それがこの縦線の部分ですね。その規定に加えて、県の独自の条例として、第3章という規定がございまして、主に議論していただいている部分は、この第3章の規定でございますけども、これがかかっていて、200平方メートルまで引き下げてやっております。このため、例えば800平方メートルの商業施設があった場合については、200平方メートル超えているので独自基準がかかり、かつ、この条例付加部分の規定に該当しますので、政令基準と両方の適用を受ける、そういった規定になってございます。これを適用基準の区分別に整理したところがこの下の四角囲みのところでございますけども、政令基準に該当するところ、この網々部分につきまして、県独自条例の部分と政令基準の両方が適用される部分となりますが、独自基準がこの最低限の基準とされていたはずの政令基準を下回るようなねじれの状況が起きてしまっているというところなので、ここにつきましては少なくとも改正政令の施行日までに、同水準までの引き上げというのをしていく必要があるというところでございます。
(2)の縦線の部分につきましては、現時点でこの第4章の付加条例基準に関する部分の緩和規定等を設ける予定はないと聞いておりますので、そうすると、やはりねじれの状況というのが起こってくるというところになります。
それで、この(3)ですね、「県条例(3章のみ)」というところがかかる部分につきましては、国の基準適用を受けませんので、こちらについては、基準のねじれという観点での問題は生じておらず、国の動きを受けて県としての改正の必要性というのを、個別に判断していく部分が、この(3)になってございます。
スライド8を御覧ください。先ほどの(1)(2)に該当する施設に関する対応でございます。今回の政令基準の改正を機に、この基準を上回る新たな基準の設定をしていくということも考えられるところでございます。しかしながら、改正後の政令基準というのがこれまで県が「望ましい水準」として設定してきた水準と概ね同程度となってございまして、仮に、新しい基準を設定するとなれば、事業者・当事者の意見を聴取し、議論を尽くす必要があるかと思いますが、政令施行日までの期間が限られているところもございますので、そういった観点では十分な期間を確保できないというところもございます。
以上を踏まえ、四角囲みの部分でございますが、「政令基準が適用される建築物に対しては、県整備基準を改正政令基準と同等まで引き上げることで対応してはどうか。」いうことを1つ目の論点として挙げさせていただいています。
スライドの9を御覧ください。便所の規定でございます。以後は(3)の先ほど申し上げた県の独自基準が適用される部分のみの話となります。
独自条例が適用される施設のうち、右のところにグラフを再掲させていただいていますが、こちらの塗りつぶしの部分、ここが主な対象部分になってございますけども。この表のうちの1の部分につきましては、必ず小規模階を有する建築物の特例を受けるところになってございます。総面積が1,000平方メートル未満であるため、階数にかかわらず、必要な車椅子使用者便房の数は1以上というところで、現行の基準から変わらないようなところになります。
一方で、2の部分ですね。共同住宅と事務所・工場についてでございますが、施設の規模・形状によっては、特例の適用を受けることができない場合もございます。
ただし、特に2,000平方メートル未満の小規模な共同住宅につきましては、共用部分におけるトイレのニーズっていうのはそれほど大きくないんではなかろうかということがございます。また、事務所・工場につきまして、法上の整理としましては特別特定建築物ではないというところで基準の対象外となっているところでもございます。そういったことを考慮しますと、各階ごとに車椅子使用者用便房の整備を求めることっていうのが、少し過剰な負担ではないかということも懸念されるところでございます。
一方で、事務所に関しましては、現に不特定かつ多数の方の利用が一定程度考えられるところでございますので、例えば、車椅子使用者用便房まで各階で求めなくても、各階に障害者等が円滑に利用できる便所の設置を求めることというのは考えられるのではないか、というように思っております。
以上を踏まえまして、この四角の囲みの部分でございますが、「県条例(3章)の規定を、改正政令基準と同等まで引き上げることとし、2の部分に関しては適用除外の規定を措置することとしてはどうか。また、施設面積1,000平方メートル以上の事務所に対して、各階ごとに、障害者等が円滑に利用できる便所を1以上求めることについて、どのように考えるか。」ということにつきまして、便所の論点として進めさせていただきたいと思います。
続きましてスライド10でございます。劇場等の客席についてです。改正政令基準につきましては、施設面積ではなく、客席数に応じた適用となっています。そうなりますと、現行規定に照らして同程度まで引き上げても過度な負担とは言えないのではないかというように考えています。また、基準のねじれが生じる401から500席を有する施設というのは、通常、300から500平方メートルという規模を上回る整備になることが一般的かと思います。そうなりますと、基準引上げによる影響はそれほど大きくないのではないかと考えられます。
以上を踏まえまして、四角囲み「県条例(第3章のみ)の施設に対しても、改正政令基準と同等まで引き上げてはどうか」ということを客席の論点とさせていただいております。
スライド11を御覧ください。駐車場について、基準の検討を行うために、3年度・5年度に条例に基づく協議を行った施設の状況について確認したものでございます。調査対象施設につきましては、右下の表の矢印、調査対象施設と書かせていただいたところです。施設面積500平方メートル未満のものについて確認をしたところでございます。
スライド12を御覧ください。内訳の調査結果がございます。総駐車区画数の割合を確認しますと、施設面積500平方メートル未満の総駐車区画数というのは、全体の97%が50台以下というような結果でございました。なお、総駐車区画数ごとの車椅子使用者用駐車区画の整備台数につきましては参考に記載のとおりでございます。
スライド13を御覧ください。仮に県条例を改正政令基準と同程度引き上げた場合の影響について、右のとおり表にさせていただきました。この表の一番右側「条例⇒政令改正基準(増分)」とありますのが追加的に必要となる区画数でございます。ここの太枠で囲んだとおりでございますが、総駐車区画数が50台以下の場合につきましては、現行基準と必要数には差がない、0ということでございます。そうしますと先ほど調査したいただいたとおり、全体の97%がここに該当するということになりますので、仮に基準を引き上げたとしても、大部分の施設については影響がないということになります。また、総駐車区画数が50台を超える施設についても一部ございますが、件数的に少ないので、影響をこの調査だけで測ることというのは難しいところではございます。ただし、今回の改正政令基準というのが、施設面積ではなくて、総駐車区画数から基準を定めているものでございます。多くの駐車区画があるというのは、つまり駐車ニーズが高い施設ということになりますので、こういった施設に対して新しい基準を適用したとしても、過度な負担であるとは言えないというように考えてございます。
また、参考の推計値でございますけども、改正政令基準の2%という水準につきましては、区画を必要とする者の割合に照らして妥当な水準ではないかというように考えてございます。
以上のことを踏まえまして、太囲みの部分でございますが、「県条例(第3章)の規定を改正政令基準と同等まで引き上げてはどうか」ということを駐車場の論点とさせていただきました。
スライド14を御覧ください。経過措置についてです。現在の検討案を前提とした場合の対応につきまして、「便所については、適用除外措置を講じることによって、実質的に現行基準から付加される施設はないため、改正政令と同時に施行し、経過措置を設けないこととしてはどうか。」ということでございます。一方で、「駐車場、劇場等の客席につきましては、大多数の施設に求められる水準は、現行水準とは変わらないというところでありますが、一部施設につきましては基準の付加が行われることになりますので、そうした施設に対する周知、そして準備期間を確保する観点から経過措置を設けてはどうか」というところを駐車場、劇場等の客席の論点とさせていただきました。
長くなりましたが、事務局からの説明は以上になります。
(大原会長)
ありがとうございました。まとめていただいた論点は、4つか5つぐらいありますね。その辺を中心に1つ1つ見ていきたいと思うのですが、最初にどこか気になるところはありますか。
(石渡副会長)
劇場の席については、その席数はいいと思うのですが、よく聞くのが場所ですね。後ろの方で、車椅子の人には見えにくかったみたいな話があるので、できれば、見やすいところに設置というような基準を作っていただくと良いのかなと思います。
ところで、車椅子用の劇場席っていうのは、車椅子の人が来なかったときに、一般の人が使えるのでしょうか。
(金子委員)
使える部分もあるし、使えない部分もあります。空間だけ取っているところもあります。
(石渡副会長)
なるほど。車椅子の人がいらっしゃらないなら、一般の人が使うみたいなことにしておいて、なるべく見やすい席にといったところまで書き込めるといいかなと思っています。
あと駐車場に関しては、やはりこれは確保していただかないといけないというのも、良く話題になるところではありますので、条例の基準を政令どおりに引き上げるというところは、それでいいのかなと思いました。
(大原会長)
他はいかがでしょうか。基本的に国の基準をそのまま適用させるということ。やはり県としては、できればそれ以上のことを目指したいわけで、それをどういうところでより良い基準に変えていくかということかと思います。
1つは先ほどの客席に関しては、数だけでなく、位置ですよね。
(金子委員)
大体見やすくないですよ、そう思います。
(大原会長)
余った場所につけられてもしょうがないですよね。それに関しては、オリパラ関係で最近整備されてきたサイトライン、いろいろ見やすい席みたいなものが多分、基準化されてきたのかなとは思うのですが。
(事務局)
はい、そちらにつきましては、直接お話をしなかったのですが、資料2で先ほどガイドブックの改訂の話をさせていただきましたが、客席に新しく「望ましい水準」を設定するということを記載させていただいています。
その中では、車椅子使用者の客席につきましては、まず車椅子使用者が選択できるように、2ヶ所以上の異なる位置に分散して設けることが望ましいということ。あとはサイトラインの確保に関する規定というのも記述として追加させていただくようなことで検討してございます。ページ番号で申し上げますと、資料2の13頁の一番下でございます。
(大原会長)
何か質問などなければ、1個ずつ確認していきましょうか。この論点とされている。スライド8のところで論点とされている四角で囲ってある部分、ここを確認すると、とりあえずはいいでしょうかね。
これはいいと思うのですが、県の整備基準、今まで枠は広かったわけですけどそれを今回の改正政令基準まで引き上げると。それ以下だったものに関しては、引き上げるということ。少なくとも、国以上には配慮はしておきたいという基本方針、これは多分いいですよね。
それで、スライド9枚目、その下の便所に関してですが、この検討を要する範囲っていうところ。基本、例えば共同住宅というのは、神奈川県では、割と厳しめといいますか、東京、神奈川、横浜ぐらいのところで基準を厳しめに作っているわけですけども、そこは適用除外っていうことになる。逆に言うと、国の水準に合わせるといいますか、厳しくしないでとりあえず置いておこう、そんなことですねこれは。
(事務局)
そうですね、国のもともとのバリアフリー法の中では、共同住宅は、特別特定建築物という、バリアフリー法を適用するようなところになってない部分に対して、県が独自に、共同住宅といえども、やはり今後の社会情勢も踏まえれば、バリアフリー化していく必要があるということで、共用部分に関する基準を付加する形で、特別特定建築物に追加している部分でございます。
あわせて、更にその追加に加え、県の独自条例で、その範囲をさらに広げる形で、やっているというところもありまして、そもそもの水準として高いものを求めてきているというところが、まずはあるというように考えてございます。
その上で、便所という部分に着目したときに、車椅子使用者用便房を各階に求めていくニーズというのが、果たして共同住宅にあるのだろうかというところを考えますと、基本的にはそれぞれの居室の中に便房があるという中にあってですね、各階に更に設置を求めていくというのは少し、過剰な負担ではなかろうかというところもございましたので、この度このような形で、便所の規定に関しては除外してはどうかということを置かせていただいたというところです。
(大原会長)
それで、ただし、事務所については1,000平方メートル以上のところにはつけてもらおうというのが、ここにある国より上回る部分として提案したいということですよね。
私はそのあたりはいいかなと思って聞いていました。いいかなと言うのは、要するに事務所も障害を持っている人たちの雇用をもっと推進するべきだし、まだまだ立ち遅れているところもあるので、そういう意味では基本的に事務所に置いていくというのは、神奈川県の方針としてはそこをプラスしてもいいのではないかなというようには思っているのですが。この辺りはいかがですかね。
(山口委員)
今の共同住宅と事務所の例で言いますと、トイレを設けることは、できるといいますか、計画上はできる気がするのですが、そこに至る経路の取り方で、例えばトイレが、またトイレに限らず給湯室とかそういったものが建物の上階にあった場合に、そこまで車椅子用のエレベーターが、というような経路にまで影響していくっていうことを考えると、何か実現が結構難しそうだなというのが、率直な感想です。1,000平方メートルの平屋っていうのはまず考えられないので、複数階になりますよね、当然。そうすると、そこへ至る経路にも影響する。エレベーターシャフトも大きくなるとか。特に事務所の場合は、レンタブル比が激しく計画上で取りざたされる中で、共同住宅もそうですけども。
(大原会長)
そうか、これは延床1,000平方メートルってことですね。各階あたりじゃなくて。
(山口委員)
そうですね。そうなると3・4階建てぐらいのビル。1階にならいいんですが、これぐらいの規模ってなると各階に果たして。うん、まぁ賃貸ビルなら各階トイレ。そうか、そう考えればいいのか。
(大原会長)
エレベーター設置はどんな規模でしたっけ。
(事務局)
神奈川県の条例の中では、1,000平方メートル以上、かつ、共同住宅等につきましては、4階建て以上の場合について、エレベーターの設置を義務付けております。その場合のエレベーターにつきましては、車椅子使用者の方がそのまま進入できる大きさを持っていただくことを基本としてございます。なので、そういった意味で言いますと、1,000平方メートル以上かつ4階建て以上の階を持つものにつきましては、エレベーターという垂直方向の手段は確保されているところが議論のスタートになるかと思います。
(大原会長)
その上で1ヶ所どこかに車椅子のトイレがあるの。
(事務局)
そうです。現行の規定は1ヶ所どこかに持つというのが基準になってございます。もしこの国の改正政令の基準をそのまま持つと、国の書き方によっては、まだ出てきてないのでわからない部分もあるのですが、各階に持たせることになってくるとすれば、基準としては、だいぶ重たいのかなというところがあります。建物各階1個っていうのが基本になっていく中で、共同住宅・工場につきましては除外をしていくと。事務所につきましては、車椅子用の広い便房まで必要かどうかというところは少し議論の余地があるかと思いますので、円滑に利用できる便房という形で、少し配慮したトイレ、腰掛便座を持っていただくとか、一定の幅員が確保された戸を持っていただくとか、そういうところの規定を適用せしめるような形で整理してはいかがか、というのが今の事務局案になってございます。
(金子委員)
そんなもんでしょうね。スペース的に考えて。
(山口委員)
それであれば、はい。
(金子委員)
やったらいいんじゃないかと思いますよね。
(大原会長)
そのうち1ヶ所は車椅子対応ということですね。
(事務局)
はい。
(大原会長)
何となく実務感覚で納得できる範囲ということで、いいですかね。
(金子委員)
何となく細分化して考えようとすると、ちょっと不自然になってくるような気がするんですね、どうもこういうのは。
(山口委員)
これくらいでしたら、トイレも駐車場も特に実態とかけ離れているとは思わないですね。
(大原会長)
そうですね。次は客席で、客席に関してはその質的な条件を基準基準の中に書く。どうですかね。それとも「望ましい水準」いうことになりますかね。
(事務局)
先ほどの場所的なところの話ですか。
(大原会長)
はい。
(事務局)
今の整理としましては、「望ましい水準」としての位置付けを考えています。
(大原会長)
客席については、議論されたことがあったか、なかったかよく覚えていないのですが、特別客席っていうかな、特に発達障害の子供連れの観覧の場合に、ガラス張りの小部屋を一番上の方に作ったりすることが、最近配慮されたものとしては見るようになってきた感じがあります。基準として当然義務にはなりにくいかもしれませんが、「望ましい水準」くらいではそういう例示はしておいたらいかがですかね。あるいは靴脱いで横になって、見られるとかっていうような席ですね。
(金子委員)
既存の劇場の改修ではそういうのをやりますね。
(事務局)
そうですね、あまり個人的にですね、そういったところを見た記憶がなかったもので、基準に位置付けるというような発想がなかったところではありますので、少し事例として収集をしてみた上で、基準の「望ましい水準」として置くことができるかどうかも含めて、確認をさせていただきたいと思います。
(大原会長)
今見ましたら、ガイドブックに親子席ブースを設置することって書いてあります。そうか、親子席ブースとして作っておけばいいってことなのかな。
(事務局)
先ほどおっしゃっていただいたような、ガラス張りの小部屋とかそういった、発達の方に向けたものという配慮の部分までは、現行の記述の中では、少し読み取れない部分でもあるのかなといったところもありますので、そこはできるかも含め、確認をしたいと思います。
(大原会長)
他いかがでしょうか、あと駐車場がありますけれども。
最後の論点で経過措置ということで、14枚目のところ、便所についてはすぐ基準を変えたらすぐに実施してもらおうというようなこと、経過措置を設けないこととしたらどうかということですね。
駐車場なんかもすぐでもいい気もするのですが。建築の実際の設計なんかで、大枠を変えなくちゃいけないようなことだと、ある程度準備期間を用意してあげるといいかと思うんですが。特に根拠があるわけじゃないですけど。
便所はすぐにという、それが設備的なもので、現実には、設備会社や何かが作って、まぁ先行してって言えばいいのかな、動いているようなところでもありますし、同じように駐車場も設備的なものとして考えると、すぐにでも対応してもらえるのではないか。
そんなに頭を悩ますことでもなさそうな気もしますが、事務局案としての2つ目の項目で「駐車場・劇場等の客席については」っていうことで書かれているのは、駐車場なんかは変わるのは難しそうだっていうように思われたということですか。
(事務局)
今の案としましては、県の条例が変わることによって、基準が重たくなる区分がありますので、「基準が重たくなりますよ」という周知のための期間が必要ではなかろうかというところですね。対応が難しいかどうかというよりは、基準が、実際にこの規定を設けることによって重たくなる可能性があるかどうかというところで考えておりました。便所については、実質的に現行から付加されないというところで、この条例施行によって増える広がるところがないから、同日でいいんじゃないかということです。
駐車場は区画の幅、ラインの引き方の話になるので、対応のしやすさとしては、もしかしたら便所などに比べてもやりやすいのかなというところもあります。対応のしやすさという軸で整理するということも、考え方としてはあるかと思いますが、今の案としては、基準が重たくかかる余地があるところは、期間を持とうという発想で置いております。
(大原会長)
なるほど、わかりました。
(山口委員)
1点確認させてください。この劇場等の客席が、面積基準から席数基準になりますということで、400席以下の場合は2席以上を設けるということですが、1席からという考え方になるんですかね、極論ですけども。
(事務局)
1席しかない場合は、2席以上を物理的に置くことはできませんので、不適合かと聞かれれば、不適合ではないんだろうとは考えつつ、下限の規定は設けていないというところです。現実的に客席が1個しか置かない建物があるかどうかというところっていうと、想定はしづらいと思います。
(山口委員)
実際、最近多いんですけれども、例えば共同住宅で、下層階を共用にレンタルも含めて、少し修繕費を稼ぐ意味合いでも開いていくような建物はすごく増えているんですよね。
その時に、例えば小規模のシアターで20席みたいなものが現実の計画としてもあったりするので、ゼロスタートにしてしまうとかなり重い。そういった場合は、特殊な例になるかもしれないので、何か逃げ場をこう作っといた方がいいのかなっていう気がしますけども。
(事務局)
そうですね、簡略化して記載したところがございまして、県の条例の書き方としましては、まず、建築物の用途をまず指定しておりまして、全ての客席を持つところではなくて、その用途にかぶったところが県の条例適用を受けるというところになっています。
そのとき受けるところは教育文化施設とか、その他、運動施設・興行施設・展示施設といったところが該当してきますので、先ほどおっしゃられたような所につきましては、義務基準としての規定はかからない形になり、「望ましい水準」という中で整理されてきます。
(大原会長)
はい、それでは基本的にいま提案されている原案に、先ほどの少し補足するような部分を加えるという辺りですかね。
学校は、特別特定建築物ですね。
(事務局)
学校は入っています。
(大原会長)
そうすると今の便所にしろ、客席にしろ、関わってくるっていう。
客席って教室はまた別ですか。
(事務局)
そうですね、客席に教室は入らないです。
(大原会長)
講堂みたいのは微妙かな。
(山口委員)
不特定多数の方が使うような作りにしちゃうと多分、学校じゃなくなってしまうと思います。複合施設の場合は多分適用になってしまうのではないか。
(大原会長)
それでも、問題ないのかな。ただ数が多いので、学校となってくると、バリアフリー化されてないところも、まだまだありますので。
(山口委員)
やはり一番の問題は、そこに至る経路が今まで例えば階段しかないみたいな計画が、傾斜路が必要になったり、エレベーターが必要になったりということかなと思いますね。
(事務局)
そうですね、講堂の席が客席に当たるかどうかというのは、パッと確認できないので、そちらにつきましては確認をさせていただきたいとは考えておりますが、いずれにせよ、恐らく今回のバリアフリー法の改正の中でかかってくるような大きさの席数の話になってきますので、条例というよりはバリアフリー法での対応となる部分かと思います。
今回の条例とのねじれの部分というところは、特に400席近辺のところに限ったものではありますので、今のところは、少し違う話かもしれません。
(大原会長)
大体予定していた時間ぐらいになりました。特に、ちゃんと見なおしたほうがいいみたいなところはないということで、この原案をもとに補足をするということで、よろしいでしょうかね。
[意見なし]
今日もしまとまらなかったらもう1回ぐらいやってもいいっていうふうに聞いていましたが、よろしければこの方針で詰めていただければいいかなと。
次の見直し会議は10・11月ぐらいに予定しているんでしたか。
(事務局)
今日の会議の結果を踏まえて、更に見直す必要があるということであれば、この場を設定する必要があるのかなというところで、置かせていただいたものです。
(大原会長)
そうすると、大体これでよろしいんじゃないかということでしたら、その整備基準改正案というものを作っていただいて、あとは書面で流していただくということで、いいでしょうかね。
(事務局)
承知しました。
(大原会長)
はい。そして、それを基にしてパブリックコメントを取るということになると。
それでは、今のような形で進めていただくということにしたいと思います。
これで議題3つが終わったということで、しばらくぶりの対面の会議でしたけれども、今日はありがとうございました。これで議事は終わりにしたいと思います。
(事務局)
委員の皆様におかれましては、長時間にわたりまして議論、活発な御意見いただきましてありがとうございました。それでは以上をもちまして本日の基準見直し検討会議は閉会させていただきます。
本日は、本当にお忙しい中、御出席いただきましてありがとうございました。
資料2_「みんなのバリアフリーまちづくり整備ガイドブック」改訂(案)について(PDF:1,518KB)
資料2-1_5年度整備基準改正事項に関する振り返り(PDF:615KB)
資料2-2_整備基準「建築物」に関する改正事項(PDF:727KB)
資料2-3_整備基準「公共交通機関」に関する改正事項(PDF:704KB)
資料2-4_整備基準「道路」に関する改正事項(PDF:363KB)
資料2-5_整備基準「公園」に関する改正事項(PDF:571KB)
資料3_建築物移動円滑化基準の改正に伴う県の対応について(PDF:1,639KB)
※令和6年8月22日 補足資料
このページの所管所属は福祉子どもみらい局 福祉部地域福祉課です。